ロクノベ小説保管庫 ロックマンXセイヴァーⅠ 最終章~別れ…そして…~(2)

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第十話

突発的に、洞くつ全体を激しい振動が襲った。
余りにも激しすぎた激闘。
つまり、エックスとセイアとワイリーの闘いが、洞窟を崩壊させ始めたのだ。
もう泣いている時間は無い。
セイアは直ぐ様、エックスの亡骸を抱え込むと、自分達が入ってきた巨大な扉を、ゼット・セイバーで斬り裂き、
そのまま出口に向かって走った。
ハッキリ言って、出口までの道順など覚えてはいなかった。
ただ、ただガムシャラに足を進めた。


ようやく光が見えた。
出口だ・・!!
しかし、セイアがほんの少しだけ安堵を覚えた瞬間、目の前を再び暗闇が支配した。
落盤が発生したのだ。
バスターで一気に活路を開きたいところだが、既にそんな事の出来る余裕は無かった。
頼みの綱のゼット・セイバーにも亀裂が走り、何度展開させようとしても、全く反応を示さない。
「そんな・・嘘だ・・くそぉ!!」
兄さん・・。
抱えていたエックスの亡骸を抱き締めて、セイアは壁に身を預けた。
折角・・みんなの所へ帰れると思ったのに・・。
それさえも敵わない・・。
いつの間にか、セイアはまた、涙を流していた。
帰りたい・・。
みんなの所へ・・。
「落鳳破!!」
「えっ・・?」
突然、目の前の土砂が、一気に拡散した。
再び光が覗く。
そして、その逆光の中、一人の青年が立っていることが確認できた。
「馬鹿野郎!!何してる!また生き埋めにされるぞ!今度はもう助けられる余裕なんかないんだ。
早くしろ!!」
「ゼロ・・兄さん・・!」
セイアは一瞬、驚いたように目を見開いたが、すぐに顔を引き締め、重い身体をもう一度だけ立ち上がらせた。

茜色の空が眩しい。
セイアはその眩しさに、少しだけ目を細めた。
涙が溢れそうになるのを、必死に堪える。
帰ってきたと言う実感と、やはり兄は死んだと言う実感が、再びセイアを襲った。
隣のゼロを見る。
傷だらけだった。
メットも無くなっていて、その特徴的な金の長髪を纏めていた布も、もう無かった。
いつも兄に聞かされていた、もう一人の兄の姿が、今・・目の前にある。
あまり親近感は沸かないけれど・・。
兄のように、極端に懐く気にもなれないけれど・・。
やっぱりこの人は、自分の兄なんだ。
それを思うと、何故だか奇妙な安心感を得た。
まだ・・いる。
まだ、自分には支えてくれる存在が居るんだ。


第十一話

「セイア・・オレは・・。」
「えっ・・?」
不意にゼロが口を開いた。
振り返ったゼロの瞳は・・悲しかった。
「オレは一緒にベースに帰ることは出来ない。」
「どうし・・て・・?なんで・・ゼロ兄さ・・ん?」
「理由を話すことは出来ない・・。」
剥き出しになった生身の腕で、ゼロはセイアを抱き留めた。
「すまないな・・。セイア・・。オレは駄目な兄貴だったな・・。
今日会ったのが初めて・・。そして、またこれから別れる・・。
エックスの様に・・兄貴らしい事は一つも出来なかった。
すまん・・。」
「う・・ううん・・。お兄ちゃん・・僕は・・。
僕は・・会えないと思ってたゼロ兄ちゃんに逢えただけで・・充分だよ・・。
さようなら・・。また今度・・いつか帰ってきてくれるよね?」
少し名残惜しそうに、セイアはゼロから身を離した。
そして、瞳が潤みそうになるのを、最後の崖っぷちでなんとか抑えた。
ここままお別れじゃ、あんまりにも悲しすぎたから・・。
「あぁ・・約束は出来ないが・・。」
「信じてる・・。待ってるよ・・。」
一瞬だけ、お互いの顔を確かめ合うと、二人は同時にそれぞれの方角に身を翻した。

もうこれで・・僕は事実上、最後のROCKMANとなってしまった。
ROCKMANの記憶を持ち、現代に生きる、最後の・・。
でも・・それでも僕は、まだ“セイア”なんだ。
絶対に誰かに支えてもらわなきゃ生きていけない・・セイアなんだ。
だから兄さん・・どこででもいいから、見ていてよ・・。
僕・・“セイア”が、いつか“ロックマン・セイヴァー”として、貴方の意思を継げる時を・・。
だれがなんて言ったって、僕は兄さんの弟なんだ・・。
エックス兄さんとゼロ兄さんの弟なんだ・・。
例え、Dr.ライトとDr.ワイリー、対立する二人の最高傑作の血を引いていたって・・。
きっと迷う・・。
これからも迷う・・。
迷って迷って・・兄さん達みたいに、自分の道を切り開いてみるよ。
『正義』なんてカッコつけた事は言わない。
だって・・世界のどんな人も、自分だけの『正義』を持っているのだから。
エックス兄さんは『人々の笑顔を護るため』。
ゼロ兄さんは『もう大切な者を失いたくないから』。
…ワイリーだって、きっと何かがしたくて、世界征服なんてしようと思ったんだと思う。
レプリロイドを・・ロボットを心から愛していた彼なんだから・・。
みんなの正義を護ることなんて、きっと僕には出来ない。
いや・・多分・・世界中のどんな人だって、そんな事は出来ないんだ。
だから僕は、目の前の範囲だけでも、護りたい人たちを護っていきたい。
ふふ・・『友達を護りたい』。
たまにはカッコつけてみてもいいよね・・。
だよね・・兄さ・・・。
もう・・こんな事・・起こんないよね・・?
もう・・誰・・も・・失・・い・・たくなんか・・ない・・。
護れなか・・・ったんだ・・。
護り・・たかったのに・・・。
ねぇ・・お兄ちゃん・・。もう少しだけ・・弱い僕でいていいですか?
泣きたい時に泣く・・泣き虫な僕でいいですか・・?
そして・・僕が道を誤ったとき・・天国から叱咤してくれますか・・?
いつまでも・・見守っ・・・て・・いて・・よ・・。
今の・・ぼ・・くは・・あんまりにも・・寂しすぎるから

第十二話

無機質な音が響く、ただっ広い研究室の中、
ゼロはレプリロイドの科学者と、向かい合う形で立っていた。
先日の闘いで、使い物にならないほど大破していたアーマーは、今は見る影も無く、
もとの紅い輝きを取り戻していた。
「う~ん・・。これを取り除くには、相当の時間を費やしますね・・。
そして・・今の最新技術でも、成功するかどうか・・怪しいところです。」
科学者は、手に持った紙幣に、サラサラとペンを走らせた。
ゼロはそれを聞いても、眉一つ動かさずに、顔を上げた科学者に、決意の灯った瞳を向けた。
「余計なお世話かもしれませんが、この先大きな事件でも起こった時、
あなた抜きで対処できるでしょうか?かのロックマン・エックスも先の闘いで・・。
それに・・今の貴方なら、そのままでも問題ないはず・・?」
「フッ・・大丈夫さ。今のイレギュラー・ハンターには、オレやエックスなんかよりも、
もっともっと優秀なやつがいるさ。オレ達の・・最高の弟がな・・。」
ゼロは、少しの微笑を浮かべた後、片手で自身の頭部を掴んだ。
「怖いんだ・・。オレ自身が平和の障害になってしまうんじゃ無いだろうかって・・。
アイツの望んだ平和な世界を・・この手で壊してしまうんじゃないかって・・。
…セイアにまた・・救いようのない悲しみを与えてしまうんじゃないだろうかって・・。」
いつも笑っていたアイリス。
最後に約束を交わし、自分の腕の中で死んでいったアイリス。
自分よりも、もっともっと強い・・なのに、硝子細工の様に繊細で傷つきやすい弟。
自分の味わった悲しみを、弟に・・セイアに味わせたくなかった。
あの無邪気な笑顔に・・これ以上、亀裂を走らせたくなかった。
もう・・これ以上・・。
「・・わかりました・・。あなたの身体構造は、あなたを修理した時、大体は把握してあります。
貴方がそこまで言うのなら、やりましょう・・。」
「すまない・・。」
コイツと会話するときは・・いつもこんな調子だ・・。
ゼロは思った。
最初に会った、あの時だってそうだった。

ユーラシア墜落事件。
ギガ粒子袍『エニグマ』の作戦も失敗し、残るは、スペ-ス・シャトルを直接コロニーにぶつけ、
諸とも爆破する・・。と言う、方法だけだった。
気がついたら、ゼロはシャトルのコックピットに座っていた。
親友をいかせるワケにはいかない。
そして、こんな無謀な作戦をこなせるハンターは、自分とエックスだけだったから。
作戦は成功した。
粉々に砕け散るコロニーに、皆が歓喜の声を上げていたのは、聞かなくてもわかっていた。
しかし・・不覚だった。
一瞬の油断で、ゼロはコロニーの破片に呑み込まれてしまったのだ。
持ち前の操縦技術で、なんとか抜け出し、地球に帰還したものの、
全身にコロニーとドッキングしたΣウィルスを浴びてしまった。

第十三話

その時だ・・。
得体の知れない高揚感と、凄まじい力の渦に襲われたのは。
今まで、断片的に思い出し始めていた、自分の過去の記憶が、一瞬にして蘇った。
必死で止めようとしたが、過去の呪縛には敵わなかった。
…次に意識が覚醒したときには、隣には、アルティメット・アーマーに身を包んだ、
親友の姿があった。
そして、その頭上には、宿敵シグマ。
エックスが気絶している間に、消し去ってしまおうと言うのだ。
汚い野郎だ・・!!
次の瞬間には、ゼロは残りの体力も考えずに、放たれたエネルギー弾と、エックスとの間に立ちふさがっていた。
これでいいんだ・・。
頭の何処かがそう言っていた。
自分の創られた理由を知ってしまった今・・、
親友を助けるためなら、命を捨てても悔いはなかった。
でも・・ゼロは生きていた。
数時間か・・はたまた数日は過ぎたかもしれない暗闇の中で、
一つの光明が見えた。
それが・・彼-Dr.バーンだった。
目が霞み、意識が朦朧とする中で、バーンは自分に向けて手を伸ばした。
そこで・・意識はとぎれた。
意識が戻ると、既に三年の月日が流れていた。
聞いた話では、ユーラシア事件後、『ナイトメア事件』と言う、またしても大規模な事件が起きたという。
だがそれは、大事に至る前に、親友が鎮圧したと聞いて、ゼロは少しだけ笑った。
バーンがハッキングしたベースの資料の中に、見慣れない名前が記されていたのに気がついたのは、
それから二日後の事だった。
その名は『ロックマン・セイヴァー』。
親友と自分のDNAを持って、新たなに誕生した存在だという。
初めは、どんな嫌味な奴かとムカッ腹を立てていたものだ。
しかしそれは、小型のスパイロボを通して映った、楽しそうに笑う、エックスとセイアの姿に掻き消された。
こいつは・・確かにオレ達の弟だ。

「覚悟はいいですね?・・・さっ・・こちらへ。」
不意にかけられた声に、ゼロの意識は現実に引き戻された。
右手で軽く頭を叩き、二、三回振ってから、ゼロは「あぁ」と小さく返事をした。
誘われるがままに、カプセル状のベッドに身を預ける。
それはゼロ専用に用意していたのか、彼の身長にピッタリとはまっていた。
「それで・・目が醒めるのはいつごろになる?」
ゼロの問いかけに、バーンはパソコンのキーボードを操作していた手を止めた。
「はい・・。うまくいけば・・の話ですが、
約100年後の今日・・と言う事になりますね。」
--信じてる・・待ってるよ・・。
そう言ったセイアの笑顔が、頭にちらついた。
--すまない・・セイア・・。
100年後に目が醒めたら・・真っ先にお前に会いに行く。
「何か・・心配ごとでも?伝言や宅配物なら・・私が。」
「あっ・・そうだな・・。これを・・オレ達の弟宛に頼む。」
そう言って差し出したのは、ゼット・セイバーの金色の筒だった。
バーンは「承りました」と、丁寧にセイバーを受け取ると、
ゼロの入っていたカプセルを、ゆっくりと閉鎖した。
ガラにも無く緊張する。
きっとあっと言う間だろうな・・。
100年後・・世界はどうなっているだろう・・。
と、少しだけ考えてみて、微笑を浮かべた。
「じゃあ・・頼んだぞ・・。」
「はい・・。それでは・・ゆっくりお休みください・・。」
ゆっくりと、カプセル内に煙が満たされていく。
強烈な眠気。
逆らうことを許さないそれに、ゼロは二秒とかからずに、意識を手放した。

第十四話

少しガラリとした部屋を、隅々にまで見渡した後、セイアは「よし」と手を叩いた。
足元に転がっている鞄を背負い上げ、胸元のボタンを留めると、
自室のカギを閉めた。
手首の腕時計を確認すると、既に予想していた時刻を大幅に過ぎていた。
「やばい!遅刻だぁぁぁ!!」
セイアはいつもよりも駆け足で、勢いよくハンター・ベースを飛び出していった。
廊下の途中で擦れ違った、エイリアとシグナスに、
「エイリアさん、シグナス総監。おはようございます!
あぁ・・えっと・・学校行ってきます!」
ペコリと頭を下げて、再び足の回転を早めた。
エイリアは、三年前には考えられなかったほど、穏やかな笑顔で、走り去っていくセイアを見送った。
「気をつけて行ってくるのよ。」
聞える素振りすら見せずに、他の隊員に激突してしまったセイアに、
エイリアはクスッと笑みをこぼした。
「良かった・・。思ったよりも元気そうじゃないか・・。」
「そうね・・シグナス。流石、エックスとゼロの弟って所よね。
でも・・やっぱり、時々一人で泣いてるみたい・・。」
「やはり、もう少し学校も休ませるべきか?」
「大丈夫よ。あの子・・もう一回、学校に行ける日を、すごく楽しみにしてたし・・。
それに今ごろ・・遅刻だって騒いでるのに、エックスに会いに行ってるんじゃない?」

ベースから、少しだけ離れた、慰魂場に、セイアは立っていた。
この広い慰魂場には、殉職したハンター達の亡骸が、静かに眠っている。
セイアはその中でも、一際目を引く墓石に、ゆっくりと足を進めた。
「兄さん・・久しぶり。ごめんね・・最近、忙しくなっちゃって、なかなかこれなくて・・。
あっ・・そうだ。聞いてよ・・今日からまた、学校行けることになったんだよ・・。
大分休んじゃったから、勉強わかんなくなっちゃうかも・・。
でも大丈夫。兄さんが入れてくれた学校は・・きっと卒業してみせる。」
セイアは、静かに『ROCKMAN=X』と彫られた墓石に、手を合わせた。
数秒の後、目を開けて、時刻を確認する。
「あっ!まずい・・完全に遅刻しちゃう。じゃ・・行ってくるね!
また明日・・。」
最後まで言い終わらない内に、セイアは地面を蹴っていた。
途中で落としてしまった鞄を、すぐに拾い上げると、猛スピードで東へ向かう。
時計の時刻は、8:20を示していた。
始業のチャイムは、8:25に鳴る予定だ。
「遅刻だぁぁぁ!!!」

第十五話

『始業前は五分前着席』。
などと言う規則を律義に守る生徒など、今ごろは珍しい。
好き勝手に立ち歩き、先生が来たらすぐに着席する。
そして、必ずと言っていいほど、先生が来たことを報告する係りが、どの学校に行ってもいるのだ。
教師がとう説教しようと、子供達のそんな癖だけは、絶対に直らない強固なものだった。
中等部Ⅰ-Ⅰの教室の、窓辺の席に、何人かの生徒が固まっていた。
「あれから一ヶ月経つけどさ・・徳川君・・どうしちゃったのかな・・。」
「なぁに・・大丈夫だって・・。あいつならやるさ。」
「案外やられちゃった・・なんて事もあるかもよ?」
冗談半分のチアキ・コンドウの言葉に、フレッドは足元の机を、思いきり蹴飛ばした。
それに驚いたのか、教室中のざわめきが、一瞬にして静まりかえった。
「ふざけんな!!言って良い事と悪いことがあんだろ!!
アイツは帰ってくる!絶対な・・約束・・したんだ・・。」
辛そうな表情で、蹴飛ばした机を立て直すフレッドに、チアキはすまなそうに言った。
「ご・・ごめん・・。俺・・冗談のつもりで・・。」
「もういい・・。」
「大丈夫よ。フレッドの言うとおり、徳川君はきっと帰ってくるって・・。」
二人のやりとりを、頬杖を突いて眺めていたクリスが、二人を励ますように、順々に言う。
「もしかしたら、いきなりいま扉が開いて・・「みんな!ただいま!!」って出てくるかもね・・。」
笑いを含んで、後の扉を指さすと、フレッドとチアキは、馬鹿らしいとばかりに溜め息をついた。
「あ~・・折角励まして上げたのに・・。そんなんじゃ一生・・・。」

「ガラガラガラ」

「えっ・・?」
三人は思わず振り返った。
続けて、時計を確認する。
8:23。いつも教師が教室に訪れるのは、8:30を回ってからだ。
確か今日は、欠席者はいなかったと思う。
なら・・一体・・誰・・?
「ハァ・・ハァ・・ふぅい~・・なんとか間に合った・・。」
シルエットが、小さく呟いた。
逆光の為、よく確認できないが、その声や身長から見て、男子生徒である事は間違いない。
他に特徴的な部分と言えば・・・。
見つけた・・。
逆光の少年の頭髪は、黒でも茶でも金でもなく、蒼い色をしていた。
決して染髪では再現出来ないような、海や空のような色。
知っていた。
彼らはこの少年を知っていた。
ピシャリと扉を閉めて、ようやく少年の全貌が明らかになった。
「徳川・・君・・?」
「徳川・・健次郎・・?」
目を見開いたまま、クリスとフレッドが歩み寄ると、少年はこっちを確認したのか、
ピッと指を立てて、笑った。
「久しぶり。クリス・・フレッド・・。・・ってあれ・・?」
何の反応も反さない二人に、少年-セイアは首を傾げた。
「もしかして・・僕のこと忘れちゃった・・?」
人指し指で頬を掻きながら、視線を泳がすと、二人は揃って首を横に振った。
「えっ・・?」
「徳・・・・川・・!!徳川 健次郎!」
「えっ・・えぇ!?」
「徳川君!!」
突然、自分の名前を叫んだ二人に、頭を抱え込まれ、その特徴的な頭髪をかき回された。
わけもわからず、セイアはただ疑問符を浮かべ続けるだけだった。
「この野郎・・!心配してたんたぞ・・!」
「帰ってきたね・・徳川君・・。」
フレッドの手から逃れて、辺りを見回すと、いつの間にかクラスメイト全員が、セイアを囲む形で立っていた。
みんな・・僕を待っていてくれた・・?
「た・・・ただいま・・・・ただいま、みんな!ただいま!!」
「おかえり・・。・・良かった・・。元気そうだな・・。」
そう言ったフレッドに、もう一度頭を抱え込まれた。
…暖かかった・・。
「良かった・・本当良かった・・徳川・・・いや・・健次郎!」
「ありがとう・・。会いたかった・・みんなに・・会いたかったんだ・・。」
「へへ・・なに泣いてんだよ・・。」
「フレッドこそ・・・。」

やっぱり帰ってきて良かった・・。
やっぱり諦めなくて良かった。
ねえ・・兄さん・・。
聞える?兄さん・・。
僕を迎えてくれる人達が・・こんなにいるんだ・・。
もう・・暫くは・・泣き虫な僕とさよなら出来るかもしれない・・。
ありがとう・・・お兄ちゃん・・。


ロックマンXセイヴァーⅠ~最初の試練~
-完-

To be continued..