約束――俺の有用性 ◆V9YQ4knn.A


 たとえそれが偽物の色だとしても、今にも落ちてきそうな青空の下、5人――正確には3人と2匹――は東へ向かっていた。
 最早その人となりについての説明は不要だろう。
 ただ、この5人はこの壊しあい――バトルロワイアル――に抗う志を持つ者達である。
 PDAを操作しながら、そのうちの一人の女性――武美が口を開いた。
「このチャフ・グレネードって……」
 クロの残した支給品についてだった。

 通常、チャフというのは金属片であり、主に航空機などでミサイルの無線誘導などを逸らす目的で使われるものだ。
 ばら撒かれた金属片が電波を反射することで妨害する――そんな効用を持っている。
 しかし、このチャフ・グレネードについては違った。
 説明曰く、無線を使用不能にする――これはまだいい。問題はその次だ。
 監視カメラやガンカメラを乱す――これは、どういうことなのだろうか?
 監視カメラがはたして無線なら納得もいくが、これが有線であるなら――通常は有線――不可解だ。
 チャフ本来の働きでは、この効果の説明が付かなくなってしまう。

「もしかしたら、ある一定の電磁パルスが機械を乱すのかも知れない」
 本郷はそう考えた。
 しかし、これが本当ならあるいは、使用した本人も麻痺を起してしまうのではないか。
 これでは本末転倒だ。双方がダウンを起こしてしまう兵器なんてこの場では全く馬鹿げている。
 これを支給することに、何のメリットがあるのだろうか?
 いや、或いはこうも考えられる。
 チャフ・グレネードを用いれば、少なくとも相撃ちに持ち込める。
 本当に進退極まった苦し紛れに使用するか、弱者が強者を巻き込むのか。
 もしくは仲間と組んで利用するか。動けなくなっている間に、仲間が止めを刺すのだ。
 双方が麻痺をしたところに、漁夫の利を狙う参加者が現れる可能性もある。
 こう考えるなら、確かにこれがこの場に存在してもおかしくないと感じられる。
 しかし、それが有効に使用できるかとは別問題だった。
 チャフ・グレネードがミーの腹部に収められた。
 しかし、これを使うような事態は起こらないで欲しいと願うが、いざとなれば自分が足止めし、皆を逃がすべきだ、とも思えた。
 そんな考えを皆はうすうす感じており、皆、そんな「いざ」を起こさないべく行動しようと留意するが、
 やはりそんな「いざ」が起こらないとは言及できず、ミーの気遣いには特に言い出せなかった。


 今更な説明だが、5人はその足で移動している。
 ライドアーマーは流石にこの人数を乗せるには難しい。
 かといって差し迫る状況から悠長に歩けることでもなく、また戦闘に備えて全力で走れるワケでもなかった。
 結局は、早歩きや小走りという結論に落ち着いたのだ。
 だいたい、マップにしてE-8に差し掛かったあたりだった。
 ウフコックが鼻を鳴らした。


「近いな……この臭い。間違い無くやつはこちらに近づいている。薬物、狂気、苦痛……それに、怒りだ」
「怒り?」
 本郷が拳を握り締めた。ソルティが武美を守る様に立つ。ミーが腹に手を入れる。
 ウフコックは、嗅いでいる自分まで引き込まれそうな死やそれを纏い引き連れる者の濃密な正気の中、いつでも“変身(ターン)”出来るように身構えた。
 武器に“変身”しても良かったが、武美が武器を上手く使えないことは分かっていたし、あのサイボーグの対象とされるのを避けるためだ。
 草薙と共に行動していた時に感じた奴の――殆どが空虚な臭いで埋め尽くされていたが――武美の様な弱者も殺すつもり/しかし強者との戦いをより望む心。
 だから、或いは武装をしなければ、第一の目標になることは避けられるかもしれない。

 武美にはこれと言って強い身体能力があるわけではない。
 あのサイボーグの持つ刃は、ウフコックの“殻”を以てしても防御できなかった。
 となれば、躱すしかないのだが、それも難しい。
 ならば、せめてこうすれば、即死することは回避できるだろう。
 卑怯な考えだとウフコックは自嘲する。しかし、この考えを聞いてもソルティは、ミーは、本郷は受け入れるだろう。
(或いは、俺は臆病になっているのかもしれないな……)
 その原因は分かっていた。


「武美さん!」
 だが、そんなウフコックを嘲笑うかの様に、影は、武美へと飛びかかる。
 何故だ? そう思う余裕は無い。影が、虹色の刀身を翻す。
 同時に、叫んだソルティが武美を引き寄せ、本郷が庇うように前に入り、ミーが刀を受け止めた。
「ぐぐぐ…………こ、の」
 ミーが何とかサイボーグと拮抗しているその隙に、武美とソルティは後ろに下がる。
 しかし、バスターを嵌めているためミーの部が悪く――バスターを撃つ余裕もない。
「ぬ……!」
 本郷が、変身より先にサイボーグを拳で退けようとした、が一瞬動きが止まった。
 その瞬間、綱引きの決着が決まる――ミーの綱が“折れた”――勢いそのままにサイボーグがミーを両断する。
 いや、間一髪本郷が間に入り、何とか両断は避けられた。
 代償とばかりに、本郷の右半身を刀が薙ぐ。鮮血が舞うが、構わず拳を振りぬき、サイボーグを弾き飛ばした。

「ほ、本郷さん!」
「ああ、それより武美たちを頼んだ」
 ミーが応じるが早いか、サイボーグが飛びかかる/本郷が姿を変えて向かえ撃つ。
 突如姿を変えた本郷に驚く様子も無く――フルフェイスの下は読めないが――振り下ろすその切っ先を左手で逸らすと、そのまま裏拳を放つ。
 ぐらり、と揺れるサイボーグ。
 そのまま手刀を叩き込み、次いで、肘、ヒザ、相手の呼吸も許さない打撃を与えると、再度殴り飛ばす。
「本郷さん!」
「必ず追いつく。ここは任せて、先に行ってくれ」
 そう告げると、起き上がろうとする敵の上半身を蹴りで跳ね上げる。
 よろけるサイボーグの肩を掴むと、森の奥まで転がって行った。


(本郷さん……大丈夫だよね)
 力強い笑顔を思い浮かべる。大丈夫だ。彼が死ぬわけがない。そう問うた時、「死にはしない」と誓ったじゃないか。
 今一度、その笑顔を思い浮かべた。曇りの無い顔。力強い生き方――あの風来坊さんと同じ。
 見届けるのだ――まさかここで潰えるとは思えない。思いたくない。
「武美さん、行きましょう!」
「ああ、取り敢えずここを離れた方がいい」
 ソルティの声を引き金に、一同はその場を飛び出した。
 皆が本郷の無事を祈っていたが、ウフコックだけは――それと同時に、このままエックスと出会う可能性を危惧し、懸命に鼻を動かすのだった。

          ◆         ◇         ◆

「むうん!」
 体が落ちた。
 本郷猛――仮面ライダー1号は、必死にサイボーグを叩きのめし、遠ざけていた。
 ここまで攻撃を入れて倒れない。まるで、ショッカーの怪人を彷彿とさせた。
 いや、彼は――サイボーグは、本質的には自分たちと変わりない存在――すなわち、改造人間なのだ。
 ウフコックの告げた彼の臭い。
 薬物にまみれ、狂気に支配され、苦痛が体を蝕み、誰かを求め焦燥し、死を願う空虚な存在。
 同じだ。今まで闘ってきた“怪人(ショッカーのぎせいしゃ)”と。
 そして、作り出された自分という“怪人(かいぞうにんげん)”と。
 本郷猛というこの身も、ともすれば彼らの様になっていただろう。
 洗脳されて、本郷猛もそうなっただろう。

 偽りの生を与えられ、死を奪われ、戦うためだけの体。
 男の拳が胸を打った――耐える。
 この痛みは、男の痛みだ。こんな体にされた、男の痛みだ。
 唸りながら拳を繰り出すその姿に、助けてくれ、殺してくれと言われている気がした。
 ならば止めてやろう。その痛みを、苦しみを。自分はその為に仮面ライダーとなったのだ。
 仮面ライダーの強烈な蹴りが男の体を大きく叩き飛ばす。しかし、立った。
 立ち上がり、男が拳を繰り出す。
 右、左、右――何とか捌くが、片手では対応しきれない。
 クラッシャーに拳が突き刺さった。

「ぐう……」
 だが、倒れない。膝も曲げない。片手――鮮血が迸る右手が痛むが、おくびにも出さない。
 当然だ。この程度の痛み、この程度の苦しみ……なんでもない。
 そこに、再び男の打撃が襲いかかる。右、捌いた。左、何とか受けた。右、こちらも右でカウンター。
 二人の体が大きく揺らいだが――耐える。
「この痛み、この痛みだ!」
「ああ! おまえの痛み、その苦しみ……俺が――――仮面ライダーが止めてやる!」

 高らかに吠えた。向かってくる男をいなす。腹部に蹴りを打ち込む。呻く。そのまま右、左、右。
 血が男の白い無機質なフェイス――仮面を染める。そのまま殴りぬく。
 代わりに、カウンターとばかり男が拳を放ってきた。首を捻る。音速を超えた衝撃波が耳を過ぎる。
 気にせず、その手を取って投げ飛ばした。
 だが、男の体が地面に当たる前に、猫のように受け身をとった。
 まるで野生――そうだ、手負いの獣だ。ダメージを負えば負うほど、その動きが鋭くなってゆく。
 いかなる技術か、精神か――超常的なマゾヒズムとサディズムの発現。その極致。
「いいぞ、もっとだ……もっと俺を感じさせてくれ!」
「そうだ……もっとだ! 完全に、その苦しみから解放してやろう!」
 それら全てを吹き飛ばす――――本郷猛=仮面ライダーのダンディズム。


 グレイ・フォックスは歓喜していた。
 この痛み、この攻撃、この敵ならば――この攻撃こそが、今の自分を解放してくれるものだと。
 この場にスネークはおらず、グレイ・フォックスに痛みを与えた存在は消えていった。
 なれば、なればこそ、殺しつくし、早くこの場を出てスネークと戦おう――それが、目的だった。
 しかし、この男――本郷は異彩を放っていた。
 鋭く、重い一撃は確実に痛みとなり麻薬の影を取り払う。
 その戦闘スタイルも徒手空拳――戦いの基本は格闘だ。
 しかしそれはスペック任せな打撃では無い。また、それでいて力強さを孕む。
 その拳の持つ威力、経験はスネークと並ぶ――――いや、スネークをも上回るかもしれない。
 こと蹴りに関しては誰の追従も許さないという素晴らしさ――まさに、最高だ。


 惜しむらくは、その片腕。
 フォックスが初めにあの鼠――とその新たな主に斬りかかった時に、それを防いだ猫のサイボーグ。
 その猫の武器を断った際、庇ってできた傷だった。
 あの女……あの女と共にいた存在――ゴリラの如き力の女と、二足歩行の猫――は死んでいったのに、奴だけが生き残る。
 もしや強者が人身御供となり、あの女の生存の基になっている――厄病神のようだと、女がいる限り強者が犠牲になるのだと、
 兵士として、その考えはおかしいかもしれない。しかしそう思っても、果てしない怒りがフォックスの心を包んだ。
 何故貴様が生き残り――自分に痛みを与えた存在が死んでいくのか。
 麻薬で薄れる人格の中に“憤怒の炎(ザ・フューリー)”が生まれた。
 そうして、先ず抹消すべく襲いかかったのだが、防がれた。

 右を放つ、片手で逸らされる。左を放つ、また同じ手で往なされた。右を放つ――今にも千切れそうな右でカウンターが!
 “心地よい苦痛(ザ・ペイン)”。自然と肺から息が漏れた。
 禁断症状――“自分でなくなる恐怖(ザ・フィアー)”が薄れていく。
 “痛み(ペイン)”! “痛み(ペイン)”! “痛み(ペイン)”!
「この痛み、この痛みだ!」
 思わず叫ばずにはいられなかった。それに対し、
「ああ! おまえの痛み、その苦しみ……俺が――――仮面ライダーが止めてやる!」
 仮面ライダー…………その名前、忘れない。忘れる事は無い。
 スネークに代わり、自分に“痛み(ザ・ペイン)”と“終焉(ジ・エンド)”をもたらすもの。
 そして、“無上の歓喜(ザ・ジョイ)”――――――――――――――――――仮面ライダー。

 仮面ライダーは、いくら攻撃を入れても膝を突こうとしない。
 仮面ライダーは、その右手の怪我にかかわらず攻撃を放ってくる。
 仮面ライダーは、こちらの攻撃を上手く利用し、更なる打撃を与えてくる。
 仮面ライダーは、仮面ライダーは、仮面ライダーは――――最高だ!
「いいぞ、もっとだ……もっと俺を感じさせてくれ!」
「そうだ……もっとだ! 完全に、その苦しみから解放してやろう!」
 “歓喜”! “歓喜”! “歓喜”! “歓喜”! “歓喜”!


 幾度目か男を蹴り飛ばし、本郷猛は肩を揺らした。
 マズイ――このままでは、マズイ。
 確かに本郷が圧していた。加えた打撃の数も、そのダメージも自分の方が有利だった。
 しかし、右手から迸る潜血。変身ポーズを――きちんと心のスイッチを入れなかったこと。
 その身を縛る制限、そして――――エナジーコンバーターの破損。これが、一番の原因だ。
 最初の斬撃が、右手と同じく右の腰に付いたエナジーコンバーターにも及んでいた。
 これのおかげで右手を切断されるには至らなかったものの、より酷い被害を生んでいた。
 戦う傍から、動く傍から、時間と共にエネルギーが漏れ出してしまうのだ。

 制限により、いつもと同じ力に近づけようとするとよりエネルギーを消費し、また、一度にそれを生み出せなくなっていた。
 その為、変身や戦闘の度に備蓄したエネルギーも使用していたのだが、その回復も遅い。加えて、今回の破損だ。
 このままでは、間違いなく先にエネルギーが尽き、変身が解ける。
 そうなってしまえば、自分にはこのサイボーグを撃破する手段がなくなってしまう。
 武美やソルティ達に狂刃が向くことになる。
 それに……ここで自分が潰えたら、誰が彼らの牙となるのだ。誓ったのだ。
 誰が、このサイボーグの苦しみを止めてやれるのだ。
「ハア、ハア、ハア…………」
 段々と、機械になった体の重みが、冷たさが増してきた。
 完全にエネルギーが尽きる前に決着をつけねば。
「どうした! 仮面ライダー……俺に痛みを! もっと、痛みを与えてくれ!」
「ああ…………すぐにその苦しみを消してやる! トゥッ!」

「ムゥウウウウウウン」
 高く、高く飛びあがると、大きく反転、宙返りをする。
 持てる威力、この身にかかった制限を打破できる強力な力を。
 目の前の存在を、哀れな死の囚人を、その苦しみから解放するだけの力を。
 悲しきその体を打ち砕き、永遠の安らぎを与える為に。
 この身が限界を迎えようとも、砕けようとも、解き放つ力を。
 戦うと決められた体に、戦うと決めた心を反映する。
 この身に持てる、この心が持つ、全てを。


「ライダァァァァァァアアアアアアアアア」

 遠心力で、加速、加速、加速――さらに加速。
 遠心力と重力の協調。全身が悲鳴を上げる。バラバラになりそうな圧力。
 それらを抑え、束ね、従え――――体の一点に集中する。
 まだだ、まだ足りない。
 力を、力を、力を、力を――――――力を! 更に! もっと!

「月面ェェェェェェェェェェェェェェェェェェエエエエエエエエエエエエエン」

 目標を眼下にとらえる。同時に、ベルトのパワーを起動する。
 左腰のライダーパワー装置が唸りを上げる。
 圧縮、圧縮、圧縮――――さらに圧縮。エネルギーを圧縮、精製する。
 そのエネルギーが燃焼する。排気の必要は無い。全てが自分の力になる。
 全身を焼きつける力が駆け巡る。パワーが倍加される。いいぞ。
 さらに加速、加速、加速、加速、加速――――――最大加速。最大出力。
 すべての世界が白む。
 音が遥か後方に消える。
 本郷猛――仮面ライダー1号は、一筋の矢となった。

「キィィィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ――――――――――――――――――――――ック!」

 直撃。弾けるサイボーグ――――――決着だ。



「ハア、ハア、ハア、ハア……」
 激しく上下する肩。膝をつかないようにするにもやっとの疲労。
 気を抜けば、直ぐにでも変身が解除されてしまう。
 重い足取りで、跳んでいったサイボーグの後を追っていた。
 これを耐えれるとは思えない。思いたくない――しかし、本能が、経験が警告する。
 まだ、倒れてはいないと。
 はたして、真紅の複眼に流水が映った。サイボーグが両手を広げ、地に背をつけている。
 ゆっくりと、地面を踏み締めて向かう。
「が…………あ…………グ…………オ………………」
 モノアイが揺れる。サイボーグの嗚咽。やはり――――感情が滲み出る。
 あの一撃で倒せなかったか。ならば次の一撃で――
 手刀を振り上げた時、突然それは起こった。

「GWAAAAAAAAooooooooooooooo」
 咆哮と共に迸るエネルギー。ESPか? その波動が残り少ない本郷の体力を削る。
 しかし、
「ぐ……これは、電撃………………そうか、ならば…………!」
 仮面ライダーの体には、生半可な電撃は通用しない。
 いや、これが生半可ではない電撃だとしても――構わず、吸収。それに、さらにエネルギーを加えて放電し返した。
 本郷の鼻梁に、炭の匂いが入る。それでも、そのまま放電を続ける。
 これを逃せば自分にできる攻撃はない。ならば、と全力を注ぎこむ。
 発せられた電気は激しく光を放ち、緑の仮面と白いマスクの体を包み込んだ。
 川が蒸発する。辺りの地面が弾ける――しかし、止めない。
 やがて光が止む。生身の姿で佇む本郷と、全身からを激しく火花を散らす強化骨格が残った。
 正真正銘、掛け値なしの必殺技だった。


「………………一文字に……聞いておいて、よかったな」
 一文字隼人――仮面ライダー2号は、二度、この攻撃を行った。
 一度目はエイキングとの戦いで――相手の電撃を帯電し、それを放射した。
 二度目はヒルゲリラとの戦いで――自らの風車を回転させ、川に落とした敵を葬った。
 ならば、同じ仮面ライダーである本郷猛に出来ない道理は無かった。
「しかし…………エネルギーを使いすぎた」
 肩が下がるが、決して膝を付きはしない。それが、この場に残ったもののプライドだ。
 がくん。
 瞬間、曲がる膝。

 白い棒がが、背中から生えていた。
 否――腕だ。サイボーグの貫手が、正面から本郷の胸を貫いたのだった。
「グ…………ヌウン!」
 貫いた腕を掴み、そのまま投げ飛ばそうとしたところで、本郷猛は――力無く、地に膝をつけた。
 やおら、本郷から手が引き抜かれた。鮮血が翻る。
「俺は…………俺は…………」
 あまたの戦場をかけたフォックスには、目の前のこれを即死としか表現ができなかった。
 そのまま、よろよろとその場を後にする。


「俺は……………………」
 体の改造は精神の奥深くまで及んでいた。
 戦い、力付きかけた瞬間まで勝手な悪あがきを見せる精神の対応。
 望まずとも、意識せずとも――意識あらざるからこそ、その反応は起こった。
 こびり付いてしまっているのだ。戦うという指令が、殺すという命令が。
 いや、これは麻薬によるものだけではない。もっと――はるか昔から受けているものだった。
 そう、グレイ・フォックスがまだグレイ・フォックスとして存在する以前の、「絶対兵士」と呼ばれた頃からの因縁。
 感情を奪われ、記憶を漂白され、アイデンティティを粉砕された。ただ言われるがままに戦うためだけの究極の存在として。
 その時から、記憶や感情は弄ばれていたのだ。
 しかし、彼――ビッグ・ボスと出会ってからは違う。彼には命をもらった、さらに自己を取り戻してくれた。
 だから、彼の下で、彼と共に戦うことを選んだ。少なくとも自分の意志で、自己の思想に基づいて、自らその引き金を引いたのだ。
 だが、それというのも――――こんな体にされた時に、ただ生きているだけの存在とされた時に否定された。
 肉体、自我、誇り――――戦いすらも取り上げられたのだ。戦いでしか生きられないというのに。

「………………………………仮面、ライダー」
 今や、その麻薬の呪縛からもグレイ・フォックスは半ば解放されつつあった。
 彼の最後の電撃が原因だろうか? 今や禁断症状は完全影を潜めている。
 電気刺激でニューロンが異常をきたしたのか、それとも自分の命の残り火がわずかになったためだろうか。
 どちらにせよ興味はない。ただ、グレイ・フォックスが、フランク・イェーガーが、自分が自分でいられるのだ。
 もう一度、フォックスは自らをもたらしてくれた3人の名前を呟いた。そして、走り出す。
 虹の柄を握りしめ、木々を跳躍する。
 痛み、喜び、正気――――最後に彼が、仮面ライダーが自分に与えたのは“悲哀(ザ・ソロー)”だった。


          ◆         ◇         ◆


「……ここまで来れば、大丈夫かな?」
 ミーが辺りを見回した。特に何も無い森の中だ。途中まで聞こえていた戦闘音も、ほとんど聞こえなくなっている。
 確かにあのサイボーク――まるで、忍者だなと思う――から襲われる危険はないだろう。
 また、エックスと鉢合わせする危険も薄いようだ。ウフコックによれば。
 自分達でそのエックスと再開できるのか、いや再開したとして、説得や――ともすれば戦闘に及べるのだろうか。
 やる心算はある。ケジメをつけさせると決めた。また、ソルティの力になろうとも。
 しかし、彼が戻れないなら――戻す努力もする、助けにもなる、力もつくす。しかし――彼が戻れないなら、戦闘は必至だ。
 大丈夫だろうか。エックスは、あのクロを倒したらしい。アイツは…………強かった。
 辺りを見る――――出来るだろうか、自分に。
 いや、違う。
(弱気になってる場合じゃない。できるか、できないかじゃなくて……やるか、やらないかだ)
 クロならきっとそう言うだろうな、とミーは拳を握り締めた。
 オスネコの誇りにかけて。

「あたしさ……」
 沈黙に耐えかねたのか、武美が、ポツリと零した。
「あと半年しか生きられないんだよね」
「えっ!」
 声が重なった。ミーとソルティが同時に目線をやった。下を向いた武美の表情は窺えない。
 以前にそれを聞いたウフコックが、いいのか、と武美を見上げた。
「そんな……どうしてですか!?」
 身を乗り出すソルティ。声にはしないがミーも同じ気持ちだった。
 拳を握る。世の中にはどうしても不条理――壁というものが付きものだ。
 だからと言って、その壁を許していいものでは決して無い――ミーは思う。

「体の中に、爆弾があるんだ」
 武美の言葉を、測りかねるといった風にウフコックは覗いていた。
 このタイミングで、何故それを?――何となく理由は推測出来る。
 示される武美の臭い――恐怖/不安/それらを包み込もうとする強い決意。
 ありえない/だがあるかもしれない自棄によるものではない――ウフコックは嘆息する。
 ならば口を挿むのは野暮か――――成り行きを見守る事に。
「でも、だからあたしは生きるのをあきらめたくない……死にたくない」
 誰かに対する感傷の念――悲しみ/喪失感/感謝の念/エトセトラ。
 一分一秒、死ぬまで生にしがみつけ――――自分が、クロに向けた言葉だ。
 同時に、今なら武美にも向けていた――しかし、もう今更自分が言う必要もないだろう。

「だ、大丈夫!」
 ミーが叫んだ。
「ボクが――いや、ボクが実際にやるワケじゃないけど――力になるよ! 絶対大丈夫!」
「私も武美さんの力になります! 絶対大丈夫です!」
 二人から感じられるのは強い意志――力になる/助ける/勇気づける=他人を思う温かい心。
 ああ、大丈夫だ――ウフコックも反芻した。
「ふふ……二人とも、ありがとね」
 武美の中の負の感情が、少し薄らいだような気がした。
 よかったのか、これで――ウフコックは返答が返るわけがないと思いながらも問うた。
 頭でっかちの煮え切らない自分には出来ない励まし方――よかった。そう思った。
 クロも、本郷も、ミーも、ソルティも――皆が強く、思いやりがある。
 しかしこの場にはそうでもない人間がいる/人を傷つけ、食い物にしようとする者がいる。
 ならば自分は、降りかかる毒牙を払う/武美を守り抜く/事態を収束させる。
 そうだとも――それこそが俺の有用性だ。
 ウフコックは小さな拳を握り締めた。

「あれは!」

 皆が宙を見上げた。遠く離れた所に、小さな影が飛び出していた。
 誰かは確認出来ないが――それが、本郷のものであると誰もが確信した。
 やはり、やはり本郷は。やはり本郷なら――全員の信念。
 影は――本郷は高く飛びあがると、大きく宙を返り、加速する。
 そしてその姿は掻き消え――轟音が響いた。
「すごい……本郷さん」
 ウフコックを除いた全員の声が重なった。
 彼は心の中で独りごちた――――まるで……いや、紛うことなきモンスター/そのモンスターを律する精神=規格外の男。
 なんという攻撃だろうか。離れたこの場所にまで響くほどの破壊力。
 あれに直撃して生きている人間などいない――間違いなく本郷の勝利だ。
 皆が、本郷猛の勝ちを、その生を信じて疑わなかった。
 神ならざる彼らには、それが間違いだとは気づけない。

 猛スピードでこちらに向かう影=本郷猛を捕らえたを一番初めに捉えたのはウフコックだった。
 多量の血の臭いと焼け焦げた臭いが殆どを支配していて、他の臭いが上手く押さえられない。
 その強烈な中に、悲哀――失ったことへの悲しみが感じ取れた。
 敵を倒すたびに、やはり彼も悲しみを抱くのか。
 同類を破壊する/破壊しなければいけない同類との出会い=カトル・カールと自分達の邂逅――あの都市の/この身の宿命。
 などと考えて、ウフコックは気づいた。
「まずい! 早くこの場を離れろ!」
 武美たちが素っ頓狂な声を上げる。何故――という顔。
「あれは本郷ではない!」
 大部分を支配する燃焼の臭い/鉄錆の臭い/悲しみの臭い――その中に、僅かだが麻薬の臭いが混ざっていた。
 立ち上る驚愕の臭い――悲しみを認識できない/事実を信じられない/理由の分からない戸惑いの心。
 それでも数瞬ののちに、皆が駈け出した。
 しかし、その数瞬――白面のサイボーグには十分すぎた。
 トン、と音を立てて、ウフコックたちの前に着地した。
 なんという身軽さ――まるで野生の獣だ=的確な比喩/現実逃避。
 ゆっくりと体を起こし、虹色の刃を構える。
 最悪だ――――ここまでの傷を負って/ここまで傷を負わせられたのに未だ戦闘可能だとは。
 考えようによっては――ここまで傷を負ったから、逆に死まであと少しではないか。
 しかし、あの攻撃を喰らった者を倒せるとは思えない――難しくも倒さねばならない/倒さねば生き残れない。
 それよりも心配なこと――この男がここに来た=本郷が倒れたという事実――武美たち/武美への精神的障害。
 ウフコックは歯噛みする。

「本郷さんは……本郷さんはどうしたの?」
 武美が問いかけた。その表情が、能面のようにこわばっている。
「……………………………………」
 沈黙。サイボーグが輝くモノアイを揺らす。
 そして、その真っ赤な右腕を構えた。
「仮面ライダーは……死んだ。俺が殺したんだ。この手で…………」
 武美が声を上げる/ウフコックが“変身”する/銃口を向ける。
 ミーが名前を呼ぶ/今度は両手で青雲剣を掴む/跳躍する。
 ソルティが名を叫ぶ/拳を構える/殴りかかる。
 忍者が顔を上げる/無機質な単眼で睨む/虹色を翻す。
 迫りくる銃撃を/斬撃を/打撃を――弾く/躱す/跳ぶ。
 そうして、サーカスの見世物のように、ソルティの繰り出した拳の上に着地した。
「えっ……!」
 蹴撃一閃――――ソルティの体を蹴り飛ばす。
 この場に来て、これだけの怪我を負って、まだその身体能力。
 目の前の男もまたモンスター――ウフコックは銃身を震わす。
「ソルティ!」
 ミーが躍りかかった。サイボーグと競り合う。
 複数の斬撃は届かない/そもそも振るう前に激突するから発生しない。
 お互い、凄まじい膂力――まったくの拮抗。
 ミーの驚愕――先ほどと全く変わらない力。ひょっとして不死身? という疑問。
 フォックスの嘆息――自分と切り結べる力。猫のサイボーグへの感動。
 しかし――スネークや、ビッグボスや、仮面ライダーには及ばない。
 駄目だ。やはり駄目だ――フォックスの足がミーを撥ねる。
 足りない――こんなものでは死ねない。
 グエと転がるミー。特に感慨ももたず、フォックスはゆっくりと歩みだした。
 やはり、自分を解放してくれるのはスネークだけだ。
 あの仮面ライダーは麻薬の恐怖を忘れさせてくれたが、自分に終焉を届けるには足りなかった。
 体が軋む。命の残りも僅かなのだろう。
 そうだとしても、ならばこの三人を素早く屠り、スネークに、まだ見ぬ強者との戦いに力を使おう。
 あの男が、仮面ライダーが取り戻してくれた自我の下で。

 銃声。首を捻った難なく躱す。
「よくも……草薙さんを! 本郷さんを!」
 女――そう言えば本郷はタケミと呼んでいた――だ。狙いは甘い。難なく避ける。
 怒りか――フォックスは喉を鳴らす。それも当然だろう。行動を共にしていたものが殺されたのだ。
 だからと言って、そんな物に撃たれてやるワケにはいかない。
(おまえは……俺の望む強者じゃない)
「このおッ!」
 そこへ、緑髪の少女が殴り込んできた。その一撃に鋭さは感じられない。これも違う。
 最早、みすみす打たれるつもりもない。難なく頭上を飛び越え、背後に着地。
 そして、虹を翻す。一人目、終わりだ――――――
「うおおおおおおおおおおおおおおお」
 叫びをあげ、メタリックな猫が飛びかかってきた。側転。地面が幾つにも割れた。何故?
 疑問の解を出す前に、勢いのまま猫が地面を蹴って突っ込んできた。躱せない――蹴り飛ばされる。
 一転、勢いを殺して着地。前方を睨む。拳が来た。避けて、左を打ち込む。
 猫の体が曲がった。そのまま投げ飛ばそうと――出来ない。背中からアームが出ていた。
 左の腕に巻きつかれたそのまま、残りのアームがフォックスの背後の木を掴んだ。
 急に加速する。なるほど、こうやって遠ざける気なのか――ぼんやりと考えながら、力づくで拘束を解く。
 猫と、自分の体が勢いのまま転がった。受け身を取る。問題はない。
 無機質な猫の瞳がこちらを睨んだ。怒りか――何故だか理解できる。
 猫が起き上がる。アームをしならせながら。
 仲間のために時間を稼ぐつもりか――いいだろう。順番など関係がない。いずれ、皆殺すのだから。
 右手の切っ先を眼前のサイボーグに向ける。
 そして、一人と一匹は三度切り結んだ。
「早く……二人とも、逃げて!」
 刀が火花を散らす。土塊が舞いあがる。ミーと、グレイ・フォックスの剣劇。
 青雲剣の作ったいくつかもの刃がフォックスに向かう――躱す/削る/壊す――いくつかが体を刻む。
 なるほど奇妙な武器だ――――だが、足りない。まだ倒れるワケにはいかない。
 煌き、瞬き――命の削りあい。
「でも……」
「でもじゃない! 早くッ!」
 フォックスの刀を跳ね上げ、一閃――ひらりと上に回避された。
 しかし、その背中のアームで、中に浮いたフォックスの体を捉えると、地面へと叩きつけた。
 放さず、続けてフォックスの体を振り回す。
 ジャイアントスイング。木々を巻き込み、なぎ倒す――アームが千切られた。フォックスが軽業を見せる。
「強い…………」
 どこかで、どこかでチャフ・グレネードを使えれば目の前の動きを止められる。
 そうすればソルティや武美が死ぬことはない――自分は死ぬことになるだろうが、少なくとも二人は生き延びられる。
 だが、それをするには忍者のようなサイボーグは速く、また爆発の効果範囲が分からない以上、二人を巻き込んでしまう可能性もあった。
 頼むから、早く離れてくれと思うが、二人とも動こうとはしない。
 納得しろというのは無理があるだろう。広川――武美は、仲間を3人――これからを考えれば4人――失ったばかりだし、
 ソルティだって、エックスと本郷を……それに人を見捨てていくなんて選択はできない少女なのだ。
 だけど、早く離れてくれ。お願いだから。
 青雲剣を振るう度に、ミーの体も限界を迎えていた。
 戦闘の経過に従って、段々と切っ先が鈍っていく。今の状態では紙を縦に切り裂くことなどできないだろう。
 おまけに発動させたチップの効果も薄い。
 どこか相手に遠慮したような、鍋つかみ越しに行儀悪く握った箸で豆掴みを行っているような印象を受ける。
 その操作を行い、同時に相手の鋭い斬撃を受ける――――相当の集中を要した。
 相手の斬撃が、自分の斬撃が一撃毎にミーの精神力と体力を削いでいった。
 相手は自分と同じ、いや自分よりもダメージが大きいハズなのに衰えた様子は無い。
 それどころか、ますますその動きを速めていく。
 このままでは直に自分は両断され、その剣先が武美やソルティに向かうだろう。
 なんとしてもそれを避けねばならない――その一心で、震える体に活を入れた。
 青雲剣の一薙ぎ――複数の刃がフォックスへと迫る。
 受けたなら残りの二つが身を切り裂き、躱したなら大きくなった動作の隙にもう一振りを行う。どうだ。どうする?
 はたして――――グレイ・フォックスはその刀で、全ての刃を切断した。
 数度行われたミーの攻撃の軌跡を読み、それから今回の軌道を導き出した。
 なんという戦闘センスだろうか。
「く…………ッ!」
 虹色の刀身が、ミーの武器を取り上げた。反動で、体が倒れた。
 マズイ――――詰んだ。
 天辺へと達した刀身が、勢いをつけてミーへと振り下ろされる。

(ゴメン、剛くん……)
 命を助けられ、失った体を作り上げてくれた最愛の主人、剛を残して死ぬことが心残りだった。
 いや、もっといえばシグマを一発ブン殴れないこと。ソルティの手伝いをしてあげられないこと。武美の爆弾をどうにかしてあげられないこと。
 全部が心残りだ。心残りしかない。
(アイツは……どうだったのかな)
 先に死んだクロを思った。本郷を思った。二人はどうだったろうか?
 そんなことは知る由がない。自分は二人じゃないんだから。
 そんなことはどうだっていい。知ったところでどうにもならないんだから。
 でも、一度した約束を果たせないなんて、オスネコ失格だろう。何たる不名誉だ。
 だとしても、もう直ぐそんな名誉なんて関係がなくなる。死ぬのだ。体を切り刻まれて。
 そういえば前に死んだとき、どんな感じだっただろうか?――思い出せない。
 死は安らぎと聞くが、こんな気持ちじゃ安らぐには到底遠かった。
(はあ………………ゴメン…………)


 武美は震えていた。
 その震えの中、ウフコックは適切に修正を行った。それが、彼の有用性。
 振り下ろされた剣は、僅かにミーの頭をそれている。
 そして、一撃。
 ソルティの右拳が、殺人サイボーグの体を跳ね飛ばした。
「二人とも……どうして!」
 逃げなかったのか、それとも別の言葉か――――どちらにしろ、その次の句は紡がれる事は無かった。
 それより早く、二人の台詞が届いたから。
 いやだから/いやですから――――どちらも拒絶の言葉。しかし冷たい響きは一切含まれていない。
「逃げて……その代わりにミーくん死んでしまうなんて…………あたしはもう仲間を失いたくない!」
「エックスさんと会えなくなっちゃうと辛いですけど……この場でミーさんが死んでしまうのはもっと辛いんです!」
「確かに危険だが……考えようによってはここであのサイボーグを倒せるチャンスかも知れないからな」
 ミーは、ゆっくりと体を起こした。そして、謝った。
(はあ………………ゴメン…………本郷さん、クロ…………オレはまだそっちにいけないよ)
 バスターを再び左腕に嵌める。クロほど射撃は得意でないが、使用に問題は無い。
「それに………………」
 心の牙を、爪を解き放つ。
「――――――――――約束をしたからね!」


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125:戦っちゃいますか?(前編) 本郷猛 130:約束――俺の有用性(後編)
125:戦っちゃいますか?(前編) ミー 130:約束――俺の有用性(後編)
125:戦っちゃいますか?(前編) 広川武美 130:約束――俺の有用性(後編)
125:戦っちゃいますか?(前編) ソルティ・レヴァント 130:約束――俺の有用性(後編)
125:戦っちゃいますか?(前編) ウフコック・ペンティーノ 130:約束――俺の有用性(後編)
116:涙の証明 グレイ・フォックス 130:約束――俺の有用性(後編)





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