ロクノベ小説保管庫 『喜劇のシンデレラ』四部

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22話
「Bブロックの修理が終わりました~。」
「そう。じゃあ司令室で16号の手伝いをして。機器系統の修理が遅れてるみたいだから。」
「は~い。」

ナッカトとの交戦から2時間。ゲゼルシャフト号では機体の修繕が急ピッチで行われている。
直接被弾した箇所はほとんどないのだが、マルボルの持ち出した兵器、
「人工磁気嵐」の影響で電子機器の大半がやられてしまっている。
ドラッヘやグスタフも同様で、索敵や照準能力がほとんど奪われてしまっている。
現在のゲゼルシャフトは、ただ飛んでいるだけ、といった感じだ。

「16号、状況を確認して。」
「索敵範囲は一応40%ほど回復しました~。でも、Dブロックからの電磁障害がひどいです~。
まだ磁気嵐の鉄片が刺さってるみたいで。」
「まったく、何やってんのかしら!Dブロックのコブンたちにハッパをかけておいて。」
「は~い。」

淡々とコブン達の指揮を取っているトロンだが、その心境は複雑だった。
綿密に整備してきた高機動グスタフは磁気嵐でしばらく使いモノにならないし、
修理状況はなかなか進展しない。今襲撃されたら危ないというのに、
コブン達は戦闘が終わった安心感からかまったく緊張感がない。
しかもおいしい所をみんなロックに持って行かれたような気がするし・・・。

「あの~、トロン様~?」
「何よ!人が悩んでる時に!修理は終わったのッ!?」
「す、すいませ~ん。ちょ、ちょっとお話がありまして・・・。」
「・・・ごめん、2号。ちょっとイライラしてたのよ。で、話って何?」
「そ、それが、ロックさん・・・42号のことで・・・。」
「え・・・?」



23話
「星・・・出てないか。外の空気を吸えば気分も晴れるかな、と思ったけど、甘かった、かな・・・。」

ロックは先ほどまで隠れていた機関室を出て、ゲゼルシャフトの甲板に出ていた。
甲板担当のコブン達はマジメに仕事をしていたらしく、鉄片はほとんど除去
されている。これならしばらくコブン達はこないだろう。
逆に機関室は本格的な整備が始まってしまった。
逃げるようにして、人のいない甲板に出た、というわけだ。

「・・・はぁ~。なんか・・・すっきりしないな。」

もう何度目のためいきだろう?戦闘が終わってゲゼルシャフトに戻ってから、
ロックの気分は沈みに沈んでいた。
戦闘中は興奮していて、罪悪感や後悔の気持ちもある程度薄れていた。
けれど、一旦落ち着いてしまえば話は別だ。
撃ち落とした特化警察の人たちの顔が、ありありと脳裏に浮かんでくる。

「ディグアウターの時は、こんなことなかったのにな・・・。」

そうだ、ディグアウターの時もたくさんのリーバードを倒してきたじゃないか。
遺跡を守っているだけのリーバードを、撃って、壊して、殺して・・・。
今こうして空賊をやっているのと何が違う?

「けど・・・やっぱり何か違うんだよな。はぁ~。」

「な~に辛気くさいため息ばっかついてんだよ、42号。」
「ティーゼル・・・?」



24話
ほんの5m離れた位置に、ティーゼルが立っていた。
ここまで近づくまで気が付かないなんて、そうとう悩んでいる証拠だろう。

「どうしたの?」
「どうしたのって、オメェ・・・。仕事だ、仕事。
お前の担当はDブロックだろうが。さっさと持ち場につけよ。」

「・・・特化警察の人たちの顔が頭に焼き付いちゃって、離れないんだ。」
ティーゼルの命令に答えてるのか答えてないのか良く分からない返事。
「・・・ここは冷えるなあ。風がモロに当たってるもんな。」
ティーゼルの方も、ロックの言葉に耳を傾けているのかどうか、
よく分からないセリフを言った。

「リーバードと闘ってる時は、こんな感情になることはなかったのに。何が違うのかな・・・。」
「そういうのは人に聞くもんじゃねえだろ。」

互いの話がかみ合わない。しばしの沈黙が流れた。耐えられないというように
ティーゼルが言った。
「あ~もう!イライラするから教えてやるよ。それはな、「恨まれる」ってことさ。」
「恨まれる?」
「そうだ。リーバードはいくら壊そうが俺達を恨んだりしねぇ。
あいつらはただただ俺達侵入者を襲う。それだけだからな。
だが、相手が人間の場合は違う。殺されるヤツはこっちに恨みの表情を
残していくし、そいつの仲間とか、家族とかはずっと俺達を恨み続ける。
ただそれだけの違いだよ。」



25話
「・・・そっか。恨まれる、か・・・。」

ロックのつぶやきが、甲板中に染みわたる。風の音がうるさいはずなのに、
なぜかそのつぶやきはティーゼルの心の深くまで届いた。

「結局よ、オメェは優しすぎるんだよ。俺達は人に恨まれようが
後ろから撃たれようが何とも思わねぇ。それだけのことをやってきてるからな。
けど、オメェは違うだろ?」
「・・・うん。誰かが僕を憎んでるっていうのは、つらいな・・・。」
「だろ。オメェには、その、向いてねぇのかもしれねえな。空賊はよ。」

また、沈黙が訪れた。先ほどとは違う、重苦しくない沈黙。
ロックも、先ほどまでの悩んでいる表情とは違うようだ。

「まあ、無理矢理トロンに連れてこられたんだから、当然といやあ当然か。
ま、人には人の命の張り方ってやつがあるさ。
俺には空賊。オメェにはディグアウターってやつがな。」
「ティーゼル・・・。」

「さてと、そろそろマジで仕事に戻らねえとトロンに殺られちまうぜ。
このままだと、風邪ひきそうだしな。」
「うん・・・。」

「・・・トロンには、俺から相談しといてやるよ。オメェがこの船を
降りるかもしれねえってな。」
「うん・・・。ありがとう。それじゃ僕はDブロックに行くよ。」

手を振りながら走り去るロック。ティーゼルも、まんざらではない様子だ。
「似合わねえことしちまったかな・・・。まあいいか。たまにはよ。」

答えが見つかって、晴れやかな気分になっている2人は気づいていなかった。
2人が甲板にいるのを見つけて、甲板での会話を傍受していた人物がいることに。
それが、よりにもよってトロンだということに・・・。
「42号・・・お兄さま・・・・!!」



26話
「マルボル警部補!前方左舷60度、距離300の位置に敵空賊戦艦を発見しました!」
「だっはっは!よくやったぞぉ。あいつらまだこんな所をのん気に
飛んでやがったのかぁ~!」

間一髪ナッカトから小型艇で脱出したマルボルは、ゲゼルシャフトを
追い続けていた。自分の放った磁気嵐で計器がいかれてしまい、
発見に遅れてしまうというおマヌケぶりは相変わらずだ。

「やりましたな、警部補。早速ここの位置をエルズ本部に連絡しましょう。
ここまでなら1時間で小隊が到着しますよ。」
「だっはっは、何を甘いこと言っとりんだぁ!奴らまだ俺様達に気づいてないんだぞお!?
奇襲だろ、奇襲ゥ~!!」
「待って下さい。彼らの索敵能力もそろそろ回復してきたはずです。
これ以上接近しては気づかれる可能性の方が高いです。
それに、奇襲は十分な戦力がある場合に行うべきであって、こんな小型艇では」
「うるさいうるさいぃぃ!奴らが目の前にいるのに逃げるってのかぁ!?」
「いくら警部補の命令とはいえ、このままでは自殺行為です!!」

マルボルと補佐官の不毛な言い争いがしばらく続いた後、ふいに
船内にアラームが鳴り響いた。
「何だ何だぁ!?何事なのかぁ?」
「た、大変です!距離50にミサイルが突然出現!回避不能距離です!」
「何だと!?何故そんなに近づく間でレーダーで捕らえられなかったッ!!」
「す、すいません補佐官。しかし、本当に当然出現しまして・・・。」

益々混乱してきた船内に、無情にも電子音声が響く。
「被弾まで後6秒。5,4,3,2,1・・・」
「こんな終わり方いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」



27話
「命中したぜ。クケッ!」
すぐ前方で、マルボル小型艇の爆発が見えた。小型艇とはいえ、
それなりのディフレクターを積んでいたらしい。
海に向かってキラキラとディフレクターの破片が墜ちていく。

「ああ、いつみても綺麗だわ・・・。あのミサイルは高かったんですものね。」
「そのミサイルをあんな小型艇に撃ち込むなんて不可解だぜ。クケッ!」
「あら、目の前にあんなブサイクな小型艇が飛んでいるなんて、
私の美的感覚が許さないわ。それに、エルズ本部に連絡されたら困るしね。」

グライドとシタッパー達もまた、ゲゼルシャフトを追っていたのだ。
しかも、ステルス仕様の「クロウグライド」で。
これではマルボル達には突然ミサイルが出現した、としか思えないだろう。

「それより、ボーン一家にはさっきの爆発は感づかれてないんでしょうね?」
「安心しな。奴らのレーダーはエルズとの戦闘で範囲が狭くなっちまってる。」
「そう、じゃあ気づかれることなく接近できそうね。」
くくくくく・・・とグライドが忍び笑いを漏らした。
クロウグライドに乗っているせいか、グライド自信の性格もいっそう
陰険気味になっているようだ。

「・・・でもよ、奴らの船に接近してどうするんだ?
いくら気づかれないで攻撃できるとはいえ、本格的な戦闘はちょっときついぜ。」
「戦闘はしないわ。私が直接あの船に乗り込むの。」
「?何でそんなまどろっこしいことするんだよ。」
「その方がお楽しみが増えるからよ・・・。」
くくくくく・・・とまたグライドの忍び笑いが漏れる。

「・・・アンタの考えは鳥類にも分からねぇよ。クケーーッ!」



28話
枕で顔をふさいでも眠れない・・・。トロンは今とても眠れるような心境ではなかった。
船体の修理が一通りすみ、後は計器類と機関室を残すのみとなったので、
戦闘を終えてからまったく休まずコブン達の指揮をしていたトロンも仮眠を
取っておくことにしたのだ。しかし・・・。

「あんなこと聞いちゃったら・・・ねぇ。」
2号の報告で、ロックが悩んでいるのかもしれない、とは分かっていたが。
実際に船を降りるというロックとティーゼルの会話を聞いてしまったのは、
さすがにショックが大きかった。

「何であんな大事なことを甲板なんかで話すのよ・・・。簡単に傍受
できちゃったじゃない・・・。」

聞きたかったような、聞きたくなかったような・・・。
そんな矛盾した考えが、トロンの頭をいつまでも巡っている。

トロンが3度目の文句を言おうとしたとき、突然トロンの部屋の窓が割れ、
何者かが侵入してきた。

「・・・人が悶々としてるって時に、不躾な人ね。」
トロンはまったく動じる様子を見せない。それどころか、既に右手には
ハンドガンが握られている。

「あら。もっと驚いてよ。セキュリティーを切るの、意外に大変だったんだからね。」
侵入者もまた、左手の小型バスターをトロンに向けたまま、
落ち着いて潜入用の服を脱ぎ、仕事着になっている。
「グライド!?アンタ一体何でここに!?」



29話
「何で、はないでしょう?キモトマの街での借り、まだ返してないのに。」
「そんなことでゲゼルシャフトに侵入したってわけ?ほんと非常識なオカマね。」

互いに銃口を向け合ったまま、挨拶代わりのセリフを吐く。
トロンの左手は、枕元のアラームスイッチに伸びようとしていた。

「セキュリティーは切った、って言わなかったかしら?
この部屋で電気が通ってるのは照明だけよ。」
「・・・分かってるわよ」
明らかに負け惜しみの言葉をトロンが言い、左手を枕元から離した。

「はぁ~、つまんないわねぇ・・・。」
「人の部屋に勝手に入っておいて、何ため息ついてんのよ!」
「だって、せっかくお返ししてやろうと思ってたのに、
アンタったら頭もさえてないし、表情も暗いんだもの。やりがいがないわ。」
「な・・・!!」

反論しようとしたが、何も言い返せない。仕事疲れと、ロックのことで、
はっきり言って頭なんか全然働く状態じゃないからだ。
反論できないトロンを見て、突然グライドは机に腰を下ろし、
バスターの銃口を下げた。

「・・・何のつもりよ。今更降参ってワケ?」
トロンの銃はまだグライドの方を向いている。
「そんなんじゃないわよ。悩みを聞いてあげようって思ってね。」
「は!?」
「いいから、ちょっと話してみなさいよ。」

グライドの突然の提案に拍子抜けしたトロンは、つい銃をおろしてしまった。

「さて、何から聞きましょうか?」



30話
「でね。ロック君をこうしてこう・・・。」
「そっか、なるほどね~。」

ずいぶん長い間悩みを貯めてしまっていたせいか、トロンは
今までのいきさつを全部グライドに説明していた。というより、
グチをこぼしていた、という方が的確か。
トロンの説明を聞き終えたグライドは、おもむろにその
悩みの解決方法をトロンに話し出した。
悩みを聞いてもらい、妙な親近感を感じでいたトロンは、
何の疑問もなくグライドの提案に耳を傾けていた。
それで、今のような会話になっている、というわけだ。

「礼を言うわ、グライド。こんな解決方法があったなんて、考えつかなかったもの。」
「アナタの頭が単に働いてなかっただけよ。これぐらいすぐに思いつくわ。」
「・・・何か気になる言い方だけど、まあいいわ。
早速コブン達に作戦に移ってもらわないと・・・。」

「ちょっと待ちなさい、小娘。」
一目散に部屋から出ようとするトロンの肩を、グライドがつかむ。
「・・・何よ。まだ何か話しがあるの?」
先ほどまで悩みを持ちかけていた態度とは打って変わって、
トロンはさも嫌そうな声を上げた。

「そりゃあないんじゃないの?私は借りがあるアナタにいい方法を教えて上げたのよ?」
「・・・何が欲しいのわけ?」

くくくくく・・・とグライドがあの陰湿な忍び笑いを漏らす。
「決まってるじゃない。キモトマの街で手に入り損ねたモノよ。」



31話
「そろそろ・・・かな。」
Dブロックの修理を終え、一休みしたロックは、決心を固めていた。
この船を降りる。そうみんなに伝えなければならない。
ティーゼルがトロンに話をつけてくれるって言ってたから、
反対されることはないだろう。コブン達やボーン兄弟と分かれるのは
ちょっとつらい気もするけど、仕方ない。

「降りるっていっても・・・持ってきたのってこれだけ何だよね。」
キモトマの街で付けていたエプロン。ゲゼルシャフトの
調理室でも付けていたある意味思い出深い品だ。この船から
降りる時の服装にはおあつらえ向きかもしれない。

ロックはエプロンを付け、司令室の方へ向かった。

「あ、42号~。どうしたの?エプロン姿で。」
「26号?ちょうど良かった。今みんなに話をしようとしていたとこ・・・」
「それどころじゃないよ~!!42号、Dブロックに行くの遅れたでしょ。」
「え?う、うん。ちょっと話をしてて。」
「トロン様怒ってるみたいだよ~。42号を見つけたら
お仕置き部屋に行け!って伝えるようにって連絡があったんだ。」

「お仕置き部屋!?」
「そう、サボったコブンがお仕置きされるところなんだよ。
早く行って謝って来た方がいいよ~。」
「そ、そうなんだ・・・?分かった、行ってみるよ。ありがとう、26号」
「うん。死ぬことはないと思うから、ガンバってね!」

励ましになっていない26号の言葉に送られ、ロックはお仕置き部屋へと足を運んだ。
これから起こるコトが死よりも恐ろしいとは知る由もなく・・・。



32話
「暗いな・・・。本当にトロンちゃん達がいるのかなぁ?」
お仕置き部屋の電源は切られていた。部屋の場所は分かっていたものの、
部屋の構造や、ましてや電源の位置などまったく分からないロックは、
手探りで部屋の中へと入っていった。

突然照明がついたと思うと、聞き覚えのある声が響いてくる。
「やっぱり似合うわねえ。そのエプロン。」
「こ、この声は・・・グライド!?」
「あら、キモトマの街で小娘が言ってくれてたのを覚えてくれてたのね?うれしいわ。」
グライドは、鉄柵の向こうで不気味な笑顔をこちらに向けていた。
どうやらロックのいる場所は鉄柵に囲まれているらしい。
グライドへの恐怖心から、ロックはすさまじいスピードで
部屋の入り口の方に逃げ始めた。鉄柵を乗り越えようとしたその時、

「う、うわっ!で、電流!?」
さっきまでただの鉄柵だったのに、突然青白い火花を上げ始めた。
ロックは電流の流れる鉄柵に閉じこめられたことになる。

「一体何のつもりなんだ!それに何でお前がこの船に・・・。」
「それは小娘から聞いた方がいいと思うわよ?」
「え・・・?」

見ると、ロックの後ろの鉄柵の向こうに、トロンが立っている。
トロンが持っているのは・・・コブン?いや、コブンの体だけか?
中身・・・電子頭脳は入っていないようだ。

「トロンちゃん!?どういうことなの!?」
「アナタが悪いのよ、42号・・・。」



33話
「あなたが船を降りるっていうから・・・本当のコブンになって
もらわなければいけなくなっちゃったのよッ!」
「そ、それってもしかして・・・そのコブンの体に、僕が入るってコト!?」

「勘がいいのね。話が早くていいわ。」
グライドはナゼか手に鞭を持っている。鞭?
「何でグライドが関係してるんだ!?」
「船を降りられないようにするには、ホントのコブンにしちゃえばいいのよ
って私が教えて上げたの。そのアドバイス料として、アナタで楽しませて
もらおうと思って♪」
「そういうわけなのよ、42号。犬にかまれたと思って我慢してね?」
トロンの無情なセリフに、ロックの血の気がサーッと引いていく。
「ちょっと待って!そんなの聞いてな・・・」
「始めて、20号」

ゴンゴンゴンゴンゴン・・・。
駆動音と共に、何かがせり上がってきた。あれは・・・
前にロールちゃんの見ていた「世界の拷問大全」で見たことが・・・。
「グライドさんが手伝ってくれたからいいお仕置き道具がいっぱいできました
よ~。電流鉄柵も僕が作ったんです~。ああ、虜になりそう!」
20号の妖しすぎるつぶやきが響く。
もうこれはお仕置きのレベルじゃない!そう叫ぼうとしたロックだったが、
グライドの言葉にさえぎられた。

「さあ、お楽しみを始めましょうか?」
「心配しないで、42号。体が使いモノにならなくなっても、
このコブンボディに入れて上げるから、ね?」

「いやだああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

お仕置き部屋から聞こえてくるロックの絶叫を聞きながら、
ティーゼルはつぶやいた。

「俺の話は一体何の意味があったんだよ・・・・」



エピローグ
「何をしている?」

セラの質問に気づき、ロールとユーナは答えた。
「ロックがあんまり遅いからね。帰ってきたらお仕置きしてあげようと思って」
「お仕置きの内容を考えてるの~。」

笑顔で答える2人に、少し寒気を覚えたセラ。
「そ、そうか。お手柔らかにな・・・。」

「うん。死なない程度に痛めつけてあげるわ♪」
「ねえねえユーナさん、これなんかどう?
体中に爆弾をくくりつけてキモトマのマグマ遺跡に特攻!」
「きゃ~!!いいいい、それいい!じゃ、こんなのは?
オンボロロケットに縛り付けて、ヘブンに打ち上げ!」
「それじゃあ死んじゃうかもしれないね、ロック。」
「いいのいいの♪またあのおサルのデータ君に修理してもらえばいいんだから」
「あ、そっか。じゃあもっとキツイの考えようか?」
「うん。禁断の地に裸で撃ち落とすとか・・・。」

実に楽しそうに計画を考えている2人から逃げるようにして、
セラはその場を去った。

「トリッガー・・・。お前が強かった理由、なんとなく分かった気がするよ・・・。」