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*原文
出典:《漢魏六朝百三名家集(国デジ)》 《楽府詩集(台湾)》
對酒歌。太平時。吏不呼門。
王者賢且明。宰相股肱皆忠良。咸禮讓。民無所爭訟。
三年耕有九年儲。倉穀滿盈。
斑白不負戴。雨澤如此。百穀用成。
郤走馬以糞其土田。
爵公侯伯子男。咸愛其民。
以黜陟幽明。子養有若父與兄。
犯禮法。輕重隨其刑。路無拾遺之私。
囹圄空虚。冬節不斷人。
耄耋皆得以壽。終恩澤。廣及草木昆蟲。
*てけとーな日本語
酒に対して歌おう。太平の世。官吏が戸を叩き、呼ぶこともなく。
王者は賢明にして。宰相や股肱の臣は皆忠良であり。ことごとく礼儀を尽くしては謙虚であり。民同士が争うことなく。
三年耕せば、九年の収穫があり。穀物は倉に滿ち盈(み)つ。
白髪の老人よ、重い荷物を背負わずとも良いのだ。雨はこの地を潤し、五穀はみのりを成す。
走馬を御し、もって田畑を耕そう。
爵の公侯伯子男をもつものは。ことごとく其の領地の民を愛する。
人材の評価を、適切に行い。父のように、兄のように、その子らを養う。
礼法を犯さず。罪の軽重に従い、適切な刑罰を下せば。道路の落し物を拾い、自分のものとする輩は居ない。
牢屋には、誰も入ることなく。刑罰を下すべき冬至に、誰も斬ることなく。
いついつまでも皆が長寿を謳歌し。天寿を全うすること。草木昆虫にまでも、行き渡らんことを。
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*単語解説
【班白】
白髪交じり。老人。《孟子-梁上》
【三年耕有九年儲】
《礼記》「三年耕必餘一年之食,率九年必有三年之食」
【百穀用成】
《宋書(台湾)》では、「五穀用成」
《淮南子-主術篇》「是以群生遂長、五穀蕃殖」
【郤走馬以糞】
《老子-儉欲》「天下有道、郤走馬以糞。天下無道、戎馬生於郊。」
(天下に道があれば、走馬の隙をもって治め。天下に道がなければ、軍馬が郊外に生きる)
「糞」には、「治める」「つちかう、肥料を施す」「除く」という意味合いもある。
(例えば《漢書-溝洫志》の太始二年「民得其饒,歌之曰:「田於何所?池陽、谷口。鄭國在前,白渠起後。舉臿為雲,決渠為雨。涇水一石,其泥數斗。且溉且糞,長我禾黍。衣食京師,億萬之口。」言此兩渠饒也。」ここでは、「白渠が適切な量の水をはこび、大地に栄養を運んでくれる」といったニュアンス)
「走馬を御しつつ、田畑を耕す」みたいなニュアンス。
【田、爵】
西周の制度そのものか、ある程度受け継いだものっぽい。田、爵、禄。
【黜陟幽明】
《書経-舜典》。暗愚なものを退け、懸命な者を挙げ用いる。人材の評価を適切に行うこと。
【冬節不斷人】
当時の裁判は、冬節=冬至に刑罰を言い渡した。
【耄耋皆得以壽。終恩澤。廣及草木昆蟲】
《宋書(台湾)》「耄耋皆得以壽終。恩德廣及草木昆蟲。」
【耄耋】
礼記。耄は70歳、耋は80歳。長寿をいみする。
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*コメント
まぁ、これは有名。
「三年耕せば、九年の収穫~」あたりは、なんか仏教の経本にも似たような表現が出てくるので、四書五経に元ネタがあるかもしれない。
…と思ってたら、やっぱりあった。
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