「上留田行」

上留田行 原文


居世一何不同 上留田
富人食稲與粱 上留田
貧子食糟與糠 上留田
貧賤亦何傷 上留田
禄命懸在蒼天 上留田
今爾歎息将欲誰怨 上留田

上留田行 訳

同じ世界の人なのに 何で差があるの ハーヨッコラショ
お偉がたは良いものを食い ハーヨッコラショ
わしらが食うのはカスとヌカ ハーヨッコラショ
貧しいからと嘆くなよ ハーヨッコラショ
成否の評価は蒼天次第 ハーヨッコラショ
あぁまたため息ついたよ誰を恨むのさ  ハーヨッコラショ


コメント


西晋 崔豹《古今注·音楽》:《上留田》,地名也。其地人有父母死,兄不字其孤弟者。鄰人為其弟作悲歌,以諷其兄,故曰《上留田》。
上留田とは、地名である。その地に父母が死んだ人がいた。兄は結婚せず、ゆえにその弟も独り身だった。隣人は弟のために悲歌を作り、以て兄を風刺した。ゆえに上留田という

唐 李白 《上留田行》:“行至 上留田 孤坟何峥嶸!” 前蜀 貫休 《相和歌辞·上留田》:“父不父,兄不兄, 上留田 ,蝥贼生,徒陟冈,泪峥嶸。”

 父は父にあらず、兄は兄にあらず。
 この由来を考えると、のどかに見えて意味深。

 もっとも三曹の場合、『秋胡行』でも見られるように、原本の一部だけ換骨して後はごっそり無視するケースがあるので、これも同じかもしれない。


最終更新:2019年01月31日 06:09