ASW-G-01 ガンダム・バエル

ASW-G-01 ガンダム・バエル

概要

大洋州連合軍が開発したガンダムタイプMS。独自開発したMS用フレーム『ガンダム・フレーム』を史上初めて採用したMSであり、技術実証を兼ねた試作機である。ガンダム・フレーム搭載機の量産計画が廃案となった後、グレーシェル・コンツェルンが技術試験用に用いていた本機を第13独立義勇師団が譲り受け、改修を進めていたが、移動要塞ゴルバを巡るルクシオールとの死闘の末に両足を失う重症を負った師団司令官エーデルハイト・アルトマイヤーの新たな専用機として操縦系統の換装を含めた大改修を受けて前線に投入される事になる。

全てのガンダムフレーム採用機のベースモデルになった機体であり、特別な武装等も装備していないオーソドックスかつバランスの取れた性能を持つ。特に大改修においてはその反応性・追従性を徹底的に追求する機体設計がされている。これは師団付の技術士官達が大洋州連合やグレーシェル・コンツェルンから多種多様な機動兵器の試験運用をさせられていた経験から「MSに必要なのは『変形機構』でも『圧倒的な火力』でも『オールレンジ攻撃による制圧力』でもなく、パイロットの腕を最大限引き出せる『 インターフェースと機体本体 』」という結論にたどり着いたからである。特に後述する次世代型操縦システム「 リユース・P(サイコ)・デバイス 」はエーデルハイト専用に調整された特別仕様であり、真の意味での専用機となっている。

機体構造

太陽炉やフレームに関してはガンダムフレームを参照。本機で最も目を引くのは特徴的な背部ウイングスラスターである。近年の機動兵器には珍しくなった古典的な『背負物』型のバックパックはその外見での視覚的効果を期待している。
しかし、勿論それだけではなくMSを重力下で高速飛行させるだけの大推力とそれを自在に偏向させるフレキシブルアームを備える。これによって可変機以上の大推力を任意の方向に瞬時に向けることが可能となっており、他の追随を許さない圧倒的な運動性と機動性を実現している。特に神経接続された操縦系と直結された改修後は反応速度の大幅な向上の恩恵を大きく受けている。特に重力や空気抵抗を加味する必要のない無重力空間下であればVFとドッグファイトで渡り合えるほどである。

逆に言えば機体構造の面で特徴的と言えるのはこれのみという点が本機の極端な設計思想を如実に表していると言える。

コクピット

その後述する操縦システムの特性上、操縦桿に類するインターフェースは一切存在していない。

内部は機体各部のセンサーから得たデータが直接投影される球型全周囲モニターが備えられ、コクピットモジュールは全球型となっている。モジュールそのものは腹部に搭載され、緊急時の脱出ユニットとして機能する。

本機のコクピットは360度回転式リニアシートという方式になっている。これはコックピットの構造がリニアシートを含めた内殻と、それを包むようにしてある外殻とに完全に分かれているタイプのコックピットである。通常のタイプでも過剰な遠心力防止のために上下左右にいくらか可動出来るよう内殻と外殻が分離されているものだがこの場合は必要に応じて内殻部分が外殻と干渉せずに360度回転が出来るようになっている。極端な例を挙げれば、機体がどんなに回転したり向きを変えたりしてもパイロットの乗るコックピットは微動だにしないようにでき、空間失調を防ぐ事ができる。 また、内殻と外殻の間の空洞はGN粒子を充満させる事で慣性を制御、衛士にかかる負荷を大きく軽減している。

内殻と外郭が完全に分離されて回転する為に普通にコード類でその間を繋ぐことは出来ず、人間の神経細胞に見られるシナプスのシステムを参考にした送信機と受信機間の情報伝達とそれによる電位変化を機体内の電子センサーが感知して情報伝達を行うというシステムを採用している。

アビオニクス

本機の操縦システムは 次世代型操縦システム「 リユース・P(サイコ)・デバイス 」と呼ばれるものである。これはサイコミュ等の技術に由来しない、そして人的資源の有効活用の為のマン・マシン・インターフェースの一つとして大洋州連合軍が開発している操縦システムである。特別製の義足ないし義手を介してパイロットの神経系と機体の操縦システムを物理的に直結させる事で脳波信号を文字通り直接機体に入力して操縦を行う事ができる。原理上脳波信号を一旦機械言語にサイコミュ経由で変換する必要のあるサイコミュ系統の操縦システムと異なって一切のタイムラグなく機体の感覚的な操作が可能となっており、反応性と追従性に特化した本機の特性と合わさって『人類の反応速度を超えている』と称される機動性を手にしている。
元々は手足を失った傷病兵をその名の通りリユース、つまり『再利用』する為の操縦システムである。開発の過程でサイコミュ以上の有用性が示されたことで健常者への使用も視野に入れた研究が行われるものの、十全の性能を発揮するには『五体満足なパイロットであっても故意に義手義足にしなくてはいけない』という致命的な欠点を克服できず、大洋州連合での研究開発は停止している。

武装

バエル・ソード

本機と合わせて試作されていた近接武装。一対の双剣であり、超硬度の希少金属製の刀身をPS装甲でコーティング、さらにGN粒子を蒸着させる事で耐ビーム能力と切断能力の向上を目指した多層構造をとる。従来の長刀やビームサーベルを上回る切断能力を誇り、適切な角度と十分な運動エネルギーさえ得られればMSの装甲や粒子フィールドごとフレームを切断可能な程。しかし、刀身そのものが軽量で重量による運動エネルギーを稼げない為に扱いは極めて難しく、優れた追従性でパイロットの意図した通りに動作を再現できる本機だからこそ採用されている武装である。
非使用時は腰のホルダーにマウントされている。このホルダーは可動域を備えたアームで接続されており、抜刀の際に位置を変えることでマニュピレーターとの距離を最短まで縮めて抜刀速度を向上させている。

電磁砲

ウイングスラスターに内蔵された電磁投射砲。電圧の調整によって貫通力を高めた単射モードと牽制・制圧用の連射モードに切り替えが可能。内蔵式の都合で銃身は短く、射程も短いのが欠点。

試製ビームライフル

バエル・ソードと電磁砲しか武装を備えないバエルの欠点を補うために第13独立義勇師団が用意した試作型のビームライフル。外見は長銃身の銃身にセンサーを備えたオーソドックスなもの。銃身の放熱板を兼ねた銃剣を銃身下部に沿うように装備している。

装備

リユース・P(サイコ)・デバイス
コンフォーマルアレイレーダー
粒子蓄層型対弾装甲
粒子圧縮駆動システム
繊維型関節駆動システム
GNカーボン
第三世代型搭乗者保護システム
統合戦術情報伝達データリンク『レギオンシステム』
OBLシステム(オペレーション・バイ・ライトシステム)
バイオコンピューター搭載型教育式OS
作戦行動予測システム
ナイトロシステム
GNハイブリッドフレーム
最終更新:2017年10月03日 21:23
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