ASW-G-66V ガンダム・キマリスヴィダール

ASW-G-66Vガンダム・キマリスヴィダール

概要

ルクシオール艦隊との戦闘で中破したASW-G-66 ガンダム・キマリスを第13独立義勇師団が独自に保有する技術を用いて改修したワンオフタイプの高性能機。元々の設計時に存在していた無重力環境での戦闘を想定した改修プランをベースに有機デバイスシステム『阿頼耶識システム』を組み込んでいる。

武装や特殊機構よりも機体本体の追従性、インターフェイスを追及することで最高峰の性能を実現させたASW-G-01 ガンダム・バエルとは対照的に『例え相手に技量が劣っていても機体自体の性能・重武装、そしてそれを十全に生かすための阿頼耶識システムによる人外の反応速度によって押し切る』事をコンセプトに、全く別の視点で最強の機動兵器を企図して開発されている。

原型機のキマリスが最も得意としていた大型突撃槍による一撃離脱戦法はそのままに、GNブレードサーベルやドリルニーの装備による近接格闘戦能力の強化、サブアームに接続された大型盾による防御能力の向上、さらにMSの兵装として初めて超高初速運動エネルギー弾『ダインスレイブ』の装備を行うなど重武装化が顕著となっている。

一見すると運用性が悪化するように見える重武装化が行われ、事実そのままではお世辞にも扱いやすいとは言えない機体であるが、後述する『阿頼耶識システム Type Re』の恩恵により、人間の反応速度の限界を超えた戦闘機動を実現することで各兵装をあらゆる状況に応じて万全に運用可能。多様な試作機・テクノロジーを有する独立義勇師団とはいえ、一師団が独自開発した機動兵器とは思えない高性能機であり、カタログスペック上では同時代の最新鋭機を凌駕している。

機体構造

基本的な構造・ツインドライブシステムはガンダム・フレームに準じる。本機独自の構造としては背部のアームから伸びる大型シールド内にはダインスレイブ用の小型太陽炉が一基ずつ内蔵され、さらに胸部にはリミッター解除時の高機動戦闘時に用いる圧縮粒子生成用の回路と排熱用の冷却機構を複合した「マルチスロットアクセラレーター」が内蔵されている。これらの機構により、従来のツインドライブ搭載機を上回る出力を手にしており、原型機となったキマリスと異なり、大型ブースターを装備していないにも関わらず最大推力ははるかにキマリスを凌駕する。

背部から伸びるシールドユニットはサブスラスターを備えたフレキシブルスラスターユニットとしての機能の他、ダインスレイヴ用の運動エネルギー弾(KEP)の弾倉を兼ねる複合ユニット。また、突撃時に大型ランスと接続することで突撃姿勢の安定化にも寄与する。二つの関節部を介して360度自在に防御面を可動させる事が可能であり、また質量を活かした鈍器としても機能する。

また、コクピット及び高機動戦闘時に負荷のかかる各関節部はPS装甲で構成されており、機体の剛性自体は極めて高い。瞬間的にPS装甲を最大出力で作動させた場合の過負荷に備えてフェイルセーフ機能も備えられており、高機動戦闘時は各部から赤い粒子を撒き散らすのが特徴的である。

原型機であるガンダムキマリスよりもさらに重厚なフォルムとなっており、槍騎兵を彷彿とさせた前者と比較すると重騎士といった趣となっている。

阿頼耶識システム Type Re

詳細は阿頼耶識システムの該当項目を参照。本機のシステムの独自の特徴として、阿頼耶識システムの方から、まるで専属パイロットのレドの意向を先読みしたかのような反応を行う事が確認されている。それによって、想定されていた以上の反応速度・空間認識能力の向上が確認されている。これはシステムのベースとなった生体脳との相性が起因しているとされる。

また、データリンクシステムにも阿頼耶識システムを転用しており、事前に登録してある友軍機、つまり小隊員の機体から射出されるGNファング等の操作を代替して行うことができる。

武装

GNドリルランス

主兵装となる大型ランス。改修前のキマリスと異なり、先端は鋭利ではなく、丸みを帯びているのが特徴。これは突撃戦法をとる上で、穂先が敵機体や敵艦に深く刺さりすぎて妨げになるのを防ぐため。どちらかというと突き刺すのではなく、運動エネルギーを生かして敵機を圧壊させるのを主眼としている。また、貫通力を求められる局面に備えて、先端部分に回転機構を備えている。キマリスが使用したランスと同様に基部の上下に2門の200mm砲を備えており、遠距離戦にも対応する他、左右にはダインスレイヴ用のレールガンを備えており、シールド裏の特殊KEP弾用弾倉を連結することで発射体制をとる。

ダインスレイヴ発射時のエネルギー供給に備えて内部に小型太陽炉を内蔵しており、姿勢制御補助用の内蔵スラスターにもこちらから粒子供給を行う。また、柄をサイコフレームで構成する事で手許から離れた状態でもスラスターを推進器として遠隔操作型砲台としての利用が可能となっている。

GNドリルニー

膝部に追加された回転式パイルバンカー。使用時に大型ツイストドリルが迫り出し、ドリルランスの突撃を掻い潜ってきた敵の迎撃に用いられる。必然的に肉薄した状態で繰り出す隠し武装のような位置づけとなっており、回避は困難。ツインドライヴシステムによる大出力とツイストドリルの剛性もあって、重装甲型のMSの装甲も軽く貫通する威力を持つ。

GNサーベル×2

両腰に装備されている日本刀型兵装。ダインスレイヴ用の高硬度レアアロイを素材に鍛え上げたことで剛性と切れ味を両立した逸品。表面をヤタノカガミでコーティング塗装しており、阿頼耶識システムによる超反応を利用する事で『ビームを撃ち返す』事による防御兵装としても機能する。

柄に回転式弾倉が装備されており、そこにはGNカーボンを用いた使い捨てのコンデンサーが複数個内蔵されている。このコンデンサーを消費する事で艦船の主砲クラスの大出力のビーム粒子を収束させ、サーベル状に展開する事が可能。主にビーム斬艦刀としてこちらは使用される。

GNシールド

バックパックにサブアームを介して接続されているシールド。広い可動範囲によって様々なポジションでの防御が可能な他、ドリルランスと接続することで突撃時の姿勢安定にも一役買っている。 裏面にはダインスレイヴ用の特殊KEP弾の弾倉と補助動力ユニットが備えられている。
KEP弾頭の装弾数は左右合計で4発。

KEP弾頭を納めた弾倉ユニットには圧縮粒子を動力とする射出装置が内蔵されており、近接戦闘時には弾頭を圧縮粒子で打ち出すパイルバンカーとしての使用が可能となっている。

超高初速運動エネルギー弾『ダインスレイブ』

本来はMSそのものを砲台化することで運用するダインスレイヴを携行兵装クラスにまで小型化したもの。それでも盾内部の弾倉とレールガンを内蔵したドリルランスに連結させ、動力炉を直接ドライブする発射体制をとらなければならない。
小型化したことでやや威力は落ちたものの、艦船の装甲を軽く貫通する弾頭の威力は健在である。

装備

阿頼耶識システム Type Re
コンフォーマルアレイレーダー
粒子蓄層型対弾装甲
粒子圧縮駆動システム
繊維型関節駆動システム
GNカーボン
第三世代型搭乗者保護システム
統合戦術情報伝達データリンク『レギオンシステム』
OBLシステム(オペレーション・バイ・ライトシステム)
バイオコンピューター搭載型教育式OS
作戦行動予測システム
ナイトロシステム
GNハイブリッドフレーム
最終更新:2017年10月17日 21:38
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