?カルナ足発盟同国三伊独日 ◆ZJTBOvEGT.


「ハッ…?」

暗闇を抜けると、そこは燃えたぎる溶鉄の真上。
シュトロハイム、絶賛、自由落下中ッ!
何を言っているのかわからないと思うが、彼もわけがわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった…が、ドイツ軍人はうろたえない。

ピシッ ガシッ グッ グッ

『柱の男』を基準に作られた握力で壁面を無理矢理ひっつかみ、引きちぎって手がかりを作った。
炉の底まで、あと80メートルほど。ここでもすでに、燃え尽きそうなほど熱い。
生身の人間ならば、あっという間にまいってしまうことだろう。
というか…すでに軍服の一部が燃え始めていた。

「ぬォォオオああアアァ―――――ッッッ!!」

火達磨になりながら壁面を四つん這いで駆け上がる。
脱出するまでに四秒もかからなかっただろう。
同時に跳び上がって地に身を投げ出し、ごろごろ回って消火。
…消えない。もう、消すとか、そういうレベルの問題ではない。

「んォの、おのォォれィィィッ」

軍服を一息に破り捨てる。
鼻息ひとつとともに音を立てて砕け散った軍服は、ほどなく消し炭となって燃え尽きていく。
息を荒げてその場に膝をついたシュトロハイムは、
三秒後きっかり、怒髪天を衝かんばかりの叫びを上げた。

「開幕前に殺す気とは…おのれらはアホの子かァァァァァ!!」

…ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ。
もっと息が切れて立っていられなくなる。
シュトロハイムは仰向けにぶっ倒れて、天をにらんだ。

「わがドイツの軍事力を教授してやるのも、やぶさかではなかったがなァァ――
 貴様等がそういう態度ならば、考えがあるッ」

改造が完了し、エイジャの赤石の護衛任務につく前日、
突如こんな場所に呼び出された彼である。
なんにせよ、グズグズしているつもりはなかった。
注文の通り、回りの連中を全員始末して帰還することを最初は考えていたが、
この数十秒で、彼の気はすでに変わっていた。

「宣言しよう! この殺し合いを早晩、破綻させてやると!
 このシュトロハイムがなァァァァ―――
 首を洗って待っとれィ!」

どこかしらで聞いているであろうシグマとやらに宣戦布告。
それでひとまず気がすんだシュトロハイムは、その場に座り込み、
手の中にあるPDAというものをいじってみる。
服を脱ぎ捨てる直前に取り出しておいたのだ。

「ぬうう…これは、一体…」

それは奇妙、それは奇っ怪。
超小型のテレビとでも言うべきそれは、スイッチを押すだけで様々な情報を
その画面へと映し出していく。
この技術はどこのものか? イギリスか? アメリカか? …馬鹿な。
ドイツ以上に優れた技術立国などありえない。

「ありえない…が、ここにある以上は、事実ッ
 きゃつら、おそるべき技術力を保有しているな…?」

ならばなおのこと、黙って従うわけにはいかない。
これらを始めとした連中の技術を暴き、本国に持ち帰らねば。
そのために必要なのは、まず。

「現有戦力の確認は基本中の基本!
 参加者名簿によると…

 タケシ・ホンゴウ! シロウ・カザミ!
 ケイスケ・ジン! シゲル・ジョウ! リョウ・ムラサメ!
 スバル・ナカジマ! ギンガ・ナカジマ!
 モトコ・クサナギ! タケミ・ヒロカワ!
 シンイチ・メカサワ! ガイ・シシオウ!
 チャチャマル・カラクリ! アラレ・ノリマキ!
 ミク・ハツネ! 009…ジョー・シマムラ!
 R・イチロー・タナカ!

 …日本名の参加者が大量に存在しているぞッ」


日独伊三国防共協定は記憶に新しい。
ここに集められたのは自分と同様、身体に処置を受けた者ばかりであるというから、
日本もドイツの薫陶を受け、戦時に備えた改造人間を作っていたということだろう。
アメリカに帰化した日系がいる可能性も否定できないため、用心する必要はあるが…

「そして、チンク、ノーヴェ…この名前はどう見てもイタリア語のナンバー!
 先に見せしめにされた奴は、少なくともチンクとやらの知り合いだったな…?」

イタリアもまた、少なくとも九番機(ノーヴェ)に至るまでの改造人間をすでに完成させていたのか。
むろん、ドイツの科学力の足元にも及ばぬとしても、これだけ人数がいれば、話は早い。

「まずは同盟軍を結成すべき! しかる後に体内に仕込まれた爆弾とやらを解除し!
 主催の根城に殴り込んでくれるッ! それに当たって、もっとも合流すべきはァァ―――」

ゲジヒト。
明らかに自分と同じ、ドイツ系の名前。
ということは、ここにいる以上、何者であるかなど言うを待たない。
自分同様、すでに総統閣下のために動き出していることだろう。
合流できれば千人力であること間違いなし。

「戦略は決定した…次に決めるべきは、当面とるべき戦術だが」

支給品とやらのデータを確認する。
詳細を見ていくと、どうやらこのエネルギーパックとやらで
自らの動力源を確保することはできそうだ。
そうしたメンテナンスもここでは自分の手で行う以外ないので、ダメージは極力避けねばならないが。
次にランダム支給品をチェック。先の話を聞く限り、この中に強力な武器が混じることもあるらしい。
多少、期待をしながら説明を読んでいき…



【はちゅねミクのネギ】
はちゅねミクが振り回す、愛用の長ネギ。
納豆に刻んで入れてもいいし、鍋の具にも最適な優れモノ。


「ネギが何の役に立つかァァァァ!」

思わず携帯端末を地面に叩きつけそうになって、必死で抑えた。
そもそも改造人間ばかりだというのに、食べ物に何の意味があるのか。

「…まあ、無いよりはマシかもしれんな」

気を取り直し、ひとまず転送。
手の中に現れたのは、確かに新鮮な長ネギ。
こんなものでも、工夫次第で何かできないとも限らない。
柱の男サンタナを石に還した、あのいけすかないジョセフ・ジョースターのような機転でもあれば。

「さて、次だ…どれェ」


【レリック・ナンバーVI】
高エネルギーを帯びるエネルギー結晶体。
死した人間を蘇すことも可能。
魔法的な刺激を与えると大爆発の恐れあり。


「なん、だと?」

さすがのドイツ軍人も目が点になった。
死人を蘇す、それはまさしく奇跡の所業。
これが事実だとするならば、石仮面に匹敵する神秘!
あの柱の男にとて、そのようなことは可能だろうか?
持ち帰らねばならぬ…事実だとするならば!
シュトロハイムは迷わず手元に転送し、そして。

「…花ァ?」

手元に現れたのは、かわいらしい花だった。
においを嗅いでみる…においは無い。造花か。
うむ、キレイだ。ドイツ軍人は花をも愛でる…

「わけがあるかァァァァァァァァ!!」

花を思い切り地面に叩きつけようとして…これもまた、辛うじて思いとどまる。

「…は、花の形をした危険物でないとは、限らんッ!
 ひとまず、持っておいてやるか…」

置いておく場所が思いつかず、頭を形成するコルセットの隙間に挟んでおく。
頭に花が咲いて、まるでパーになったようだったが、今は構っていられない。
次がランダム支給品、最後のひとつであったはずだ。

「これもハズレだったら、主催ども、貴様ら……んん? これは?」


【ジェットバイク】
クロノ達がジョニーとレースする際に使用したバイク。
ターボブーストが三回まで使用できる。


「フム、ここに来てようやく当たりが来たわ。
 …転送ォ!」

出現した青い機体は、バイクにしては巨大。
シュトロハイムの知るそれとは、フォルムが大きく異なっていた。
だが、乗れるのならば気にするまい。
すかさず座席に乗り込んで、説明書通りにエンジンをかける。

「なんというパワー! なんという立ち上がりの早さ!
 これも持ち帰らねばなるまい! 本国になァァ――」

地図を確認。
今いる場所は、F-2にあたる溶鉱炉沿いの、どこか。
四方はどこも道路につながっているのだから、炉から離れさえすれば必ず大きな道路に出る。

「まず目指すは、電波塔!
 ここを占拠し、同志達に呼びかけるッ
 全てはそれからよォォ――ッ!!」

経由する道は決まっている。
この地図が正しいならば、自然公園など、バイクで通れる地形ではなかろうからだ。
即断である。バイクを加速。狭い工場の隙間から、一気に道路へ飛び出していった。

「わがドイツの科学力はァァァァ、世界一ィィィィィィ―――ッ!!」

…全裸で。
小脇にネギを、頭に花を携えて、ドイツ軍人は征く。



【F-2 スクラップ工場・溶鉱炉付近/一日目・深夜】
【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:少々の火傷、全裸
[装備]:ジェットバイク@クロノ・トリガー、はちゅねミクのネギ@VOCALOID2、
     レリック・ナンバーVI@魔法少女リリカルなのはStrikerS(幻術で花になっています)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:主催を素早く打倒し、未知の技術を本国に持ち帰る
1:電波塔を目指す
2:ゲジヒトと合流する
3:日本系の名前を持つ者、チンク、ノーヴェと合流する

※ゲジヒトを同志だと考えています。
※日本系の名前を持つ参加者、およびチンク、ノーヴェを、
 1938年時の日本、イタリアの改造人間だと考えています。
※灰原(ハイバラ)は名字だけだったためか、日本人名と認識していないようです。

※F-2から周辺の大きな道路に出ましたが、どこに飛び出したかは次の書き手さんにお任せします。


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GAME START ルドル・フォン・シュトロハイム 036:不幸運ぶ黄金の風





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