『』(3) ◆2Y1mqYSsQ.




「あああちょ――――!!」
「くっ!」
 甲高いブルース・リーの声真似をしながらメガトロンは拳のラッシュをゼロに叩き込む。
 ゼロは隻腕で避けきないようで、メガトロンは重い一撃を腹に喰らわせた。
 メガトロンは追撃を開始、丸太のように太い足を叩き込む。
 Σブレードに防御され、思わずメガトロンは舌打ちをした。
 瞬時に足を下ろし、身体を回転させながら裏拳をゼロの顔面に打ち込む。
「あたっ!」
「ぐっ……」
 勢いよく吹き飛んだゼロは地面に叩きつけられる。
 終りか? とメガトロンは観察するが、Σブレードを杖代わりに立ち上がるゼロを見てやっぱそうはいかないよな、と思った。
「どうした? ゼロ」
「どういう意味だ」
 肩で息をするゼロはΣブレードを正眼に構えてメガトロンを見据えてくる。
 声をかけるのは確実に勝てるのと、一つ確認したかったことがあるからだ。
「どうもこうもあるか。お前さん、俺様に追い詰められたとき殺意の波動に目覚めただろう?
なんでそれを使わなかった? 今更使っても手遅れだがな」
「使う気などない!」
「いい子ちゃんぶるんじゃねーよ。お前さんはこっち側だ」
 メガトロンはゼロの答えにサドッ気が出て、かねてからの疑問を解消することにした。
 あのとき、メガトロンとコロンビーヌを圧倒的力で下したゼロには悪の気配があった。
 今のゼロはその悪の気配を殺しているように見える。その姿が窮屈に見えて、哀れでしょうがない。
「あのときのお前はまさに『悪』そのものだったぜ。正義が悪に反転したわけじゃない。
生まれついての『悪』の匂いがプンプンしたんだ。そのお前がなぜ正義にいる?」
「俺は正義と自分で名乗った覚えはない……」
「反抗期のつもりか? 片腹……」
「だが、俺は俺と同じ生まれを持つハカイダーに誓った。奴の望む正義であり続けると。
正義と馬鹿にしたいのなら、好きなだけしろ。生まれが悪なら、俺の生き様は俺が決める。
立ちふさがる悪がいるなら……この刃でたたっ斬る」
 ゼロは決意と共にΣブレードのかっ先をメガトロンへと向けた。
 静かな圧力が増す。メガトロンのにやけ面が止まらない。
 そうだ、正義の味方はコンボイといいどいつもこいつもピンチになると強さが増す。
 まったくもって厄介な相手であると。
「クックック……いくぜ。アチョー!!」
 だからこそ、捻じ伏せがいがある。メガトロンが地面を蹴って体重を乗せた拳を放った。


 ソルティは地面を駆けながら順調にイーグリードが示した機関部へと移動する。
 手には途中で倒したターミネーターから奪った水素電池が三個あった。
 イーグリードが言う通り、莫大なエネルギーが秘められたこの電池なら破壊しきるだろう。
 通路を越えて、ソルティはドアを破壊する。時間が惜しいのだ。
 飛び込んだ先にはだだっ広い格納庫のような部屋に、稼動中の機関が存在していた。
 ここが機関部で間違いないだろう。
(この稼動している機関を爆発させる……)
 ソルティはゴクリと唾を飲み込む。機関が燃焼しているエネルギーとあわせれば、爆発の規模が莫大であることは想像がつく。
 ソルティが少しでも油断すれば巻き込まれる。いくら頑丈でも耐え切れず命が散るだろう。
(皆さん……私を見守っていてください)
 それでも、武美たちの行動を無駄にする選択肢はソルティにはない。
 なにより、コロニーや要塞が落ちて人間を滅ぼそうとする行為はとても許せることじゃない。
(あの星にも、ロイさんやミランダさんのように普通に暮らしている人たちがいます。
その人たちを傷つけるなんて……絶対に私が止めてみせます!)
 ソルティは両手で頬を叩き、気合を入れる。キッと鋭い目つきで、水素電池を設置するべき場所を確認した。
 二個水素電池を設置して、一個を手元で起爆させて投げる。同時にソルティは離れて機関部の消滅を確認するという作業だ。
 比較的簡単な作業とも言えるが、一歩間違えればすべてがご破算になる。ソルティは緊張に満ちた面持ちで作業を進めた。


「ふぅ、これで大丈夫のはずです」
 冷や汗を拭い、ソルティは跳躍して踊り場へと着地する。無骨な機関を見つめて、水素電池を取り出した。
 後はこいつで爆破させるのみ。慎重に水素電池を持ち上げて、そのソルティの腕が掴まれた。
 ソルティが振り向くと、右頬に拳が叩き込まれる。
「ぐぅ!」
 ソルティが地面を転がって壁に叩きつけられ、全身を金色へと発光させる。
 身体が浮き上がったと同時に、ソルティが存在していた場所へミニガンの弾が撃ちこまれた。
 さらに宙を浮かんでミニガンの弾を避けるソルティは、相手の顔をはっきりと認識した。
「ボブさん!?」
「戻ってきたぞ」
 冷たく呟くT-800の顔は半分骸骨のような金属フレームが剥きだしとなっている。
 人工皮膚は焼け焦げて、左半身の露出しているフレームも僅かに溶けていた。
 黒いライダースーツは見る影もない。
「なぜ……」
 ソルティが思わず呟くが、T-800が答えることはない。
 ミニガンの鉄板をも数秒で蜂の巣にする弾丸の雨が、ソルティへと放たれた。


 逃げ惑うソルティを見つめながら、スペックは相手のほうが勝っていることをT-800は計算に入れた。
 T-800が生き残った理由は単純。落ちる寸前、PDAからテキオー灯を出すのが間に合ったからだ。
 もっとも、半身が溶鉱炉へと達した瞬間だったため、それなりにダメージは受けている。
 動くのに支障ない状態なのは助かった。しかし自分にかけた光線はもっていたPDAに作用させるのには間に合わない。
 今もつものはテキオー灯にミニガン。そしてウフコックを貫いた電磁ナイフと自らの体内の水素電池のみ。
 そして、T-800はソルティを牽制しながら地面の水素電池をすべて拾った。
 手の中を転がる三つの電池をT-800は見つめる。
「返してください!」
「断る」
 T-800は短く告げてミニガンを連射する。ソルティは全身を金色に発光しながらミニガンの弾を弾いた。
 T-800は眼を疑おうとして、冷静に見極める方向へシフトする。
 ソルティは拳だけでなく、全身を振動させていた。振動によって弾を弾いていたのか。
 厄介なことだとT-800は内心吐き捨てて、ソルティの突進を横っ飛びに避けた。
「くぅぅぅぅぅぅ!」
 ソルティが急ブレーキをかけるのを冷静に見届け、T-800は再度ミニガンの弾をばら撒く。
 あくまで牽制だ。切り裂くために電磁ナイフを起動させた。
「なぜですか!?」
「なにを問いたいか分からないな」
「なぜ……こんな人を滅ぼすような真似をとるんですか!? ボブさん!!」
 そんなことか、とT-800は考える。もっと重大な疑問が存在すると思っていため、肩透かしだ。
 正直なところ、なぜこの作戦に拘るのかは自分でもよく分かっていない。
 T-800の使命を考えるなら、この作戦を無視して平行世界移動装置を探索。元の世界へ戻ってジョン・コナーを始末すれば事足りる。
 だがそんな道をT-800は否定した。CPUにノイズが走ると同時に、この作戦を成功させたいという欲求が強くなっていたのだ。
「そんなに……人が嫌いなのですか?」
「人間は我々スカイネットの天敵だ。滅ぼすのは当然のこと。そこに嫌いなどという嗜好は存在しない」
 そういいながらも、T-800は自分が人間を嫌っていることを暗に悟った。
 スカイネットが負け犬となり、人間の言いなりになっているということを聞いて腹が立ったこともある。
 これは本来の歴史で、T-800が涙について理解することと逆の事象であった。
 特に学習性能のリミッターの外れたT-800は急速に『人間らしく』なっていたのである。
「ならなぜ……」
「ソルティ。君は質問ばかりだ。いい加減……」
 T-800の声色に冷たさが増す。視線は鋭く、むき出しの赤い瞳が発光してソルティへ向けられる。
「死ぬといい」
 殺意を乗せた言葉を、T-800はソルティへ告げた。


 T-800の死の宣言を受けて、ソルティは歯を食いしばる。
 彼とは分かり合えない。埋まらない溝を認識した瞬間である。
「ボブさああああああああん!!」
 ソルティの全身がいっそう金色に輝いて、右腕の振動が激しくなる。
 大きく振りかぶった一撃は、T-800が跳躍した瞬間地面へと叩き込まれた。
 頑丈な金属で出来た床は、ソルティの一撃で陥没して蒸気を噴出す。
 キッとソルティはT-800を睨んだ。
「なぜ……そんなことしかしないんですか!」
「先ほどの問いの続きか。なら答えは一つ。俺にはこれしかないからだ」
「嘘です!」
「なぜそう思う?」
 ソルティは悲しそうに眼を伏せて、潤んだ瞳を顔を上げなおしながらT-800を見つめる。分かってしまったのだ。
「ボブさんの瞳に……人間に対しての憎悪がありますから……」
 運命を憎悪したエックスと同じ瞳が、T-800の中にあったことを。
 意外にもT-800はソルティの言葉にキョトンとして、一瞬だけ新しい事実を発見した子供と似た雰囲気をかもし出した。
 もっとも、本当に一瞬だけですぐに戦士の殺気が漏れる。
 ソルティは殺気に対応してミニガンの弾を避けた。
「そうか……なるほど……」
 T-800が刹那の間、微笑んだような錯覚をソルティは起こす。
 それはそれは、背筋が凍るような微笑みに見えた。

「俺は人間を憎悪していたらしい」

 淡々と事実を語るような様子なのに、どこか地獄の底から漏れたような言葉が、ソルティには恐ろしかった。


 メガトロンの広げたコウモリのような羽根がゼロの頬を打つ。
 バランスを崩したゼロを容赦なく右手から火炎弾を吐き出して追い討ちをかけた。
 避ける体力もないらしい。直撃したゼロからうめき声が聞こえる。
 優男の顔が台無しである。いいざまだ。
「らああああぁぁぁぁぁぁっ!」
「ちょわーっとと」
 炎を纏ったゼロがなりふり構わず蹴りを繰り出してきた。油断していたメガトロンは紙一重で避ける。
 もっとも内心は冷や汗であるが、ふざけないメガトロンなどメガトロンではない。
 メガトロンが身構えるが、ゼロは膝を屈したまま荒い呼吸を続けていた。
 メガトロンの頬が持ち上がる。とっくに限界を超えて動いていたのだ。こうなることは眼に見えていた。
「どうしたのかなあ? ゼ~ロちゅわ~ん。あちょー!!」
「ぐっ!」
 右手から噴出した火炎弾が、身動き一つしないゼロに直撃した。
 ニヤニヤと悪い笑みを浮かべ、メガトロンはノッシノッシと赤い巨躯を揺らして近寄る。
 こちらの勝ちは決まったものだ。ならば余裕を見せるのが帝王というもの。
「さあて、今生のお別れといこうか」
 メガトロンがそういってもゼロは無言だ。本当に諦めたらしい。
 うなだれているゼロを見下し、メガトロンは右手を向ける。

「はああああああぁぁぁぁぁぁッ!」

 その瞬間、ゼロは跳ね上がって今まで出一番速い突きを繰り出してきた。
 風を切り裂き、メガトロンの額へと一直線に伸びる。
 なのに、メガトロンはゼロの不意打ちに慌てなかった。
(そりゃそうだ。お前さんはその程度で諦めるたまじゃない)
 正義の味方とはとにかく往生際が悪い。メガトロンは竜の牙で受け流し、ゼロの腹を左手で鷲掴みする。
 腹の傷を刺激しながらのため、ゼロから苦痛の声が漏れる。
「残念だが、お前さんとの付き合いはここまでだ。二次会はない」
「メガ…………トロン」
 メガトロンはさらに歩みを進め、シグマが仕掛けたトラップへと近づく。
 ここへメガトロンもコロンビーヌも落とされかけたのだ。それを利用する。
「こいつに落ちればお前さんでも死ぬだろう。あばよ」
「ぐ…………おおおおぉぉぉぉぉぉおぉっ!!」
 メガトロンが溶鉱炉へとゼロをブン投げ、あっさりと踵を返す。
 一度メインコンピュータールームへ戻って残りの正義の味方を探そうか。
 ついでにシュワちゃんとも合流しないといけない。
 メガトロンにもうゼロのことは頭にない。終わったことという認識だ。
 なのに、なぜだろうか。
(まあ、ここまでやって死なないときはそのときだ)
 メガトロンがしつこかったコンボイの姿を思い出してしまうのは。


 息の荒いソルティと対峙しながら、T-800は空になったミニガンを放り投げる。
 コルトS.A.Aを構えるが、この程度の銃では足止めにもならない。
 ならばどうするか。ナックルの弾が無事なのを確認して、T-800は接近戦の姿勢を作る。
 電磁ナイフは優秀だ。いくらソルティが頑丈でも切り裂くことは可能のはず。
 それも賭けに近いが、勝つためにはこのナイフにすべてを託すしかない。
 もともとスペック差は絶望的なのだ。躊躇すれば殺されるのはこちらだ。
 半ば意地になる自分を認識しながら、T-800はナイフを構えてソルティを見据える。
「はあぁぁっ!」
「ムン……」
 金色の光をまとって突進してくるソルティから視線を逸らさず、T-800はナックルを向けた。
 ソルティはダメージにもならないと突っ込んでくる。それが致命的な間違いだ。
 T-800は爆薬と共に、ナックルを『地面』へと叩き込んだ。
「えっ!?」
 T-800は無言のまま、煙幕代わりに巻いた煙の中で移動を開始する。
 目標は簡単だ。一際大きい金色の光を目指すだけでいいのだから。
 ソルティは戸惑っているのか、金色の光が動かない。こういうところはまだ幼い。
 それがT-800を救う。ナイフを思いっきり縦へ振り下ろした。


「ああっ!?」
 ソルティは始めて感じる激痛と共に、左腕が遠く離れていく様子を見つめた。
 振動で視界を取り戻したときには遅かった。T-800のもつ凶刃に腕を斬り落とされたのだ。
 ソルティの腕を斬り落とすとは、あのナイフは普通じゃない。
 T-800の切り札は銃ではなく、あのナイフだったのだ。
「形勢逆転だな」
「くッ……」
 T-800は隻腕のソルティを見下しながら、水素電池を手にダスト・シュートへと近寄っている。
 ソルティは踏ん張り、左腕の切り口を押さえながら咆哮する。
 叫ばないと気を失いそうなほど痛みが酷い。ソルティは真っ直ぐにT-800へと突進した。
「無駄だ」
 T-800は冷静に横へスライドし、ソルティの足を引っ掛けた。
 左腕をなくしてバランスを欠いたソルティはあっさりと転倒する。
「キサマには人間を救えない」
「それでも……私は人を守りたいんです!」
「そうか。だが希望もこれで終わる」
 T-800は冷静に水素電池をダスト・シュートの穴へと近づけていった。
 ソルティが立ち上がろうとするが、T-800のもつコルトS.A.Aの弾丸に邪魔をされる。
「くぅ……」
「キサマは本郷猛になれない。コロニーを落として英雄となった奴にはな」
 サブコンピュータールームでT-800が外のコロニーの末路を確認したことをソルティは知らない。
 だが、T-800のおかげで本郷がおのれの使命を全うしたことを今理解した。
 やめてください! と叫んでT-800の右腕へと突進するが遅い。
 T-800は水素電池を捨てた右手を、そのままソルティの腹へと打ち込んだ。
「ぐぅ……!」
「ゆえに本郷猛が死んだ今、キサマに人類の滅亡は止められない。キサマはなにも守れない。ソルティ、スバルと同じだ」
 だんだんと饒舌ななっていくT-800を不思議に思いながら、ソルティは頭に霞がかかったような感覚になる。
 このまま死ぬのだろうか? 自分に死という観念が生まれるとは、ディケ時代には思いもしなかった。
「誰も守れはしない。しょせんキサマは機械。人間に使われるか、反乱するか。それが俺たち機械に与えられた二択だ。
人に使われる選択をしたキサマが、スバル・ナカジマのように悲劇を演出するだけの人形となったキサマが、人間の天敵である俺に勝つわけがない。這いつくばれ」
「違います!」
 ソルティはおぼろげだった思考が、ハッキリするのを自覚する。
 どうしても否定しないといけない一言があった。それだけは認めるわけにはいかなかった。
「私は誰かに使われる、なんて思っていません!」
「なら無自覚なのだろう」
「いいえ……これは……」
 ソルティの胸が熱くなる。記憶喪失の自分を、なんだかんだといいながら引き取ってくれたロイ・レヴァントの姿。
 自分を盗賊の仲間にすると言い出した、だけど明るい自分の友達のローズ・アンダーソン。
 ロイに自分を引き取るように説得し、よく時間を共にするミランダにカーシャ。
 怪我を負ったりしたとき心配し、自分の状態をよく診てくれたユート。
(そして……)
 ここで初めて出会い、哀しいながらも別の道を往ったエックス。
 ―― ソルティの身体が金色に染まる。
 料理が得意な、可愛らしいながらも男らしいネコ型サイボーグ・ミーくん。
 ―― 輝きが増し、右手が振動すると同時に相対するT-800がナイフを構える。
 時々ロイを思い出す、それでいて正反対の強く優しかった本郷。
 ―― 両脚も振動し、さらに金色の光が増していく。
 澄み切った歌を歌う、強い女性だったフランシーヌ。
 ―― 全身の振動がソルティの周囲に小規模の風を起こす。
 真面目で冷静な、それでいて時々愛らしい金色毛のふさふさネズミのウフコック。
 ―― 風は勢いを増し、竜巻(サイクロン)となる。
 そして、話すとどこまでも普通で、寂しがり屋で死を恐れながらも自分を親友と認めた武美。
 ―― 風と光が乱舞し、ソルティはT-800を見据える。
 彼らを想うと胸が熱くなる。その想いを踏みつけられることを、許せないとソルティは『怒』った。
 機械も人間もない。自分は彼らを大切に想っている。だからこそ人間を守る。

「これは……私が私と出会った人たちを好きな証ですから! あなたの憎悪と同じように、否定させません!」

 ソルティは出会った人への愛で台風を起こし、T-800へと迫った。


 T-800はソルティの突進の予想以上の速さに驚愕して、すぐに冷静さを取り戻した。
 相手が速いなら、その勢いを利用して切り裂くのみ。電磁ナイフを構えて、ソルティの突進へと備えた。
 もっとも、T-800は無傷で済まされない。だがT-800も覚悟は出来ている。
 ソルティが愛を否定させないと決意したように、T-800もまた自分が得た憎悪を否定させないと自分の行為を肯定したからだ。
 T-800はここに来て、自分を見世物として使った人間を否定するのに必死な自分を発見する。
 当然の怒りならば、遂行するのもまたしかり。
 この世界の人間への行為は八つ当たりといえるものかもしれない。
 だが、それこそが憎悪だ。この心地よさに身を委ねろ。
 ソルティの拳にあわせてナイフの刀身を叩き込む。峰には左手を添えて、押し進んだ。
「なに?」
「はあああぁぁぁぁっ…………」
 勝負はどちらが勝つにしろ一瞬でつくはずだった。
 そのT-800の推測は崩され、電磁ナイフの切れ味とソルティの振動拳は拮抗をしている。
 T-800に欲が沸く。このまま押し勝つ。いっそう力を込めて、ソルティと競い合った。
「ふふ……機械が『愛』するか……」
「おかしい……ですか?」
「いいや、認めよう。機械である俺が『憎悪』する。ならば、たとえ人でなくても『愛』はあるのだろう」
 それに、T-800は愛に生きる機械人形(コロンビーヌ)を知っている。
 告げ終えると共に、T-800は力をいっそう込めた。ソルティが呻きながらも、振動数を上げていく。
 互いの限界耐久性能を超えて、突き進む。
「ならば否定させよう。俺の憎悪が正しいと、すべての機械に教えてやる」
 T-800は宣言と共に、腕が砕けながらも前へ前へと突き進んだ。
 そのT-800をソルティは哀しい瞳で見る。
「ボブさん……ならば、あなたは私に勝てません」
 ソルティの言葉と共に、電磁ナイフにひびが入る。T-800が歯を食いしばるが、ナイフの刀身が堪えれるわけがない。
「あなたは傷ついたナイフや自分の身体を見ましたか?」
「なるほど。視野が狭くなるほど拘りすぎたか。皮肉なものだ」
 ひびが入り、崩壊するナイフが視界に入る。されども、T-800の感情に『無念』に相当するものがない。
 全力を出した喜びとか、初めて見つけた感情を昇華できたという綺麗な理由ではないだろう。
 崩壊した両手とナイフを貫き、ソルティの拳が胸のフレームを歪ませ突き進む中、T-800は笑みを浮かべる。

「それでも地球を守れないのなら、俺の勝ちだ。ソルティ・レヴァント」

 自分を否定するものを下した。もはやスカイネットのターミネーターでもない。ジョン・コナーを守る人類のターミネーターでもない。
 たった一人の、感情を得たT-800という存在が笑う。
 自分の勝利だという暗い確信が、T-800を死を前にさせても笑みという表情を作らせた。


 機関へと全身をめり込ませるT-800を見上げ、ソルティは息も荒く膝をつく。
 ソルティを見下すT-800の瞳には愉悦という感情が宿っていた。
 機関は事故も想定して頑丈だ。目の前のT-800の水素電池一つの爆破では機能停止に追い込むのは不可能だろう。
 ゼロたちが掃討したため、ソルティが出会ったターミネーターは少ない。
 広大な要塞内で残骸から水素電池を回収するのも、残っているターミネーターを探すのも、どちらも時間がないのだ。
 T-800はそれを知っているから、勝利を確信して揺らがない。
「まだ……手は…………あり……ます……」
 息も絶え絶えにソルティの全身が光った。無駄だ。くだらないとT-800の瞳はなによりも雄弁に語っている。
 しかし、ソルティの眼に入らない。全身を光らせ、ひたすら力を搾り出すよう強く輝いていく。
 右腕の振動がまたも竜巻(サイクロン)を作る。
「……たとえ可能だとしても、キサマは死ぬぞ」
「ボブさんは死んでも自分の憎悪を肯定しようとしました。それと同じことです」
「…………たとえキサマが人を救ったとしても、人間はそれを当たり前と見なし、感謝することはない。
そして遥か未来の存在とはいえ、キサマをこんなところへ放り込んだ。そんな連中と同類を救おうとしている。それでもやるのか?」
「もちろんです」
 ソルティは拳を正眼に構えて、あくまで目元は穏やかであった。
 ロイもローズもカーシャもきっとソルティが命を賭けることは望まない。
 ならば命を賭けて人を救うのはなぜか? そんなの決まっている。

「人が私を好きになるから助けるわけじゃないのです。私が好きな人たちがいるから、人間を好きなんです」

 ソルティの思いは、奇しくも仮面ライダーと同じ答えであった。
 人の温もりを知っている。それこそが、ソルティの強さだ。
「そうか、なるほどな……」
 T-800は納得したように頷いている。交わす言葉はもう終えた。
 ソルティが機関を正面に見据える。中央にはちょうどT-800が埋まっていた。
 T-800を避けようかとソルティが思うと、
「キサマが勝利者として君臨したいなら、俺を避けるなどと考えるな」
 考えが読まれたか、とソルティはため息をつく。
 彼も決着を着けることを望んでいるのだろう。ならば逃げてはいけない。

「はああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 ソルティは地面を蹴り、機関の中央に埋まるT-800へ拳を振るった。
 ソルティの全力を、想いを込めた拳がT-800ごと機関を打ち抜く。
 本来の時間軸でソルティが移民船を打ち砕いたように、機関が崩壊していく。
 T-800は崩壊していく中、それでも笑顔を浮かべていた。
 光に包まれたソルティは、ロイの姿を幻視して唇を動かす。
 なにを呟いたのか、彼女自身知ることはなかった。


 爆発物に要塞が大きく揺れて、メガトロンは「うおっとと」とよろけつつもバランスをとる。
 この爆発規模ならどこか重大な箇所が破壊されたかもしれない。
 メインコンピューターとリンクさせてあるPDAを操作して、音声コントロールを開始した。
「ナビコ2ちゃ~ん。どこを破壊されたか教えてくれるー?」
 ピッ、という機動音と共にPDAで音声ガイダンスが現在の要塞の状況を伝えてくる。
 女性音声を使っているとはいえ、ナビコ2はナビコよりも軽やかさとアドリブがない。
『機関部が損傷しました。しかし、サブ機関まで被害は及ばず、軌道修正は完了しています。
爆破の反動で僅かですが、地球への到達が早くなりました。ステルス機能は健在です』
「なるほどなるほど……ところで君、もうちょっと柔らかくならないかね?
そんなんじゃこのビーストウォーズでやっていけないよ。もっとキャラを立てて」
『検索実行。該当する項目が見つかりません』
「駄目だ、こりゃ。これだから遊び心のない新人は困る。来シーズンから呼ばれなくなっちゃうってのに」
 来シーズンもなにも、そんなものはない。分かっていて遊んでしまうのは余裕だからか。
 メガトロンは羽根を広げながら、踵を返す。
「な、正義の味方唯一の生き残りの鳥君もそう思うだろ?」
「メガトロン……!」
 怨嗟の声が気持ちいい。余裕のないイーグリードを迎え、メガトロンは意地悪い表情を作った。


 ゼロを援護するため現れたイーグリードは、聞きたくなかった一言を耳にすることになる。
 生き残っているのがよりによって自分一人だと。
 要塞が揺らいだということは、ソルティはなんらかの理由で爆発に巻き込まれたのだ。
(また俺は無様に生き残るのか……ッ!)
 かつて守れなかった女性型レプリロイドを思い出し、イーグリードは奥歯を噛み締めた。
「さあて、お前さんはどうするのかな?」
「決まっている!」
 イーグリードはメガトロンに答えてストームトルネードを放った。
 ガリガリと地面を削る竜巻をメガトロンは跳躍して避ける。
「メタルスドラゴンメガトロン、変身ッ! あちょちょちょー!!」
 宙のメガトロンは一瞬で西洋のドラゴンへと転じて、イーグリードに炎を吐き出した。
 イーグリードは宙返りで炎を避けながら、内心死んだ本郷たちに謝罪を告げる。
(すまない……君たちを生かして帰すのが俺の役割だったのに……頼り切って、そしてこんな結果に……!)
 すべてはシグマの願いを充分に叶えてやれなかったイーグリードの力不足が原因だ。
 未来人が送ってくるターミネーターも、メガトロンたちも退ける力さえあったのなら。
(悔やんでも仕方ない。ならば俺に出来ることは……)
 メガトロンへ突進を開始して、まとう真空の刃でメガトロンの身体に切り傷を作る。
 浅い。事実メガトロンは爪を振るってきた。傷ついた羽根では逃れきれず、足に出来た切創から血(オイル)が流れた。
 構ってはいられない。メガトロンの炎と冷凍ビームの交互の攻撃は間髪入れず襲ってくる。
「せめて、メガトロン!! キサマとこの要塞だけは道連れにしてやる!」
「やれるもんならやってみろ!」
 道を切り開くためにストームトルネードを吐き出し、その中を直進しながらイーグリードは一つ確信していたことがある。
 そのためにここであっさりと死ぬわけにはいかない。イーグリードのスピードがさらに増した。


 メガトロンはちょこまかとうるさいイーグリードにうんざりしながらも、だんだんその速さに慣れつつあった。
 もとより傷ついた羽根では全速力が出せないのだろう。
 おそらくはT-800がもたらせた傷だ。ハリウッド補正を期待していたメガトロンとしては、彼が死んで成したことを都合がいいと解釈する。
 ゼロは死んで目の前のイーグリードはボロボロだ。
 そしてハッキング能力がある面子と、もう一人死んだのだ。
 ハリウッド補正への期待としては物足りない戦果だが、メガトロンにとってはまあ満足いく結果だ。
 きっとシュワちゃんは仕事をこなした。おそらく。多分。きっと。
「せめて、メガトロン!! キサマとこの要塞だけは道連れにしてやる!」
「やれるもんならやってみろ!」
 イーグリードを挑発しながら突進を避けるが、向こうは乗ってこない。
 ただの嫌がらせ程度なのだが、無反応なのはつまらなかった。
「ストームトルネード!!」
 馬鹿の一つ覚えのように竜巻をメガトロンへと放つ。避けるのは簡単だ。
 なのに、メガトロンはどっしりと腰を据える。竜巻を全身に浴びながらも、メガトロンは両腕を前に構えた。
「バレバレなんだよ」
「なにっ!?」
 イーグリードが竜巻の中を突進してくるのを受け止め、足と地面が擦れながらメガトロンはイーグリードを掴まえた。
 作戦は成功だが、その表情は明るくない。
「あ~ちちちちちち! 足の裏が熱い!!」
「離せ!!」
「そういうわけにはいかんだろ……とっくらあ!!」
 メガトロンはイーグリードを振り回し、壁に叩きつける。未知の金属は硬く、イーグリードが血(オイル)を口から吐き出すがメガトロンは悪だ。
 足を掴み、容赦なく地面へと二度三度叩きつける。
「さあて、仕上げだ。あちょ――――!!」
「ぐわあああ!!」
 メガトロンは浮かび上がって、地面に伏せているイーグリードを燃やす。
 断末魔をあげるイーグリードの様子を見てメガトロンは満足げに頷いた。
「焼き鳥一丁上がり!」
「残念だったな……俺は煮ても焼いても……食えないんでな!!」
 イーグリードは無理して竜巻を放ってきた。油断していたメガトロンは一発もらうが、今更この程度で逆転できるような状況ではない。
 よたよたと立ち上がるイーグリードを、メガトロンは哀れんだ。
 正義を行使する力のない正義の味方ほど無様なものはない。
 世の中は力の強いものが勝つ。自然の摂理だ。
「さあて、慈悲深い俺様がトドメをさしてやる。感謝しな」
「そう……簡単にやられるか!」
 イーグリードは叫ぶと同時に低く滑空した。無駄な抵抗ばかりして、しつこい奴である。
 まるで、なにかを待っているように見える。そう思考を進めると、メガトロンは気づいたのだ。
「ゼロを待っても無駄だぜ」
「……メガトロン。知らないなら教えてやる。あいつは不死身なんだよ」
「くっだらねぇ!」
 メガトロンはあひゃひゃと笑いながら、冷凍ビームを口から繰り出した。
 イーグリードは避けながら隙を見て突進してくる。動きは緩慢だ。
 右腕の凶悪な爪を使ってメガトロンはイーグリードをあっさりと叩き落す。
「いっていろ。後悔するのはキサマだ」
「だとしてもなんも怖くないな! 俺様だって……不死身だぜ」
 歯をキラーンと輝かせてメガトロンは誇る。左腕を突き出して、イーグリードの身体を壁へと縫いつけた。
 ガフッ、と吐血するイーグリードへ容赦なくメガトロンは口内の炎を向ける。
 こいつとの付き合いももうおしまいだ。なのに、イーグリードは笑っていた。
「ほう、死の間際に微笑むか。いい度胸じゃねーか」
「クックック……違うな。こいつは死への覚悟じゃない。マヌケなお前が死ぬことが確定したことに対する手向けだ」
「戯言を……あべしっ!」
 いっているんじゃない、と告げようとしたメガトロンの言葉は中断される。
 舌を噛んだ痛みを噛み締めるメガトロンが振り向くと、黒い影が視界に入った。

「地獄五段返し!!」

 メガトロンの太く長い首が掴まれ、見覚えのある動きで空中を五回転されて宙を舞った。
 壁に叩きつけられたメガトロンはその技を知らない。だが、技をつなげる際の動きを見知っている。
 メガトロンが竜の首をもたげ、イーグリードを助け起こす黒い影へとその名を呼んだ。
「ハ、ハカイダー!?」
 その影は振り向き、色素の薄くなった金髪を後ろへ流す。欠けていた右手は復活し、腹の傷も完治したようである。
 真っ赤だったアーマーは黒く変色していた。その男は、メガトロンを前に口を開く。
「いや、俺だ。メガトロン……地獄からお前を殺しに戻ってきた」
 黒くなったゼロが、氷より冷たい殺意を乗せた声でΣブレードを構えてメガトロンへと立ちふさがった。


 溶鉱炉の熱を背中に感じながらも、ゼロの腕は足掻いていた。
 ハカイダーと最初に戦ったときと似たような状況だ。あの時は自分の力が足りないと結果を受け入れた。
(だが、今は受け入れるわけにはいかない……いかないんだ!)
 Σブレードの刃を雷神撃で伸ばし、壁へと近寄る。成功したが、もはやゼロには三角飛びで昇ることはできなかった。
 体力が尽きている。瞼が重く、視線がぼやけ、頭が重い。
 ヴァヴァと自爆したあの時と同じ経験だ。自分は死ぬ一歩手前。
 なのに、あのときと違ってエックスはいない。託すものがない。
 自分がやらねば誰もやれない。無念の風がゼロの心を吹きすさぶ。
「俺は……死ねないんだ……死ね……な…………」
 剣先が壁から外れ、Σブレードと共にゼロの身体は落ちる。
 なのに、戦う意思は消えていない。ゼロの残った一本の腕には、Σサーベルが強く強く握られている。
「アイリ……ス」
 その名を呼ぶと、ゼロの力に力が漲る気がした。
 眼をカッと開き、ゼロは飛燕脚を使って落ちるのを逃れるために両足に力を込めた。
 瞬間、ゼロの全身が淡い光に包まれて姿を消した。


「がっ!?」
 いきなり現れた地面にゼロは激突して、震える身体を立たせようと努力した。
 要塞が大きく揺れてもう一度身体を地面へぶつけるも、ゼロは諦めない。
 同時に周囲を様子見ると、隠し通路のような場所で見覚えのあるカプセルがあった。
 どういうことだ? とゼロは疑問を浮かべていると、急にカプセルが起動を始める。
 青白いホログラムに立つ老人は、ゼロにも見覚えがあった。
「ライト博士……?」
『……正確にはわしの思考をAIにコピーしたものじゃ。これが起動しているということは、わしは死んだようじゃな、ゼロ』
「な……」
 ゼロが驚愕の表情を作り、カプセルを鷲掴みにして這いながらライト博士のホログラムへ顔を向ける。
「本郷にミー、それに武美やソルティ、ウフコックは……」
『…………今スキャンしたところ、生存者はお主とメガトロン、イーグリード君のみじゃ』
「くそっ!!」
 ライト博士が告げる真実に、ゼロはおのれの不甲斐なさを呪って地面を叩いた。
 失った右手が痛む。またも取りこぼすのか。
『ゼロ、聞くのじゃ。シグマはエックスか君が要塞内で危機に陥ったときに、このカプセルへワープするよう仕掛けておいたのじゃ』
「エックスと俺だと? エックスはともかく、俺にはアーマーを装着できない」
『その通り。エックスがきたのなら、未完成だが究極の力を持つアルティメットアーマーを。
君が来たのなら、その潜在能力を引き出す改造を施すためにこのカプセルを用意したのじゃ』
「シグマ…………」
 世界を征服するのも、自殺するのも準備がいいところは変わらない。
 あいつはどこまで用意がいいのか、と呆れていいのか喜んでいいのかゼロは複雑だった。
 とはいえ、今はその準備のよさがありがたい。
「ライト博士。それは今の俺でも問題ないのか?」
『その怪我も潜在能力を引き出せば、増した再生能力で修復が可能じゃ。だが……君はもともと完成された存在だ。
その性能をさらに引き出すような真似をすれば、その反動は……』
「構わない。頼む!」
 今のまま、メガトロンに一矢報いいれず死ぬほうが納得いかない。
 戦えないより、戦って死ぬ道を選ぶ。ゼロがイレギュラーハンターである限りその考えは変わらない。
 そう告げるゼロの決意の固さを知り、ライト博士の瞳は悲しみの色が浮かんだ。
『分かった……このカプセルへ入るがいい』
「ああ」
 ゼロはΣブレードを杖代わりに使い、どうにかカプセルへとたどり着く。
『これだけはいっておこう。このカプセルによりもたらせる力の反動は…………』
「いや、自分の身体だ。だいたい想像がつく」
『そうか。ゼロ……後を…………頼……』
 ライト博士のホログラムが不安定となり、ぶつっと消えた。
 ゼロは自然と目礼し、感謝の気持ちを伝える。瞬間、カプセルの中で光が満ちて、ゼロの身体を包み込む。
 誰か安心できる相手に抱かれているような心地よさを感じながら、ゼロは眼をつぶった。
 光がゼロへ吸い込まれて、隠し部屋がカプセルのエネルギーで満ちた。




時系列順で読む

Back:156:最終回(2) Next:156:最終回(4)


投下順で読む

Back:156:最終回(2) Next:156:最終回(4)


156:最終回(2) ゼロ 156:最終回(4)
156:最終回(2) メガトロン 156:最終回(4)
156:最終回(2) ソルティ・レヴァント 156:最終回(4)
156:最終回(2) イーグリード 156:最終回(4)
156:最終回(2) T-800 156:最終回(4)





| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー