三國志VIIは資源確保の概念がある。
大陸統一のために、有能な武将や人口の多い都市を得るだけでなく、装備生産のための資源確保を念頭に置いて動かなければならない。
とはいえ、普段意識することは「馬が無ければ騎馬隊を編成できない」ぐらいだ。
あと、資源とは違うが「港湾都市で無ければ船を作れない」と併せて二つ。
これだけ覚えていけばいいのだから簡単だし、そう重要な要素ではない。

……と思いきや、実際ゲームで困ったことは起きる。
技術を300まで上げたのに弩を生産できない。
港湾都市を占領したのに船を作れない。
都市の連絡を分断されて孤立したら、装備を作れなくなった。
NPC太守が、生産する意味は無いのに鉄甲や馬鎧を作り始める。
連弩を生産したいのに井闌や霹靂車を作れと命令される。
連弩を生産したのに弩を作ってくれない。楼船を作ったけど蒙衝を作ろうとしない。

これらがなぜ起きてしまうのか、どうすれば解決できるのか、いろいろ考察してみる。


なお、装備を生産した結果編成可能になる兵科については、戦争テクニック/有力な兵科を参照。

資源地図

地図は今後の考察で何度も見直すことになると思うので、クリックすれば別ウィンドウで表示されるようになっている。


これを一度も見たことが無くてもゲームを進めることができるので、全く気にしていなかった人も多いだろう。
地図をあらためて見てみると、洛陽から真東に向かって兗州・徐州・揚州に渡って鉄鉱と皮革しか産出されず、
したがって弩を生産できない地域が結構広く設定されていることが分かる。
このあたりに居を置く群雄……すなわち曹操、孫策、劉備などの一流どころが木材確保の戦いを繰り広げる事になるのだ。

より分かりやすく、木材・馬・藤蔓だけを表示させたのがこちらの地図。
木材がなく、弩を生産できない地域の広さに驚くばかりである。


技術/装備/特産一覧表

技術 装備 必要な特産 可能兵科 強化兵科 特技 都市
0 蒙衝 木材 全ての兵科で、水上移動が早くなる。 港湾都市
0 騎馬 騎兵を編成可能。
0 藤蔓・鉄鉱 象兵を編成可能。 調教 永昌のみ
100 木材 歩兵が弓攻撃可能になる。
100 鉄甲 鉄鉱・皮革 鉄騎兵の編成に必要。
200 馬鎧 馬・鉄鉱 鉄騎兵の編成に必要。
200 藤甲 藤蔓 藤甲兵を編成可能。
300 木材 弩兵を編成可能。
400 連弩 木材 弩兵、井闌が1ターンに2回射撃可能になる。 発明
500 楼船 木材・鉄鉱 全ての兵科で、海上移動が早くなる。 港湾都市
600 井闌 木材・皮革 井闌を編成可能。 発明
700 霹靂車 木材・皮革 霹靂車を編成可能。 発明
900 火炮 木材・鉄鉱・硝石・硫黄 霹靂車が火炮攻撃可能になる。 発明
1000 木獣 木材・鉄鉱・硝石・硫黄 歩兵が象兵に対して強くなる。 発明

特産品考察

木材

最重要資源。弓、弩、連弩、蒙衝、楼船、井闌、霹靂車、木獣の生産に必要。
その重要性は、プレイヤーの脳内で「デフォルトで持っていることになっている」ぐらい必須すぎる資源であり、
「あると安心」ではなく「無くなった時に大慌て」の類である。
そんな事が無いように資源確保を心がけておきたいものだが、大陸東部ではなかなか上手く行かない。

重要資源。騎兵、鉄騎兵の生産に必要。
NPC太守が騎馬を生産する条件はなかなか揃うことが無いので、
木材が無い時に頼りになるというよりは資源豊富な時に自分が騎馬の作成を命じることの方が多いはず。
しかし、これだけあれば大陸を席巻することは十分に可能だ。

藤蔓

重要資源。藤甲兵、象兵の生産に必要。
NPC太守は藤甲よりも弩を優先する傾向にあるので、藤甲の印象は「蜀に攻め込んだらなぜかみんな藤甲兵だった」ぐらいのものだろうか。
しかし、突撃が強かったり、なかなか名将向きの兵科である。詳しくは戦争テクニック/有力な兵科/藤甲と技能の相性を参照。
中国全土に一カ所しか無いので、中原や北方の群雄には縁が遠い存在である。

鉄鉱

二大迷惑資源のひとつ。鉄甲、馬鎧が生産可能になってしまう。他、楼船、火炮、木獣の生産に必要。
木材が無い、もしくは技術が300に達していなくて弩を作れない状況では、NPC太守は意味もなく鉄甲の量産に乗り出す。
序盤ではかなりの痛撃だが、後半になればそんな光景は見なくなるし、楼船の生産に必要だからまだ罪は軽い。

皮革

二大迷惑資源のひとつ。鉄甲、井闌、霹靂車が生産可能になってしまう。
序盤の鉄甲、終盤の井闌と、あらゆる局面でプレイヤーを苦しめる暗黒の資源。
このページの考察は、つまるところ「どうやって鉄甲・井闌・霹靂車を回避するか」という事のために行われたのだが
結論から言うと「こいつがいなければ良かった」で片付く。
どう考えても取りたくないのだが、天下統一のためには避けて通れない。

揚州、荊州南部、蜀南部では皮革が存在せず、木材の確保が難しい代わりに鉄甲から逃れることができる。

硝石、硫黄

火炮、木獣の生産に必要。あまり使う機会は訪れないだろう。
放牧都市の上党を占領して、騎兵を編成するぞ……と思ったら特産が馬ではなく硝石になっていて愕然という時しか印象に残らない。

NPCの生産AI

(元ネタ:13スレ165~)
都市の技術値によって、NPCが生産する装備が変動する
これを利用すれば、普段は変な装備しかくれないNPCに、弩、連弩の組み合わせを揃えさせることも可能
以下、技術値のライン(すべての特産が揃っている状態での結果。こまかい数値についての考証求む)

港湾都市 船のみ製造する
技術50位?~500位 蒙衝のみ製造
技術500位~ 楼船のみ製造

通常都市・大都市・放牧都市・学術都市
技術0 騎馬
技術100~ 弓、鉄甲
技術200~ 藤甲、馬鎧
技術300~ 弩
技術400~ 連弩→弩の順。連弩優先かどうかは発明もちの気分次第ぽい。
技術600~ 井闌→弩の順。一年待ったが連弩は作らなかったとのこと
技術700~ 霹靂車→弩の順
技術900~ 火砲
技術1000 木獣
例外     象(技術に拘わらず、生産条件が整っていれば作ってくれるようだ)

(13スレ172)
(NPCがその都市で)作れる中で一番技術を必要とするものを配備して、後は放置
だから、技術を上げている最中の都市は、新しい装備を作れるようになったら順次配備されていくけど
すでに技術が600以上の都市に人を送り込んでも、井闌が優先されて連弩は配備されない
騎馬(技術0)や弓(技術100)が全員に配備されないのはこのためだと思う

技術を絶対600に届かせないために、後方都市でも「軍備」にしておいて
そこの太守に発明持ちを置くといいのかもしれない
そうすれば連弩を作ってもらえるだろう
このレスを書いた時は気づいていなかったが、NPC太守は「軍備」を指示しても技術を上げていく。

(13スレ178)
放牧都市でも馬を作るとは限らない
初期状態の馬騰や公孫サンみたいに、
所領で生産できる装備が馬だけしかないときは馬を作るけど、
どこかに木材や鉄なんかがあれば、そっちを作るようになっちゃう

NPC太守たちの行動への対処

このような法則性をもとに、NPC君主・太守たちの困った行動を考察する。君主でもなければ対処不可能な場合も多いが……。

  • 技術が600以上になると、連弩ではなく攻城兵器を生産してしまう
せっかく連弩隊を作る環境が整っているのに連弩を生産しないばかりか、連弩を装備している武将まで井闌で出撃する可能性が出てくる。
大迷惑なのでなんとかしたいところだが、太守の方針を「軍備」にしても技術を上げてしまうので、
「連弩だけ作って井闌に移行しないために、技術600以上にしないでくれ」という指示はできない。
さすがに「待機」にすれば技術を上げなくなるが、今度は連弩生産も止まってしまう。
諸葛亮や賈詡のように「発明」を持つ太守たちは、技術600に達してしまったら他の都市(技術400~599)の太守に赴任させるといい。

また、連弩に必要な資源は「木材」のみ、井闌と霹靂車は「木材・皮革」が必要。
皮革を産出する都市を所有しなければいいのだが、実現性があるとは言いがたい……。

  • 楼船を作るけど蒙衝を作ってくれない
上の表によると、技術500になる(楼船を作成可能になる)と、必ずそうなってしまうらしい。
残念ながら対策は無く、プレイヤーの手で蒙衝を作るように指示するしかなさそうだ。

  • 騎馬を配備してくれない
騎馬の条件は「技術:0、資源:馬」。馬鎧の条件は「技術:200、資源:馬、鉄鉱」。
鉄鉱を産する都市を手に入れてしまうと、技術200の段階から馬鎧の生産に切り替わり、
「騎馬隊は編成できないけど馬鎧は行き届いている」という連中が出現する。
技術200というのもかなり早い段階で訪れるわけで、なんとか鉄鉱資源を手に入れないで攻略を進めたいものだが、
馬騰軍が南下すると鉄鉱を避けて通ることは不可能。
公孫[王賛]軍は公孫度軍に攻め込んで押し出したり、南の袁紹軍に攻め込むと鉄鉱を手に入れてしまうのだ。
大陸全土に広がる鉄鉱産出都市を見てみると、鉄を避けて攻略することは現実的な選択ではない。
技術300で木材の資源を手に入れれば生産するものが弩になるので、多少マシになる。対策としてはこちらが有力だろうか……。

資源が行き届いている中盤以降では技術99以下の都市など残っていないだろうから、NPC太守が騎馬を生産する可能性は無いと言っていいだろう。
プレイヤーが君主、軍師、太守になって指示を出すしかない。

  • 馬も無いのに鉄甲を量産する
鉄甲は鉄騎隊を編成するために必要な、騎馬隊のオプション装備なのだが、実は馬が無くても生産はできる。
条件は「技術:100、資源:鉄鉱、皮革」。このような状況に置かれた場合、すみやかに木材資源を手に入れて技術300に上げないと
金800を投じて鉄甲を量産されてしまう。序盤ではかなりきつい出費だ。

この「鉄鉱と皮革があり、木材が無く、技術が300以下である」という状況だが、たとえば194年の曹操がいきなり合致している。
速攻で木材を産出する都市を奪いたいところだが、相手は呂布もしくは袁紹……。西に向かって河内か弘農に行った方がいいかも。
「周辺の空白地を一回り押さえておこう」とやってしまうと、木材が手に入らず、技術が400になっても500になっても弩隊を編成できずに
全員鉄甲配備という悲惨な事態に陥る。
さらに、いざ木材を手に入れた時には無駄に技術が上がりすぎていて連弩ではなく井闌の生産を開始という可能性も……。

プレイヤー君主の拡大戦略

  • 華北での戦略
中心地に鉄鉱と皮革があるので、「不要な資源を避けて勢力を拡大する」という作戦は不可能に近い。
公孫[王賛]は公孫度を本拠から追いやるだけでなく、完全に遼東半島を制圧して木材資源を手に入れよう。
都市の数が多いのに木材を産出する都市が少ないので、鉄甲量産という事態がよく起きる。

  • 中原での戦略
鉄鉱と皮革ばかりで木材が全然無い。弩は作れないし鉄甲の条件は避けて通れない、戦略資源の面では最悪の地域。
国力や人材が良いから資源でバランスを取ったんだろうか……。
河内や弘農など、国力は低く人材も輩出しないが木材を産出する都市の確保は戦略上の意義がある。

  • 江南での戦略
呉の周辺では皮革が手に入らないので鉄甲地獄からは解放される。
(鉄鉱だけなら無意味装備の生産は始まらない。鉄鉱+皮革で鉄甲、鉄鉱+馬で馬鎧を作り始める)
木材を産出する都市が建安だけなので、空白都市ながら超重要拠点である。
せっかく港湾都市を確保しても木材が無いから蒙衝を生産できないというのは悲惨すぎる。孫策なら初手で押さえておくべきだろう。

  • 荊州での戦略
襄陽と江夏で皮革と鉄鉱が手に入ってしまっている。
「皮革を捨てるために襄陽を敵の手に渡す」というのはデメリットの方が大きいだろうから、
素直に技術を上げて弩隊に向かっていくべきか。
南方空白地では占領した時点での技術が低く、弩を生産できないので鉄甲生産をやらかす可能性が大きいため、
すでに鉄甲を持っている武将を配置転換させて行けば被害を最小限に抑えることができるかも?

  • 蜀での戦略
ここも鉄を避けて通ることは不可能ではない。南蛮三都市を全部拾ってしまうと鉄が手に入ってしまうので注意。
漢中、永安、交趾で木材が手に入るが、漢中の張魯が頑張るか董卓あたりに落とされ、永安を劉表に取られ、交趾の士一族が頑強で、
領土拡大に失敗した時は弩隊を作れないので藤甲軍の出番になる。
劉璋軍がやたら藤甲ばっかりになってくるのはここに理由があった。

  • 象兵を生産したい
必要資源は藤蔓と鉄鉱、生産できる都市は永昌のみ、「調教」の特技が必要、必要資金は10000……と、条件は多いが
  • 永昌、雲南、建寧(南蛮三カ国)を押さえている
  • 永昌に兀突骨か木鹿大王がいる
これだけ覚えてればいい。
兀突骨や木鹿大王は「無双」があり、前線に持っていきたくなる能力なので、間違えないように太守にしてしまうのも手だ。
コンピュータに任せても技術にかかわらず象を配備してくれる。あとは武将を送り込む時に持参金10000を忘れずに。



番外編

Win版PKの都市編集で不要な資源を産出する都市のデータを変更してしまい、「特産なし」にしてしまったら?
もちろんこれはインチキだが。

  • もしも中国全土に「皮革」なんてものが存在しなかったら
鉄甲が生産できなくなる。つまり鉄騎隊が作れなくなるが、序盤の鉄甲地獄が解消されるのなら……。
井闌、霹靂車が生産できなくなる。技術がどれほど上がっても連弩を作ってくれるだろう。
また、「火炮」「木獣」を作る恐れがあるので、硫黄と硝石も抹消しておくべき。

  • もしも中国全土に「鉄鉱」なんてものが存在しなかったら
鉄甲、馬鎧が生産できなくなる。
象が生産できなくなる。
楼船が生産できなくなる。これが困るので、鉄鉱消滅はやめておいたほうが良さそう。
木獣、火炮が生産できなくなる。


最終更新:2018年12月25日 17:14
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