三國志7のアップデート版とも言える続編、三國志8。
三國志7の要素がどのように発展したか、どんな不満が解消されたか分析してみる。

シナリオの数が莫大になった

184年から234年まで、1年ごとにシナリオがある。よくぞここまで作ったものである。

海路が無くなった

呉から海路で一気に北に攻め込んだり、蜀の背後から攻め込むという7独特の進行ルートが消滅。
遼東半島、荊州南部、呉の南東部、蜀の南部は安全地帯にできる。
従来の親しみやすい繋がり方に戻った。

武将の能力値に上限ができた

基本は初期値+10まで。各能力限界を+20にする特技がある。「全能」の特技を持つと限界が100になる。
やはり7の「どんな武将でも最強にできる」という方針は豪快すぎたのだろうか。

諸葛亮の知力は100

やはり「92+8=100」という7の設定は受けが悪かったようだ。
他にも、武将の能力は全体的に「成長済み」の数字に設定されている。

華佗、司馬徽、于吉、禰衡らがNPCになった

やはり彼らが武将として登場するのは違和感があったか。

戦争、軍議

7では野戦と攻城戦が完全に分かれていたが、これが統一されてひとつのマップ内に収まった。
係争拠点は戦場の左右に置かれていた場所が廃止され、攻撃側出陣場所---中央の砦---城とシンプルになった。
軍議の作戦は「中央突破」や「包囲」などはなくなり(事実上「中央突破」に統一)
代わりに「速攻」(機動力上昇、11ターン目に士気が低下)や「索敵」(視界が広くなる)などを選択するようになった。

戦法

7の特技「乱射」「突撃」「火矢」などが別のカテゴリーに分類され、計略ポイントを消費して行う「戦法」というものになった。
7では実行すれば必ず成功していたが、成功確率が設定され、失敗する場合もある。
訓練することで戦法の習得レベルが上がり、高くなると成功確率アップ。
攻撃しつつ敵を混乱させるものが強力。
敵が異常な確率で決めてくるらしい。

部隊兵科の特技ができた

「水軍」の他にも、「歩兵」「騎馬」「弩兵」の特技ができ、各兵種を率いているときにパワーアップ。
せっかくこうした要素が加わったのに、なぜか毎回弩隊で出撃させられるらしい。

幻術が見られるようになった

7では「鬼謀」と「占卜」が必要で、初期状態では誰も使えなかった「幻術」が、「神算」だけで使えるようになった。
そのため、7ではほとんど見る機会が無かった幻術を見ることができるようになった……
が、三國志の武将たちが幻術使いになってしまうのもどうかとも思う。

内政用の特技ができた

「商才」を持っていると、アイテムや米の取引で有利になるだけでなく、内政の「商業」で効果が高くなる。
また「警備」「耕作」「築城」などの内政用特技が加わり、
「発明」は特別な装備を生産可能という特技から、これらの内政効果上昇に変更されている。

巡察→見聞

民心掌握度を上げるコマンド。
7では都市全体を見回る「巡察」だった。
また、7では都市施設をクリックしてみると住民と会話ができたが、あまり意味は無かった。
この二つの要素が統合され、都市施設を巡察する「見聞」というコマンドに変更。
内政用の特技を修得したり、7で言う巡察イベントが起きたりする。
7でも脅威だった住民の金銭要求が凄いことになっているらしい。

悪行を働くことができる

7では善行を積むばかりで悪に走ることができなかったが、8では悪役人を見逃して賄賂を受け取るイベントがあったりする。
「悪名」というパラメータも設定され、高いとバッドエンドになる。
……が、これが「捕らえた敵武将を斬首すると悪名が上がる」というシステムになっており、バッドエンドが嫌なら敵武将を斬首できないという形で
やはり「無理矢理善行プレイを強制」という不満は残っている。
略奪というコマンドはあるが「隣接都市から略奪してくる」というものであり、自分の支配下都市の領民から物資を奪ってくるわけではない。

特技を習得する機会が増えた

7では狙って鍛錬を行う必要があったが、内政での見聞や戦法の訓練、結婚相手や旅人から教えてもらえるようになっている。
特に、7での「無双」に該当する「威風」が必ず得られるイベントが用意されているのは大きい。

複数の武将と一度に親密度を上げる「宴会」ができるようになった

金を消費するものの、行動力の消費を抑えられる。
参加人数×30消費というのはなかなか出費がでかいが……。

他の武将にアイテムを寄贈できるようになった

「君主に名馬を持たせたい」「軍師に書物を持たせて知力100以上にしたい」など、7でやりたかった。

軍師の他にもコマンド提案を絶対に了承させる「特権」ができた

内政で大きな成果を挙げると「特権」を獲得、進言が絶対に却下されない。これは7にも欲しかった。

都市方針に「輸送重視」が加わった

これも7に欲しかった。
敵国と接していない安全な都市は、最低限の物資を残して全て君主所在都市に輸送するぐらいでいいと思う。

7では、親密度42でできる暗殺イベントが強すぎたが……

8ではなんとプレイヤー側が暗殺されることになった。
捕らえた武将を斬首すると、血縁者や義兄弟に命を狙われる。
7で強すぎたとは言え、まさかこんなしっぺ返しが来るとは……。

「武力」と「統率」が分かれていなかったが……

8では「一騎」の特技まで消え、完全に武力=戦争時の戦闘力に。
このため武将データも諸葛亮、曹操、徐庶などの武力も激減している。
武勇の士ではなく戦上手の指揮官たちは、新たに加わった要素である「戦法」が頼みか。

結婚イベントが加わった

個人プレイのゲームなので、仕事一筋ではなく私生活のイベントも用意された。
さらに8PKや10では子供を育てて武将にするという要素が加わっていく。

漢室への態度・エンディングの矛盾が少なくなった

劉備で漢朝再興をやろうとしても「新王朝設立」というエンディングになったり、
馬騰で漢の献帝を盛り立てる忠臣としてプレイしようとしてもエンディングで新皇帝になってしまったり、
といった矛盾が無い展開でゲームが進むようになっている。



このように、三國志8では三國志7の改良・発展、不満点の解消に努めようとした事が分かる。
改良案を考えてみるときに参考になるのではないだろうか。


最終更新:2019年01月31日 05:50