EB-06 グレイズ

EB-06 グレイズ

概要

武装親衛隊と大洋州連合軍が開発した次期主力MS。UPWとの共同開発によって開発されたGNX-803T ジンクスIVの次期主力機選定が決定した折に、『主力機を他勢力との共同開発事業によってのみ確保するのはいかがなものか』という声と、VMS-03K アストーレ クーアフュルスト にて導入された新型データリンクシステム『レギオンシステム』の人型機動兵器への搭載を行うテストヘッドが必要という事情で開発された経緯を持つ。

設計を行ったのは武装親衛隊技術本部の機動兵器設計主任を務めるフィオナ・ド・モンフォール技術少将。堅実かつ汎用性に富んだ機体設計を得意とする彼女の作品らしく、新型機開発で短期間のうちに成熟した技術を用いた堅実な機体構造とフレームを除いた各部装甲やバックパックユニットをモジュール化、換装・整備を容易にした事による汎用性の確保といった特色を持つ。

胴体部や腕部など一部のフレームは退役が進むNMMS-X06GN ジンクスⅢのそれを流用している事で生産コストを低減させており、従来機のそれよりもハイエンド機に近い構造・機能を有しつつも比較的廉価かつ大量生産が用意となっている。

性能そのものはジンクスⅣや不知火弐型、アストーレといった他の量産機には及ばないものの新兵でも扱いやすい操縦系統や特性、前線における整備・改修が容易な冗長性が高く評価され、ジンクスⅣ・不知火弐型の高級量産機と合わせたハイローミックス編成構想における安価かつ数の上での主力を占める主力量産機として急激に配備が進んでいる。

外見




機体構造

フレームは内部に光ファイバーを内蔵した軽量カーボンフレームを採用、さらに機体中央部に位置する太陽炉をそのままフレームの一部として組み込む事で機体構造を簡素化している。フレームの一部には粒子吸蔵用のGNカーボンが採用されるハイブリッド方式をとっている。胴体や脚部の一部は軽量化と生産工程の簡略化の為に内部フレームがそのまま露出しており、防弾の為にペースト状のPS装甲素材でコーティングしているのが特徴。装甲素材も同様にPS装甲素材でコーティングする方式を採用しておりバイタルパートのみPS装甲をそのまま使用している。この方式を利用した事で特に戦術機が保有する実弾兵装・実体剣型格闘兵装に対して高い防御性能を有しており、その他にも装甲材自体は破損していなければペースト化した装甲材を吹き付けるだけで装甲の補修が可能という利点がある。

基本的に骨格フレームに装甲を装着して機体とする構造をとっており、損傷時は内部フレームにまで被害が及んでいないければ装甲部分だけ換装する事で対応できる。また、フレーム部分と装甲部には意図的に空間を設けており、内部にGNフィールドを常時展開している事で仮に装甲を撃ちぬかれても中空部のGNフィールドで受け止める事を企図している。例外的な使い方として、このGNフィールドの粒子を緊急時のサブスラスターとして任意の方向に噴射する事が可能である。生産性の向上の為に他の機体と比較するとGNカーボンの比率は低い。

また、オプション兵装や局地戦仕様機との換装はフレームとは関係性を持たず、装甲や兵装運用の為のドライバとセットとなってパッケージ化されており、フレームや基本システムに手を加える事なく装甲のみを換装する事で容易に局地戦仕様機や用途別の専用機への現地改修が可能となっている。その一例として地上型と宇宙型の換装が挙げられる。基本的に地上型は腰部にGNスラスターを内蔵したスラスターバインダーを装備しているが。宇宙型仕様は空間機動性を重視して背部にバインダーユニットが装備されている。この換装は母艦・基地さえあれば、ものの10分程度、OSの書き換え等が全く不要で行う事ができる。
地上型→宇宙型の換装はほんの一例であり、背部ユニットを換装した砲戦型等への換装にかかる所要時間は非常に短く、戦況に合わせた有機的な換装と運用が可能となっている。ただし、背部ユニットのみならず、各種装甲等まで換装が必要な仕様変更については相応の所要時間が必要となっている。

太陽炉は胸部に位置しており、背面にはコーン型スラスターを有する。また、『可変機と同時運用するのであれば、無理に人型機動兵器に飛行能力を持たせる事はない』との判断で地上仕様は大気圏飛行能力を持たない。

アビオニクス

アビオニクスに関してはサイコフレームを使用していないために近年の機動兵器に搭載されている事の多かったナイトロシステム等のサイコミュ関連システムは搭載されていない。

レーダーについては対ステルス機を意識してか、大出力化・大型化が図られている。頭部ユニットは大半が球状の次世代ハイパワーレーダーユニットで構成されており、その上から装甲を被せている。頭部をそのままレーダーにする割りきった構成とする事でシステムそのものを大型化・大出力化する事に成功。その一方で各部サブセンサーを必要最小限に留める事で誤差修正等の煩雑なセンサー部の整備に関わる手間を軽減しているのが特徴である。ただし、割りきった構造にしたデメリットとして頭部を破壊された場合は大きく作戦行動能力を失う危険性を孕んでいる。
また、センサー部を保護するために通常時は頭部装甲でセンサーユニットは覆われており、最大出力での索敵時のみ頭部装甲が展開してユニットが露出するという構造をとっている。

指揮官機は頭部に索敵・通信性能強化のためのブレードアンテナを有する。

データリンクシステム

データリンクシステムは、VMS-03K アストーレ クーアフュルスト と同様のレギオンシステムを採用。特に武装突撃隊や大洋州連合軍の治安維持部隊に配備されている対人仕様は搭載しているオートマトンとのデータリンクと遠隔操作が可能となっている。現状アストーレを除けば唯一レギオンシステムを搭載する量産機であり、この点においては他の量産機を上回っている。

武装

本機の武装は実弾兵装と実体剣系統の兵装に偏っているのが特徴。これは
GNカーボンの使用部位が少ないことによる粒子貯蔵量の低さを補う以外にも、『近年の炸薬技術の進歩や電磁加速式の銃身の普及によってPS装甲は絶対的ではなくなり、なおかつ粒子フィールドの発展によってこれからはビーム兵器の地位が相対的に低下していく』という技術本部の情勢分析が反映された結果である。
ただし、統合整備計画に準拠して共通のマニュピレーターを持つために他機体のビーム兵器の運用も可能である。

GNハンドアックス

手斧型という珍しい格闘兵装。GN粒子による質量制御と自重によって相手の装甲を叩き割る事を目的とした鈍器。サーベル系統の武装と異なって切れ味はさほど高くはないが、遠心力を活かした一撃はPS装甲すらも衝撃で破壊可能である。

GR-W01 120mmライフル

AMWS-G11 先進型多目的突撃銃と並行して開発されていた射撃兵装。末尾がそのままグリップとなっており、それを左右の弾倉で挟み込むような形状のブルパップ式。先進型多目的突撃銃と異なり、脳波連動式照準システム等の革新的機構は有さない代わりに整備性と耐久性に優れている。特にモジュール化した各パーツは『遊び』が大きく余裕を持った設計があらかじめされている為に冗長性に優れ、多少手荒い扱いをしても動作に問題はない。その特徴から現地改修も容易である。
ピカティニー・レールやスモール・レールを用いたオプションの装備が出来る点、短銃身型やスナイパーライフル仕様への換装などは他の携行火器と違いはない。

装備一覧

コンフォーマルアレイレーダー
PS装甲
繊維型関節駆動システム
液体窒素充填型軽量カーボンフレーム
第三世代型搭乗者保護システム
統合戦術情報伝達データリンクシステム
OBLシステム(オペレーション・バイ・ライトシステム)
バイオコンピューター搭載型教育式OS
作戦行動予測システム
統合戦術情報伝達データリンク『レギオンシステム』

バリエーション

EB-06r/EB-06rs グレイズリッター

地球低軌道艦隊や月軌道艦隊に配備されている低重力下での運用に秀でたカスタム仕様。
頭部にトサカのようなブレードアンテナを標準装備し、重力下での機動力強化のため肩口にスラスター付きの大型装甲を装着。ソール部は一段嵩増しされている。
地上運用の際は地上戦仕様と同じ大腿部スラスターパックを追加し、推力配置を脚部に集中させ、ホバー走行時の機動力と安定性をより向上させている。
指揮官仕様のrs型は、肩部側面装甲を延長・アンテナを大型化・コクピットハッチに保護装甲板を追加した指揮官用。


EB-05s シュヴァルベ・グレイズ

試作型から派生した高出力仕様。ツインドライブシステムの搭載とGNハイブリッドフレームの採用によってハイエンド量産機を凌駕する総合性能を有する。
最終更新:2016年04月17日 15:10
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