ABH

ABH



概要


新しく発見された平行宇宙。
名前の由来はUPWの派遣艦隊が最初に接触した人種の名前からとられた。
平行宇宙『ABH』全体の特徴として先進的な星間国家が存在する点である。
数百の単星系国家があった時代もあるようだが、侵略と統合により今は5つの星間国家しか存在しない。
アーヴによる人類帝国以外には人類統合体、ハニア連邦、拡大アルコント共和国、人民主権星系連合体の星間国家がある
4カ国はアーヴ帝国に対抗するために人類統合体のノヴァシチリア星系においてノヴァシチリア条約を締結。
連合側は帝国の態度の軟化を期待していたが、自ら敵と宣言してくれた、と帝国側は逆に感謝していた。

さらにこの並行宇宙特有の宇宙として平面宇宙の存在がある。
平面宇宙はこの世界で光速の壁を超えるために必要不可欠である。
この平面宇宙の存在のため、空間圧縮・空間歪曲系統の超光速航行は使用できない。
なお、本項目では平面宇宙と平面宇宙での戦闘の概略も述べる。


平面宇宙


そもそも、この世界の人類が銀河文明を築き得たのは、平面宇宙の発見と、通常宇宙と平面宇宙を繋ぐ「門(ソード)」利用技術の確立によるものである。
平面宇宙とは、文字通り2次元の宇宙であり、通常宇宙(ダーズ:3次元)上にあるものが平面宇宙に入る際は、通常宇宙を切り取った「時空泡(フラサス)」を時空泡発生装置によって形成して、3次元を維持しなければならない。
また、物理法則も通常宇宙とは異なる。
時空泡の移動速度は、内部質量と反比例するなどである。
つまり、通常空間ではどんな高機動に設計された艦でも平面宇宙ではその移動速度は質量のみによって決定され、技術の改良や改修によって質量を変えずに移動速度を高速化することはできない。

時空泡はいわばひとつの小さなな宇宙であり、離れた時空泡はそのままではお互いに干渉できない。
だが、時空泡同士が重なると2つの宇宙が一つになる、時空融合が行われる。
ちなみに時空融合を行うことで艦隊をひとつの時空泡にくるむことができるが、限界質量がある。
逆に、時空泡発生機関を有した宇宙艦艇が2隻以上時空泡の中にいる場合、時空分離をおこなってそれぞれの時空泡にわかれることも可能である。

通常宇宙と平面宇宙との位置関係は1対1ではない。平面宇宙は通常宇宙の投影ではなく、別個の宇宙である。両空間における位置関係は全くのランダムである。
ただ、「第二形態ユアノン」または「開いた門」(単に「門」とも)と呼ばれる特異空間においては、平面宇宙と通常宇宙は1対1に対応している。
ある門から平面宇宙に入って別の門から通常宇宙に出ると、光速以上の速さで移動したと同様の結果となる場合があり、このような「門」と平面宇宙を介した超光速移動のおかげで、人類は通常宇宙の物理法則から解放され、銀河文明を作りえたのである。


平面宇宙の勢力図



※平面宇宙の特性上、地球上にあるような国境ほど明確なものではない。
各勢力の所有する門を参考に便宜的に作成されたものである。


通常宇宙の銀河系で中心部ほど星が濃密であるように、平面宇宙の「天川門群(ソードラシュ・エルークファル)」にも「中心円」と呼ばれる「門」が密集した領域が存在する。
この領域は時空粒子流が激しく、アーヴといえども航行できない。
また、時空粒子流は中心円から外側へ向かって流れるため、流れに逆らって進む時はその反対方向へ向かうのに比べて遅くなる。

中心円から離れると、「環(スペーシュ)」という門がある程度密集した同心円状の領域が飛び飛びに存在する。「アーヴによる人類帝国」を構成する八王国のうち7つと4ヵ国連合諸国はおおむね第1環から第7環までの「中央領域(ソール・バンダク)」に存在し、イリーシュ王国のみが第12環にある(第8環から第11環までにも、有人星系に通じる門が少数ながら散在する)。

帝都ラクファカールのあるアブリアル伯国には八つの門があるが、それぞれが平面宇宙側では八王国のどれか一つに通じている。このためにいわゆる「内線の利」を発揮することが可能だが、逆に帝都が陥落すれば一気に分断されてしまう。
人類統合体を主力とする連合艦隊が第12環に通じる2つの門からイリーシュ王国に侵攻し、帝都に通じるイリーシュ門へ向けて進撃した。


平面宇宙での戦闘


平面宇宙での戦闘は時空融合してからの通常攻撃兵器による砲撃戦と機雷を使用した雷撃戦のふたつに分類される。
別々に存在する時空泡は時空融合しない限り、互いに干渉できない。
そのため、敵対する艦隊を殲滅する場合には時空融合をして電磁投射砲や反陽子砲、凝集光砲による砲撃戦を挑む。

だが、ひとつだけ離れた時空泡に対して攻撃を行う手段がある。
それが機動時空爆雷(サテュス・ゴール・ホーカ)、機雷(ホクサス)とも略される兵器である。
これ自体が時空泡発生機関と人工知能を備え、平面宇宙を自力で航行できる。
すなわち無人・小型ではあるが宇宙船としての機能を備えており、無人・体当たり専門の宇宙戦闘機的な能力を有している。
推進と爆発には反物質燃料が使われており、直撃を受ければ小型艦は蒸発、大型艦でも爆散は免れない。
巡察艦には10発前後、戦列艦には100発近くが搭載されている。

艦隊同士の平面宇宙戦闘は、通常まず多数の機雷を搭載した戦列艦同士での撃ち合いに始まる。
しかし、機雷は質量が大きく数が限られる上、防御機雷戦(機雷によって機雷を撃破する)や艦砲による迎撃もある程度可能であるため、機雷のみで敵艦隊を全滅させることはかなり難しいようである。
機雷による雷撃戦の後、一方がダメージを受けるか機雷を撃ち尽くすなどして、満足に雷撃が行えない状態に陥ると、強力な電磁投射砲を搭載した巡察艦、反陽子砲を主砲にする突撃艦が敵時空泡と時空融合して戦闘をすることになる。
機雷以外の火器が貧弱な戦列艦が巡察艦部隊による突撃を受けると、戦闘は一方的な展開となりやすく、これを蹂躙戦と呼ぶ。


アーヴによる人類帝国




人類統合体 Union Humaine


アーヴによる人類帝国につぐ勢力を誇り、6000億余りの人口をゆうする。
「自由と民主主義」の布教に熱心であり、それゆえかアーヴとその帝国を反民主的であると特に憎み、敵対的である。
しかし、その「自由と民主主義」の運用面での実態は、併合した惑星国家に対して「人類普遍の価値観」と称して自国の価値観を一方的に押し付けたり、所属する星々に文化的同化を半ば強要するなど独善的傾向が強い。
惑星間の交流が4か国中もっとも活発であるが、これも統合体国内の政治的・文化的統合を強化するために半ば強制的に交流を推奨する政策が取られているためである。

また、アーヴへの憎悪のあまり、反民主主義とは直接関係無いようなアーヴ的な要素までも嫌悪し徹底的に排除・差別する政策が公然と行われており、かえって自由と民主主義を損なう結果を生み出している。
占領したスファグノーフ侯国の惑星クラスビュールの一般住民に対しても、髪をアーヴ風に青く染める行為を「帝国に隷属的な奴隷民主主義の表れ」と決めつけた上で「人類に相応しい色に染め直す」ように指示し、指示を無視し続けた市民の髪を強制的に刈り取るなどの行為が行われていた。
軍事力においては艦艇の性能自体は帝国の同種艦とほぼ互角であり、多弾頭機雷のような新兵器を開発するなど技術力も決して低くはないが、作戦内容が硬直的で柔軟性に欠ける傾向がある。
また、戦場に督戦官や報道官などの官僚を随伴させる風習がある。


ハニア連邦 Federation de Hania


アーヴに先駆けて平面宇宙(ファーズ)航法を確立したスーメイ人が各惑星に移住したことにより、初めて誕生した星間国家。
他の星間国家が戦争などによる拡大を経験しているのに対し、ハニア連邦のみが純粋な移民によって勢力拡大したという歴史を持つ(ただし、すでに他民族が開発した惑星に大量移民し、スーメイ人がその惑星を乗っ取る形で連邦に併合した例はある)。

他の星間国家が多民族国家であり、国家としての統合を維持するのに苦慮、あるいは諦めているのに比べ、ハニア連邦はスーメイ系移民を共通して祖先に持つという歴史から、事実上スーメイ人の単一民族国家であり国家統合は比較的上手くいっている。

帝国の情報局では、ハニアの軍は規模はまずまずなものの、装備が旧式な上指揮系統にも問題があり、総力戦となれば自国の領土を守ることすらままならない、と評価されている。

なお、料理は高く評価されているが、酒にはろくな物がないといわれる。


拡大アルコント共和国 Rep.du Grand Alcont


強力な官僚機構を有する。主星系であるアルコントが文化的、経済的に突出しているお陰で国の統一が保たれているが、多民族国家ゆえの悩みも抱えている。
4ヵ国の中では最も地上世界的な国家であると言われている。


人民主権星系連合体 Coalition des systemas populaires


その名の通り主権を持つ惑星国家が平等の立場で連合した国家であり、各星系が大きな権限を持ち、軍隊も星系ごとに所有している。
各惑星の文化的差異も大きく、それがために「4ヵ国中、最もアーヴ的な星系運営を行っている」と呼ばれている。
むろん、強大な帝国が星系間の交易と空間戦力を独占する事によって各惑星を支配するアーヴとは国家機構は全く異なり、各惑星が政治的・文化的自主性を持つ事だけが共通点である。

長射程時空機動爆雷(宇宙版巡航ミサイル)という、アーヴ側ではあまり使い勝手が良くないと考えられている兵器を重視している。
アーヴからは、戦いの相手としては面白みがないと評される連合体軍だが、この一点においてのみアーヴから面白がられている。
それ以外にも、防衛艦(ボーリア)と呼ばれる、時空泡発生装置を搭載していない(平面宇宙航行能力のない)艦艇を運用しているのも特徴である他、連合体が用いる凝集光砲はやたら出力があり、帝国の突撃艦の主砲(反陽子砲)よりも強力である。
以上、アーヴ帝国や人類統合体と比較して独特な兵器体系を有しているが、現時点で軍事技術の優劣は不明である。

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