涙の証明(中編) ◆2Y1mqYSsQ.



 ウフコックの鼻に届く臭いは薬物、狂気、禁断症状に苦しむ苦痛、誰かに会えないことによる焦燥、死を求める空虚な臭い。
 カトル・カールの殺人集団に負けないほどの狂気と戦闘技術を、目の前の敵サイボーグに感じ取った。
 刀まで使うのが、最強の敵フリントを髣髴させている。今の自分ならどこまで通用できるか?
 分からないが、素子を死なせる気はウフコックにはない。もう二度と仲間を喪うのはごめんだ。
「草薙さん。あの刀が厄介だ……殻をまるでシーツのように簡単に切り裂いた」
「切れ味という点じゃ、そこら辺の刀じゃ比較にならないわね」
 ウフコックと素子が敵サイボーグを分析するが、一見したところ攻める余地がない。
 攻守に長け、銃弾の効果が薄い。いったい、ウフコックはどの武器へと変身【ターン】すればいいのか思考する。
 敵のサイボーグは銃弾じゃ止まらない。刀はもう振りかぶって、間合いに入りかけている。
 なら…………
「ウフコック……?」
「俺が知る……最強のサーベルだ」
 フリントが使ったサーベルを再現し、ウフコックの意図を悟った素子が刀を受け止める。
 黒炭色の刃と、虹色の刃が火花を散らして交差した。素子が距離をとり、敵サイボーグを見据える。
「剣の腕前は向こうが上よ」
「急場しのぎにしかならない、ってことか」
「ええ……だから頼みを聞いてくれないかしら?」
 素子がウフコックだけに聞こえるほどの声量で作戦を伝える。ウフコックは了解の意を伝え、狙いを定める。
 素子の指示は単純だ。それゆえに、タイミングとウフコックのイメージが重要になる。
「俺はその武器の外見イメージを聞いただけだが……問題ない。成功させる」
 ウフコックの力強い声に、素子が頷いた。金色ネズミの有用性、得と味わえ。
 ウフコックは心の中で、目の前の敵へ挑戦状を叩きつけた。


 クロは武美を連れて、エックスを射撃で牽制する。一度に三発放てるとはいえ、アポロマグナムは連射に向いているとは言いがたい。
 四方をコンクリートで囲まれた、人が四、五人一度に行き来できるであろう広い通路の向こうにドアがある。
 ドアノブに手をかけている手間も惜しい。クロはアポロマグナムに付属しているサーベルでドアを切り裂き、リラクゼーションルームへと入った。
「武美、向こうの倉庫のほうに隠れていろ!」
「で、でも……」
「あいつを追っ払うには震えているお前は足手まといなんだよ! 森でやりあった女の時の様にはなりたくないだろ!!」
「う、うん……。クロちゃん……」
「安心しろよ」
 クロはエックスへと銃弾を放ちながら、いつものニヒルな笑みを武美に向けた。
「破壊のプリンス、クロちゃんだ。あいつなんかには負けはしねえ!!」
 戦って確実に勝てる相手というわけではない。逃走劇で交わした手は、常にクロの命を奪いかねない物ばかり。
 それでも、クロは笑う。あんな奴には負けはしない。理由は分からないが、ちびっ子のヒーローの座を捨てた男にと。
 通路の先から、クロの弾丸を避けきったエックスが姿を現す。白いアーマーにバスターを構える姿は正統派ヒーロー。
 表情だけは見た子供が泣き出しそうな、鬼のような形相だが。
「イレギュラーを……破壊する!」
「イレギュラーね。傍から見ると、悪党はそっちのほうだぜ? 元ヒーロー」
 クロの皮肉気な呼び声がゴングとなり、エックスとクロは同時に飛び出した。


 刀同士がぶつかり合い、火花が大きく散る。ホールの中央で素子は敵サイボーグの刀を受け止めたのだ。
 この時を素子は狙っていた。あらかじめ送っていた指示通り、ウフコックが変形する。
「ッ!?」
 敵サイボーグの息を呑む様子が見て取れた。一瞬で持ち直すのは、さすがプロだと素子は認める。
 しかし、ウフコックとの協力で得た一瞬を無駄にする気はなかった。
 ウフコックが変身した姿。それは刀身一メートルと長めの十手。敵サイボーグの刀を絡め捕らえて離さない。
 本来の十手とは多少異なるが、ウフコックの変身【ターン】は軽く説明した素子のニーズに充分応えれるものだった。

「うおぉぉおおぉぉぉぉぉおぉぉぉぉおぉっ!!」

 素子は全身の力を振り絞り、敵サイボーグを壁に叩きつける。目的はそれだけではない。
 十手となったウフコックの先端を壁につけて、梃子の原理で敵サイボーグが持つ刀を弾き飛ばした。
 宙に舞う敵の刀に素子は視線を向けず、踏み込みながら左拳を敵サイボーグの脇腹に叩き込む。
 くの字に折れるサイボーグ。しかし、素子の頬にも重い衝撃が走り、思わず後退する。
 銃弾よりも効果的だったらしい。敵サイボーグはよろめきながらも、数秒かけて体勢を整えた。
 刀が壁に刺さり、素子はそれを背に回収作業を妨害する。それに気づいた敵サイボーグは両拳を前に構えた。
 素手でやりあうつもりなのだろうか? 好都合。素子も構えをとって対峙する。
 無言で対峙する二人に振動が届いた。どこか爆発したらしいが、反応を示せば死ぬのは自分だと互いに感じている。
「草薙さん、素直に敵の挑発に乗るのはオススメしない」
「本来ならね。けど、銃より素手のほうが効果あった。クロのときもそうだったでしょう?」
 そうか、とウフコックは呟いて口出しをやめる。敵サイボーグは、素子との距離を一瞬で詰めて拳を振るった。
 素子は右腕で横に跳ね飛ばし、足を払う。その蹴りを敵サイボーグは身軽な動きで後方に跳び、間合いから逃れた。
 格闘技も一流。男性型義体により、力も素子を上回っている。もっとも、勝てない相手ではないが。
 次をどう攻めるか。冷静に何手も構築していく素子に通信が入った。
『草薙さん、草薙さん! 聞こえる、クロちゃんが……クロちゃんが……』
『落ち着いて広川さん。現状は?』
『爆発が起きて……吹っ飛んじゃって……』
 おそらく、エックスの手による物だろう。先ほどの振動はこれか。
『広川さん、私は今敵と交戦中で助けにいけない。だから、ウフコックを行かせるわ。あなた、射撃制御プログラムは入れている?』
『射撃制御プログラム……?』
『そう、なら今渡しておく。一発くらいなら、狙いをつけれるでしょう』
『草薙さん……』
『大丈夫よ。ウフコックは頼りになるわ』
 もっとも、クロが生きていない限り、ウフコックは宝の持ち腐れだろうが。
 素子はウフコックに、武美たちの援護に回ってほしいということを小声で伝える。
 ウフコックは一瞬反論しようとしたが、すぐに黙って金色ネズミの姿に戻り、クロたちがいると思わしき部屋へ向かっていく。
 それでいい。敵サイボーグが動くかどうかも観察したが、敵を前にして隙を出すほど愚かではなかったようだ。
 ただ二人の間に重い空気が流れる。最初に動いたのは、グレイ・フォックスだった。


「おおぉおぉりゃあぁぁぁぁぁ!!」
 素子が光学迷彩を破られたと同時刻、クロは勢いに任せてアポロマグナムの銃弾をところ構わず叩き込んだ。
 弾切れの心配もあったが、弾薬を撃ちこむ手を緩めればエックスの鋭いエネルギー弾がクロを切り裂くだろう。
 リラクゼーション室にあった椅子も灰皿も、クロとエックスの撃ちあいでもはや原形を留めていない。
 高速移動を続けていたエックスが、地面を蹴って宙に浮く。クロはようやく隙ができたと判断して、アポロマグナムの引き金を引いた。
 だが、クロの放った弾丸は、エックスが身に纏ったエネルギーによって阻まれる。フットパーツのフリームーブによって出来たエネルギーの塊だ。
 そのエネルギーがクロの銃弾を焼き、エックスは突進してくる。振り下ろされたエックスの右拳を、クロはアポロマグナムで受け止めた。
 衝撃でクロの小さな身体が吹っ飛び、壁に叩きつけられる。バスターやアポロマグナムの銃弾でもろくなった壁は崩れて、隣の部屋へとクロは落ちていった。
 金網上の床で跳ねるクロの耳に、武美の悲壮な声がかかる。
「クロちゃん!!」
「馬鹿、出てくるな! 引っ込んでいろ!!」
 クロの忠告は無駄だ。エックスはすでに出てきた武美を目撃している。武美が死ぬ。
 クロの中で嫌な感情が湧き出るが、意外にもエックスは武美には構わなかった。ホッとする反面、疑問も持つ。
「おい、なんで武美を無視した? まあ、その方がオイラにとっても好都合だけどな」
「…………彼女は戦っていない。イレギュラーは戦う奴らだけだ」
 搾り出すように告げるエックスは、クロの銃弾が届いた胸元を撫でた。よく見ると傷が出来ている。あのエネルギーは完全にクロの銃弾を焼ききったわけではないらしい。
 それは制限からくるものであったが、エックスもクロもこの時点では知ることはない。クロとしては息を整えるための時間稼ぐため、さらに会話を続けた。
「だとしたら、お前も立派なイレギュラーだな」
「ああ、そうさ。俺も……イレギュラーだ!」
 クロはニヤリともしない。エックスがチャージを終えたバスターを撃つ。
 クロは金網の柵から柵へと飛び移り、襲い掛かる光弾を避けた。なぜか分からないが、クロはイライラしている。
 悲壮感に満ちたエックスの表情が気に障ったのか。エックスが自分を嫌悪している声色に嫌悪したのか。クロ自身でも答えは出ないだろう。
「おい、おまえ自身もイレギュラーだとしたら……イレギュラー全員を倒してどうする気だ?」
「…………イレギュラーなんて認めない。俺は……認めない!」
 会話になっていないようなやり取りだったが、クロはエックスの答えを知った。彼がイレギュラーと断定した存在を消し、最後に自分を殺すのだろう。
 怒りがクロに駆け巡る。まるで自殺の付き合いのようなものだ。自殺するなら、自分一人でやれと吐き捨てたかった。
 クロは静かにアポロマグナムを向ける。直情的な彼にしては珍しく、嫌悪をエックスへと叩きつけなかった。
 その分秘めた怒りは凄まじかったが。
「あ~、ミー君といい、お前といい真面目な奴は切れると怖いっていうが……」
 ギン、とクロは半眼になってエックスを睨む。エックスの鬼の形相を視界に入れながらも、怯みはしない。

「言っておくが、オイラも怖いぜ? ブチ切れたらな!!」

 言葉と同時に、アポロマグナムから三発の銃弾が放たれる。エックスの通常弾と撃ち合い相殺した。
 クロが牙を向けながら、エックスの顔面へと拳を叩き込む。エックスは転がって、金網状の床でうつ伏せに身体を震わせた。
「立てよ。オイラの拳はこんな物じゃねえぜ」
「…………ッ!?」
 エックスは無言で立ち上がって、あきらめずバスターを向ける。クロも再びアポロマグナムをエックスに突きつけた。


 クロとエックスは互いに撃ち合い、体力と装甲を削りあう。的が小さくなるクロを相手に、エックスは不利を感じていた。
 小さい身体に似合わず、クロは怪力の持ち主であり、格闘もエックスに引けを取らない。
 その上、彼が使うサーベルと銃口が三つ付属している武器は、サーベルの切れ味も銃弾の威力も無視できない。
 フリームーブで発生するエネルギーで威力を軽減しなければ、一撃でエックスが吹飛んでいてもおかしくなかった。
 慎重に動かなければ、目の前の特A級ハンターに匹敵する敵は倒せない。
(敵……か)
 まだ迷いがあるのだろうか? エックスに答えを知るすべはない。
 ただただ、目の前のイレギュラーを倒す。エックスは周囲を注意深く観察する。
 複雑なトラップを仕込んだ敵基地を潜り抜けたのは、エックスの観察力が大きい。
 その観察力をフルにして、目の前のクロを倒す。金網状の床を蹴っていくと、大きな機械を一つ見つけた。
 メーターと配電盤が電気回路を制御している。予備の小型発電機なのだろう。
 エックスはクロへと再び視線を向けた。
「ちょこまか逃げてんじゃねえ!」
 クロが叫ぶが、それはエックスの台詞だ。宙に浮き、再びフリームーブのエネルギーで宙を駆ける。
 クロはアポロマグナムを向けて、引き金を引こうとしていた。予想通り。そのままフリームーブのエネルギーを切る。
 落下と同時に頭上を弾丸が通り過ぎた。姿勢を低くして、ダッシュでクロへと迫る。
 クロは慌てて銃口を修正しているが無駄だ。エックスの腕がクロの首元に届いた。
 苦しんでいるクロをそのままフルスウィングで、小型の発電機へと投げ飛ばす。
「ニャアァアアァアアアァァァァッ!!」
 電気でショートしてクロが叫んでいる。追撃を加えるべく、チャージを終えたバスターを放った。
 砕けろ……と。

「クロちゃぁぁぁああぁあぁぁぁぁん!!」

 武美が叫ぶ。人間なのか、レプリロイドなのかはエックスには関係ない。
 目の前のクロを殺すということは、彼女を傷つけるということだ。着弾、そして小型の発電機が爆発する。
 建物全体が揺れており、もう一組のイレギュラーにも届いただろう。逃がしはしない。
 冷酷な意思でエックスは振り返る。アポロマグナムが握られたクロの右手が、エックスの眼前に落ちた。
 殺した。戦っているものを、自分の意思で。
 罪がエックスに圧し掛かる。自分で選んだ結果だが、なんど経験しても後味の悪さは消えない。
 忘れるべきではないとも思う。それでも……Xの時よりも、KOS-MOSの時よりも、あ~るの時よりも、バロットの時よりも、引き金が軽くなっていくのが恐ろしかった。


 虹が壁に突き刺さり、回収させないよう立ち塞がる素子を前にして、グレイ・フォックスは両拳を前に掲げた。
 PDAを使おうとすれば、即座に攻撃に入るだろう。別の武器を取り出したり、虹を再転送する暇は与えてくれそうにない。
 だからといって、グレイ・フォックスに他の武器を取り出したり、虹を手元に戻す気はない。
 戦いの基本は格闘にある。無手においてもグレイ・フォックスは戦場を駆け抜けれる。
 素手においての戦いを、グレイ・フォックスは神聖視していた。素子が武器へと会話している。
 なにを話しているか、興味はない。再び武器へと変えるのなら、その隙を突く。グレイ・フォックスが全身に力を入れていると、武器は金色のネズミへと変身した。
 そのまま素子から離れていく。グレイ・フォックスは素子に対し評価を改めた。
 素子が武器よりも素手で戦うのが効果あると判断したのか、素手で戦うのが礼儀だと思ったのか、あの変幻自在の武器を手放さないとならない事情があったのか、グレイ・フォックスには興味はない。
 ただ相手は素手での戦いに突入する構えを見せた。戦いの基本を心得ている。
 ならばその戦士に全力で応えるのみ。グレイ・フォックスは固められた床を蹴って、素子との距離を詰める。
 ジャブを一発牽制に入れる。素子は上体を反らして避けた。そのまま逃がすほどグレイ・フォックスの格闘術は甘くはない。
 左足を軸に、右足で弧を描き素子へと叩き込む。素子は右腕でグレイ・フォックスの回し蹴りを受け止めて、僅かな距離を回転して縮める。
 回転の勢いも借りた肘打ちを、グレイ・フォックスの鳩尾へと叩き込んだ。苦痛がグレイ・フォックスの身体に走る。
 甘美。酔いしれるままに素子の腕を掴み、強引に壁へと投げ飛ばした。
「ぐ……っ!」
 呻く素子は体勢を整えながらも、渋面を作る。グレイ・フォックスは疑問に思ったが、脇で光る虹が視線に入り理由を知った。
 馬鹿なことだ。グレイ・フォックスは素子に見えるように手持ちのPDA全てを、虹の傍に落として拳を固める。
「格闘マニアか? 襲撃者」
 素子が挑発してくるが、乗りはしない。相手はこちらの隙をうかがっているのだ。
 グレイ・フォックスの肌がピリピリする。命を懸けたやり取りに、手ごわい相手。
 僅かだが、グレイ・フォックスの精神が高揚する。いいだろう、相手をしてやる。
 グレイ・フォックスは構えを解いて無防備となり、素子へと悠然と歩いていった。


 素子は無防備に迫る敵サイボーグに疑問を持つ。あえて武器を捨てた酔狂な相手だと思ったが、これは予想外だった。
 こちらの攻撃を打たせて、後の先を取る戦法だろうか? そうであるなら、先ほどの睨み合いはおかしい。
 敵サイボーグはもうこちらの間合いに入っている。考えている暇も与えてくれないのか。
 素子は右足で敵サイボーグの頭を蹴る。敵がのけぞり、素子は無防備となった胸元へと入った。
 そのまま全身で身体にぶつかる。流れるような一撃。常人なら即座に崩れている本気の一撃だった。
 なのに……敵サイボーグは笑っていた。低く、静かに。そこで始めて、素子は敵の声を聞いた。
(痛覚を切っている? いや、そんなはずはない。痛覚を切っているなら、こちらの攻撃に震えたりはしない。マゾヒストか?)
 半ば本気でそう思考するが、結論を出している暇はない。左フックを放ち、動きを牽制しようとするが敵の手の平で受け止められた。
 敵サイボーグの握力が凄まじい。素子の義体であるはずの左手が軋みを上げる。
 素子は敵サイボーグの足を踏みつけ、脱出して距離をとった。敵サイボーグは体勢を整えた素子へと突撃をする。
 敵サイボーグの右胸に拳を叩き込むが、素子の喉に敵サイボーグの貫き手が突き刺さる。
 視界が揺れた。まずい。敵サイボーグのつま先が素子の顎に届き、脳が揺さぶられる。
 素子は後方に跳び、続けて敵サイボーグの連打を放たれた。最初に鳩尾と顔面を狙った二発はどうにか捌いた。
 左脇腹、太股、右頬に衝撃が走る。打撃に晒されていた素子に、敵サイボーグが再び拳を振りかぶった。
 ぶれる視界で、素子はチャンスを見つける。敵サイボーグの右腕を顔を動かして避けた。右頬に鋭い切り傷が生まれる。
 敵サイボーグの手首と肘を掴んで、重心のバランスを強引に崩しながら足を払った。敵サイボーグの身体が背中に乗る。

「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 素子の気合を込めた背負い投げ。敵サイボーグをコンクリートの壁にめり込ませた。ひび割れる壁と、倒れる敵サイボーグに鋭い視線を向ける。
 戦いは終わっていない。敵が死ぬか、自分が死ぬか。結末は二つに一つだった。
 敵が立ち上がろうとする。そうはさせるか。素子は立ち上がる直前の敵サイボーグの首を絞める。
 全身の力を駆使して、抵抗する敵サイボーグの首を折らんと力を込める。敵サイボーグの力も並ではない。
 気を抜けば、逆に殺されるのは素子だ。殺す。ただ静かで鋭い殺気を持って、敵サイボーグを締め続けた。


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116:涙の証明 エックス 116:涙の証明(後編)
116:涙の証明 グレイ・フォックス 116:涙の証明(後編)
116:涙の証明 草薙素子 116:涙の証明(後編)
116:涙の証明 クロ 116:涙の証明(後編)
116:涙の証明 広川武美 116:涙の証明(後編)





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