(1) ◆hqLsjDR84w



 大気の流れが酷く乱れ、激しい暴風が辺りを駆け巡る。
 明らかな致命傷を負ってしまっている私は、とてもじゃないが耐え切れず体が地面から離れてしまう。
 このまま巻き起こった風にいいように操られていれば、最終的に宇宙空間に吐き出されてしまうだろう。
 そうなればこの体は持たないだろうが……もう構わない。
 どうせ死に行く身。死ぬのが、少しだけ早くなるだけだ。
 ただ、悔しい。ただただ、歯痒い。
 エックスをこの場に残してしまうことが。
 結局、手も足も出ないでそのままだ。
 だが…………もはやどうしようもない。
 せめて宇宙に追い出せればと思うが、ヤツは空中を動く術を持っている。
 吹き飛ばされている私には、ヤツが暴風に耐えて踏み止まろうとしているのを見ることしかできない。

 ついに歯を噛み締める力さえ抜けてしまった時、ふと奇妙な感触が背中を走った。

 いったい何が起こったのか――僅かに考え、理解する。
 何者かが、私を抱えている。
 こんな行動をする輩だ。壊し合いに乗っていることはないだろう。
 善意ゆえの行動かもしれんが、どうせ死ぬ私を助けても無駄だ。
 風に逆おうとしているエックスが気付かぬうちに、私を放って逃げろ。
 そう伝えようと首を動かそうとするが、なかなか体が言うことを聞かない。
 それにしても、私はどうなってしまったのだろう。昔の私ならば、赤の他人がどうなろうと知ったことではなかったはずなのに。

 あれもこれも、あの男のせいだ。あの男と出会ってから、何かがおかしくなった。
 復讐に燃える私を下らないと一蹴しておきながら、行動を共にするなどとぬかした変な男。
 出会ったばかりの私に危害が加わらないように、一人で闘おうとした愚かな男。
 守られるだけの弱者との私への認識を改めさせようと戻ってやったら、薄気味悪いことに笑みを浮かべたワケの分からない男。
 勝手にこちらを信用していた、甘いのだかよく分からん男。
 無意識のうちにノーヴェと天秤にかけてしまうほどに、信頼してしまっていた油断ならぬ男。
 こちらに何も知らせずに、弟に対して荒治療をやらかしてくれた無茶な男。
 あのボイルドに、たった一人で向かっていった無鉄砲な男。
 駆けつけるのが遅く、全身傷だらけでありながら、なぜだか急に勝機を感じさせた男。
 肩を並べて戦っていると、奇妙なことに心が弾んでしまう男。
 そして……知らぬところで死んでいった、とてつもなく自分勝手な男。
 …………息を引き取る寸前まで、他人のことを気にしていたお節介すぎる男。
 ……………………私を腑抜けにしておきながら責任を取らずに逝った、バカという言葉を遥かに超越した大バカな男。
 あの男を一発殴れるのなら、死というのも悪くないかもしれないな。

 そんなことを考えていたら、やっと首が目的の角度まで到達したようだ。
 もはや目蓋は勝手に落ちてきて、先程まで聞こえていたやかましい騒音も消えてしまった。
 こんな状態で、相手が聞き取れるだけの声が出せるのだろうか。
 まったくもって不安なところだが、やってみなければ分からない。
 こいつが誰かだけでも、最後に確認して逝こう。
 思っていたよりも早く目蓋は開いたが、酷く視界がボヤけている。
 少しずつ晴れていくかと思えば、その気配はない。もう限界ということか。
 せめて残った力で、焦点を合わせ――――なっ!?
 少しずつ冷たくなっていた体が、急に熱くなるように感じる。
 バカな。ありえない。そんなはずがない。
 だが、決して良好な視界ではないが、そこにいたのは間違いなく――――

「……カ、ザミ…………?」

 理解ができない。納得もできない。合点などいくものか。
 しかし思えば、この男は毎度毎度予想のつかないことを見せ付けた男だ。
 ならば、ありえる……のか?
 確かに、この男に限って死ぬはずがないとは思っていたが……
 カザミが顔をこちらに向けた……ように見える。不鮮明すぎて、よく分からん。
 何か言っているのかも知れないが、知ったことではない。
 既に聴覚など絶たれてしまった。こちらの言いたいことだけ言ってやる。

「お前……とい、う男、は……っ」

 ボイルドの時といい、今回といい、来るのが遅すぎる。
 今までに、どれだけのことがあったと思っているのか。
 それに、私はお前のせいで妹の仇を取ることすら出来なくなってしまった。
 あと、ガイは、ギンガは、スバルは、T-800は、ゼロは、ドラスは、ナタクは、ジンは――――

「…………まあ、い……い……」

 言いたいことは、数え切れないほどある。
 何度か叩きつけてやりたい。
 だが、許してやる。
 たった一つだけ頼むから、それをやり遂げろ。
 戦い通しで疲れているかもしれないが、文句など言わさん。
 …………お前ならば、きっと負けることはないのだからな。
 指をゆっくりと動かして、さっきまでエックスが静止していた方向を指差す。
 そこにはもう止まっていないかもしれないが、この風ではヤツとて遠くには行けまい。

「ヤ、ツを、た……の…………む」

 ちゃんと届いたか不安だったが、不鮮明ながらもカザミが首を上下させるのが確認できた。
 安心したと同時に一気に力が抜け、再び体が冷えてくる。
 おかげで、カザミが生きていた衝撃で忘れかけていたことを再認識させられる。
 もう、私は駄目だったんだ。
 あちらに行けばお前を殴れると思ったのに、当分は叶いそうもない。
 死を受け入れていたはずなのに、今になって名残惜しくなってくる。
 目の前の光景に、さらに霞がかかる。
 終わりが近づいたためかと思ったが、頬の感触から考えるに瞳から液体が零れたのだろう。
 姉である以上は、妹や弟にはこんな姿は見せられないが――こいつならば構わんか。
 不思議と、そう思えた。
 よくよく考えてみれば、妹や弟でなくとも弱い姿など見せたくはないはずなのに。
 ああ、もしかしたら――――

「わた、しは、お……前、を…………」

 ただ喋るだけなのに咳き込んでしまい、血が飛び散る。
 構わない。どうせ最後だ。
 寒かったはずなのに、もはや何も感じない。吹いているはずの風さえも。
 口内が血まみれなはずなのに、鉄の味も匂いもしない。
 痛みなどは、既に感じなくなってから結構経っている。
 目に映る範囲も狭まってきていて、どんどん暗くなっていく。
 どうにか、この男が見えるうちに……

「――――して……っ、いた、の……かも……しれな、い……な…………」

 言い終えたと思ったら、一気に視界が暗転。
 何とも言いがたい……沈んでいくような感覚が、襲ってくる。
 ゆっくりと柔らかい何かに落ちていくようだが、体が動かず抵抗できない。
 まあ、いいさ。
 あの男が来るまで、あちらで金属でも集めて待っててやるとしよう。
 こちらに来たら、存分に痛めつけてやる。別に、私はお前の自分勝手な行動を許したワケじゃあないからな。
 だから、お前はあんまり早く来るなよ――――カザミ。



【チンク@魔法少女リリカルなのはStrikerS:死亡確認】
【残り13体】


 左上コロニー、エリアD-3。
 周囲を雪に囲まれていながら、不自然なほどに雪が積もっていないアスファルトの上。
 三体の参加者が、その一角で放送に耳を傾けていた。

「バカな、凱と風見に限って……!」

 放送の途中にも関わらず、サブローが驚愕を胸に言葉を漏らす。
 禁止エリアまで聞き終えてから、ゼロが放送に偽りはないと断言。
 KATANAという名のバイクの上で、サブローは見て取れるほどに動揺した視線をゼロに向ける。
 対等な条件で一度自分に押し勝った勇者と、一時的とはいえ足並みを揃えることを許した正義の戦士。
 自分以外のものに、彼らが破壊されるなどあり得るはずがない。
 口には出さないものの瞳で雄弁に語るサブローに、ゼロは肩をすくめて提案する。

「……今のお前は、とても他のことに集中できるようには見えない。
 先に、俺から話させてもらおう。俺が行動を共にしていた獅子王凱の顛末、そして神敬介から伝え聞いた風見士郎の最期をな」

 それまで心ここにあらずといった様子であったフランシーヌが、ゆっくりと口を開く。
 しかしその動作は緩慢で、銀色の双瞳からは輝きが失われていた。
 無論、笑顔など浮かべていよう道理はない。
 髪が銀色であることもあってか、立ち込める霧に溶け出してしまいそうな雰囲気だ。

「敬介に……会ったのですか?」
「そういうことになる。話も聞いている、フランシーヌ」

 教えられたわけでもないのに名前を言い当てたゼロに、フランシーヌは目を丸くする。
 胸中穏やかではないサブローは、あくまで冷静であるように装って腕を組み直す。
 サブローの纏う黒い皮製ジャケットが擦れ、僅かな音が生まれる。

「どうやら本当に出会っているらしいな。お前と仮面ライダーX、さっきまでいた少女も弱くはない。
 さすがはお前と言うべきか。シグマ打倒のために、着々と正義を秘めた仲間達を集めているようだな」
「少し……いや、かなり面倒な状況ではあるのだがな」
「……何?」

 虚を付かれた口ぶりのサブローに、こちらの話だとだけ返すゼロ。
 決してドラスと敬介を気にしていないのではないが、サブローを放置して向かうワケにはいかない。
 移動手段を持たない現状では、とてもKATANAを所持するサブローを振り切るのは不可能。
 仮にドラス達の元に辿り着いたところで、事態がさらに複雑化するのは目に見えている。

(ナタクとハカイダーがぶつかったりなんかしたら、それこそどうなるか分かったもんじゃない……)

 ドラスとは特に関係がなく、かなりの強さを持つハカイダー。
 そんな彼にとって都合のいい相手に、ナタクが手を出さないはずがない。そしてハカイダーの方も、手を出されて黙っている男ではない。
 そう判断したゼロは、ひとまずハカイダーとの交渉に焦点を合わせる。
 胸中でチンクに謝罪しつつ、ゼロは思案する。

(それにしても、『頼み』とは何だ……? あのハカイダーが、俺に頼みごとだと?)

 しかしゼロは答えの出ない疑問をすぐに斬り捨てて、蒼い瞳をサブローに向ける。
 その視線に、サブローはゼロの準備が完了したのを悟る。

「では、話してもらおう」
「……ああ」

 答えたゼロの長い金髪が、一陣の風に靡かれた。
 同時刻に宝貝人間を襲った爆発の影響によるものかは、誰にも分からない。


 ◇ ◇ ◇


 場面は変わり、エリアD-2。
 鬼の形相を顔面に貼り付けたエックスが、状況を理解しかねているチンクの元へと宙を駆ける。
 エックスの右腕に装着されたバスターから響いていた耳障りの悪い音が、不意に止まる。
 最大まで火力が上昇したのを確認したエックスは、バスターをチンクへと向けると一切の迷いなく発砲。
 エックスが修羅となったことなど知らぬチンクだが、迫り来るエネルギーの塊を目にして一つの仮説を打ち立てる。

(エックスは、壊し合いに乗り気なのか? だとすれば、ナタクは――――)

 心を大きく揺れ動かしながらも、チンクは目の前の事態に対応するべく行動を取る。
 チンクがその両手を前方に向けると、彼女の掌の先に淡い光を放つ魔方陣――防御障壁が展開される。
 ひとまず光弾を防いだ後、デイパックから金属を取り出してエックス本人の追撃に対処。
 それが、些細な時間で彼女の練り上げた策であった。

「な、に……?」

 しかし僅かながら拮抗したかと思えば、すぐに粉砕されてしまう防御障壁。
 貫通性に特化したスピアチャージショットに対し、防護壁の類で措置を取ろうとしたのは大きな誤りであったのだ。
 気の抜けた声を上げるチンクは、未だ下ろしたデイパックの封を開けようとしているところ――金属を手に取っていない。
 この場で幾度となく防御障壁を砕かれているために、彼女とてこの展開を視野に入れていなかったワケではない。
 ワケではないのだが……よもや一瞬しか防御障壁が持たないとは、さすがに考えていなかった。
 そうなのである。防御障壁が機能していたのは、長く見積もってもたかだか一瞬。

 ――しかしエックスを追う二人にしてみれば、それは『一瞬もの』隙。

「チンクお姉ちゃん!」

 黄色いボディのサイドマシーンを操ったドラスが、横合いから駆けつける。
 左手を伸ばしてチンクの腕を強引に掴み取ると、地面に触れないよう一気に持ち上げる。
 ドラスは決してスピードを緩めずに、チンクを右側のサイドカーに押し込む。
 その際に右腕だけでサイドマシーンのハンドルを操ることが出来たのは、ネオ生命体の高い身体能力があっての芸当だ。
 常人ならば、サイドマシーンの化物じみたパワーに振り回されて終いであろう。

「くッ」

 出現した防御障壁を貫いたスピアチャージショットが、結局は雪を溶かすだけに終わった。
 右腕を振りかざして光弾と同じルートを走っていたエックスだが、その結果には思わず驚愕の声を漏らす。
 ナタクが起き上がるまでの間は、制空権はエックスにある。
 空中にいれば殆どの攻撃は届かないし、届いたところでフリームーブのエネルギーを壁とすればある程度は防げる。
 そこまで考え、エックスは空中戦の続行を決断。
 フリームーブによる飛行時間が短くなっている現状では、いったん着地して再び飛翔せねばならない。
 そう認識したエックスは、雪原に足をつけてみて――違和感を抱く。
 今宵は満月だというのに、あまりにも暗すぎる。
 小刻みな動作で首を左右に振って、エックスはついに気付く。
 辺り一面が暗いのではなく、自分の周囲にだけ影が差しているのだ。
 それもひどく奇妙な形をした影。アルファベットにおける二十四番目の文字に酷似した……――――

「――そういうことか、X!!」

 勢いよく振り向いたエックスが見たのは、四肢を広げた状態で月に背を向けるXライダー。
 すぐさまXライダーは身体を反転、伸ばしたままの右脚を折り曲げた左脚で押さえて固定。
 自慢の脚力が生み出した跳躍のスピードに、宙返りによる回転が運動エネルギーを増加させ、さらに地球の引力を上乗せ。
 加速とともに篭められたパワーを倍化させて、エックスへと距離を詰める。
 感知するのに出遅れたエックスには、フットパーツのエネルギーを盾にする他に選択肢はない。
 幸いにして、地面を踏みしめたことで補給が完了している。
 エネルギーの壁にXライダーの右脚が接触。少しずつだが、Xライダーがバリアに侵入していく。
 クロやナタクを相手にしたときとは違って、飛行に使う分のエネルギーまでもエックスは防御に回しているというのにだ。
 ついにエネルギーの防護壁が、火花を散らして弾け飛ぶ。
 しかしエックスは、ただ防壁を張っていただけではない。
 バリアを保ちつつ、エックスはバスターにエネルギーを充填していたのだ。
 Xライダーがバリアを無効化するのが予想外に早かったので、チャージは完全ではないが……
 それでも、一度チャージショットを無効化され、二度もXキックを喰らったエックスだからこそ理解している。
 フルチャージの一歩手前のショットでも、エネルギーの壁により多少勢いを殺されたXキックを相殺できる――と。
 加えて、現在のXライダーは小さくないダメージを受けている。

「食らえ、イレギュラー!!」

 エネルギーの結晶体が、エックスの右腕より放たれる。
 街灯よりも遥かに激しい輝きが、Xライダーの銀のボディを照らす。
 光弾を破壊することは可能だろうが、その上でエックスに攻撃を加えるのは不可能だ。

 ――Xライダーが放っているのが、ただのXキックであったのならば。

「何ィィ……!?」

 白いアーマーの下で、息を飲むエックス。
 彼の放ったショットは予想通り粉砕された。
 しかし、Xライダーは止まっていない。
 幾分速度を落としてはいるものの、十分な勢いでエックスに迫る。
 驚愕に思考を染めながらも、エックスは青と白の装甲で覆われた左腕でXライダーの蹴りを受ける。
 エックスは激痛に顔を歪めつつ、どうにか耐え切ろうとする。
 されどその思惑とは裏腹に、踏み込んだ両足は少しずつ後ろに追いやられていき――――ついに地面から離れる。
 フリームーブを行使することで競り合おうとするエックスだが、その隙を数多の組織を相手にしてきたXライダーは見逃さない。
 よりいっそうの力を右脚に篭めて、現在使用している技の名前を叫ぶ。

「X! 必殺キィィィィィイイイイック!!」

 それは、GOD秘密警察第一室長・アポロガイストをも退けた――Xキックとは似て非なる必殺の名を冠する蹴撃。

「ガああああああッ!」

 もはやエックスには、フリームーブを使う暇すらない。
 X必殺キックを受けた左腕に引っ張られるように吹き飛び、一軒の民家に突っ込んでいった。

「神さん、手応えは?」

 宙返りしながら着地したXライダーの元に、チンクに状況を説明したドラスがサイドマシーンで駆けつける。
 エックスが突っ込んだ民家を見据えたまま、警戒を緩めずにXライダーが答える。

「当たったとはいえ、相当勢いを殺されていた。あれでエックスが倒れるとはとても思えない」
「そう……」

 返答とともに、サイドマシーンから降りるドラス。
 傍らに立ったドラスを確認し、Xライダーはチンクに問いかける。
 視線は、あくまでエックスの方に向けたままで。

「ところでチンク、ゼロはいったい?」

 反応は返ってこない。
 弟が心を許した男に爆撃を浴びせた映像だけが、彼女の中にリピートされていた。

「……チンク?」
「――っ、何だ?」

 もう一度名を呼ばれて、チンクはやっと現実に舞い戻る。
 釈然としない様子で、Xライダーは再び質問内容を繰り返す。

「ゼロがいないからどうかしたのか、という話なんだが……」

 そんなことかとチンクはごちり、そして簡潔に語る。
 いきなり現れた破壊者の対応をしているのだと。

「ハカイダーがいるということは……さっき話したフランシーヌも一緒なのか?」
「そういえば、私と同じ色の髪をした女がいたな」
「……ッ、やっぱりか…………!」

 顔を顰めるXライダーの眼前で、民家から物音が立つ。
 そして続くは、腹に響くような音――バスターにエネルギーをチャージしている証。
 やはりまだ来るか、と胸中で毒づくXライダー。
 横で魔方陣を展開しているドラスに、小声で話しかける。

「戦闘力を持たないフランシーヌは、絶対に巻き込みたくない。
 ひとまず北上したいから、サイドカーに入ってくれないか。運転は俺がやる」

 ゼロとハカイダーが追いつけば非常に心強いが、フランシーヌが危険に曝されてしまう。
 これ以上の犠牲を出したくないXライダーは、あえて援軍を諦めてフランシーヌに火の粉が及ばない道を選ぶ。
 しかしXライダーの言葉に、ドラスは目を見開いて反対の意を示す。

「――っ、ナタクを見捨てるっていうの!?」

 ぴくりと、微かにチンクの肩が揺れたことに気付く者はいない。

「いいや、違うさ。ドラスはサイドカーからエネルギー弾を放って、エックスを惹きつけてくれ。
 『まず遠距離から攻撃してくるあちらを止めねば、ナタクには手を出せない』と、エックスが思わせるように」
「フランシーヌさんを守るだけじゃなく、怪我をしたナタクも庇う……ってことだね」

 ドラスが納得したのと同時に、響いていたチャージ音が止まる。
 すぐさまXライダーはサイドマシーンのバイク部位に跨り、ドラスはサイドカーの方へと向かう。
 先客であるチンクに謝りながら、ドラスは身体を押し込んでいく。
 本来は一人だけ入れるように設計されたのだろうが、身体の小さいチンクとドラスの二人ならば何とか入りきった。
 ゴシックロリータというかさばる衣服のために、若干スカートが外に出ているのだが……まあ、大きな問題ではない。

「行くぞ!」

 ドラスが乗り込んだのを確認して、Xライダーはアクセルを捻る。
 エンジンが急速に温まり、走り出すサイドマシーン。
 放たれたスピアチャージショットは、再び雪を溶解させて地面を穿つに終わる。
 走り去るサイドマシーンから、エックスはうつ伏せのまま哮天犬に身を預けるナタクの方へと視線を流す。
 が、すぐに再びサイドマシーンの方を見やることになる。
 ディバインバスターに酷似した魔法が、何発もエックス目掛けて飛来してくるからである。
 今のところはバリアで防いでいるとはいえ、連発されれば普段より性能が劣化しているフットパーツでは耐え切れない。
 そう判断し、エックスは跳躍。サイドマシーンを追いかけるべく、宙を駆ける。
 彼の纏うファルコンアーマー、その左腕のアームパーツは先刻のX必殺キックによって粉砕されていた。
 しかし、被害はそれだけ。
 背中から民家に突っ込んだが、ボディパーツに守られているために行動には支障がない。
 粉砕された箇所の下にあった左腕も痛みこそあれど、これまた行動には支障なし。
 ほぼ万全の状態で、エックスは宙を走る。全てのイレギュラーを破壊するために。


 ◇ ◇ ◇


 七度目の着地により、フットパーツにエネルギーを蓄えたエックス。
 前方を行く黄色い車を眺めつつ、またしても距離を詰めんとフリームーブで飛翔。
 少し加速したように見えるサイドマシーンに、さながら苦虫を噛み締めたような表情で吐き捨てる。

「ふざけている」

 言葉の対象は、やはり眼前のサイドマシーン。
 追いかけ始めてから少し経った時から、エックスは相手の行動に違和感を抱いていた。
 逃げるのが目的であるのなら、ずっとアクセルを捻りっぱなしにしていればいい。
 フリームーブの速度が劣っているワケではないが、一定時間飛行すれば着地しなければならないという枷が存在する。
 サイドマシーンに乗った面々が本当に逃亡しようとしているのなら、追跡するエックスとの距離が一定なはずがないのだ。着地の際に引き離されるのだから。
 だというのに、現状はどうだ。
 七度も着地しているのに、両者の距離は追跡開始時と何ら変わりない。
 それどころか、エックスが着地している間は速度を緩めているようにさえ見える。
 繰り広げられるのは、天秤がなかなか傾かない泥仕合。
 ある程度の距離から、魔法とショットの相殺合戦。
 迎撃し損ねた少数は、どちらも防御障壁とフリームーブのエネルギーに阻まれている。

 やがてエックスは一つの仮説を立てる――――サイドマシーンを駆る三人はただ逃げているのではない、のかもしれない……と。

 飛来する魔力の結晶を回避、あるいは撃ち落しつつ、さらに思案を重ねるエックス。
 逃げているのでないならば、彼らは何をしているのか。
 エックスの見たところでは遠距離攻撃が可能なのは、魔法を放っているドラスとナタクを撃ち落したチンクの二人。
 チンクが攻撃を仕掛けてこないのは疑問だが、防御障壁に徹しているのだとエックスは判断。
 一度相手をしているエックスには分かる。武器を持っていなければ、Xライダーは遠距離攻撃が不可能。
 ただでさえ、三対一というエックスに不利な状況。
 Xライダーという近接戦闘の鬼もいるのに、どうしてわざわざ距離を取る。
 それほどまでに相手が愚かであるから――そんな答えで、シグマの野望を四度覆したエックスは納得しない。
 暫し頭脳を働かせ、ついにエックスは結論を導き出す。

「…………囮、か」

 彼の思考の片隅に出現したのは、T-800より伝え聞いた言葉。
 シャトル発着場にイレギュラーが群れているという情報。
 あえて速度を緩めてまで、エックスを北方面に惹きつける三人。

 ――――まるで、エックスをシャトル発着場から遠ざけるかのように。

 そういうことかと、エックスは一人理解する。
 現在追いかけている三人は、シャトル発着場にいるイレギュラー仲間を匿っているのだと。
 そうと確信したエックスには、追いかけっこを続ける道理はない。
 相手が消耗戦を望むのならば乗るつもりであったが、もうその気はなくなった。
 極力ダメージをゼロで戦闘を終えたい、そんな甘い意向も切り捨てる。
 多少の攻撃は受けてでも目の前のイレギュラー三体を破壊、奪い取ったサイドマシーンでシャトル発着場へと向かう。
 そのように決断し、エックスは八度目の着地の後に跳躍。
 迫る魔法弾を撃ち落さずに身体を旋回させて、バスターにエネルギーをチャージする。
 避け切れなかった光弾がファルコンアーマーを焦がすが、エックスは意に介さない。
 多少の被弾は無視してでも、防御障壁で防ぎきれないスピアチャージショットを放とうとエックスは瞳を暗く染めた。


 ◇ ◇ ◇


「まずいよ、神さん。エックスが怪我を負ってでも、僕達を止めるつもりになったらしい」
「あれは私じゃ防ぎきれないぞ!」

 片や光弾を放ちつつ、片や防御障壁を展開しつつ、運転しているために背後を確認できないXライダーに告げる。
 響くチャージ音を耳にしながらも、Xライダーは落ち着いた様子でチンクに尋ねる。同じ質問を放送前にドラスにしていたのだが、それはまた別の話。
 モンスターマシンを運転中だというのに、思いっきり横に首を捻るXライダー。
 チンクは一瞬だけ目を丸くして、困惑を含んだ声で答える。

「チンク、剣や棒の類を持ってはいないか?」
「あるにはあるが……」
「それを渡してくれ!」

 ハンドルから離した右手を伸ばすXライダーにひやひやしながら、PDAを手に取るチンク。
 虚空より出現したのは、燕という名の日本刀。その刀身は、湖を思わせる深いブルー。
 風に飛ばされそうになる燕をどうにかこうにか抱えて、チンクはXライダーに掴ませる。
 簡潔に礼を言うと、Xライダーは左手までもハンドルから遠ざける。
 そして目を見張るチンクをよそに、Xライダーは……

 ――――跳躍した。

 エックスの迎撃に集中していたドラスまでも、異変に気付いて思わず口をぽかんと開く。
 二人――否。エックスを含む三人から驚愕の視線を浴びながら、宙返りをしたXライダーがサドルを踏み締める。
 宙返りの際に身体を反転させたために、Xライダーの視線の先にいるのはエックス。
 携えているのが名刀であると見抜いたXライダーは、燕を軽く振るって空を着る音を確認する。

「なぁっ!? おい、ジン! お前は運転を――」

 我に返って、言葉を荒げるチンク。
 アクセルに誰も触れていないのにサイドマシーンは走り続けているのだが、現在のチンクにはそれに疑問を抱く余裕すらない。
 というか、運転手がハンドルとアクセルから離れて冷静でいられる神経なんか、チンクの横にいるドラスだって持ち合わせていない。
 空を駆けるエックスは、チャージの完了したバスターを向ける。
 Xライダーの行動に理由がないとは思っていないが、エックスは元より運転している人間を落とすつもりであったのだ。

「そう焦らるなよ、チンク。
 操縦しながら調べてみたが、どうやらこいつは電子頭脳にも反応するらしい。何か障害物があれば、指示頼む」

 振り向くことなく、チンクに返答するXライダー。
 防御障壁をもぶち抜いた光弾から視線を離さず、燕の柄を両手で握る。
 その構えを見たエックスに、前に眼前の男と戦闘した際の記憶がフラッシュバックする。
 ついつい歯を軋ませるエックスの前で、Xライダーはかつてと同じ行動を取る。
 Xライダーの腕力により高速回転する燕は、まるで円形の青い壁。

「ライドル……バリアー!!」

 巨大な光弾と青い壁が激突。
 スピアチャージショットは貫通力に優れた攻撃とはいえ、前述したようにXライダーが扱うのはただのバリアではない。
 ゆえに、貫通性が高いところで意味は為さず、スピアチャージショットは敬介に届かない。
 エネルギーの結晶は掻き消されて、周囲に霧散する。

「しま――ッ!」

 だが光弾を消滅させたXライダーの方も、体勢を崩してしまう。
 先刻、Xライダーはナタクによって両腕骨を粉砕されている。
 生命の水摂取で治癒力が活性化しているとはいえ、未だ腕骨は完治していない。
 スピアチャージショット自体は掻き消したものの、その衝撃は受け流しきれずに骨のひびに到達。
 体勢を立て直そうにも酷く狭い足場のため、Xライダーは雪に体を叩きつけることになる。
 その際の衝撃で電子頭脳からの指令も途絶え、サイドマシーンも動きを止めてしまう。
 サイドカーから降りたチンクとドラス、立ち上がったXライダーに視線を流して、エックスがフリームーブのエネルギーを切る。
 サイドマシーンに乗っていた三人から十メートルほどの地点に足をつけたエックス、静かに口を開く。

「追いかけっこは終わりだ」

 氷のような冷たい視線を向けるエックスに、Xライダーが静かに問いかける。

「考えを改めることはできないのか?」
「もう戻れない。一体のイレギュラーとして全てのイレギュラーを殲滅するだけだ」

 淡々と答えていながら、エックスがほんの少し表情を変えた。
 すぐに軽く俯いたために、Xライダーとチンクは気付かなかったがドラスは見逃さない。
 かつて自らの意思で過ちを犯していたドラスであるから、エックスの小さな異変を見逃せない。

「……でも、いま凄くつらそうな顔をしてたよ?
 あの時の僕とは違って、本当は分かってるんでしょ? こんな僕でも許してくれる人はいたんだ……少なくとも僕はあなたを許すよ」
「――ドラス!」

 不用意にエックスに歩み寄ろうとするドラスを、チンクが静止しようと手を伸ばす。
 チンクに押さえられながらも、ドラスはエックスを見つめるのをやめない。
 無音のまま時が過ぎ去り、ついにエックスが意を決したようにドラスに視線を返す。
 その表情が、まるでただの人間のように見えた。少なくともドラスには。

「…………俺が間違っていることくらい分かっている。
 だが、もう止まれない。少なく見積もって四体のレプリロイドを破壊している……いまさら往く道を変えられるものか」
「っ、でも――――」
「喋るな」

 自分でさえ変われた。変わるのを許してくれた人がいる。
 そんなドラスの言葉は告げられるより早く、エックスによって塞がれた。
 エックスは決意を胸に顎に力を篭める、オイルという名の血液がエックスの口内に染み出す。

「俺はイレギュラーをやめはしない。何と言われようとも、かつて抱いていた幼い考えを再び手にすることはない」

 先程まで人間だったエックスが青い鬼と姿を変えたように、ドラスには感じられた。

「自分達が正しいと……そのやり方で平和を作れると言うのなら、まずは目の前にいるイレギュラーを破壊して証明して見せろォ!!」

 喉を痛めつけるほどの叫び。
 チンクは、デイパックより幾つかの金属片を手に取る。
 説得を試みるとドラスに告げたXライダーも、重心を低くして燕の切っ先をエックスへと向けている。
 その光景に、ドラスは再認識する。
 エックスを止めるには倒すではなく、破壊するしかない。
 そう考えたのが、自分だけではなかったのだと。

「破壊、する」

 口に出すことで、さらに決意を固めるドラス。
 エックスへ向けて右腕を伸ばすと、その掌の前に魔方陣が展開される。
 立ち込める静寂、広がる緊迫感。
 ごくり、と静かな中に喉を鳴らす音が響き……それが合図となった。
 両脚のフットパーツから見て取れるほどのエネルギーを溢れさせて、エックスが宙を蹴る。
 エックスが取った行動は上昇ではなく、直進。制空権を握っていながらの行動に、ドラスが思わず目を白黒させる。
 戦闘経験の差か、Xライダーとチンクの二人は予想済みだったらしい。
 Xライダーが、迎え撃たんと燕を振りかざす。
 一気にエックスとの距離は半分まで縮まる。
 そろそろチンクが、爆発物と化した金属片を投げつけようとした時だった。

 ――――白い犬が、横合いからエックスに突っ込んだ。

 完全に目の前の三人だけに集中していたエックス、反応しきれずにもろに受ける。
 数回バウンドした末に、雪原にうつ伏せで倒れこんだ。

「…………え?」

 呆けたような声は、誰のものであっただろうか。
 六つの瞳に映るのは、やはり見覚えのある白い犬。

「……ふん」

 南方向からの声に三人が振り向けば、立っていたのは赤い髪をした蓮花の化身であった。
 呆気に取られている三人の反応を待たずに、彼等の元に辿りついたナタク。
 哮天犬を手元に戻すと、立ち尽くす三者に鋭い視線を向けて言い放つ。

「言ってなかったが、俺は力だけじゃなく嗅覚まで弱まっている。
 少し離れただけでどこにいるのか分からなくなるから、あまりちょこまか動くな。迷惑だ」

 むっとした表情で、ドラスがナタクを見上げる。
 仄かに顔を赤くして、腕を振るいながら抗議じみた反論を投げる。

「倒れてたナタクを庇おうとして、神さんはエックスを惹きつけてたんだよ!?」
「そんな気遣いはいらん」

 ナタクのふてぶてしい返答に、明らかに納得がいっていない様子のドラス。
 言葉を詰まらせながらも、その二つの目は雄弁にナタクに文句を放っている。
 軽くナタクは息を吐き、視線をドラスから少しだけずらして一言。

「…………もっともその行動あって不意を付けたのだから、迷惑は言いすぎだったな」

 ドラスが笑みを浮かべたのを横目で確認すると、ナタクは再び向き直る。
 そんなナタクに、Xライダーが心配したように尋ねる。
 ナタクにとってはあまりにも下らない内容だったが、ドラスも気がかりなようなのでナタクは答えることにした。

「この程度で、戦えなくなるものか」

 ほんの少しだけ口角を吊り上げて、ナタクは続ける。

「血まみれになっても両手両脚をもがれても、俺は戦える。
 頭を砕かれても本体は生きていた。疲労以外の原因で俺が戦えなくなるのは、死んだ時だけだ」

 内容は信じられるようなものではないが、ナタクの態度から都合のいい虚言でないのを三人は知る。
 何より目の前にいるナタクは、背を焦がしていながら普段通りに振舞っているのだ。
 そんな彼の前に出て、チンクがおずおずと口を開く。

「……誤解をしていた。すまなかった」

 別に、彼女はナタクに対して大した罪悪感を抱いていない。
 初対面で殺しにかかってきた、元々気に入らなかった相手であるのだから。
 しかし、頭を下げる。
 ドラスにとって友人である男を傷付けたのだし、ドラスの前で謝罪という更正プログラムの初歩を無視するワケにはいかなかった。
 ドラスの姉であることを誇りに思っていて、ノーヴェの教育係でもあったチンクとしては。

「あんな爆発如きで謝っている暇があれば、戦いに集中しろ。エックスは死んでいない。
 あの男から目を離すな。早く武器を構えろ。決して気を抜くな。ヤツは俺が殺すつもりだが、自分の身くらいは守れ」
「ぐっ、貴様……!」

 その謝罪を聞き流したように指示を出すナタクに、チンクは思わず手を出してしまいそうになる。
 ドラスがいるために、チンクはその衝動を何とか堪える。
 そんな葛藤など知ったことかと、ナタクが微動だにしないエックスに視線を向けて吐き捨てる。

「あの男、とんだ狸だな」
「え?」

 気の抜けた声をあげるドラスへと、ナタクは向き直る。

「俺が加減したのに、やられたよう欺いているということだ。
 ところで、説得はすんでいるのか。殺していいのかどうか、はっきりさせろ」

 説得は無意味だと断言しておきながら、それが終わるのをナタクが待っていたのだとドラスは気付く。
 口癖のように殺すと連呼しているのに気を回してくれていたナタクに、ドラスは微かに頬を緩め――すぐに険しい表情に。

「…………破壊するしかない、みたいだよ」

 予期していた返答にナタクは相槌を返し、右腕にカセットを挿入して機関銃とする。
 付近にいる三人に背を向け、哮天犬に触れた後に振り返る。

「俺が殺す」
「なッ、一人で行くつもりなのか!?」
「手助けなどいらん。貴様等は流れ弾にだけ注意していればいい」

 Xライダーの問いに、ナタクは短く答える。
 再びエックスを見据えるが、哮天犬に乗ろうとしたところで混天綾が引っ張られていることに気付く。
 やれやれと漏らして、ナタクが首を回せば瞳に映ったのはドラス。

「何だ」
「……その火傷で、普段通りに戦えるの?」

 そんなことかと胸中で呟いて、ナタクはもう一度自分の丈夫さを説明する。
 だが、それを聞いてもドラスは手を離さない。

「でも、それはいつものことでしょ?
 この場所に来てから僕は治癒力が落ちてる……ナタクも同じだろ? 現に、火傷を負ってからすぐには動けてなかったじゃないか」
「もう問題ない」

 有無を言わさない口調のナタク。
 それでも、ドラスは続ける。

「ギンガお姉ちゃんから攻撃受けた時だって、すぐには動けなかったじゃないか……
 頼むから、みんなで戦おう……お願いだよ。ナタクだって知ってるだろ? もう僕は誰も失いたくない……それはナタクもだよ」

 ドラスの瞳が湿り気を纏う。
 それを確認したナタクは、何も言わずにエックスの方へと首を戻す。
 視界に入るナタクの背中に、ドラスはもう一度言葉をかけようとする。

「……まあいい。俺一人で十分だが、同行したいのなら好きにしろ」

 ドラスが表情を明るくして、了承の意を示す。
 その言葉を聞いて、ナタクも僅かながら白い歯を露にする。
 そしてふと思い出したように、ドラスの後ろにいる二人に視線を投げる。

「足を引っ張れば殺す」

 歯を噛み締めるチンクの横で、Xライダーがマスクの下で軽く笑みを零した。



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140:バタフライエフェクト チンク 142:狂い咲く人間の証明(2)
140:バタフライエフェクト ドラス 142:狂い咲く人間の証明(2)
140:バタフライエフェクト ナタク 142:狂い咲く人間の証明(2)
140:バタフライエフェクト 神敬介 142:狂い咲く人間の証明(2)
140:バタフライエフェクト ハカイダー 142:狂い咲く人間の証明(2)
140:バタフライエフェクト フランシーヌ 142:狂い咲く人間の証明(2)
140:バタフライエフェクト エックス 142:狂い咲く人間の証明(2)





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