アルレッキーノは自動人形を見ると、つい殺ちゃうんだ☆ ◆Nfn0xgOvQ2



「たあっ!」

一閃―振るわれた剣線は一筋なれど、それを受けた物置が三つに分断されるのは、振るった剣が宝貝であるが故か。

「ここにもいないか…」

住宅街のある民家にて、屋内を探し終えたミーが庭で見つけた物置。
その中に探している女性―ギンガが潜んでいないかと青雲剣を振るったのだが、どうやら無駄骨だった様だ。
サブローと別れてからもミーはギンガの捜索を続けていた、だが成果の方は全く上がらなかった。
あれからさらに数軒の家を捜索したのだが、手掛かり一つ見つからない。
それでもミーは諦める事なく捜し続ける、それが今自分のするべき事だと信じて。
ミーは他の場所を探そうと歩き出すが、途端に膝をついてしまう。
度重なる青雲剣の使用で、ミーの疲労は極限まで達していた。
それでも体に活を入れミーは歩き出す、本郷からの信頼に応えようとして。
探し終わった民家から出て次の民家を目指して歩くミー。

(体が凄くダルイ、少しでも気を抜いたらそのまま寝ちゃいそうだ。けど…)

テレビ局の方からやって来た少女。
テレビ局で何かあったのかもしれないが、今の自分に知る術は無い。
ラミアさんは軍人みたいだから戦闘経験はあるだろけど、ミクにはあると思えない。
フランシーヌも本郷の話を聞く限りでは、殆ど戦闘した事無い様だ。
ラミアさんの指示に従って、何とか撃退してくれたならいいけど。
でも、かなわないと判断して逃げ出しているかもしれないよね。
なら自分や本郷と合流しようとこちらに向かっているかもしれないな、……あの少女がいるかもしれないこちら。
それってまずくないか、もし自分が見つけるより先にミク達があの少女に遭遇したら。


体の部品を撒き散らし、殴られ砕かれていくフランシーヌ。
剣で四肢を切り取られ、最後に首を跳ねられるラミア。
腕のドリルで、原型すら分からない程引き裂かれるミク。
そんな最悪の想像が頭を掠め、その想像の中の映像が自分の母の亡骸に重なる。

かつてのボクは無力な子猫だった。
多少芸達者な所はあったが、無力なのは変わりなかった。

ある科学者の卵が作った遺伝子改造犬・パトラッシュ。
母は自分をそいつから身を呈して守り、八つ裂きにされ殺された。
ボクは母さんの足に縋りついて、ただ震えている事しかできなかった。

鉄人28剛-剛君の作ったロボット。
少しの間だけだったけど一緒に暮らした新しい家族。
けど、ボクの無謀な仇討ちに付き合って、彼は破壊されてしまった。
そしてボクも四肢断裂の重傷をおった。

死にかけたボクを救おうと、剛君はサイボークへの改造手術行った。
その手術完了直前で一度心臓が停止したボク、それで剛君はボクが死んだと思ってしまった。
だから剛くんは自分の仇を討とうした、けど返り討ちにあって右手を失ってしまった。


パトラッシュに剛君が殺されそうになる直前、息を吹き返しサイボークとして新しい体を得たボクは、剛君の元に駆けつける事が出来た。
もし、もう少し息を吹き返すのが遅かったら、剛君は殺されていたかもしれない。

鋼鉄の体と鋼鉄の爪を持ち、剛くんの必死の思いと、鉄人28剛の部品を移植されて蘇ったボクは、パトラッシュなんか相手にならない力を手に入れた。
今じゃ剣や重火器だって扱える様になったし、悪魔のチップで周囲の機械を取り込む事だって出来る様になった。

強くなった。

ボクは強くなったんだよね剛くん?
今度は大切な人を守れるだけの力を、手に入れたんだよね?

なのに守りたい人の命は、ボクのいない所でこの手から滑り落ち様としている。

(ミクもラミアさんもフランシーヌも、誰一人殺させるものか)

思い出したのだ、自分の大切なものを失った時の、怒りと悲しみと絶望を。
だから…

(これ以上ボクから大切な者を奪うというのなら、地に帰ってもらうよ殺人者)

『殺し合いに乗った人物が皆、悪党とは限らないさ』

確かにそうだ、大切な人・守りたい人がいたら、どんな事をしてでも守ろうとする人は必ず出てくる。
仮に剛くんが巻き込まれていたら、ボクだって剛くんを生き残らせる為に殺し合いに乗るかもしれない。

殺し合いに乗った人物が、皆外道の類ならなにも遠慮はいらないさ。
でも誰かを守る為に殺し合いに乗った人物であったら、ボクはどうしたらいいんだろう。

殺すのか、殺さないのか。できれば殺したくはないとミーは思う。
だが相手を殺さなければ、ミク達が命の危険に晒されるかもしれない。

ミク達だけじゃない、自分がその殺し合いに乗った人物を見逃したせいで、他の力無い参加者が殺されるかもしれない。
だからきっと本郷は決断したのだ、守るべきものの為に相手を殺す事を。

今でも耳に残っている。戦いを止めようと提案する本郷の意見に耳を貸さず、戦い続けようとする少女。
その時の苦渋に満ちた本郷の声を。

殺す事を望んでいる訳ではない、だが殺さなくては守れない人がいる、だからその相手を殺す。
それはある意味で、守りたい人の為に殺し合いに乗った人物と同じ行動。
ただそれだけならば…

だから本郷は相手に問いかけた、なぜ殺し合いに乗ったのか、戦いをやめないか、と。
ただ相手を殺すだけなら、それは殺人者とあまり変わらない。
だが相手の目的や思いを聞けば、協力できるかもしれない説得できるかもしれない。
だからミーは決意する。

もし殺し合いに乗った人物にあってもできる限り説得する、それでも駄目なら……覚悟を決めよう。
悪いのは彼らでは無くシグマなのだから。

新たに決意を固め、ミーは少女の捜索を再開する。
しかし、今のままだといくらなんでも効率が悪るすぎる。
だが他に手がなかった。

そこでミーはふと思い出す。

……そういえば、残りの支給品は何だったっけ?
何か探索に使えそうな物はなかったかな。
駄目だ、少し頭がボーッとしてきて思い出せないや。

ミーはPADを取り出すと、再び自分の支給品を確認する。
だが、支給品の中にはミーの期待する様な物はなかった。

そうだった…、一つは楽器で戦闘にも探索にも使えない、っていうか使ってたら相手が逃げるだろうし。
もう一つは武器で、さっきの戦闘では使わなかったんだよな。
説明を読む限りでは飛び道具だろうし、接近戦になってたしね。
…って解説している場合じゃないよね、はぁ。

溜息をつき、落胆して俯き肩を落とすミー。
だが直に顔をあげ気合いを込めて叫ぶ。

「僕がしっかりとあの女の子を捜さないと、本郷さんが安心してミク達の所に行けないんだぁー!」

気を取り直して捜索を再開しようとするミー。
だがその視界が不自然に歪んでいく。
さらに体中の力が抜けていき、立っていられなくなる。

(あれ? なんで力がはいら……)

そのままミーは、地面にうつ伏せに取れてしまった。
とうとう体力が、精神の限界を超えたのだ。
今まで気力で何とか支えてきたが、その気力に体力が追い付かなくなってしまったのだ。
ミーの意識は本人の思いと裏腹に、深く深く沈んでいった。

■■■■■

「…随分と遅くなってしまったな」

C-3で轟音を聞いた時からさらに四、五十分走り続けた、それで漸くC-5の住宅街までたどり着いた。
ここまで来ればソルティやエックス、これだけ時間が経っていれば茶々丸も戻ってきているだろう飛行場まであと僅かだ。

放送の後、殺し合いに乗っているであろう人間―敬介を預けられる人物と、エレオノールを捜す為に少し近場の様子を見てくるだけだったはずが、随分と時間を消費してしまった。
しかも、エレオノールは見つからずに殺し合いに乗った者に襲われ、破壊こそ免れたもののPDAを奪われてと踏んだり蹴ったりの結果だ。
唯一収穫があるとすれば、シュトロハイムという参加者の残したメッセージの裏付けが取れたという所だろうか。

一刻も早くチンクとその協力者の脅威を、茶々丸達に伝えようとアルレッキーノが走り出そうとした時、彼はある懸念事項を思い出した。
アルレッキーノが殺したとしている、エックスと戦っていた男。
チンクの協力者と思われる少女の奇襲を受けた後、あの男がどうなったか定かではない。
少女自身が健在である事から討ち取られた可能性が高いが、死体を確認していない以上討ち漏らしている可能性も否定は出来ない。
ただ現状では確認する術が無い為、悪い方―生存していると考えて行動した方が良いだろうと、アルレッキーノは考える。


あの男の安否は別としても、エックスが起きていてソルティから放送の内容を聞いていれば、二人から何らかの追求があるだろう。
エックスがあの男の名前を知らない何て事が無ければな。

いや、エックスがどうであろうとあの男の事は、自分から言い出すべきなのだろうな。
ここに来るまでに聞いた轟音から察する事の出来る、自分達『最古の四人』よりも格上の参加者。
自分に常時働いている黄金律。
殺し合いに乗った、人間の参加者。
これらの事を踏まえると、自分とコロンビーヌだけでエレオノールを守りきるのは厳し過ぎる。
エレオノールを優勝させるなら、殺し合いに乗っていない人間の参加者も殺さなければならないから、さらに厳しくなる。
シグマ打倒にしても、エレオノールを優勝させるにしても、協力者は必須になる。

ではこの殺し合いの中、本当に信用出来る人物はどれだけいるだろうか。
自分の様に誰かを守る為、あるいは自身の保身―死にたくない故に、他の者を殺してまわる輩もいるだろう。
もしくは殺戮を快楽とする者や、優勝の褒美狙いの者もいるはず。
それらの者が真正面から襲いかかってくればやりやすいが、中には友好を装って近づきいざという時に裏切る者もいる筈だ。
もしくは打倒シグマを掲げつつも、場合によっては優勝する/させるつもりでいる者もいるだろう、私みたいに。

だからこそ、どんな状況に陥ろうと打倒シグマを諦めず、フランシーヌ様を守ってくれる者を協力者にしたい。

そんな協力者として真っ先に思い浮かぶのは、『最古の四人』の同志、パンタローネとコロンビーヌ。
自分を含め、フランシーヌ様に仕える事を存在理由とする彼らだからこそ、どのような状況であろうとフランシーヌ様を優先すると確信出来る。
だが、パンタローネは破壊されコロンビーヌはどこにいるか分からない。

だから二人以外にそれを求めなくていけないが、 フランシーヌ様と何も関係ない人物にそれ求めるのは無理だろう。
彼らにも会いたい者や果たしたい使命があるかもしれない。

私とてフランシーヌ様に仕える事を放棄して、全く関わりのない人物を生かすよう頼まれたら、その人物を叩き殺している。
だからその事については諦めるしかない。

だがその事を予め承知の上でなら共闘は出来る筈だ、私とて極限状態になったらフランシーヌ様を優先した行動を採るのだからお互い様だ。
最もその時、フランシーヌ様が何を望み自分にどの様な命を下すかまでは、予想がつかぬが。
彼女の事だ最後の最後までシグマに抗おうとするのかも知れん、彼女がそれを望むならそれに従うのも良いだろう、今度こそ主の望みに従いそれで最期を迎えられるのならそれは本望だ。
フランシーヌ様のおらぬ世界で、私が存在している理由はないのだから。

さて思考がそれてしまったな、思考を協力者の事に戻そう。
現在協力を得られそうなのは茶々丸、ソルティ、エックスの三人。
彼らとは平時どのような協力関係でいるのが好ましいか。

単純に利害の一致による協力関係。
……これは却下だな。
確かに利害による関係は築き易いという利点があるが、利害が一致しなくなった場合は簡単に切り捨てられ恐れがある。
相手の目的がはっきりしている時はいいが、腹に何か抱えているものに対してはいざとういう時が怖い。
一体何が原因で見捨てられるか、分かったものではないからな。
だがそれでは困る、この殺し合いの中でフランシーヌ様をお守りする為、矢面に立って戦闘を行う私やコロンビーヌの方が、あの御方より先に破壊される可能性が高い。
その後を任せられるものが必要なのだ。

なら信頼や信用による協力関係か。
この様な関係なら、自分が不利になるからと言って早々に見捨てられる事もないだろう。
だがこれにも問題点がある。
この殺し合いという疑心暗鬼に陥りやすい状況下、信頼や信用といったものはちょっとした事で崩れ去ってしまう様な、脆いものなのだろう。
というよりは、私自身がどうやったら信頼や信用を得られるのか、また失ってしまうのか今一理解しきれていない。
いや、信頼や信用といった感情事態を理解しきれていない。

『真夜中のサーカス』においては皆、フランシーヌ様に仕え、笑わせる為に存在していた。
故に信頼や信用などは必要としていなかった、故に理解する必要もなかった。
果たしてそんな私で、信頼や信用による関係を結べるのか。

ならば他の協力関係は……む、不味いな何も思いつかんぞ。
くっ、……所詮心を持たぬ人形の私にはこれが限界だというのか。
こうなれば、相手との利害関係に気を配りつつも、相手に余計な不信を抱かせない様にするしかないか。
となれば、エックスと闘っていた男の事は正直に話し、少しでも不信を少なくするしかないか。

他者どのように協力していくか方針が決まり、アルレッキーノが再び飛行場に向かって走り出した時だった。
最初の一歩目で何か地面では無い、硬い異物を思いっきり踏んでいた。
すぐ足元にあり少し前まで考えに没頭していたせいか、うっかり見落としていた様だ。

うつぶせで倒れているそれは、猫……型の自動人形の様だった。
明らかに金属と分かる皮膚に、額にMのマーキング。
小さな子供ぐらいの体躯に、肉球を模した手足。
手に長剣とPDAを(どうやってかはよく分からないが)握っているから参加者……か?
まだ『しろがね』共の使う人形だと言われた方が、納得出来るが。
まあ、フェイスレス様なら完全な猫型の自動人形を、気まぐれで作っていてもおかしくないか。
そして、後頭部にくっきり残った足跡。どう考えても人間ではあり得まい。

しかし、放送の直後にはこの辺りで戦闘が行われている様子もなかったし、こちらに戻ってくる時もそんな様子はない。
となれば、私がDー4の飛行場辺りに行っている間に行ったのか?
それにしては、辺りに戦闘痕がないのがおかしい。ならば他の場所で戦闘がありそこから逃走してきたのか。

アルレッキーノは、ミーの手から長剣とPDAを取り上げる。
その上で改めて自動人形の状態を調べる。
その自動人形は戦闘をしたにしてはやたら綺麗で、外部に損傷はほとんど見られない。
それなのにどうして倒れているのか、アルレッキーノは不可解でならなかった。

破壊されているのかいないのか、判断がつかない為その事については考えを一時保留する事にした。

目の前の自動人形に注意を向けつつも、アルレッキーノはPDAを調べ始めた。
自分のPDAはチンクの協力者の少女に奪われてしまったから、現在は無い。
武器は無くても戦えはするが、定期的な放送が聴けないと死者と禁止エリアが分からなくなり困る。
逆にいえば今困っている事はそれだけなので、武器についてはあまり期待してなかった。
だが、思っていた以上のものがあった。

この斬撃が増加するという青雲剣も興味深いが、私が愛用していたリュートがあったのだ。
まずは青雲剣をPDAに戻し、さっそくリュートを転送してみる。
ふむ、この装飾、重さ、握り心地、弦の張り具合、リュート内に仕込まれた剣、間違いな
これはいい。このリュートさえあれば私は持てる技を、全て使って戦う事が出来る。
これならば、少々の敵には後れを取るまい。

そういえば私が涼子の為に作った人形は……、残念だ無くなっている。
仕方ない、ここから戻る事が出来たらまた作る事にしよう。
彼女は鳥は好きだろうか、気にいってくれるだろうか。
あの笑顔をまた見てみたいものだな。

いかん、思考がそれた。
彼女の事は戻れてからまた考えればいい。
さて、最後の支給品は……アームパーツ?

バスターとして使用可能。
ただしチャージショットは、通常のチャージショットより威力と貫通性の増加し、プラズマを発生させダメージを与え続けるプラズマチャージショットとなる。

よくわからんな、バスターとはなんだ?
所々の単語から推測して、飛び道具の一種だと思われるが。
どうする、手が塞がるようなら装備しないでおくか?
リュートが使えなくなっては意味がないからな。
まあ一度転送してみるか…。

PDAを操作してアームパーツを転送するアルレッキーノ。
転送すると、黒いこての様な物が装備された。
それと同時に、アルレッキーノに頭にアームパーツの使い方が流れてくる。
その情報に従って、前方に腕を突き出す。
手首の部分が銃口の様な物にかわり、そこから光弾が発射される。
光弾はかなりの速度で向こうの方へ飛んで行く。
次はエネルギーを溜めてから、光弾を民家に向けて放つ。
先程よりも巨大な光弾が民家を貫き、着弾点にプラズマ球が発生し破壊を続ける。

(ほう…、これはいいな)

破壊力もさる事ながら、普段手を塞がない所がいい。
ある意味自分の『緋色の手』と同じ様な武器か。
この状態でも『緋色の手』は使える様だから、状況に応じてこのアームパーツと使い分ければいいか。

バスターの威力に感心していたアルレッキーノは、がらがらと傍の民家が崩れる音ではっと我に返る。

視線を猫型の自動人形に移し、様子を伺う。


支給品の方も一通り確認し終わったが、この自動人形はまだ起きる様子がない。

(今の内に始末しておくか…)

アルレッキーノはリュートから剣を引き抜くと、それを振り上げた。

☆☆☆☆☆

一閃、二閃、三閃、アルレッキーノが剣を振るう度に、目の前の自動人形が小さくなっていく。
銀色の返り血、疑似体液を少し浴びながらもアルレッキーノの表情は少しも変わらない。
フェイスレス側の自動人形は破壊する、それはあらかじめ決めていた事。
躊躇いも罪悪感も無い、何故なら奴らはエレオノールの敵だからだ。
彼女の敵は私の敵。
破壊する事に何の迷いが生まれようか。
さて、ソルティ達の元へ急ぐか…

【ミー@サイボーククロちゃん 破壊確認】

☆☆☆☆☆

そうやって、目の前の自動人形を破壊した時の事を想像してみる。

(ふむ、このまま破壊しても特に問題は無いな。だがまあ…)

アルレッキーノはそのまま剣を振り下ろそうとして…やめた。

このままこの自動人形を破壊するのはたやすい。
仮に破壊した場合、その後の私の行動をトレースしても……何も問題は見つからないな。
なら何故攻撃をやめたのか?
まずは目の前の参加者が、自動人形と決まった訳ではないからだ。
自動人形以外の参加者がいるのは既に確認済みだ。
しかし自動人形なのか、違う存在なのか確かめる術が私にはない。
だからその辺りの事については、結論を保留しておく。

仮に自動人形であった場合、相手が気がつき次第襲いかかってくるだろう。
自動人形ではなくても、相手が殺し合いに乗っている場合もだ。
だが、相手のPDAを取り上げ支給品は私の手の中、武器を奪い相手の戦闘能力を減少させる事に成功している。
さらに相手の支給品の中には、私の愛用していたリュートがあった。
戦闘において、やはり使いなれた武器があると無いでは大きく違う。今の私は黄金律の事さえ除けば全力で戦えるのだ。
今なら簡単に負ける事は無いだろうと、アルレッキーノは判断した。

このまま飛行場に連れていけば四…いや、三対一。
さらに目の前の参加者の勝率が低くなる。
だからそれ程脅威があるとは、アルレッキーノは考えていない。
この位のリスクなら、十分対処可能範囲内だ。


(だが念には念を入れておくか…)

アルレッキーノは右手でミーの頭を鷲掴みにした、いつでも零距離で『緋色の手』をたたき込める様に。

(後はこの参加者がどれだけ有益な情報を持っているかだな)

この殺し合いが始まってから既に十時間近く経過している、流石にまだ誰にも出会っていない参加者はいないだろう。
だからこの参加者の出会った人物の情報が欲しいのだ。
何かフランシーヌを探す為の手掛かりを得られるかもしれない為田。
目の前の参加者は誰かと戦闘していた様だから、誰にも合って無いという考えは杞憂だろう。
ならこの参加者は誰と戦った? いやどんな参加者とか…
その参加者が、本当に殺し合いに乗っているかどうかはさておいても、容姿と様子だけでも聞ければ、今後その参加者に遭遇した時の対処の指針になる。

(協力者は多いに越した事はないしな)

だから今はまだ破壊しない。
フランシーヌにとって害になると決まってないから。
シグマを倒すなら戦力は一人でも多い方がいい。
何せシグマは、自分や鳴海を上回る実力の持ち主、あるいは部下を持っている筈なのだ。
今の状態の自分一人では、かないようがない。
エックス達と合流しても、まだ不十分だろう。
だからこの参加者が、殺し合いに乗っているか確認する必要がある。

しかしこの参加者が殺し合いに乗っており、少しでもフランシーヌ様を傷つけていたなら…

ミシミシとアルレッキーノの右手、いやミーの後頭部から音がする。
フランシーヌを傷つけてられる所を想像したアルレッキーノ。
怒りの為か、知らず知らずの内に右手に力が入り、ミーの後頭部がその圧力に悲鳴を上げる。


(もし貴様がフランシーヌ様を傷つけていたならば、…容赦はせんぞ)

殺し合いに乗るものは容赦はしない。
それこそ想像の中で破壊した様に細切れに、いや細切れにした上で焼き尽くしてやる。
それは主であるフランシーヌを守る為、彼女を傷つけるものは一切の躊躇も躊躇いも無く
破壊していく。
そこに罪悪感などは無い、すべてはフランシーヌ様の為に。
そうやって彼は長い時間、己の歯車を回してきたのだから。

「茶々丸達の元へ急ぐか…」

右手に機械猫をぶら下げながら、アルレッキーノは駆け出した。


【C-5 北部 住宅地/一日目 午前】

【アルレッキーノ@からくりサーカス】
[状態]:全身が焦げている。全身に中程度のダメージ、七分袖
[装備]:リュート、アームパーツ
[道具]:支給品一式、PDA(ミー)、青雲剣 [思考・状況]
基本思考:エレオノール(フランシーヌ人形)を生還させる。出来れば自分や茶々丸も共に脱出したい。
1:一旦エックスとソルティのもとに戻り、チンクとドラスの危険性を伝える。
2:その後、茶々丸とも合流。チンクとドラスの危険性を伝える。
3:男(敬介)の事をエックスとソルティに正直に話し、できる限り不信を招かない様にする。
4:猫型の自動人形が目を覚ましたら話を聞き、フェイスレスの作った自動人形なら破壊、違うのなら協力を求める。
5:音源にいるであろう参加者と接触。フェイスレスの作った自動人形ならば破壊したいが、今の戦力では……
6:エックスとソルティ以外にも、信頼できる人物にチンクとドラスの危険性を伝える。
7:フェイスレス側の自動人形は積極的に破壊する。
※名簿の『フランシーヌ人形』はエレオノールの事だと思っています。
※この殺し合いに参加している自動人形には、白銀とフェイスレス以外の何者かが作った者もいるのではと考えています。
※シュトロハイムとゲジヒトを、ナチスがあった時代に作成されたナチス製の自動人形であると思っています。
※チンクは殺し合いに乗り、シュトロハイムを殺害したと思っています。
※ロボットの事を「自分の知っている自動人形とは違う作られ方をした自動人形」と認識しました。
※茶々丸と情報交換しましたが、完全には理解できていないようです。
※制限に気付きましたが、『フェイスレスが何かしたに違いない』と思ってます。
※アルレッキーノが聞いた音は、超電急降下パンチと超電子ドリルキックによるものです。
※アームパーツが『緋色の手』にも効果があるかは、後続の書き手にお任せします。

【ミー@サイボーグクロちゃん】
[状態]:疲労(極大)、気絶、後頭部に足跡
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本思考:殺し合いには乗らない、打倒主催
0:……
1:襲ってきた女(ギンガ)を探し、撃破する。
2:シグマ打倒の為、仲間を集める。
3:風見、敬介、茂と合流。
4:クロとは合流したいと思う反面、彼に剛の事を暴露されるのではと恐れている。
5:本郷に対し、少々の罪悪感。
※なんでも切れる剣、ガトリング等の武装は没収されています。
※悪魔のチップの制限については後続の書き手にお任せします。
※茂は殺し合いに乗ってしまった相手を、止む無く殺してしまったと判断しています。
 彼に対する警戒心は完全に消えています。
※本郷と情報交換をしました。
 ただし、自分をサイボーグにした剛が世界制服を一時期目論んでいた事。
 クロが本郷と同様の理由でサイボーグになった事は話していません。
※ハカイダー(名前を『サブロー』しか知らない)は、バトルロワイアルに乗り気でないと思い込んでます。


【支給品紹介】

【リュート@からくりサーカス】
アルレッキーノが愛用しているリュート、中に剣が仕込まれている。楽器としても普通に扱う事が出来る。
アルレッキーノはこのリュートを用いて諧謔曲「神をたたえよ」を放つ。

【アームパーツ(プラズマチャージショット)@ロックマンX4】
バスターとして使用可能。
チャージショットは貫通性が増加し、敵に当たった場所にプラズマを発生させダメージを与え続けるプラズマチャージショットになる。
特殊武器の溜め撃ちは可能。
ただし『緋色の手』や『リボルバーギムレット』等、元々腕に内蔵されている武器に効果があるかは不明。


時系列順で読む



投下順で読む



098:DRAMATIC IRONY ミー 113:待ち人来らず? ならば往くのみ!!
095:聞こえた アルレッキーノ 113:待ち人来らず? ならば往くのみ!!





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