「寡婦」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

寡婦」(2019/01/31 (木) 06:22:14) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

一時的に空白とします
#contents(fromhere=true) *原文 出典:《古詩源(近デジ)》 霜露紛兮交下。木葉落兮淒淒。 候鴈叫兮雲中。歸燕翩兮徘徊。 妾心感兮惆悵。白日忽兮西頽。 守長夜兮思君。魂一夕兮九乖。 悵延佇兮仰視。星月隨兮天廻。 徒引領兮入房。竊自憐兮孤栖。 願從君兮終没。愁何可兮久懷。 *訳 序(古詩源版):友人の阮元瑜は早くに亡くなってしまった。その妻が寡居せるを傷んで、為にこの詩を作った。 霜露は粉となって、こもごも下り。木葉は落ちて、淒淒たり。 候鴈は雲中に叫び。帰燕は弧を描き、徘徊する。 わらわが心感じては、恨み嘆き。白日たちまち、西に頽(くずれ)る。 長い夜を守りつつ、君を思い。魂は一夕に、九たび背く。 失意のまま長くたたずみ、仰ぎ観るに。星月随って、天をめぐる。 いたずらに衿を引いて、房に入り。ひそかに自ら、孤栖を憐れむ。 願わくば君に従い、わが命よ終われ。生ある限り付きまとう憂いを、どうして永久に抱けというのか。 *単語 【阮元瑜】建安七子の一人、阮瑀 【兮】[[楚辞>漢詩大会の漢詩全文/楚辞]]でみられる文字。「、」みたいな感じ 【惆悵】恨み嘆くこと 【魂は一夕に九たび背く】《楚辞-九章-抽思》。死者を思い焦がれるあまり、一晩に9回、魂が身を離れる。 【延佇】長くたたずむ 【房】部屋、室内 【孤栖】家にひとり住むこと *コメント [[参考論文:福山氏「建安の「寡婦賦」について」>http://repo.lib.yamagata-u.ac.jp/handle/123456789/6488]]  この詩が作られた理由について、参考論文からの引用(pdfの2p目)。 >陳留の阮元瑜、余と旧有り。薄命早に亡し。其の遺孤を存するに感ずる毎に,未だ嘗て愴然として心を傷めずんばあらず。故に斯の賦を作り,以て其の妻子悲苦の情を敘ぶ。王粲等に命じ竝びに之を作らしむ。 > 陳留阮元瑜,与余有旧。薄命早亡。毎感存其遺孤,未嘗不愴然傷心。故作斯賦,以敘其妻子悲苦之情。命王粲等竝作之。 >「寡婦賦」は,建安七子の一人,阮瑀の没後,曹丕がその妻子の悲嘆を思いやってみずから作り,王粲等の建安詩人グループにも制作させた作品である。  また、この論文では、作品中の妻に、親友を亡くした自分の悲しみを託している、ともする。 「天よ、その孤独な星を終わらせよ。彼の星は、黄泉の月に従って巡るべし」  黄泉に従わんと願ったのは、妻の魂の破片であり、作者自身の魂の破片でもあるのだろう。 ----- [[漢詩大会の漢詩全文/曹丕]]インデックスに戻る

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: