白川勝彦氏、悪質な職務質問を受ける1

弁護士であり元国会議員、元自治大臣であり国家公安委員長も務めた白川勝彦氏が渋谷で受けた悪質な職務質問の体験記です。
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忍び寄る警察国家の影


※この小論は、「白昼堂々、4人組が!」と題して3回にわたり永田町徒然草に連載した職務質問を受けた体験と法的問題点をまとめたものです。小さな一事ですが、このことに潜んでいる問題は極めて大きなものです。自由な社会を作ることを使命とする自由主義者にとって、絶対に等閑にできない問題です。永田町徒然草で一度お読みいただいた方も、ぜひもう一度お読みいただければ幸いです。

★ちょっとむさい格好で渋谷に

私が新潟県中越地震の視察から東京に帰ったのは11月8日の午後でした。風邪気味だったので、東京に帰ることにしたのです。帰る途中から容態は悪くなるばかりでした。これは仕方ない、いい子になって寝るしかないと覚悟しました。風邪薬を飲んで、厚着をしてベッドで寝たのですが、だんだんひどくなるばかりです。1日も休めば治るだろうと思ったのですが、なかなか治らず丸4日寝込んでしまいました。

11月11日、午前6時過ぎに私は目覚めました。体調は昨日よりはいくぶん良いものの、依然として本調子とはいえない状態でした。昨日の夕食にお粥を食べただけですから、お腹が空いていました。食べるものは食べないと風邪も治らないので、家内が用意してくれたお粥を食べました。食欲はありましたし、美味しくいただけました。昨日もほとんど寝ていたのですが、ベッドで横になるとまた眠れるのです。これが病気ということなんですね。

4時間くらいぐっすり眠りました。10時ころ目が覚めました。下着がまたびっしょりと濡れていました。これを脱ぎ捨て、新しい下着を身に付け、外出着に着替えて、私は渋谷に向かいました。3日間も風呂に入っていないので髪は乱れていまし、髭ものびていました。ですから、普段は地下鉄なんですが、むさ苦しい格好なのでタクシーで行きました。どうしてもその日に振込まなけければならない用件があったからです。

★4人組がグルリと取り囲む!


タクシーを降り、2箇所の金融機関に寄り、振込みを済ませました。熱のためでしょうか、すごく喉が渇いていました。バニラシェイクを飲みたくてなって、馴染みのモスバーガーに行こうと歩いているその時でした。何処となくきた厳つい格好をした4人組に、私はいきなりグルリと囲まれました。私は、反射的に両手を入れていたベストのポケットから手を出し、身構えました。タバコとライターが左手に、右手にはライターがありました。4人組はズボンのポケットを中のものを見せてくれというやいなや、私のズボンのポケットの上を強く触ってくるのです。一瞬何が起きたのか、状況を把握するのに時間がかかりました。私が4人組の襲撃を受けたのは、ハチ公前交差点から100メータ―ほど道玄坂を登った広い歩道で、通行人も多いところでした。

白昼堂々、突然4人組にグルリと囲まれ、いきなりズボンのポケットの中にあるものを見せろといわれて、身体検査よろしく体に強く触られたのです。私は腕に自信にあるわけではありませんが、「お前たち一体何なんだ、冗談じゃない」といって突き飛ばすなり、ぶん殴りたくなりました。でも、幸いにも私は冷静さを少し残していました。それをやったら、彼らの思う壺だと判断する思考能力が、働いていたのです。

そうなのです。私を白昼堂々襲ってきた4人組は、警察官だったのです。少しむさ苦しい格好だということは自覚していました。だからといって警察官の職務質問を受けなければならない状況ではないということは明らかでした。それも質問などというものではなく、いきなり4人にグルリと取り囲まれ、ズボンの左右のポケットと財布の入っている後のポケットを、4人の屈強な男に交々強く触られたのです。彼らが制服を着ていなければ、反射的にこれを突き飛ばすなり、殴り飛ばすなりして、私は自分自身を守ったでしょう。しかし、この自然な行動を私がとれば、彼らが待ってましたとばかり公務執行妨害で私を逮捕することは、火を見るよりも明らかです。私は、弁護士である自分に戻っていたのです。

★執拗に身体検査をしようとする


私は、私のズボンのポケットを上から強く触ろうとする彼らの手を払いながら、大きな声でこういいました。

「君たちは何で私のポケットの触るのだ。何で君たちにポケットのものや財布を見せなければならないのだ」

彼らの中でいちばん歳をくった男がいいました。

「あなたは、いま手を入れていたチョッキのものは、見せてくれたじゃないですか。怪しいものをもっていないのならば、ズボンのポケットの中のものも見せなさい。なぜ、見せられないのですか。見せなさい。財布を出しなさい」

そういいながら、執拗に私のズボンのポケットに触ってくるのです。私はだいぶ冷静になってきました。この手を払いのけることは正当防衛的な行動ですから、公務執行妨害にはなるまいと思いながら、強く払いながら大きな声でこういいました。

「私は、見せる気がない。何で財布まで見せなければならないんだ」

それでも、この4人の警察官は、ズボンのポケットの中を見せなさい、財布を見せなさいといって私を取り囲み、そこを動こうという私の自由を完全に奪っているのです。そして、こりもせずに何度も何度もズボンのポケットの上を強く触り、中のものを確かめようとするのです。「何で触るんだ」と詰問すると、「触るのは職務質問として許されているんだ」と開き直るのです。正確な時間はこういう状況ですから分りませんが、おそらく3~4分くらい激しく揉み合い、いい合いました。

★「怪しいものがないのなら、見せなさい」


私はこういうことをしながらも、次第に極めて冷静になってきました。そして、本当に空恐ろしいものに遭遇した自分に気付きました。私は弁護士ですし、また国家公安委員長をしましたので、職務質問の有用性も問題性もよく知っています。しかし、いま私が受けていることがこの職務質問であるとしたならば空恐ろしいことであり、曖昧に済ますことはできないと思ったのです。怖いというのは、警察官が怖いということでは、もちろんありません。こんなことが職務質問として行なわれていることが、空恐ろしく思えたのです。こんなことは許されてはならない、ここはじっくり勝負しようと、私は考えはじめたのです。今度は「こっちの方が執拗に食い下ってやろう」と覚悟を決めました。

私は、なぜ私のポケットの中を見せなければならないのか、何度も何度も聴きました

★警察署か交番か


人通りの多い渋谷の歩道で、「見せろ、見せない」「触るな、触るのは許されているんだ」ということを15分くらい繰り返していました。遠巻きに時には人垣もできましたが、それは近くの信号待ちの時間だけでした。皆、関わり合いたくないのでしょう。本当は、誰のために鐘が鳴るなんですがね。

どうやって局面を変えようかと考えました。彼らの言動は何度もいうようにまったく変わらないのです。局面を変えることは、極めて難しい状況でした。ですから、私は、ひとつのカードを切ることにしました。

「私は弁護士だ。いま君たちがやっていることは、警職法では許されることではない。君たちのやったことを私は署長に訴えなけれならない。だから、まず君たちの認識番号を押さえておかなければならない。君たちの認識番号を書く。私はいまボールペンを持っていないから、貸してくれ」

私はタバコの包み紙に4人の胸にある認識番号を控えました。彼らは素直にボールペンを貸してくれ、番号も見せました。

「それでは、渋谷署に行こう。しかし、私はいま風邪をひいていて、いままでほんとに寝ていたんだ。歩いていくのはちょっとシンドイので、タクシーで行く。君たちも乗っていいから、一緒に行こう」

こういって、タクシーを拾うために反対側の車線に行くために近くの信号に渡ろうとしたのですが、4人組はこれを体を張って妨げるのです。そして「ここじゃなんですから、交番に行きましょう」とさかんにいうのです。私は彼らと話すつもりもありませんでしたし、彼らと話しても何にもならないことですから、まったくとり合いませんでした。ですから、状況は先程とまったく変わらないのです。

今度は「渋谷署に行く。署長と話をする」と私がいい、「交番に行きましょう。交番で話を聞きましょう」と警察官が答えるといういう押し問答を同じ場所でまた10分くらいしました。そうこうしている時、私は顔見知りの人を見かけましたので、ちょっと呼びました。彼は来てくれてました。私は事の次第を話して、「私が警察署へ行こうというのに、彼らが納得しないんだ。どう思う」とあえて周りの人にも聞こえるように大きな声でいいました。そして、数人が見ていることを確認して、私はタクシーを拾うために囲みを振り切って道路を渡りました。タクシーを拾って警察署に行くために多少強引に4人組の囲みを破っても、公務執行妨害で逮捕することはできないという状況と証人を作っての行動でした。

★タクシーかパトカーか


とにかく20分くらい同じ場所で4人にグルリと囲まれていた状態から、私は道路の反対側に移ることがようやくできました。しかし、4人の警察官が私をグルリと取り囲んでいるという状況はまったく変わりません。私には逃げるつもりなどまったくありませんでしたが、タクシーを止めてこれに乗り、渋谷署に行くことは4人に完全に阻止されていました。こんな状態ですから、第一タクシーが止まってくれません。1、2台は止まってくれたのですが、私が乗り込むことができないので、そのまま先に行ってしまいます。私の行動の自由は、事実上奪われているといってもいいのでしょう。私が彼らの職務質問から解放され、自由にどこかに行くことができなかったことはいうまでもありません。

こんなことを10分くらいしているうちに、彼らも私を交番に連れて行くのはさすがに諦めたようです。後はどうやって渋谷警察署に行くかという問題です。渋谷署は、いま私たちがいるところから1キロメートルくらい離れたところにあります。私は警察署長に会って、彼らがやったことを包み隠さず話し、反省してもらいたいから警察署に行くつもりですし、本気なのです。逃げる気など毛頭ありませんし、いまさら解放されても私は渋谷署に行くつもりでした。いくら彼らがそれは勘弁してほしいといったって、今度は私の方に譲る気がないのです。

渋谷署に行こうというのですが、今度はその方法が問題になっているのです。

「私は、いま風邪をひいているので、渋谷署まで歩いていくのは正直にいってシンドい。だから、タクシーで行く。君たちも乗ってもいい。もちろん、お金は私が払う。なんでこれがいけないのか?」

「それはできないのです。私たちはタクシーには乗れないのです。パトカーを呼びますから、それで行きましょう」

こう繰り返すだけなのです。パトカーならタクシー代は確かにかかりません。「理不尽な職務質問をさんざん受けた上、パトカーに乗せて下さる!? 冗談じゃない!よくも平気でそういうことがいえるものだ」とさすがに腹が立ってきました。

「冗談じゃない。パトカーなんかにのれるか! 私はタクシーで行く」というと、「私たちはタクシーには乗るわけにはいかないのです。それでは、歩いて行きましょう」というのです。私は、風邪がひどくやっとベッドから這い出てきたのですから、1キロちかくある渋谷署まで歩いていくのは本当にシンドいのです。このことを何度話しても、彼らの答えはまったく同じなのです。

タクシーかパトカーか、車でいくか歩いていくかの押し問答です。こんな押し問答を5~6分、車がひっきりなしに通る交差点の路上で行ないました。交差点ですから、信号が変わるたびに多くの人が通ります。私だって、こんなことをしているのは嫌になってしました。だからといって、パトカーを差し向けて下さるというご好意を受ける訳にもいきません。また歩いていくのは、シンドいのでOKという訳にもいきません。どうして、こんな石頭を相手にしなければならないんだろうと苛立ってきました。

★警察官に付き添われて渋谷署へ


彼らもさすがに参ったのでしょう 。4人組の一人が無線で上司と相談しれいるようでした。間もなくして許可が下りらしく、私がタクシーに乗っていくことを了承しました。手をあげてタクシーを止めました。一人が前に乗り、もう一人私の側に乗らせてもらいますというのです。そんなことは、最初から私は当然のこととしていましたので、許可するしないもないのですが、逆に私はこういいました。

「後に二人乗らなくていいのか? 君たちは私がタクシーに乗って、怪しいものをタクシーの中に置いていく危険があるから、タクシーはダメだといったんのだろう。私の左右に二人乗ればいいじゃないか。お金は私が払うから」と同乗を勧めたのですが、「いえ、それはいいんです。逮捕ではないんですから」といって、一人だけが私の左側に乗りました。

彼らも状況が少し変だなと気付きはじめたようです。いままでに比べると態度がだいぶ丁寧になってきました。言葉使いも丁重になってきました。車がけっこう混んでいましたので、1キロ足らずの距離でしたが10分以上はかかったのではないでしょうか。車中で、

「君たちはいつもあんな風な職務質問をするのか? 日本という国も恐ろしい国になったもんだなぁー。困ったことだ」

といいますと、

「私たちは、この渋谷の治安を守らなければならないのです。拳銃を持っている者もいれば、薬物を持っている者もいるのです。ですから、職務質問をして未然に犯罪を防止しなければならないのです」

というような趣旨の話をさかんにするのです。

彼らをこれ以上責めても、悪いことをしているという認識がないのですから仕方がないと思い、私は取り合わないことにしました。彼らと30分ちかく押し問答する中で、彼らが今日私にしたことを正当な職務行為だと信じ切っていることはよく分りました。私がいくら彼らにいって聞かせても、彼らが私のいうことを聴かないことは明らかです。私は、このような職務質問をさせている警察署長に現状を話し、これを改めさせるために渋谷署に向かっているのですから。途中で私は、警察署にタバコ販売機があるかどうか聞きました。もしなかったらタバコを買っていこうと思ったからです。丁度、タバコがなくなっていたのです。けっこう長引くだろうから、タバコはいるなぁと思ったのです。

★何とか課長さんの登場


車は、渋谷署に着きました。代金を払い、署内に入りました。私は、入り口の近くの部屋に案内されました。取調室ではないようですが、応接室としては味気ない小さな固いソファが一つだけ置いてある広い部屋でした。まずはタバコを確保しようと思い、自動販売機はどこかと聞いたところ、買ってきてくれました。灰皿がなかったので「ここは禁煙か」と聞くと、床に置いてある大きな吸殻捨てをもってきてくれました。ドアを閉めないので、出入りする人が見えます。

タバコを吸って待っていると、何とか代理という人が出てきました。私は、署長としか話すつもりはなかったので、応対する人には興味ありませんでした。ですから、あえて肩書きには関心がなかったので、その警察官にも失礼ですが、申し訳ありませんが「何とか代理さん」としかいえないのです。

私は、その何とか代理さんに「今日私が職務質問を受けたことで、署長にいいたいことがあるのできました。署長にお会いしたい。私は国家公安委員長をしたことがある白川勝彦です」と告げました。何とか代理さんは、私を知らないようでした。また、国家公安委員長というのもよく知らないらしく、都の公安委員ですかとか、国家公安委員ですかとかいって、何度も書きかえていました。「私が平成8年9月から翌9年9月まで、国家公安委員長をしていた白川勝彦だということ。その白川が署長に会って話をしたいので、取り次いでもらいたい」旨を丁寧に説明しました。

よく分ったのか分らないのかしれませんが、その何とか代理さんは退席していきました。その代わり、今度は何とか課長さんという人が出てきました。張り切って出てきたその人には失礼ですが、私は署長と話すつもりしかありませんでしたから、その課長さんの肩書きにはまったく関心がなかったので、この人もまた「何とか課長さん」としかいえないのです。その何とか課長さんは、何とか代理さんから変な風体をした公安委員長と称する者が来て、署長に会わせろといっているといわれて、こんな者は追い払わなければならないと思って張り切ってでてきたのだと思います。最初からいやに肩に力が入っていました。

しかし、私が会いたいのは署長だけですから、誰が出てきても同じです。私は先の何とか代理さんにいったと同じように、国家公安委員長をした白川勝彦であること、今日職務質問を受けたことで署長に話をしたいので取り次いでもらいたいといいました。そしたら、その何とか課長さんの返答がふるっているのです。

「国家公安委員長は、どうやって任命されるのですか。どういう仕事をするんですか」というのです。そんなことをどうして聞くのかと思ったのですが、要は私がかつて国家公安委員長をした白川勝彦だということを信じられないのでしょう。住所はどこですかとか、そのときの総理大臣は誰ですかなどと執拗に聞くのです。しかし、何とか課長さんがどう思おうと、私がかつて公安委員長をした白川勝彦であることは間違いない事実ですから、仕方ありません。

彼が私をどういう素性の人物だということを知らなかったのか、あるいは知っていてもこういう問題で署長に会わせることはできないと思ったのか不明ですが、一向に署長に取り次ごうとしません。そして「もし、あなたが国家公安委員長をした人ならば、警察官を苦しめるようなこんなことはしないはずだだ」とか何とかいうのです。今度は、私が国家公安委員長をした白川勝彦であるかどうかが、押し問答の中心的なテーマとなりました。15分くらいこんな押し問答をしたでしょうか。彼の言わんとすることを要すれば、署長に会わせる訳にはいかないということです。だったら、もうこの何とか課長さんと話をする必要はありません。

★副署長さん現る!


「分かった、もう、あなたに取次ぎは頼まない。直接私が面会を申し込む」といって、私はその部屋を出ました。別に制止はありませんでした。もし、私がそのまま警察署を出ようとした場合、彼らは制止したかどうか? それは分りません。制止はしなかったのではないかと私は思います。その証拠に、私についてきませんでしたから。何とか課長さんにしてみれば、なんとも得体の知れない人物には、早々に立ち去ってもらいたいというのが本音だったのではないでしょうか。しかし、今度はこっちがこのまま引き下がる訳にはいきません。何としても今日私が受けたことを署長に知らせ、このようなことが行なわれないようにすることが私に与えられた任務であると確信し切っているのですから。

その部屋を出たところに、渋谷署のカウンターがあり、そこに「総合受付」というところがありました。そこで、署長への面会を申し込もうと思い、話はじめようとすると、件の何とか課長さんはあたかも大事件のように「受付はあっちです、あっちです」といって、入り口のカウンターを示すのです。それなら、「総合受付」というのは一体何なんだといいたくなります。しかしいまはくだらないことでクレームを付けられることではなく、署長に面会することが先決ですから、入り口のカウンターで求められた申込書に必要事項を書いていました。すると遠くのほうから大きな声で「白川先生!白川先生ではありませんか」といいながら、誰かが駈け寄ってきます。一体、何処のどなただろうかと思いました。

「私は、昔、警察庁の政府委員室にいた○○です。いまここで副署長をしています」といって、私を先程の部屋に引き戻しました。正直にいって、私は彼を知りませんでした。彼が政府委員室にいたのは、平成7年までだそうですから、私が知らなくても不思議ではないのです。私が国家公安委員長を務めたのは、平成8年から9年ですから。

事情は、すでに部下から聞いていたのでしょう。彼は警視庁の警察官ですが警察庁に出向し、政府委員室という国会対策をするところに勤務していた関係で、私を知っていたのでしょう。人定ができた以上は、それなりの対応をしなければならないので、出てきたのだと思います。その証拠は、「一体何があって、いま私がここにいるのか」ということについて、まったく質問がでなかったことです。そして、今日起こったことには多少問題もある、ということも承知していたのだと思います。

この人柄のよさそうな副署長は、政府委員室に勤務していた時や、私の国家公安委員長時代の話をし、私を誉めてくれるのです。だからといって、私はそれに気をよくしてそのまま帰る訳にはいかないのです。私はまずお茶を所望しました。バカバカしい押し問答を相当長いことやっておりましたので、喉が乾いていたのです。お茶を飲みながら、私は改めて事の顛末を詳しく副署長に話しました。そして、これはよくないことなので、ぜひ是正しなければならないといいました。さらに、このことを署長にもちゃんと伝えるようにいいました。彼から特に反論はありませんでした。

最終更新:2010年02月03日 05:08
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