ビスマルク級一等旗艦型戦艦

ビスマルク級一等旗艦型戦艦

概要

大洋州連合・武装親衛隊が大貴族・将官クラスの座乗艦として共同で設計・建造した大型戦艦。ガミラス帝国からの艦船供与で得た技術やUPWからもたらされた波動エンジン・波動砲等の技術、さらには阿頼耶識システムを転用した操艦システムによる疑似的なワンマン・オペレーション化等が盛り込まれた野心的な設計となっている。

地球圏の武力統一を目論む大洋州連合軍が威信をかけて建造しただけあってその性能は個人旗艦の物を含めた従来の旗艦型戦艦をはるかに凌駕しており、単艦で一個戦隊規模の兵力を相手できると評されている。それ故に従来のカテゴリーを外れた『一等旗艦型』と呼ばれる超大型戦艦に分類されている。

ネームシップであるビスマルクはすでに就役済であり、十三貴族筆頭マンシュタイン家に下賜されて大洋州連合軍欧州方面軍旗艦として運用されている。大貴族当主に与えられる座乗艦の他、国防軍・武装親衛隊に配備されるものは各方面軍の旗艦としての運用が予定されている。

船体構造

ガミラス帝国軍のガイデロール級を参考にした実体弾・ビーム兵器に対しての剛性を重視した曲面主体の船体を持ち、正面から見るとほぼ円筒状の細身のシルエットと小型化された艦橋は正面からの被弾率の低下に繋がっている。
艦橋を除けば上下左右ほぼ完全対称となった美しいシルエットが特徴的である。

推進部は旧世紀のロケットのように船体部を中心に4基の推進ユニットが機関部ごと独立して接続されるという構造を持つ。それぞれの推進器を独立して配置する事で機関部に直撃弾を受けたとしても推進器ごと船体から切り離して誘爆を防止、さらに他の推進器に損傷が及んで全推力を喪失する事態を未然に防ぎ、またある程度の戦闘能力と離脱するだけの推力を維持する事を意図している。

装甲は耐ビームコーティング仕様の複合装甲。二層式の装甲で、装甲間には常にGNフィールドを展開させた空間を設けた中空構造を採用したことで高い防御力を有する。また、船体各部は機関部以外にもモジュール化する事で整備性や拡張性の向上、さらに被弾箇所によっては部位ごとパージする事で被害の拡大を防ぐことが可能となっている。

特徴的なレイアウトとして、波動砲の設置位置が従来とは変更されている点が挙げられる。武装親衛隊初の波動砲装備艦のサラマンドル級旗艦型戦艦や、UPW製の航空母艦プロイセンの場合は艦首に位置していた波動砲であるが本艦の場合は船体中心部分に配置されており、発射時以外は秘匿されている。発射時には船体の中心線を軸として艦首から上下に割れて、砲身が展開した後に発射を行う。砲口を船体に内蔵する事でサラマンドルの時点で防御上の難点と指摘されていた露出した砲口部分と動力ケーブルを内部に収納してしまう事が可能となっている。その反面、メンテナンス性の悪化等のデメリットも指摘されている。


機動兵器運用能力

カタパルトは通常時は収納されている展開式の電磁カタパルトを船体側面に一基ずつ備えている。直掩機と司令部付小隊等を搭載する程度の運用能力があればいいと割り切られており、搭載数は予備機含めて20機弱と少ない数字となっている。

阿頼耶識システム

本艦は操艦及び火器管制システムの制御に阿頼耶識システムを用いる事が可能となっている。艦長が施術を受けている事が必要条件となるものの、疑似的なワンマン・オペレーションが可能となっている。最も艦長の負担が大きすぎる為に大抵の場合は各種レーダー・センサー等からの情報処理や艦載機への管制等は専門職のクルーが行う事が大半となっている。
また、艦長の負担を度外視すればデータリンクシステムの対象となっている無人艦を含む随伴艦や艦隊に属する機動兵器・無人機の操縦系統・火器管制システムの遠隔操作が可能となっており、より高度かつ一体化した連携が可能となっている。

アビオニクス

データリンクシステム

近年の大洋州連合・武装親衛隊が採用しているデータリンクシステムも当然ながら採用している。艦隊司令官ないし航空隊隊長等事前に登録されている機動兵器パイロットの要請に応じた火器管制システムの指揮権譲渡や火砲の誘導等にも対応。本艦の場合は後述する
無線誘導式分離型対空防御システムによるオールレンジ攻撃の制御をパイロット側に行わせる事も可能である。また、旗艦としての運用時は指揮下艦艇の火器管制システムの制御も可能となっている。

武装

ダインスレイブ

近年配備が進む高初速レールガンを艦砲用に再設計した新型主砲。船体の上下左右に二連装の砲塔が二組ずつ8門装備されている。MSのフレーム素材にも用いられる高硬度レアアロイ製の運動エネルギー弾(KEP)を弾頭に用いた大出力レールガン。MS用のそれと異なり、出力の増大と冷却システムの大型化、さらに自動装填によって連射速度が大きく向上している。
また、当然弾頭も大型化しており、その威力はMS用ダインスレイヴを遥かに凌駕する。特に地表に向かって撃ち下ろした場合は都市を一撃でクレーターと化し、岩盤を軽く撃ち抜いて地下施設をも破壊可能。対要塞戦として見るならば小惑星利用型要塞程度ならば数斉射で施設を使用可能にする威力を誇る。

二連装対艦ビームランチャー『ハイルディン』×8

装填と排熱・エネルギーチャージの為に一定のインターバルが必要なダインスレイブの空隙を埋める為に備えられた連装ビーム砲。位置付けとしては副砲に当たるが、出力は並みの戦艦の主砲を凌駕する。砲身内の加速装置によってビーム粒子を加速・圧縮する事で高初速・大威力のビームを放つ事が可能。また、威力調整や連射速度・照射時間の調整も容易な特色を持つ。

無線誘導式分離型対空防御システム『ナグルファル』×46

試験的に搭載された対空防御システム。連射性能に優れた二連装対空レーザー機銃を備えた対空機銃であり、船体各部にハリネズミのように装備されている。最大の特徴は分離型の名の通り、半球型砲塔そのものを分離・独立飛行させる事で分離式砲台としての運用とオールレンジ攻撃による対空防御網の構築が可能となっている。
基本的には状況別にパターン化された制御プログラムにそって自律機動を行うという、あくまで疑似的なオールレンジ攻撃兵器。ただし、これはあくまで通常の場合であり、艦長もしくは火器管制の担当士官に適正がある場合はGNファングのようなオールレンジ攻撃兵装と同様にサイコミュ等や阿頼耶識システムを介した制御も可能である。対空砲塔を直掩機の代替にできるなど新世代の対空砲として期待されている反面、自律して飛行させるためのGNコンデンサーの内蔵や分離機構が災いして砲塔重量の増加と大型化、それによる搭載箇所や搭載数の制限がデメリットとして指摘されている。また、船体から切り離してしまう構造上、分離・独立行動させている間は船体そのものの対空性能は低下してしまい、懐に入り込まれた場合の危険性が大きいという欠点がある。

10cm両用速射砲×12

多連装対空ミサイルランチャー×8

波動砲×1


同型艦

ティルピッツ

技術協力の一環でグラールの造船所に委託されて建造されていた二番艦。カラーリングは濃いグレーと白のツートン。元々はプラントに供与され、ZAFT軍総旗艦として運用されるはずだったもの。完成間際に暗黒星団帝国の侵攻に遭遇、そのまま拿捕された後に第13独立義勇師団の手によって運用される事となる。
独立義勇師団によって新たに搭載されたティルピッツ独自の仕様として、阿頼耶識システムによる無人艦・無人機操作等の負担をクローン脳による生体ユニットに代替させ、リスク無く阿頼耶識システムの最大出力・連続使用を可能とした『阿頼耶識システム Type Re』を搭載している。これにより、本来一定の制限下にあった阿頼耶識システムによるワンマン・オペレーションを制限なく主として利用が可能となっており、無人艦・無人機の指揮のみならず指揮下艦艇・機動兵器の火器管制システムの制御も可能という『単独での艦隊そのものの指揮』を行うことができる。

特一等旗艦型戦艦 ゲルマニア

概要

ビスマルク級をベースに総統専用艦とするために拡大・再設計を行った大洋州連合首都の名を冠する大型戦艦。極々一握りの首脳陣の座乗艦として用意された少数生産艦として特一等型と分類されている。一回りほど船体サイズは大型化しており、機動兵器運用能力を廃する事で生じた余剰スペースを謁見の為の玉座や豪華絢爛な内装のホールにするなど戦闘艦というよりは儀仗艦としての側面が強い。
また、船体を構成するモジュールには艦橋と動力炉、最低限の自衛用火器で構成された『コアユニット』と呼ばれる物が追加されており、コアユニットは緊急時には全モジュールをパージして単独での離脱が可能となっている。
一方で設計元譲りの頑強な装甲と強大な火力もそのままであるため、最前線に出る事のない儀礼的な艦である事もあって『世界最強の豪華客船』と揶揄されている。
カラーリングは銀色。両側面に鷲の紋章が金色で描かれている。

特一等旗艦型戦艦 コペルニクス

概要

三千院財閥の本拠地の名を付けられた特一等旗艦型戦艦。その艦名から推測できる通り、財閥総帥三千院ナギの座乗艦。仕様は姉妹艦のゲルマニアとほぼ同一。カラーリングは黒地に金の縁取り、両側面に鉤十字のマーク。

特一等旗艦型戦艦 アマツクニ

概要

大洋州連合の駐UPW大使にして東アジア共和国の皇位継承者である四之宮 宮古の為に武装親衛隊が用意したゲルマニアの同型艦。各地を親善訪問する事の多い宮古の座乗艦として、特一等型の中では最も他国の目に触れる事が多い。
カラーリングは白系統で統一。艦首に菊の紋章、両側面に八咫烏のマークが描かれている。
最終更新:2017年10月03日 21:53