ロクノベ小説保管庫 ロックマンXセイヴァーⅠ 第壱章~誕生~

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第一話

時は21XX年・・心を持ったロボット「レプリロイド」と、人類の共存する世界。

ナイトメア事件から、既に三年の月日が過ぎていた。
事件の張本人「ゲイト」は、改心し、今ではイレギュラ-・ハンタ-専門の研究員になり、
その才能を十分に発揮していた。
そして・・ある日のこと・・。

「エックス!起きて!!」
そう言いながら、「第十七精鋭部隊隊長ロックマン・エックス」とペイントされた部屋のドアを開ける、
金髪の女性型レプリロイド「エイリア」
部屋の中では、ベッドの上で、多少幼さを残す、蒼い髪の少年。
「う~ん・・どうしたんだ!?エイリア。」
眠い目を擦りながらも、流石は隊長。
すぐにイレギュラ-・ハンタ-の顔になった。
だが・・
「ゲイトが呼んでたわよ?なにか大事な用事があるみたい。」
サラリと言うエイリア。
エックスは、「そんな事で起こさないで欲しいな」と、一瞬思ったのだが、
とりあえず、ゲイトの研究室に向かう事にした。
「わかったよ。ありがとうエイリア。」

ゲイトの研究室
シュンと、自動ドアが開く。
現れたのは、ハンタ-の征服に身を包んだエックス。
「失礼します。それで・・何かあったのかい?」

第二話

「何かあったのかい?」
エックスは、奥でゴソゴソと何かをいじっている紫色のレプリロイド「ゲイト」に、
声をかけてみた。
「ん?やぁエックス君。やっと来たね!実は・・君に見せたい物があるんだ。」
ゲイトは、そう言いながら、何かの設計図が映し出された画面を指さす。
エックスは、言われるがままに、画面を覗き込んでみた。
「え~っと・・何々?」
そこに表示されていたのは・・。
「新ロックマン開発計画!!?」
一通り読み終えたのだろう。エックスが素っ頓狂な声を上げた。
「そうさ・・君とゼロのDNAデ-タを融合させて、
新たなレプリロイドを開発しようと思うんだ。」
ゲイトが、心なしか踏ん反り返りながら言う。
「・・・・。」
エックスは無言だ。
「そう・・今まで君とゼロが揃っていたからこそ、世界は大事には至らなかったけど、
今はそのゼロがいない・・。
だから、ゼロの代わりにって思ってね。」
「へ~・・。」
エックスは、「世界を大事に至らせたのは君もなんだよ」と、思いながらも、
その通りだと結論付けたらしく・・
「そうか・・それなら・・。」
「それじゃあ・・早速・・。」
ゲイトの眼に、怪しい光が宿る。
{まさか・・。}
予感は的中した。
ゲイトは、怪しい足どりでエックスに接近してくる。
「えっ・・?ちょっ待っ!んぎゃぁぁぁぁぁ!!」

第三話

二ヶ月後
エックスは、再びゲイトに呼び出され、
ゲイトの研究室に向かっていた。

ゲイトの研究室
「失礼します。で?今度はどしたの?」
エックスは、またしても何かを弄っているゲイトに、声をかけてみた。
すると・・
「ん・・?やぁ。やっと完成したよ。」
ゲイトは、そう言うと、部屋の隅に設置してあるカプセルを指さした。
「・・へぇ・・どれどれ?」
そう呟き、カプセルを覗き込むエックス。
中には・・薄い蒼色の髪に、ゼロを思わせる真っ赤なア-マ-の少年が、
まるで眠っているかのように、静かに眼を閉じていた。
その顔は、エックスよりも多少幼いが、彼に瓜二つだ。
「どうだい?君にソックリだろう?」
ゲイトも、カプセルに歩み寄ってきた。
「あぁ・・。」
「さぁ・・起動するよ。」
ゲイトは、カプセルのレバ-に手をかける。
心なしか、鼓動が強まる。
エックス自身・・生命の誕生を目の当たりにするのは初めてだからだ。
ヴィィィン
機械起動時の独特の音が響き渡る。
そして・・
少年が、ゆっくりと目を開けた。
「気分はどうだい?」
ゲイトが声をかける。
「そういやゲイト。この子の名前って・・。」
少年をまじまじと眺めながら、エックスが問う。
「あぁ・・それのことなんだけど・・君につけてもらおうと思って。」
ゲイトは言う。
「え~・・?んっと・・。」
{名前かぁ・・この子の一生に関わることだからな・・。
そう言えば、この子って・・前ゲイトが言ってたけど、俺の弟って事になるんだよな・・?
出来ればこの子には、沢山の命を救って欲しいよな・・。
救う・・?救済・・?そうか!}
「・・セイヴァ-・・。」
エックスがふと・・呟いた。
「良し。君の名は・・セイヴァ-・・ロックマン・セイヴァ-だ。」
エックスは、そう言うと、セイヴァ-と呼んだ少年の頭を、優しく撫でた。

第四話

時刻は八時三十分
ここは・・エックスの部屋
「きろ・・起きろ。セイア・・・。」
「ん・・んん・・。あ・・起きます・・今起きます・・。」
そう眠い目を擦りながら、ベッドからはい出してきたのは、
この部屋のもう一人の住人であり、エックスの弟の「セイヴァ-」だ。
しかし、セイヴァ-では呼びづらいと言うことで、短縮して「セイア」と呼ばれているが・・。
「お前もイレギュラ-・ハンタ-になったんだから・・。朝八時には起きるんだぞ?」
そう・・まるで母親が子供に言い聞かせるような口調で、エックスが注意を促す。
「はぁ~い・・。」
不満そうに口を尖らせて、セイアが短く答える。
「でもまぁ・・最近はあんまりイレギュラ-が発生してないからいいけど・・。
シグマ大戦にでもなったら、お前・・生き残れないぞ?」
エックスは、セイアの額を人指し指で突いてからかう。
「それじゃあ、俺は、パトロ-ルに行ってくるから、部屋でおとなしくしてるんだぞ?」
エックスは、そう言い残すと、セイアの頭をポンポンと叩き、部屋を出て行ってしまった。
「ヴ~・・つまんない・・。」
はぁ・・と溜め息が一つ。

一時間後
シュン
不意に、部屋のドアが開いた。
エックスが帰室したのだ。
「ただいま・・っと。・・あれ?セイアぁ。」
いつもなら、出迎えてくれるセイアの姿が見当たらない。
エックスは、リビングの方へと移動してみた。
すると・・
「あっ。兄さんお帰り・・。」
セイアは、気がついたように手を上げ、頬笑む。
なにやら音がする。
どうやら、TVがついているらしい。
「ん?何見てたんだ?」
頬笑み返し、TVを覗き込んでみた。
そこには・・
「フロンティア学園入学式」
と、デカデカと表示してあった。
”フロンティア学園”とは・・
人間とレプリロイドが、共に学び会うことが出来る、有数の珍しい学校だ。
「いいなぁ・・学校って。面白そうじゃん。」
冗談まじりの一言。
しかし・・
「・・行きたいか?」
「へ?」

第五話

フロンティア学園
中等部 ⅠーⅠ
「・・・・っと言うわけで・・今日から君達と同じクラスで勉強する事になった
”徳川 健次郎”君だ。仲良くな。」
担任の教師が、手早く紹介を済ます。
”徳川 健次郎とは、学校に通う際のセイアの偽名である゛
「えっと・・宜しくお願いします。」
慣れない口調で、短く挨拶し、頭を下げる。
「じゃあ徳川君の席はっと・・。」
教師が、開いている席を指で探る。
しかし・・教師が席を見つける前に・・
「こっちこっち!」
一人・・手招きをする少女がいた。
「・・うん良し。丁度開いているな。徳川君。
クリスの隣に座りたまえ。」
「はぁ・・。」
セイアは、小さく答えると、手招きをした少女の隣の席へ向かった。
だが・・
「クスクス・・。」
と・・小さな笑い声が聴こえた。
「・・・・・?」
セイアは、自身の足元に視線を送ってみた。
足だ。
良くある例だ。
転校してきた生徒を転ばせ、恥をかかせると言う、
イジメの初歩とでも言うのか。
しかし・・
ヒョイ
さすがにそんな罠にかかるわけなど無く。
セイアはアッサリと足を避けて通った。
「・・・!?」
足を突き出していた生徒が、小さく驚きの声を上げる。
セイアはそれを見て、微笑を浮かべると、クリスと呼ばれた少女の隣の席へ鞄を置いた。
「宜しくね。徳川君。」
クリスと呼ばれている少女が、明るい笑顔を浮かべる。
背はセイアより一回り小さく、髪は金。肩まで伸びている。
顔は活発そうな印象を受ける。
「・・宜しく。」
セイアも小さな微笑みを浮かべた。

第六話

放課後になると、セイアの周りをクラスの女の子が取り巻いていた。
「ねぇねぇ。徳川君て、髪染めてるの?」
「いや・・これ・・地毛なんだ。」
セイアは、頬を人指し指で撫でてみせる。
「何人家族なの?」
セイアの隣に立っている少女が問う。
「二人。兄さんと二人暮らしなんだ。」
セイアの頭には、嫌になるほど自分に似、
優しく澄んだ瞳をした、蒼い髪の少年が浮かんでいた。
「へぇ~・・大変だね。」

そんな会話がなされている最中・・。
彼らとは対照的に、暗いム-ドを漂わせている二人がいた。
パッと見彼らには”不良”と言う形容詞がぴったりであろう。
一人はやけに短い制服で、髪を金に染めている。
もう一人は髪を赤く染め、彼と同じように短い制服を着ている。
「おい・・あの転校生・・生意気だな。」
「おぉ・・いっちょ締めてやるか。」
二人は・・そんな会話を交わしていた。

そして・・
「さぁ・・帰るとするかな。」
荷物を少々乱暴に鞄に詰め込むセイア。
鞄を背負うと、上履きを履き替え、校舎を出た。

第七話

学校を出て、少し経った頃
「オイ!徳川!」
突然、後から声をかけられた。
「えっ?」
乱暴な言い方に、少々ムッとしたが、とりあえず振り向いてみた。
そこには、先程教室の隅でコソコソと話していた不良二人組みが立っていた。
「ちっと顔貸せや!」
不良の内の一人が言う。
通常の生徒の場合、彼らのなりにビビリ、すぐに逃げてしまうであろう。
しかし・・イレギュラ-・ハンタ-の・・しかもあのエックスの弟であるセイアには、
彼らなど恐るにたらなかった。
「なんか用?」
不機嫌そうに言ってみせる。
すると・・
「なんだぁテメェ!転校生のくせして挨拶も無しか?」
不良の内の一人が歩み寄り、セイアの髪を掴む。
「痛っ・・!」
「それにこの髪・・なんだ?青なんかに染めやがって・・。」
「・・・痛ってなぁ!それに君達なんかに挨拶する義務なんかないじゃないか!」
不良の手を振りほどき、二人を睨み付ける。
「おぉ?おいフレッド。コイツ俺達とやりたいらしいぜ?」
「上等じゃねぇか。行くぜバシュ-ト。」
二人は、言うと同時にセイアに殴りかかってきた。
「!」
だが、
ガシィ
「な・・なに?」
「なんだコイツは・・!」
なんと、二人の拳は、軽々と受け止められてしまった。
「どうしたの?本気だしなよ。」
セイアはニッコリと笑ってみせる。
バッと二人はセイアの腕を振りほどき、
「くそ・・覚えてろぉ!」
情けない台詞を残し、去って行ってしまった。
「「逃げしなに 覚えて居ろは 負けた奴」だな。」
セイアは二人の背中に向かって呟いた。

第八話

翌日
フロンティア学園
中等部 ⅠーⅠ
セイアは今日も学校に来ている。
「あっ、オハヨ-徳川君。」
クリスは、セイアを確認するなり声を上げた。
「あぁ・・おはよう。」
慣れない様子で、頬笑み返すセイア。
キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン
始業のチャイムが鳴った。
「げっ!もう授業!?」
セイアはハンタ-ベ-スから通っているので、
どうしても少し遅れ気味になってしまうのだ。
セイアは慌てて鞄の中の荷物を取り出すが・・
ガララ
そうしている間に、担任の教師が教室に入ってきた。
「コラ徳川!とっとと席に着け!」
「はぁい・・。」
クラス中が、ドッと笑いの渦に巻き込まれた。

放課後
学校を出ようと、校門に差しかかったとき、
門の前に、セイアより二回りは大きいであろう巨漢が立っていた。
{高等部の生徒かな・・?}
そう思いながらも、校門に足を掛けたセイア。
「青色の髪に翠の瞳・・君が徳川君かい?」
突然・・男が声をかけてきた。
「・・・・?」
「そのようだな・・。俺は高等部ⅢーⅣの”片桐 悟{カタギリ サトシ}”
この学園の番を張ってるもんだ。」
「そのサトシが・・僕に何のようですか?」
とりあえず先輩と言うわけで、敬語を使用することにした。
「まぁその前にコイツを見てもらおうか?」
ブン
サトシと名乗る男は、そう言うと、セイア目掛けて何かを投げつけてきた。
「!?」
やけに大きいとおもう。
その大きさは、セイアの背丈ほどある。
それは・・
「う・・うぅ・・。」
……人だった。

第九話

人だった。
しかも・・昨日セイアに絡んできた不良の内の一人だ。
「昨日・・俺の子分を可愛がってくれたそうじゃねぇか・・。
お礼は・・しなくちゃな!!」
サトシはそう言うと、突然殴りかかってきた。
「!!」
だが
ヒュン
「なに!?」
サトシの目には、セイアの姿が掻き消えたように見えた。
すると・・
「何を言ってんだ!!僕はそいつに何もしちゃいない!!」
声はサトシの後方から聞えてくる。
「・・!?」
サトシが振り返ると・・そこには紛れも無くセイア本人が立っていた。
そう・・セイアは瞬間的に飛び上がると、サトシの後方へ回ったのだ。
「フッ・・確かに君は何もしていない。
だが・・俺達不良はな!!ケンカで舐められちゃお仕舞いなんだよ!!」
ゲシ
「ぐっ・・。」
サトシはそう叫ぶと、足元に転がっている先程の不良に、
更に蹴りを入れた。
その行動に、セイアの何かが切れた。
「き・・貴様!!そいつはお前の子分じゃないのか!?」
「ほぉ・・?徳川君。それとも何か?俺とタイマン張ろうって言うのか?」
サトシは明らかに誘っている。
しかし・・セイアにとっては何てことは無い。
「あぁ!やってやる!!」
セイアが上着を脱ぎ捨てる。
「では行くぞ。徳川・・健太郎!!」
ブン
不意にストレ-トパンチがセイアを襲う。
「健次郎だ!!」
セイアはパンチを受け流すと、その状態のままブロウを放った。
しかし・・
「ふん!」
ブロウを軽く回避したサトシは、更に膝蹴りを放ってきた。

第十話

ドゴォ
サトシの蹴りが、セイアの腹部に食い込む。
「どうだ!」
「これが・・どうしたぁぁ!!」
グググググ
「なっ!?」
サトシの膝が押し戻される。
なんと・・セイアは既に左手で防御していたのだ。
「だりゃぁぁ!!」
膝を完全に押し切りバランスを崩す。
そこにパンチを一発・・二発・・三発。
マシンガンの如きセイアのラッシュが、サトシに浴びせられる。
ドガァァ
セイアの強力なブロウによって、サトシが後方へ吹き飛ぶ。
「ハァ・・ハァ・・。」
セイアはゆっくりと荒くなった息を整える。
「くっ・・この野郎・・!」
立ち上がるが、サトシの顔には血が滲んでいる。
「まだ・・やるって言うのか?」
セイアは冷徹に言い放つ。
-この野郎・・。何故だ?この俺よりも強いのか?
 有り得ねぇ・・俺は今まで誰にも負けたことがねぇんだ。
 こんな奴に・・。
そして・・サトシは自らのプライドを捨てた。
「くっ・・フフ・・野郎共ぉぉ!!」
ガサガサガサ
サトシが叫び、右手を上げると、どこに隠れていたのか、
大量の不良が一気に出現した。
「やっ・・やべぇぇ!!」
「やっちまぇぇ!!」
サトシの号令と共に、大量の不良が一気にセイアを襲った。
ドガッ
襲いかかってきた不良を蹴散らし・・
「おい!逃げるよ!」
ボコボコにされた不良を背負うセイア。

第十一話

数分後
とある公園
「ふぅ~・・やっとこそ捲いたぁ・・。」
セイアは一息つくと、背負っていた不良をベンチに降ろした。
「てめ・・なんで助けやがった・・。」
不良が苦しそうに言う。
「僕?あぁ・・ただ・・何と言うか・・放っておけなかったんだ。
で・・傷は大丈夫?」
「なんで・・俺なんかを・・。」
「だぁからぁ。放っておけなかったんだって。」
セイアは、腰に手を当ててみせる。
「・・・・・。」
「ん?どうしたの?」
不意に沈黙した不良に、セイアが問いかける。
「なんで・・俺なんかを・・・。」
「はぁ・・。わかったよ・・。
邪魔だって言うのなら消えますよ・・。」
セイアは溜め息を一つつくと、鞄を背負い、その場を去って行ってしまった。
「変な・・奴だな・・。」
不良~フレッド・ミルド~は、立ち去っていくセイアの背中に向かって、そう呟いた。

数時間後
ハンタ-ベ-ス
エックスの部屋
「ねぇ・・兄さん。」
「ん?どうした?」
夕食の用意の為、エプロン姿のエックスに、セイアが声をかける。
「不良と友達になるって・・難しいね・・。」
「ハハ・・なんだそれ?ほら。晩メシ出来たぞ。」

第十二話

翌日
エックスは、第十四地区のパトロ-ルをしていた。
「今日も平和だなぁ・・。」
のんびりと街を歩くエックス。
もはやパトロ-ルと言うより散歩である。
鼻歌を歌いながら街を歩いていると・・
ドゴォォォン
「!!?」
突然、何者かの手によって、付近のビルが爆破された。
「なに!?」
直ぐ様ア-マ-を装備し、逃げ惑う市民たちを誘導するエックス。
「キャ-!」
「イレギュラ-だ!!」
「落ち着いて!落ち着いてください!!」

数分後
市民たちが完全に避難し終えた。
「グォォ!!」
爆破されたビルの上では、イレギュラ-と思われる影が咆哮している。
エックスはバスタ-を構えたが・・
{いや・・こんな所でバスタ-はマズい・・。接近戦で倒さないと・・!}
「グォォ!?」
イレギュラ-は、エックスを確認するなり、襲いかかるように飛び降りてきた。
ヴァイン
エックスは、肩に収納していたゼット・セイバ-を抜いた。
「グルォォ!!」
イレギュラ-が猛スピ-ドで襲いかかってくる。
「くぅ・・!」
余りのスピ-ドに、肩を掠ってしまった
肩から少量の鮮血が滲む。
イレギュラ-は反転し、再びエックスに襲いかかってきた。
だが・・
「喰らえ!」
ザン
ドォォン
エックスがセイバ-を横に一閃すると、イレギュラ-はいとも簡単に真っ二つになり、
爆裂した。
「ふぅ・・。」
エックスは一息つき、セイバ-を納めた。
「さぁて・・パトロ-ルの続きと行こうかな・・。」
ドゴォォォ
「ぐぁ!!」
歩き出そうとしたエックスを、何者かのエネルギ-弾が襲った。
「な・・に・・?」
エックスの身体が力無く仰け反る。
そして・・エックスの視界に、自分ーを撃ったであろう人物が入った。
「お前は・・VA・・V・・。」

第十三話

その頃セイアは・・
フロンティア学園
中等部 ⅠーⅠ
いつものように登校していた。
「オハヨ-徳川君。」
「おはよう。」
隣の席でクリスが頬笑んでいる。
「オスッ!徳川。」
そして・・そう陽気に声をかけてきたのは・・
「・・・いっ?まさか昨日の・・。」
「ああそうだっけ。名乗ってなかったな。
俺の名はフレッド・ミルド。
昨日は助けてくれてありがとうな。」
そう・・昨日サトシにボコボコに痛めつけられていた不良フレッドである。
しかも、昨日までの不良ルックでは無く、どこにでもいるように普通の学生の格好をしている。
髪も黒髪だ。
「・・あ・・あぁ・・。宜しくフレッド。
僕は徳川 健次郎。ってもう知ってるか。
ハハ・・。」
「ハハハ。」

そして一時限目
{ふぅ・・勉強も大変だなぁ・・。}
授業を聴きながら、ぼんやりと思うセイア。
だが・・・
「!?む
突然・・どこからか凄まじい殺気を感じた。
背筋の凍りつくような・・そんな感覚。
「クリス!伏せろ!!」
反射的にクリスを伏せさせるセイア。
ドゴォォォン
次の瞬間、セイアの座っていた机が木っ端微塵に吹き飛んだ。
「・・!誰だ!!」
セイアは、エネルギ-弾を放ったであろう人物に向かって叫ぶ。
「ハッハッハッ・・こんな不意打ちは屁でもない。か・・。」
赤いモノアイに、紫色のア-マ-。
肩には明らかに戦闘用のキャノンが搭載されている。
ザワザワザワザワ
クラス全体が、混乱の渦に巻き込まれる。
「・・・っ!!」
セイアは無言で睨み付ける。
「まぁそう睨むな。貴様に朗報を持ってきた・・。
貴様の愛しい愛しい兄貴は捕獲させてもらった。
助けたくばZーY13地点まで来い。
待っているぞ!ROCKMANの血を引く者よ!
フッハッハッハッハッ!!」
男は、そう言い残すと、ワ-プ装置で姿を消してしまった。

第十四話

「お・・おい徳川・・。ロックマンの血って・・?」
フレッドがゆっくりと歩み寄る。
「・・・・・。」
セイアは無言で振り返る。
「みんな・・僕のせいでこんな危険な目に遭わせてしまって・・本当にゴメン。
でも・・僕は行かなくちゃいけないんだ。
僕の兄”ロックマン・エックス”を助けるために・・。」
言ってしまった。
自分がエックスの弟で有ることを・・。
「ハ・・ハハ・・冗談じゃないよ。
なにが徳川 健次郎だ!ふざけるのも大概にしろよ!
お前なんかがいたら・・俺達が危険じゃねぇか!」
クラスの中の一人の男子・・先日、フレッドと行動を共にしていた「バシュ-ト」が叫ぶように言い放つ。
セイアは・・ただ俯くことしか出来なかった。
「あんた・・。」
クリスが男子に歩み寄り・・
パァァン
思いきり頬を張った。
「・・・・。」
男子は張られた頬を抑えて、驚愕の表情を浮かべている。
「だってそいつは・・。」
「いい加減にしなさい!!」
クリスが叱咤する。
「徳川君はね・・私を命賭けで助けてくれたのよ?
もしそれがあなたでも・・そう言うことが言える?」
「クリス・・。」
クリスのその行動に、セイアは嬉しかった。
一人でも自分に味方してくれる人がいてくれることが・・。
「そうだ。徳川はなぁ・・。友達でもなかった俺の為にサトシに立ち向かっていったんだぞ!?
徳川。お前がエックスの弟だろうと何であろうと・・俺に・・俺達にとっては、
お前は徳川 健次郎以外の何者でも無いぜ?」
フレッドが優しく頬笑む。
「そうだ!」
「そうだよ!!」
その言葉に、クラス全体が同意の声を上げる。
「クリス・・フレッド・・みんな・・。」
セイアの目から、一筋の涙がこぼれ落ちる。
「ありがとう・・じゃあ・・行ってくるよ。」
セイアは涙を拭い去ると、開け放たれた窓に足をかけた。
「必ず戻ってこいよ!今度は勝つからな!」
「ああ・・。約束する!」
セイアは、ビシッと親指を立てると、ZーY13地点へと向かった。
「なんで・・。」
教室の隅では、バシュ-トが殴られた頬を押さえ、床にうずくまっていた。

次回予告
謎の敵に捕獲されてしまった、兄”エックス”。
僕は兄さんを救うべきZーY13地点に向かうのだが・・・。
次回「ロックマンXセイヴァー改訂版第弐章~突入~」