この箱を見ていたら無性に被りたくなった ◆2Y1mqYSsQ.



 快調にサイドマシーンを走らせる凱は、ゼロに放送の時間であることを促され、一旦工場の駐車場へと止めた。
 放送を聴くために凱はPDAを取り出す。ゼロの方を向くと、スクラップ工場のほうへ視線を向けている。
 凱はそこでゼロがハカイダーとの決闘を約束していることを思い出した。
「ゼロ、ハカイダーのことを考えていたのか?」
「……ああ。おそらく、待っていればあいつは確実にここへくるだろうな。だが、俺たちに奴を待つ時間はない」
「……その通りだ。シグマを倒すため、本郷さんに合流しないとな」
 ゼロは無言で頷いた。そのほかにも、ハカイダーを止めて、神敬介の凶行を止めなければならない。
 彼らにはやることが多い。今はとりあえず、放送へと耳を傾けた。


「なに! メガトロン……あいつは生きていたのか!?」
「厄介だな……」
 ゼロと凱が渋面を作り、互いに見合わせる。メガトロン、凱とハカイダーの決闘に割り込み、卑劣な手でチンクの誤解を広めている悪党だ。
 彼が生きているとなると、チンクや風見に敵を増やすことになるだろう。なんてことだ。
(ハカイダー……気をつけろよ! そいつはきっと、お前も狙っている)
 凱はメガトロンのようなタイプは恨みを持ち続け、執拗に狙う性格だと踏んでいた。ならば、自分や風見、ハカイダーに対して復讐を企てているだろう。もっとも、この放送だ。
 ハカイダーも気づいているだろうと、凱は結論つけた。ただ、当のハカイダーは神敬介の相手に興味を注ぎ込み、メガトロンに対して一切意識を持っていかなった。そのことを凱が知る手段はない。
 もう十三人も脱落している。その中には風見の後輩である城茂も入っていた。
「どういうことだ? ナタクが嘘を吐くタイプには見えないが……」
「さあな。ナタク自身から聞き出さないことには、結論を出しようがない」
 ゼロの言うとおりだ。引き返し、彼から聞き出そうと迷っていると、ゼロに止められた。
「あそこにはチンクも風見もいる。あいつらなら、何かしらナタクが企んでいたとしても、対応が出来るだろう。
それに、企みなど苦手なタイプだろうしな」
 それもそうか、と凱は思うが、納得しきれない。ナタクの真摯な態度を疑っているわけではないが、城茂が死んでしまった事実は何か、確認をしたい。
 もやもやとした物を持ちながらも、ゼロが他に優先すべきことがある、と声をかけてきた。確かにその通りだ。
 敵が減っていない。凱は唸りながらも、早めに探し人を見つけるのが良手だと結論をつけた。仲間を信じることもまた、勇気だ。
「ゼロ、行こう」
「…………ああ」
 僅かにゼロの反応が鈍いことに気づきながらも、いつもの調子を取り戻したのを確認して、凱はアクセルを回した。


 ゼロは放送にエックスの名がないことに安堵をし、いずれ合流するだろうと楽観した。
 仮面ライダーの城茂が死んだことが意外であり、ナタクに対して疑心を抱く結果になる。
 また、チンクや風見なら対応できるだろう、というのも本心だ。チンクは向こう見ずなところがあるが、風見のフォローが入れば問題はない。
 ドラスも頭が悪いわけではないため、ナタクでは三人を騙しきれない、と結論をつけている。
(それにしても……ロックマン? なぜだ、この名に俺の身体が昂ぶる)
 知らぬ名。しかし、その響きにどこか懐かしさをゼロは感じていた。
(もっとも、死んでしまってはこの理由を探ることは出来ないのだがな)
 ゼロは寂しそうに、ロックマンの名を頭の中で反芻させた。


 放送を聴き、紺の背広を着ている灰原はサングラスを位置を調整して頭の中に情報を入れる。
 十三人の死亡者。それはすなわち、殺し合いを行なっている性能の高い参加者の存在を示していた。
 その中にロックマンがいるが、灰原は特に反応は示さない。暗闇の中、灰原はここを通るであろう存在を待ち続けた。
 放送時に通らずに済んで助かった。一応、スクラップ工場で確認した位置から、ここまでに来る前に放送は終えると計算はしたのだが。
 灰原はすでにここに向かってくる相手を確認している。隠れているのは、これから自分がすることに二人がどう対応するか知りたかったからだ。
 その結果灰原は死ぬのかもしれない。だが、それならそれでも構わなかった。
 己が命に執着はない。すべては大神のために。灰原は訪れる二人を待ち続けた。


 凱は道路を進み、スクラップ工場の傍を通り過ぎた。二車線道路を走り抜け、サイドマシーンを右折させる。
 右手前にゴミが置かれているが、生活観があるわけではない。やたら積まれている残骸。そしてダンボール。
 何の変哲もない光景だった。ゴミが爆ぜるまでは。
「目暗ましだとッ!?」
 凱が叫び、サイドマシーンをドリフトさせる。サイドマシーンのサイドカーに、ゼロを乗せているはずなのだが、その機動力に衰えはない。
 やはり凄いマシンだ。凱は内心サイドマシーンの性能のよさを褒める。
 サイドマシーンを制御しながら凱は正面を向く。ダンボールから人影が出て、太陽を背に何かを振り上げている。
 凱はサイドマシーンを操るの必死だ。それでも、凱に焦りはない。
 凱の隣にいるゼロが跳び上がり、背中のサーベルの柄に手をかけていた。
 ゼロが影と鍔迫り合い後、反動を利用して退いた。降り立った人影はようやく擬似太陽光から逃れ、姿を現す。
 背広を着た、SPを思わせるサングラスの男。その男は容赦なくゼロへと迫る。
 対するゼロは、
「ゼロッ!? 避けろッ!!」
 一歩も動かず、襲撃者が間合いを詰めた。凱はサイドマシーンの驚異的な馬力にまだ振り回されている。助けに行けない。
 襲撃者が刀を振り下ろした。


「なぜ、こちらが振り下ろさないと分かった?」
 灰原は殺気を込めて刀を振り下ろした。なのに、目の前の赤い鎧の男は避けず、ただ立っているだけだった。
 刃はゼロの首に当たるか当たらないかの微妙な位置で静止している。灰原はスクラップ工場に備え付けられているゴミ捨て場にて、二人の実力を試すためにダンボールに隠れて奇襲したのだ。
 殺気を交えているため、この襲撃が敵対勢力と認識するには充分のはず。
「簡単なことだ。殺気が強すぎる。襲撃前はほぼ殺気がなかったくせに、襲い掛かる時は異常なほど殺気に満ちていた。
まるで、察知して迎撃しろといわんばかりにな」
 筋の通った相手の言い分に、灰原は納得する。相手に生き残って欲しい、戦力を失いたくないという判断のためとはいえ、詰めが甘かったようだ。
 仕込み刀の刃を収め、灰原はサングラスを取る。
「試すような真似をしてすまなかった。俺は灰原。CCRの隊長についている」
 こちらの謝罪に金髪の男は頷いて、ゼロと短く名乗った。


「大まかなところは把握した。ならば俺は修理工場へと向かおう」
「そうしてくれると助かる。俺たちと会った証拠に、このリボンを持っていくといい」
「やれやれ……でも灰原さん、彼らには俺たちにしたようなことは、ごめんだぜ」
 凱の言葉に灰原は頷く。さすがに使える味方と分かっている連中に同じことはしない。
 灰原は彼らから、仮面ライダー、ドラス、チンク、ギンガ、ボブ、エックスなるものが味方だと情報を得た。
 もちろん、仮面ライダーの中でも神敬介という人物は、暴走中であるということもだ。
 ボイルド、スバル、メガトロンなるものは要注意人物。特にメガトロンは誤報も広げているとのことだ。
 情報のかく乱とは、賢い相手だと灰原は思う。戦闘を左右するのは一にも二にも情報だ。
 情報処理能力の高い諜報員が一人いるだけで、組織としての自由度は大幅に上がる。
「ナタク……という男への警戒と城茂の確認も、俺が行なう。ハカイダーとやらの処理に向かうがいい」
「おいおい、俺たちはハカイダーを倒しにいくんじゃない。説得に行くんだ」
「それは……凱、君の感情で決めたことか?」
「感情とは違うな。勇気……そう、俺の心が決めたんだ!」
 二ッ、と爽やかな笑みを凱は灰原へと向ける。この男はロックマンやかつての部下のように、感情で力を爆発するタイプだろう。
 ちなみに、彼らにはロックマンはグレイ・フォックスが殺したと伝えている。
 致命傷を負わせたのはグレイ・フォックスであるため、間違ってはいない。
「ダンボールに隠れるって発想はなかったな」
「支給品の説明に、隠密行動用として被るのが推奨される、とあったからその通りにしたまでだ。
それに、状況さえ整えれば君たちのようにかかる者もいる」
「ああ、あれには驚いた。じゃあ、ドラス君たちを頼む、灰原さん!」
 灰原はああ、とだけ呟いてから頷いた。合流地点は決めている。日付の変わる頃、修理工場へと集合すると。
 その前に殺人者に修理工場を占領された場合は、E-3の軍事基地へと集合場所を変えることも確認している。
 灰原はこの付近に液体金属のロボットがいることを告げて、二人が去っていくのを見送った。
 振り返り、灰原は真直ぐに修理工場へと足を向ける。
(あの二人は、使えるな)
 次は修理工場にいるメンバーだ。灰原は内心、そう呟いた。


 急に灰原は立ち止まり、PDAの画面へと視線を向ける。
(そういえば、このダンボールを使った戦法……なかなか有効だな)
 思い出したように、灰原は自分が手に入れたアイテムについて評価した。


【F-3 西端 道路/一日目 日中】

【獅子王凱@勇者王ガオガイガー】
[状態]:健康、揺るがない勇気、チンクの妹とその仲間の死に悲しみ、サイドマシーンを運転中。
    ナタクに疑問(嘘を言っているとは思っていない)
[装備]:電磁ナイフ@仮面ライダーSPIRITS(右腕に収納)、サイドマシーン@人造人間キカイダー
[道具]:支給品一式、打神鞭@封神演義、グランドリオン@クロノトリガー
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒し、この殺し合いを止める。戦う力を持たぬ者、傷ついている達を保護し、守り抜く。
1:左上コロニーまで行き、そこから虱潰しに全エリアを巡る。
2:ハカイダーを更生し、勇者にしたい。それが不可能ならば、今度こそ倒す。
3:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)と合流。ボイルド、スバル、メガトロン、グレイ・フォックスは警戒。
4:同じ目的を持った仲間を探す。
5:日付が変わる頃、スクラップ工場もしくはE-3の軍事基地へ向かう。
[備考]
※風見、チンク、ドラス(スバルに関すること以外)、ゼロと情報交換をしました。
※Zマスター撃破直後からの参戦です。
※チンクから情報を得ました。
※制限の影響により、グランとリオンは出現する事が出来ません。
※凱が見た村雨の写真は原作五巻に出てきたものです。
※風見を強く信頼しています。同時に勇者と認定。



【ゼロ@ロックマンX】
[状態]:左膝を破損(修復中)、全身のアーマーに大きな傷(修復中)、疲労(小)、エネルギー消費(大)、
    ノーヴェの死に悲しみ、確固たる決意、膏薬と包帯を纏っている、サイドマシーンのサイドカーに乗っている。
    ナタクに疑問(嘘を言っている可能性を考慮)
[装備]:チャージキックの武器チップ@ロックマンシリーズ、カーネルのセイバー@ロックマンX4、トリモチ銃@サイボーグクロちゃん
    プラ膏薬とポリ包帯@ザ・ドラえもんズ、謎の金属片(マルチの残骸から回収)
[道具]:支給品一式 PDA×2(ゼロ、村雨) 不明支給品0~2(未確認)、空っぽの平凡なデイバッグ@ゴミ処理場
[思考・状況]
基本:シグマを倒す。イレギュラーに容赦はしない。
1:左上コロニーまで行き、そこから虱潰しに全エリアを巡る。
2:凱と共にハカイダーを更生したい。更生に失敗して、凱が倒せなかった時は、自分がハカイダーを倒す。
3:ハカイダーに再会できない場合、日付の変わる頃(二日目00:00)にハカイダーと決着をつけるため、スクラップ工場に再度向かう。
4:日付が変わる頃、スクラップ工場もしくはE-3の軍事基地へ向かう(ハカイダーしだいによっては、凱一人を向かわせる)。
5:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)と合流。ボイルド、スバル、メガトロン、グレイ・フォックスは警戒。
6:シグマ、何を企んでる?
7:ドラスの変身能力が気になる。
[備考]
※ノーヴェ、風見、チンク、凱、ドラス(スバルに関すること以外)と情報交換をしました。
※ノーヴェたちを生体パーツを使用したレプリロイド(のようなもの)と解釈しました。
※ノーヴェから時空管理局と平行世界に関する知識を得ました。
※参戦時期はX4のED~X5開始前のようです。
※液体金属が参加者に擬態している可能性に気づきました。
※支給品にゾンダーメタルがある可能性を考えています。
※一~二時間弱で、傷は塞がります。


【F-3 東端 道路/一日目 日中】

【灰原@パワポケシリーズ】
[状態]:打撲
[装備]:リシュウの仕込み杖@スーパーロボット大戦シリーズ
[道具]:支給品一式(PDA)×2、ゆうしゃバッジ@クロノトリガー。ガトリング砲@サイボーグクロちゃん(弾薬三十~四十パーセント消費)
    ダンボール@メタルギアソリッド、大型スレッジハンマー@ジョジョの奇妙な冒険、五光石@封神演義、アトロポスのリボン@クロノトリガー
[思考・状況]
基本思考:シグマとその協力者達の捕獲、不可能であれば破壊して本社に帰還する。
     未知の技術の情報収集、及び回収して大神に持ち帰る。
1:修理工場を目指し、ナタクの真意を探る。
2:アトロポスのリボンで、修理工場組(チンク、ドラス、風見)の信頼を得る。
3:ロックマンやCCR時代の部下のように、感情を力に変える参加者と組む。
4:日付が変わる頃、スクラップ工場もしくはE-3の軍事基地へ向かう(ゼロ、凱との合流のため)。
5:この戦場からの脱出。
6:ダンボールはなかなか使える。
[備考]
※本編死亡後からの参戦です
※T-1000(名前は知らない)の参戦に気付きました。



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114:大切なものを喪う悲しみ(前編) 123:それは些細なすれ違い
114:大切なものを喪う悲しみ(前編) ゼロ 123:それは些細なすれ違い
109:↓↓ ↑ → 灰原 127:真っ黒焦げの凶暴な卵(1)





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