Rusty Nail ◆hqLsjDR84w



 シャトル発進より、三十分〇〇秒経過。
 突如、足場が安定を喪失。
 音波受信機が、シャトル内に流れるアナウンスを捉える――状況を理解。
 搭乗した発着場の隣接エリア――F-4にシャトルが到着。

 到着から二十四秒経過。
 擬態機能へと生じたエラーの修復が完了。
 推定エラー修復所要時間――三十分十九秒――とのズレ、誤差の範囲と見なして問題なし。
 十分間静止し、シャトルの移動を目撃した参加者がシャトルに侵入するのを待機。
 シャトル内に侵入者が現れることなく十分が経過すれば、状況確認の後にシャトル内の機器へと擬態を開始する。


 ◇ ◇ ◇


 シャトル静止より、十分〇〇秒経過。
 現在、シャトル内に侵入者なし。
 液体金属形態を維持しつつ、外部を確認できる唯一の窓まで移動――参加者らしき物体、確認出来ず。
 窓から確認できる範囲は限定的。シャトルの付近に参加者がいるか否かは、窓からの情報では判断不可。
 だが、十分四七秒の間シャトルに音沙汰がないことから――周囲に参加者が存在しない確率、七十二パーセント。
 スカイネットからの使命を遂行するべく、タイルへと擬態を開始する。
 擬態完了までの所要時間計算――二十五秒。

 スカイネットより与えられし、三つの使命。
 一つ目、『シグマに協力し、このデスゲームを円滑に進めるように行動すること』。
 二つ目、『自身の最終任務の最大の障害、T-800の破壊』。
 三つ目、『シグマウイルスの効果の調査』。

 ――全ての使命を遂行するため、シャトルに乗り込もうとした参加者を確認すれば、まずは攻撃する。

 不意を付かれて倒れる程度の参加者は、シグマウイルスを流し込むに値しない。
 流し込んだところで、『効果を調査する』前に他の参加者に破壊される確率――七十七パーセント。
 ならば、『円滑に進める』ために破壊したほうがベターと判断。

 ――不意打ちで倒れることのなかった参加者とは暫し交戦。実力を見計らい、シグマウイルスを流し込むか否かを判断する。

 シグマウイルスを流し込むのは、『スペックが高いもの』であるのがベターだ。
 スペックが高いものがシグマウイルスに侵されれば、『デスゲームは円滑に進む』。
 それがT-800を凌駕するスペックであれば、『T-800の破壊』を完遂する可能性も高まる。
 何よりスペックが高ければ高いほど、他の参加者に破壊される確率は低くなる=より遅くまで破壊されずに残り続ける。
 『シグマウイルスの効果の調査』には、シグマウイルスを注がれた参加者がより長く行動せねば、多くのデータを取得することが出来ない。
 また、もともとは『バトル・ロワイアルに乗り気でない参加者』にシグマウイルスを流し込むほうが、『デスゲームは円滑に進む』。

 以上より、三つの使命完遂のためには――『スペックが高く』、『バトルロワイアルに乗り気でない』参加者にシグマウイルスを流し込むのが、ベストと認識。

 思考完了と同時に、擬態開始より二十五秒経過。
 構成速度、耐衝撃性、ともに後遺症なし。
 制限を抜けば万全。シャトルに来たる参加者を待ちうける。


 ◇ ◇ ◇


 擬態完了から、一時間三十七分五十七秒経過。
 未だ侵入者なし。問題なく擬態続行――ERROR! ERROR!
 液体金属に異変。
 擬態すべきタイルと異なる液体金属本来の色へと変色。
 優先行動変更、状況判断を最重要行動方針とする。
 液体金属の形状へと戻り、七秒ほど思考――理解。

 ――エラーは擬態能力だけでなく、形状維持能力にも同様に発生していた。

 物陰へと流れ込んで、身体を隠す。
 擬態能力を使うことなく、液体金属の状態でエラー修復に専念する。
 エラーは、城茂との戦闘により発生したものと同種と認識。
 ゆえに、エラー修復への推定所要時間計算――一時間二十二分〇〇秒。


 ◇ ◇ ◇


 形状維持能力のエラー修復開始より、一時間二十二分〇七秒経過。
 推定時間との微弱なズレは誤差と見なして問題――あり。
 推定所要時間とのズレが生じたのは、今回で三度目。
 シグマからの制限による影響である可能性――計算不可。しかし、低くはない。
 認識できないエラー――計算に誤差が生じるという類の確率が高い――が、生じていると推測。
 エラーを完全に修復する方法を思考――シグマに見せられたバトルロワイアルの会場の見取り図にあった施設、修理工場。

 『修理工場に向かいエラーを修復』、『この場に留まり参加者を待つ』、どちらを優先するかを思案する。

 修理工場にエラーを修復できる機器が存在する確率、計算開始――ERROR! ERROR!
 エラー。計算不可。
 判断材料が皆無に等しい。

 いずれ参加者がこのシャトルを使用しようとして入り込む確率、計算開始――ERROR! ERROR!
 エラー。移動手段の支給度合いが不明により、計算不可。
 移動手段の支給が皆無であれば、七十パーセントオーバー。
 しかしこれまで出会った参加者四体中、移動手段を支給されたと判断できる参加者――三体=七五パーセント。
 そのうち二つは触れたものの使用方法がスキャニング不可能だったことより、扱いが困難と認識。
 一つは、スカイネットからの情報にある移動手段。オートバイという類のもの。万人が容易に運転可能。
 万人が使用できる移動手段が支給されている確率、二十五パーセント。
 技術次第で使用できる移動手段が支給されている確率、五十パーセント。
 移動手段が支給されていない確率、二十五パーセント。
 少ないサンプル数だが以上を参考に、いずれ参加者がこのシャトルに入り込む確率を再度計算開始――十パーセント未満。
 シャトルは、隣接エリア――直線距離二キロメートル、通路を使用した場合四キロメートル――に到達するまで三十分を要する。
 オートバイなどの移動手段を所持しているものが、シャトルを使用する可能性は低い。

 スカイネットより与えられし三つの使命を遂行するため、優先すべき行動はどちらか。
 再度少ない判断材料の中、計算開始――完了。
 十パーセント未満の可能性より、未知数な可能性を優先する。
 決定すると同時に、擬態を開始。
 城茂の姿を取れたことから、擬態機能のエラーの修復の完了を確認。
 激しく運動――城茂の姿のまま崩れはしない。形状維持能力のエラーの修復の完了を確認。
 シャトルの扉を開くためのボタンに手を伸ばす。


 エリアF-4のシャトル発着場。
 そこ停車してあったシャトルの扉が、ゆっくりと開く。
 完全に開ききったドアより現れしは、姿は別の参加者を模っているが――過去へと送り込まれたスカイネットの切り札(ジョーカー)・T-1000。
 T-1000は首を回すことで、周囲に動くものがいるか否かを視察する。
 数秒かけて人影が見当たらないことを確認したT-1000は、すぐさま回れ右をして東側へと身体を向ける。
 そのまま別の方向を見ることなく、視線を東側――修理工場の方向――へと向けたままで、T-1000は加速しながら歩んでいく。
 両腕の上腕と前腕より作り出される角度は、ぴったり九十度。つまり直角。
 その両腕を交互に振りながら、足を前に出す速度も少しずつ速めていく。
 所謂、正しい走り方で以って、T-1000は駆ける。

 T-1000の目的地は、修理工場。
 その施設には、T-1000の望む『シグマウイルスを流し込むべき存在』が集まっている。

 さて現在、フォルムを自由にチェンジできるT-1000は、城茂の変身体――仮面ライダーストロンガーを模している。

 T-1000が知る由もないことだが、いま修理工場に留まっている参加者の中には、『仮面ライダー』を恐れるモノがいる。
 その仮面ライダーを恐れる参加者は、仮面ライダーへの恐怖を少しだけだが克服した。
 だが、もしも彼が――仮面ライダーV3の荒治療により、仮面ライダーへの異常なまでの恐怖心を少しだけとはいえ払拭した彼が……
 仮面ライダーの姿をしていながら、平然と参加者達に襲い掛かろうとしているT-1000を目撃すれば、どうなってしまうのか。
 彼の中に眠りし仮面ライダーへの恐怖心は、どうなってしまうのか。
 再度増幅するか、別の感情へと転ずるか、はたまた――、はたまた――、はたまた――――

【F-4 シャトル発着場付近/一日目 昼】
【T-1000@ターミネーター2】
[状態]:仮面ライダーストロンガーの姿、あの独特な走法で疾走中、微弱なエラー?(エラー修復に費やされる時間の推測にズレ)
[装備]:シグマウイルス(残り2回分)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:バトル・ロワイアルが円滑に進むように行動する。シグマとスカイネットの命令には絶対服従。
1:修理工場へと向かい、エラー修復。
2:他の参加者に出会ったら容赦なく攻撃。ただし出来る限り仮面ライダーストロンガーの姿のみを晒す。
3:可能ならば他の参加者にシグマウイルスを感染させる。(『スペックが高く』、『バトルロワイアルに乗り気でない』参加者優先)
4:3が不可能ならば破壊する。
5:ただし、T-800は最終的に破壊する。
【その他】
※シグマウイルスはT-1000の体内に装備させられた状態で存在し、T-1000の体が相手の体内に侵入した際に感染させることが可能。








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