[文法・虚詞に関する辞典・参考書案内（古代漢語）]の変更点 - 須山哲治のサイト

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<div>文法・虚詞に関する辞書・参考書案内（古代漢語）</div> <div> （1）三浦勝利『漢文を読むための助字小字典』（内山書店　1996年）／『漢文を読むための助字解説』（大修館　1984年）の重印。 　（1）～（2）は、古漢語の虚詞に関する辞書です。 　（1）は数百円の小冊子ですが、説明は簡潔で、よくまとまっています。<a href="http://www39.atwiki.jp/suyama/pages/47.html">角川『新字源』</a>を買うなら、ついでにこれも買っておきましょう。 </div> <div> （2）楊伯峻『古漢語虚詞』（中華書局北京　1981年） 　比較的詳細な語釈が特徴です。ただし、虚詞一つあたりの収録語義数は、それほど多くはありません。 </div> <div>　なお、古漢語の虚詞については、この手の辞書だけでなく<a href="http://www39.atwiki.jp/suyama/pages/54.html">『漢語大詞典』</a>なども併用すべきです。</div> <div> （3）二畳庵主人『漢文法基礎』（増進会出版社　1977年） 　（3）～（8）は、全て古漢語の文法書です。 　（3）は受験参考書ですが、虚詞の意味について実に丁寧に解説してある良書です。いわゆる一般向けの漢文の概説書や文法書でも、この本のレベルにまで達しているものは、それほど多くないのではないでしょうか。 　私が受験生のころは、「この本をきちんと理解・記憶できれば、漢文はどこの大学を受けても大丈夫」といわれたものです。（もっとも、受験生でこの本をきちんと「仕上げた」人間は、少なくとも私の周りにはいませんでした） 　ただ、筆者独特の、何というか受験生を小馬鹿にしたようなもののいい方が、正直に言って、私は少々鼻につきます。 　なお、著者の二条庵主人は、加地伸行氏の筆名だという噂があります。本当かどうか知りませんけどね。 　現在絶版で、しかも受験参考書だけに古本屋にもほとんど出回っておらず、極めて入手しにくいのが悔やまれます。 </div> <div> （4）西田太一郎『漢文法要説』（朋友書店　1998年） 　それほど網羅的ではありませんが、構文解説が比較的丁寧です。 </div> <div> （5）小川環樹・西田太一郎『漢文入門』（岩波全書　1957年） 　定評ある良書です。文法に関する解説はそれほど多くありませんが、例文は豊富です。練習問題として使用するとよいでしょう。量をこなしたい人向けですね。 </div> <div> （6）王力主編，馬漢麟等著，豊福健二等訳『中国古典読法通論』（朋友書店　1992年）／朋友学術叢書 　『古代漢語（修訂本）』王力編（中華書局　北京　1981年～）の「古漢語通論」の部分のみを翻訳したものです。なお、『古代漢語』は、北京大学を始め中国の多くの大学の中文・歴史系の古漢語の授業で採用されている教科書で、向こうでは定番ともいうべきものです。 </div> <div>　「古漢語通論」はその内容の一部で、古代漢語の文法について簡潔かつ要領よくまとめられています。</div> <div>　文法の他にも、文字・語彙・韻文の形式・散文の構成や修辞をはじめとして、天文・暦法・地理・職官・車馬・飲食などの古代中国文化に至るまで、多岐にわたって解説されており、古代漢語を全般的にザッと理解するための良書です。</div> <div> （7）『古漢語語法及其発展』（語文出版社　1992） 　中文書です。大変網羅的であり、これを読了すればかなりの力がつくことは保証します。索引がない事が悔やまれます。 </div> <div> （8）太田辰夫『中国語歴史文法』（江南書院　1958年）／再版朋友書店　1981年 　近世の白話（口語）文法が中心です。小説・戯曲専攻者には必読の書です。現在絶版で、入手は極めて困難なので（私はずっと古本屋をウォッチしていますが、この本が売りに出ているのを見たことがありません）、必要部分をコピーしましょう。 </div>

<div>文法・虚詞に関する辞書・参考書案内（古代漢語）</div> <div> （1）三浦勝利『漢文を読むための助字小字典』（内山書店　1996年）／『漢文を読むための助字解説』（大修館　1984年）の重印。 　（1）～（2）は、古漢語の虚詞に関する辞書です。 　（1）は数百円の小冊子ですが、説明は簡潔で、よくまとまっています。<a href="http://www39.atwiki.jp/suyama/pages/47.html">角川『新字源』</a>を買うなら、ついでにこれも買っておきましょう。 </div> <div> （2）楊伯峻『古漢語虚詞』（中華書局北京　1981年） 　比較的詳細な語釈が特徴です。ただし、虚詞一つあたりの収録語義数は、それほど多くはありません。 </div> <div>　なお、古漢語の虚詞については、この手の辞書だけでなく<a href="http://www39.atwiki.jp/suyama/pages/54.html">『漢語大詞典』</a>なども併用すべきです。</div> <div> （3）二畳庵主人『漢文法基礎』（増進会出版社　1977年） 　（3）～（8）は、全て古漢語の文法書です。 　（3）は受験参考書ですが、虚詞の意味について実に丁寧に解説してある良書です。いわゆる一般向けの漢文の概説書や文法書でも、この本のレベルにまで達しているものは、それほど多くないのではないでしょうか。 　私が受験生のころは、「この本をきちんと理解・記憶できれば、漢文はどこの大学を受けても大丈夫」といわれたものです。（もっとも、受験生でこの本をきちんと「仕上げた」人間は、少なくとも私の周りにはいませんでした） 　ただ、筆者独特の、何というか受験生を小馬鹿にしたようなもののいい方が、正直に言って私には少々鼻につきます。 　なお、著者の二条庵主人は、加地伸行氏の筆名だという噂があります。本当かどうか知りませんけどね。 　現在絶版で、しかも受験参考書だけに古本屋にもほとんど出回っておらず、極めて入手しにくいのが悔やまれます。 </div> <div> （4）西田太一郎『漢文法要説』（朋友書店　1998年） 　それほど網羅的ではありませんが、構文解説が比較的丁寧です。 </div> <div> （5）小川環樹・西田太一郎『漢文入門』（岩波全書　1957年） 　定評ある良書です。文法に関する解説はそれほど多くありませんが、例文は豊富です。練習問題として使用するとよいでしょう。量をこなしたい人向けですね。 </div> <div> （6）王力主編，馬漢麟等著，豊福健二等訳『中国古典読法通論』（朋友書店　1992年）／朋友学術叢書 　『古代漢語（修訂本）』王力編（中華書局　北京　1981年～）の「古漢語通論」の部分のみを翻訳したものです。なお、『古代漢語』は、北京大学を始め中国の多くの大学の中文・歴史系の古漢語の授業で採用されている教科書で、向こうでは定番ともいうべきものです。 </div> <div>　「古漢語通論」はその内容の一部で、古代漢語の文法について簡潔かつ要領よくまとめられています。</div> <div>　文法の他にも、文字・語彙・韻文の形式・散文の構成や修辞をはじめとして、天文・暦法・地理・職官・車馬・飲食などの古代中国文化に至るまで、多岐にわたって解説されており、古代漢語を全般的にザッと理解するための良書です。</div> <div> （7）『古漢語語法及其発展』（語文出版社　1992） 　中文書です。大変網羅的であり、これを読了すればかなりの力がつくことは保証します。索引がない事が悔やまれます。 </div> <div> （8）太田辰夫『中国語歴史文法』（江南書院　1958年）／再版朋友書店　1981年 　近世の白話（口語）文法が中心です。小説・戯曲専攻者には必読の書です。現在絶版で、入手は極めて困難なので（私はずっと古本屋をウォッチしていますが、この本が売りに出ているのを見たことがありません）、必要部分をコピーしましょう。 </div>

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