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*第4章 第二項 「美人コンテストの審査員を審査する話」 **本項概要  本項は「審査員の審査の正当性」を例題とし,スピアマンの順位相関係数(Spearman’s correlation coefficient by rank test)について解説する.本検定で順位相関係数を導くための手順を本書を元に解説する,最後に一般にスピアマンの順位相関係数を導く一般式を紹介し,式についての説明を行なう. **検定の目的 スピアマンの順位相関係数は順位データから得られる相関の指標であり,順位一致の程度を示す.ピアソンの相関係数の検定に比べ,分布の正規性を仮定しなくても良いと言う利点がある.したがって,例題のような審査員の順位の一致度(一致するものではないが,全く一致しない場合は審査員の資質が問われる)のデータに用いられる. **相関係数の導き方 本書では3項目の順位付けを例とし,2つの順位をつけた場合のとりうる順位の関係(合計6通り)を示している(P146,63.).ここで2つの順位の積和(V)を求めると,順位の一致度が高いほどVの値が小さくなり,順位の一致が低いほどVの値が大きくなることがわかる.この性質は順位をつける対象を増やしても通用する.しかしこのままでは対象の数(n)に寄って最大値,最小値が異なるというのが欠点である(p148. 64.). 検定の性質としては,nがいくつであっても共通に適用できることが望ましい.そこでスピアマンの順位相関係数では,順位が完壁に一致した時に+1となり,全く逆順の時に―1となり,関係がない時には0となるようにする. 本署の解説で例示されているのは,n=3の時(最大値:14, 最小値:10,中点:12),A:1,2,3 / B:1,3,2 と順位をつけた場合である(V=13),これを「最大値:1,最小値:-1,中点:0」となる測度にすれば良い. ***手順1.求める測度の中点を0にする …Vの値(13)からVの中点(12)を引く ***手順2.1で求めた値に,尺度の最大値が+1,最小値が―1となるような変換をする …n=3の時の最大値は14,最小値は10である.これを±1に対応するようにするには,最大値と最小値の差(4)で割り,2倍すれば良い. **一般式の紹介と説明 実際にスピアマンの順位相関係数は,順位差(d)の二乗和を計算し,以下の式に代入することで求められる. $$1-\frac{6\sum^n_i=1d^2_i}{n(n^2-1)}$$ …① 各対象のデータの順位が完全に一致している場合,順位差の二乗和は当然0となり,完全に逆転している時に最大値をとる.この場合の理論上の最大値は以下の式で求められることが明らかになっている. $$\frac{n(n^2-1)}{3}$$ …② 本来先に示した①式は, 1―[ (2 ×(データから計算されたdの二乗和))/dの二乗和の理論上の最大値(式②)]で求める.dの二乗和が0の場合(順位が完全に一致した場合)は1―(2×0/■)で+1となり,順位が完全逆転した場合は1―(2×■/■)で-1となるように式が作られる(式③). $$1-\frac{2\sum^2_i=1d^2_i}{\frac{n(n^2-1)}{3} …③ ただし少なくとも一方の変数において同じ値のデータ(タイ)がある場合はこの式を用いることができない(同順位が少なければ用いていいとする文献もある).本書で言及されている方法を用いるか,別式を用いる.別式については今回紹介は省く. 同順位の処理は,順位の平均値をつければ良い.例えば2位が二人存在する場合,2位と3位の平均(2+3)/2でこの二人の順位は2,5となる.
*第4章 第二項 「美人コンテストの審査員を審査する話」 **本項概要  本項は「審査員の審査の正当性」を例題とし,スピアマンの順位相関係数(Spearman’s correlation coefficient by rank test)について解説する.本検定で順位相関係数を導くための手順を本書を元に解説する,最後に一般にスピアマンの順位相関係数を導く一般式を紹介し,式についての説明を行なう. **検定の目的 スピアマンの順位相関係数は順位データから得られる相関の指標であり,順位一致の程度を示す.ピアソンの相関係数の検定に比べ,分布の正規性を仮定しなくても良いと言う利点がある.したがって,例題のような審査員の順位の一致度(一致するものではないが,全く一致しない場合は審査員の資質が問われる)のデータに用いられる. **相関係数の導き方 本書では3項目の順位付けを例とし,2つの順位をつけた場合のとりうる順位の関係(合計6通り)を示している(P146,63.).ここで2つの順位の積和(V)を求めると,順位の一致度が高いほどVの値が小さくなり,順位の一致が低いほどVの値が大きくなることがわかる.この性質は順位をつける対象を増やしても通用する.しかしこのままでは対象の数(n)に寄って最大値,最小値が異なるというのが欠点である(p148. 64.). 検定の性質としては,nがいくつであっても共通に適用できることが望ましい.そこでスピアマンの順位相関係数では,順位が完壁に一致した時に+1となり,全く逆順の時に―1となり,関係がない時には0となるようにする. 本署の解説で例示されているのは,n=3の時(最大値:14, 最小値:10,中点:12),A:1,2,3 / B:1,3,2 と順位をつけた場合である(V=13),これを「最大値:1,最小値:-1,中点:0」となる測度にすれば良い. ***手順1.求める測度の中点を0にする …Vの値(13)からVの中点(12)を引く ***手順2.1で求めた値に,尺度の最大値が+1,最小値が―1となるような変換をする …n=3の時の最大値は14,最小値は10である.これを±1に対応するようにするには,最大値と最小値の差(4)で割り,2倍すれば良い. **一般式の紹介と説明 実際にスピアマンの順位相関係数は,順位差(d)の二乗和を計算し,以下の式に代入することで求められる. $$1-\frac{6\sum^n_i=1d^2_i}{n(n^2-1)}$$ …① 各対象のデータの順位が完全に一致している場合,順位差の二乗和は当然0となり,完全に逆転している時に最大値をとる.この場合の理論上の最大値は以下の式で求められることが明らかになっている. $$\frac{n(n^2-1)}{3}$$ …② 本来先に示した①式は, 1―[ (2 ×(データから計算されたdの二乗和))/dの二乗和の理論上の最大値(式②)]で求める.dの二乗和が0の場合(順位が完全に一致した場合)は1―(2×0/■)で+1となり,順位が完全逆転した場合は1―(2×■/■)で-1となるように式が作られる(式③). $$1-\frac{2\sum^2_i=1d^2_i}{\frac{n(n^2-1)}{3}$$ …③ ただし少なくとも一方の変数において同じ値のデータ(タイ)がある場合はこの式を用いることができない(同順位が少なければ用いていいとする文献もある).本書で言及されている方法を用いるか,別式を用いる.別式については今回紹介は省く. 同順位の処理は,順位の平均値をつければ良い.例えば2位が二人存在する場合,2位と3位の平均(2+3)/2でこの二人の順位は2,5となる.

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