ロクノベ小説保管庫 第4章<近づいている終末の時>

※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

1話
プシュー、ウィィィィィィィィィィィン カプセルの中から人が出てきた。
「・・・・傷は完治したか。 あれ程の傷を直すとは・・・・このカプセルはた
いしたものだな。」カプセルから出てきた人がつぶやくように言う。 出てきた
人は近くにある大型コンピューターの操作をはじめた。

ブィン 巨大なモニターに『キーワード ヲ ニュウリョクシテクダサイ』と表
示された。 人はそれを見るとキーボードを打ち始めた。

カタッカタカタカタカタカタカタ・・・・タンッ
『キーワードチェック・・・・・・・・ショウゴウカンリョウ ホッキョク カ
ラ ナンセイ ニ 30キロ ノ チテン ニ シマ ヲ フジョウ サセマ
ス』画面にそれが表示されるとその人は
「これでよし。 まもなく島が浮上するはずだ。 ・・・・後は二人を呼び出す
だけだな。」と言い、再びコンピューターの操作をはじめた。 画面に二つの人
影が写し出された。
「時間だ。 行くぞ。」とだけ言い、二人の返答を待たずして通信を切った。
「さて、私も行こう・・・・ トリッガー、私達が行くまでは、決して無理はし
ないでくれ・・・・」そう言うと、人は部屋を後にした。

2話
第三の試練終了から一週間後・・・・ ロック達はリビングでテレビを見てい
た。
「今日の天気は曇り後雨。 ところにより雨が雪になるでしょう。 では次の
ニュースです。 今日午後・・・・・・・」テレビからはいつも通りのニュース
しか流れてこなかった。
「・・・・・別に、変わりはないですね。」ロックがテレビを見ながら少しつま
らなそうに言う。
「まあそう言うな、トリッガーよ。 お主の気持ちは分からんでもないが、焦っ
てどうにかなるものでもあるまい?」セラがロックをなだめる。
「そりゃそうですけど・・・・ でも、あれから一週間も経つんですよ? そろ
そろ何かあってもいいんじゃないですか?」ロックはふてくされた顔で言う。 
すると、急にテレビのアナウンサーが焦り始めた。
「? 何か事件でもあったのかしら?」テレビから目をはなしていないユーナが
言う。
「緊急ニュースです。 先ほど入った情報によりますと、北極点から南西に
30km程離れた海に突如島が浮上したとのことです! これを知ったディグア
ウター協会は『どのような遺跡かわからないので、SS級の免許をを持っている
数人のディグアウター以外決して遺跡に入らないように!』と注意を促していま
す。 現在SS級の免許を持っているのは・・・・・・」
「これの事じゃないかしら?」テレビから二人に目を移してユーナが言う。
「というか、これしかないだろう。 北極に浮上してきたのだし。」
「じゃあ早速行きましょう! 僕はSS級の免許を持っていますから遺跡にも簡
単に入れます!」さっきのつまらなそうな表情とはうって変わり、ロックの顔
は、半ば嬉しそうだった。

3話
遺跡に着くまでの間、ロックはこれから何が起こるのだろうと考えていた。
「『世界に破滅をもたらすもの』か・・・・・ 絶対に、負けられないよ
ね・・・・ 死んででも倒さなきゃ・・・・ いや、やっぱり死んじゃダメだ。 
最初の試練の時に思ったじゃないか。 どんな事があっても、必ず生きてみんな
のところへ帰る、って。」ロックは再び誓いをたてた。 必ず生きる、と。 
ロックは何度も自分に言い聞かせた。 僕は死ねない、と。 
そうこうしているうちに遺跡へと着いた。 ロックはマスターからの伝言が入っ
た三つのチップを持って、フラッター号から降りた。 そしてフラッター号の方
を向き、
「僕はきっと、ここへ帰ってくる・・・・」そうつぶやいた。

遺跡にはリーバードがいた。 が、こちらに攻撃してくる気配はなかった。 遺
跡の奥にいる、もっと危険なものを警戒しているようだった。
「リーバードも、奥にいるものを敵としてみているのか・・・・」ロックはそう
つぶやくと、ローラーダッシュで先を急いだ。 そして目の前に扉が見えてき
た。 ロックは目の前の扉を開けた。

ロックが遺跡の中に入ってから間もなく、三人の人影が遺跡の入り口へと集まっ
た。
「トリッガーはすでに中へ入ったようだな・・・・」三人のうちの一人が言う。
「早く行きましょう。」もう一人が言った。
「ああ、取り返しのつかない事が起こる前行かなきゃならねえ・・・・」最後の
一人がそう言うと、三人は遺跡の中へと入っていった。

ロックが開いた扉の奥には人がいた。
「私が封印されていた遺跡へようこそ。」部屋の奥にいる人が言う。
「お前が『世界に破滅をもたらすもの』か?」ロックが尋ねる。
「ほう・・・・以前はΣウイルス、そして今私はそう呼ばれているのか。 いか
にも。 私が『世界に破滅をもたらすもの』、ルインだ。」ルインと名乗るもの
が言った。

4話
「何故世界を滅亡させようとするんだ!?」
「そんな事・・・・聞いてどうする?」
「それは・・・・」ロックは口ごもった。
「そら見ろ。 たとえ私がいかなる理由で世界を破壊し尽くそうとも、お前は私を
止めるだけだ。 違うか?」ルインは口元にわずかな笑みを浮かべた。
「そ、そんなの当たり前だ! どんな理由があろうと、誰にも人の命を奪う権利は
ない!」ロックはルインの笑みを吹き飛ばすように叫んだ。
「・・・・理由は・・・・・」
「えっ?」ロックには何を言ったのか聞こえなかった。
「おっと、おしゃべりはここまでだ。 役者も揃ったようだから、そろそろゲーム
を始めようじゃないか。」ルインがそう言うと、ロックの後ろの扉が開いた。
「ランムにガディグ、クルタルグス!?」ロックは入って来た三人を見て驚いた。

「どうやら間に合ったようだね。」
「間一髪・・・・ってとこか?」
「一応、そのようだな。」ランム、ガディグ、クルタルグスが順に言う。
「なんでここにきたの!?」ロックは訳がわからなかった。
「なんでって・・・・当然だろ? お前だけじゃアイツに勝てるかわからねえから
助けに来たんだよ。」ガディグが答えた。
「そうか・・・じゃあ、アイツをみんなで倒そう!」ロックの目に気合いがこもっ
た。

「感動の再会は終わったようだな。 では、ゲームを開始しようか。」そう言うと
ルインは手を前に突き出し、四つの光球を出した。 その光球は同じ人物へと変化
を遂げたが、それぞれ持っている武器がソード、クロー、シールド、死神の鎌と
なっていた。
「こいつらは私がΣウイルスと呼ばれていた時代になった事のある形態だ。  
ソードが1、クローが2、シールドが3、死神の鎌が4と言ったところか。 まず
はこいつらと戦ってもらおうか。 私はここで見物させてもらうがね。」ルインが
そう言うと、四人のΣが戦闘体制に入った。

5話
「トリッガー、マスターの伝言チップは持っているな?」クルタルグスが小声で言
う。
「ええ、持ってますけど・・・・どうするんです?」ロックは聞き返した。
「それをお前の頭、胸、左手のバスターにそれぞれ組み込むんだ。 そうすればお
前は私との戦いで垣間見せた『覚醒』した状態で戦う事ができる。」それを聞いた
ロックは、
「わかりました。」と言ってそれぞれ言われた位置にチップをつけた。
「!?」すると、ロックの頭の中でフラッシュバックが起きた。 ヘヴンでランム
と話をしている自分、ガディグと喧嘩をしている自分、そして、クルタルグスに戦
い方の指導をしてもらっている自分・・・・・リセットされた際に消えてしまった
自分の姿が記憶の中ではあるが、今はっきりと蘇った。
「そうだったんだ・・・・・思い出したよ、へヴン時代の事を。」ロックはそうつ
ぶやいた。
「え? じゃあ、僕の事や、みんなの事も思い出してくれたんだ!」ランムの声は
歓喜に震えていた。
「うん、思い出したよ。」ロックは答えた。
「さあ、感慨に浸っている暇はない。 いいか、ソードを持ったやつは私、クロー
の装備しているやつはガディグ、シールドはランム、そして死神の鎌はトリッガー
だ。 トリッガーはともかく、他のやつらは自分の得意武器で負けるなよ!」
「はい!」クルタルグスの言葉に、三人は一斉に返事をした。


4人のシグマが一斉に攻撃してきた。 先ほどクルタルグスが言ったように皆一対
一の勝負に持ち込んでいた。
「Σ1、その程度で私に勝てると思うなよ。」
バチィ、バチィ、バチィ!
二人のブレードのぶつかりあう音が連続して響いた。 ブレードの威力はあまり変
わらないが、剣速はわずかにクルタルグスの方が上のようだった。


「ったく、ちょこまかとテレポートばっかしやがってえ・・・」一方、Σ2と戦っ
ているガディグは相手があまりにもテレポートばかりするので、攻撃はするが当た
らず、またテレポート後の敵の攻撃を今度はガディグが高速で避けるので事実、
膠着状態だった。

6話
「シールド装備完了。 さあ、勝負だ、Σ3!」ランムは自分本来の武器、シール
ドを装備した。 Σ3が無数の光弾を撃ってくるが、全てをシールドで弾いた。 
が、そのうちの弾いた一発がガディグの元へと飛んでいった。
「ん? うおっ、あぶねえ! おい、こら、ランム! ちったあ考えて弾け! 当
たるだろが!」避けたガディグが言う。
「そんな弾いた光弾がどこ行くかなんて分からないよ。 でも、できるだけ努力は
するよ。」ランムは光弾を弾きながら応えた。


「くっ・・・バスターが効かない・・・・!」Σ4と戦っているロックはバスター
が効かないので苦戦していた。 しかもテレポートし、頭上から鎌で斬り付けてく
るので、ロックはまともに攻撃が出来なかった。
「どうすれば倒せるんだ・・・・?」ロックがそうつぶやくと頭の中に声が響いて
きた。
『ライジングファイアを使え・・・・』
「え? 誰?」ロックは頭の中に響く声に尋ねた。
『右手を上にかざし、ライジングファイアと言うのだ・・・・』
「今はこの声に従ってみるしかないか・・・」ロックは右手を上にかざし、
「ライジングファイア!」と叫んだ。 すると右手から焔の塊が真上に放たれた。 
そして、ちょうど頭上に来たΣ4に当たり、ローブが燃え、中から本体と思われる
姿が現れた。
『これからが本番だ・・・ 気を抜くな・・・・』頭の中に再び声が響いた。

キィン、キィン、キィン
爪のぶつかりあう音が鳴り響く。
「ったくちゃっちゃと終わらしてえてのによお!」ガディグはいらついていた。 
するとΣ2に後ろをとられ、爪で切り裂かれそうになるが、間一髪で手を後ろにま
わして防いだ。 そしてそのままΣ2を弾き、体制の崩れた所を狙うが再びテレ
ポートされた。
「過去の遺物があああああ! もう我慢ならねえ! テレポートする前に決めてや
る!」ガディグは構えた。
「必殺! 『ブレイクウインド』!」ガディグは目にも止まらぬ速さでΣ2を前後
左右に上下とありとあらゆる方向から引き裂いた。
「ウオオオオオオオオオオ!」Σ2は悲鳴をあげるが、
何故か爆発せずに消滅した。

7話
それに気付いたΣ1とΣ3に一瞬だが隙が出来た。
「そこだ! 奥義! 『一閃』!」クルタルグスは目にも止まらぬ速さでブレードを
横に振った。
ゴトン Σ1の首が地に落ち、そして体と共に消滅した。

ランムはシールドを構えた。
「今だ! 『ライトオブフール』!」ランムのシールドから出たひとすじの光が、Σ
3を包み込んだ。 やがて光が消えると、そこには何も残っていなかった。

その頃ロックは一人苦戦していた。 Σ4の投げてくる鎌はかわせるのだが、その後
相手の肩から飛んでくる、赤い小型のブーメランの様なものには当たってしまってい
た。
「ダメだ、このままじゃ負ける・・・・ なんとか勝つ方法は・・・・」再びロック
の頭の中に声が響いた。
『ライトニングウェブを使え・・・・』
「またか・・・・ でも、今の僕はこれに賭けるしかない! ライトニングウェ
ブ!」ロックの右手から黄色い塊が放たれた。 それはΣ4に当たると蜘蛛の巣のよ
うになり、Σ4はそれに絡まって動けなくなった。
『今だ・・・・バスターを撃て・・・・』
「うおおおおおおお!」ロックはΣ4にバスターを連射した。 ロックがバスターを
撃ち終わるとΣ4は消滅した。
「(・・・・・頭の中に響く声・・・・・まさか・・・・ロックマンX? マスター
が言っていたラーニングシステムチップに自我が残っていたのか? ロックマンXは
一度戦った相手だから弱点を知っていると考えれば全てつじつまが合う。 だけ
ど・・・・そんな事があり得るのか? 体のパーツの一部に自我が残るなん
て・・・・)」ロックはとんでもない事を考えていた。 が、それは当たっていた。 
何故かラーニングシステムチップにXの自我が残っていたのだ。 それは、ルインを
倒すまで死ねないと言うXの思いが呼び起こした奇跡なのか、それとも何か別の原因
があったのだろうか? とにかく、Xの『魂』と呼べるものはその小さなチップに
宿っていた。

8話
「ハハハハハハハハハハハ・・・・ 見事だよ。 よく我が分身と言えるモノ達を倒し
たなあ? クククククククククク・・・・ ところで、一つ聞きたい事がある。 何故
お前らは同じ創られし者、デコイ達を助けるのだ? あいつらはお前達に何もしてくれ
ないだろう?」ロック達が全てのΣを倒し終えるとルインは嘲笑しながら言った。
「何を笑ってやがる! 次はてめえの番だろうが!」ガディグはルインに向かって言い
放った。
「そうだ。 今は亡きマスターの思い・・・・今私達がそれを成し遂げるのだ!」ガ
ディグに続きクルタルグスが言った。
「ハ-ハッハッハッハッハッハッハ・・・・ お前達は実に面白いよ。 可笑しすぎ
る。 ククククク・・・笑いが止まらんよ。 全く困りましたなあ、マスター。 これ
は予定外ですよ?」ルインが言った。
「えっ・・・・それはどういう事ですか!?」ランムは言った。
「こういう事だよ。 さあ、出てきてください、マスター。」ルインがそう言うとルイ
ンの後ろのドアからマスターが現れた。
「なっ・・・・・」
「マス・・・・」
「・・・タ-・・・・?」
「な・・・ぜ・・・?」四人ともショックを隠せなかった。 死んだはずのマスターが
今こうして目の前にいるのだから・・・・
「全く君たちには困ったよ・・・・ あんな伝言を真に受けてここに来てくれたのはい
いとして、ルインの世界を滅亡させるという目的を邪魔するんだからね。 少なくとも
今の戦いでやられて欲しかったのに・・・・ 僕の計画が台無しだよ。」出てきたマスターが言った。

9話
「なぜだ!? 何故死んだはずのマスターが生きている!?」ガディグは目の前で起き
ている事を否定したいかのように言った。
「クククククククク・・・・死んだはずか・・・ じゃあお前達はマスターが死んだ瞬
間をみていないんだな? だったら死んだとは言い切れんだろ?」ルインが答えた。
「とにかく、君たち四人は僕の計画には邪魔なんだ。 ルインに早くやられてくれ。」
マスターは四人を見下すような態度で言った。
「マ、マスター? な、何を言っているんですか? そいつは・・・ルインは僕達の敵
でしょう!?」ランムはふるえる声で言った。
「さあ、もう話はいいから早くこいつらを倒してくれ、ルイン。」マスターはアンムの
言葉を気にも止めなかった。
「わかりました。」ルインはそういうと再び光球を出した。 ただし今回は一つだけ
だった。
「さあ、Σ5よ、あいつらを倒してしまえ。」ルインは自ら造り出した分身と言うべき
モノに命令した。 
Σ5は体当たりをしてきた。 いつもの四人なら難無くかわせたはずだが、マスターが
生きており、しかも自分達の敵だと言う事に驚いていたので体は全く動かなかった。 
いや、動かせなかったと言った方が正しいだろう。 四人は体当たりされた事によりわ
ずかに正気を取り戻した。 今度は衝撃波が放たれたがこれはなんとか四人とも避け
た。 が、まだ攻撃をできるような精神状態ではなかった。 ただ一人、クルタルグス
を除いて。

「お前達! 何をぼーっとしているんだ! 死にたいのか!? せめて敵の攻撃は確実
に避けるんだ!」クルタルグスは三人に激をとばした。
「わ、わかりました・・・・」ロックはかろうじてうなづいた。
「ああ、わかったよ・・・・」ガディグもかろうじてうなづいた。
「・・・・・」だがランムだけは返事がなかった。
「ちっ・・・・ (ランムだけは反応なしか・・・・! ランムは仕方ないとして、こ
れからどうするのだ? 私はマスターを殺したくはない。 だがあれが本物のマスター
だと言う保証はない・・・ 逆も然りだ・・・・ 一体どうすれば・・・ !? あれ
は!?)」クルタルグスは何かに気づいた。

10話
攻撃を避けながらクルタルグスはトリッガーに話し掛けた。
「トリッガー、Σ5を倒せるか?」
「え? ええ、出来なくはないですけど・・・マスターが向こうに付いているんじゃ何
をしても無駄ですよ・・・・・」ロックの声は絶望に包まれていた。
「いいか、よく聞け。 私はマスターを殺す。 だから私がマスターを殺せるようにΣ
5を引き付けて、出来るなら破壊しろ。」
「殺す!? 何を言っているんですか!? そんなことをしたら二人が何を言うかわか
りませんよ!?」ロックは驚きを隠すことなど出来なかった。
「いいから私の言うことを黙って聞くんだ!」クルタルグスはロックに言い聞かせた。
「・・・・わかりました。 それだけ言うからには何か根拠があるんですね? 信じま
す。」ロックは戸惑いながらも承諾した。
ロックはΣ5に攻撃を仕掛けた。 相手が突進してくる時にシャイニングレーザーを撃
ち、わずかに動きを鈍らせた。 この瞬間クルタルグスはマスターに一気に近づいた。
「今がチャンスだ! さらば! マスター!」
シュウォン ゴトン ゴロゴロゴロ・・・・ マスターの首が地に落ちた。 この時、
ロックもブレードアームでΣ5を仕留め、消滅させていた。

「!!!!!! クルタルグス先生! 一体何をしているんですか!? なんでマス
ターを殺すんです!?」ランムは我に帰り、クルタルグスに罵声をあびせた。
「落ち着け、ランム! よく見るんだ!」クルタルグスは言った。
「あ、あれは・・・・・ロボット?」ランムは驚いた。
「そうだ。 あれはマスターではない! 奴が造った偽者だ!」クルタルグスは叫ん
だ。
「あれが偽者!? どういう事だ!?」ガディグが言った。
「やつはマスターの偽者を造り、私達を一気に倒そうとしたのだ。」クルタルグスは
言った。

11話
「何故わかった? 私の造った偽マスターは完璧だったはずだ。」ルインが言う。
「マスターはな! 首にネックレスをつけているんだよ! ヘヴンが造られる前に、あ
る事件で死んだ自分の恋人の遺品だと言っていた! そんな大事なもの・・・・片時も
手放すはずがない!」クルタルグスは言い放った。
「ふう・・・・ まさかそんなもので見極められるとは・・・・ あのネックレスは特
殊な物が使われているので造らず、そのままにしておいたのだが・・・・・やはり簡単
にでも造っておくべきだったか。」ルインはやや後悔まじりに言った。
「さあ、遊びは終わりだ! マスターを侮辱した罪は重いぞ! 兄から伝授してもらっ
た二刀流で一気に決めてやる!」クルタルグスの声は怒りに満ちていた。

「兄? ・・・・そうかわかったぞ。 貴様、ロックマン・シャドウの弟だな? どう
りで誰かに似ていると思ったよ。」ルインは言った。
「お前、兄を・・・ロックマン・シャドウを知っているのか!?」クルタルグスは驚い
ていた。
「クククククククククク・・・・知っているも何も、ロックマンにやられちまったぶざ
まな『欠陥品』だろ?」ルインは再び嘲笑した。
「貴様ああああああああああ!! よくも我が兄を侮辱したな! その罪! 死をもっ
て償え!!」クルタルグスは激怒し、両手にブレードを装備した。
「お前に私を倒せるのか?」ルインは言った。
「うるさい! 私に勝てるのは『ロックマンの名を受け継ぐもの』だけだ!」
「フッ どうだか・・・・」
「ブレード二刀流! 奥義! 『センチュリオン』!」クルタルグスは無数の突きを
放った。
「甘い。」
ピキュウン ルインが手を突き出すと、ルインの前に透明なシールドの様な物が現れ、
全ての突きをガードした。

12話
「このバカ教師! いつものあんたらしくねえぞ! 少しは冷静になれ!」しかし、ガ
ディグの声はクルタルグスの耳には届かなかった。

「ちぃ! ならば! ブレード合体! ツインブレード、『一刀両断』!」クルタルグ
スが両手のブレードをあわせると、ブレードの大きさが倍以上になり、それがルインを
襲いかかった。
「ふん、こんな物、こうしてくれる。」
バチィン! ルインはブレードを素手で受け止めた。 すると、ブレードが消えた。
「なっ、エネルギー切れか!? おい、二人とも、バカ教師があぶねえ! 助けん
ぞ!」ガディグはロックとランムに言った。 だがそれはそれはもう遅かった。 三人
がクルタルグスを助けようとしたら、目の前をクルタルグスが通過していき、そのまま
壁に叩き付けられて動けなくなっていた。
「(何故ブレードが消えたのだ・・・・ 私のブレードはエネルギー制限がないはずな
のに・・・)」クルタルグスはルインに何か特殊能力がある事を感じ、そして意識を
失った。

「ちぃ、遅かったか・・・・」ガディグは舌打ちした。
「こうなったら僕達で一気に行こう!」ロックがそう言うと皆一斉にルインに攻撃をは
じめた。

「今度は三人か。 やはり各個撃破がいいか? では威勢のいい貴様からだ。」ルイン
はまずガディグを標的にした。
「けっ、俺からかよ。 じゃあ早速とっておきだ! 『ブレイクストーム』!」ガディ
グはブレイクウインドよりも速いスピードでルインを切り刻んだ。
「!? なんだ? 当たっているはずなのに手応えがまるでねえ!」ガディグは何が起
こっているかさっぱりだった。

13話
「(おかしい・・・・ どう考えてもあれは当たっているようにしか見えな
い・・・・・ でも攻撃を仕掛けた本人が言っているんだ。 きっと間違いないだろ
う。 もしかしてさっきのクルタルグス先生のブレードが消えた事と関係が?)」ラン
ムは出来うる限りの事を考えてみたが何故ルインに攻撃が当たらないのか全くわからな
かった。
「その程度か・・・・ やはり威勢だけだな。 少し黙っていろ。」ルインは手から光
球を出した。 光球はガディグの体の中に入っていった。
「てめえ何をしやがった! !? うおおおおおお!?」突然ガディグの体が爆発に包
まれた。
「ガハッ! ゲホッゲホッ・・・ そう・・・いう・・こ・・と・か・・よ」ガディグ
は意識を失った。
「ガディグ!」
「おっと、よそ見をしている暇はないぞ。」次にルインはランムを狙った。
「くっ・・・『ライトオブフール』!」ランムは先ほどと同じようにシールドから光を
放った。 だがその光はルインに当たる直前で拡散した。
「!? 拡散した!? シールドを出しているわけでもないのに、なんで!?」ルイン
はその一瞬の隙を逃さなかった。

「はあああ!」ルインはランムの懐に飛び込んで殴った。 ランムはシールドで防御す
るが、粉々に砕けてしまい、パンチが体に直撃した。 ランムの体が宙に浮くと手から
無数の光弾が放たれ、それがランムに当たると手足に輪となってまとわりつき、体が宙
に浮いていた。
「くっ、動けない・・・ トリッガー、気をつけて! ルインはほとんどの攻撃を無効
化できるみたいだ!」宙に浮きながらもランムはロックに注意を促した。

14話
「ふむ、よくわかったな。 私の手に触れたエネルギーは分解される。 まあアイツに
言った通り全て、というわけにはいかないがな。 それとサービスで教えてやる。 こ
れはエネルギーをけっこう使うのでな。 あまり使えん。 長期戦になれば勝てるかも
なあ?」ルインはランムの説明に補足していった。
「よくも三人をおおおおおおおお!!」ロックは激怒した。 そして目が青くなって
いった。

「うおおおおおおお!!」ロックの体は体の中から放たれる青い光で包まれた。
ロックはルインに向けバスターを撃った。 ルインはその全てを避け、逆にショットを
撃ち返す。 ロックは体に当たるショットをものともせず、ルインに接近した。 
 だがルインは間合いをとり、ロックが攻撃を避けないのをいい事にひたすらショット
を撃った。 ダメージは微々たるものだったが何十発も当たったせいか、ロックの動き
が鈍くなった。 そこをルインに狙われ、体内に光球を入れられてしまい、先ほどのガ
ディグと同じように爆発し、その場に倒れた。
「フン、『ロックマンの名を継ぐもの』の力はこの程度か。 これならロックマンや
ロックマンXの方が強かったな。」ルインは部屋を出ようとしていた。世界を滅ぼす為
に。

      ロックマンDASHアナザ-ストーリー~ロックへの試練~
           第四章<近づいている終末の時>
                                    -完-