第3話【領主】


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フェーナ領 アデス・ロンダートの館

重臣「一体どういうことだ!説明せぬか!」
重臣「我らにも分かりませぬ!ただアデス様が何者かに殺されたとしか・・・」
重臣「例の賊たちの仕業なのか?」
重臣「警備兵は何をしておったのじゃ!!」
ビート「皆さんお揃いのようですね」
重臣「ビート殿!ご説明くだされ!これは一体・・・」
ビート「皆さんご存知のとおりアデス・ロンダートは死にました」
重臣「それはわかっておる!」
ビート「新しい領主をご紹介したい」
重臣「ふざけたことを申すな!今は一刻も早く事態を・・・」
ビート「アデスに天誅を下したのは我々です」
重臣「な、なんだと!?」
重臣「なんという・・・」
ビート「このフェーナを立て直すためです」
重臣「ビート!この若造め!!貴様、己自身が領主になるつもりか!」
ビート「そのようなことは考えてはいません。適任がいます」
デズム「・・・」
重臣「そ、その者はこの館の使用人だった男ではあるまいか!」
重臣「そのような者が領主などと聞いたこともないぞ!!」
ビート「このデズムは父であるトーマス・ゲットバック・ハリスンが手塩にかけて育てた男です。一流の帝王学を身につけています。その実力手腕は私より上でしょう。現にこのデズムによって今回の下克上は成ったのです」
重臣「下克上だと!?そのような下克上きいたこともないわ!!」
ビート「東のある国では商人の身から一国の主になった男もいると聞いています」
重臣「だがその男は平民ですぞ!」
ビート「初代ヴァルベルデ王も元は平民です」
重臣「創聖王とそのような者を比べるのか!!」
ビート「あなた方が疑っているのはこのデズムか?それとも我が父が彼に施した英才教育か?」
重臣「お父上のご教育を疑いはせぬが・・・」
重臣「そのデズムがいかなる男か我らは十分に知りませぬ!」
ビート「なるほど・・・」
デズム「王都に上奏せねばならぬものがあります」
重臣「!?」
デズム「私を領主にするという旨の連判状です」
重臣「私は認めぬぞ!」
重臣「そのとおりじゃ!」
アルベルト「だったらここであんたらの首も斬りおとすしかあるまい」
重臣「な、お前は!?」
アルベルト「デズム殿の忠実なる僕・・・ってところでしょうかな?」
重臣「こ、この男・・・!」
重臣「知っておるのか!」
重臣「前大戦時に敵の陣営をいくつも落とした蒼の騎士団の・・・」
アルベルト「そう。ヨハネ・ウル・サニックスだ。最もあんたらにお家を取り潰されてからはその名前は捨てたがね」
重臣「このような男まで仲間にしていたのか・・・」
重臣「近衛兵たちは何をしている!」
ビート「彼らなら既に我々の指揮系統に組み入れてあります」
重臣「なんだ・・・と・・・」
ビート「お分かりになったでしょう。デズム殿の力が」
アルベルト「連判状に素直に署名するのかい?それともその血で無理矢理署名させるか?」
重臣「くっ・・・」
重臣「降るしかあるまい・・・」
デズム「賢明な判断です」


後継者問題で混乱した宮廷は十分な調査もしないままにデズムを領主に任命。
こうしてフェーナ領領主『デズム・リーゲル』は誕生した。
デズムはまずアルベルト率いる『蒼の騎士団』に反乱分子の燻り出しと粛清を命じる。
さらに税を下げ、中断していた諸外国との貿易を再開させた。
こうした善政はデズムの出自も相まって民によく受け入れられた。

革命から1年後・・・。


フェーナ領 デズム・リーゲルの館

アルカ「へぇ・・・あの成金主義のアデスの館がここまで変わるとはねぇ」
デズム「無駄なものの一切を省いた。仕事と最低限の暮らしができればそれでいい」
アルカ「あんた皆からなんていわれてるか知ってる?『貧乏領主』だってさ」
デズム「この領には本当にお金がなかったからな。そう言われても仕方ない」
アルカ「違うわよ!あんたのそういうチマチマしたところが貧乏だっていうのよ」
デズム「そうか?」
アルカ「そうよ。領主らしくもっとお金使えばいいじゃない」
デズム「領主らしく金を使うって?」
アルカ「えっと、だから領主としてパァーッとね」
デズム「今はそんなことをしている金はないんだ」
アルカ「どういうことよ」
デズム「アデスはこの国でもうすぐ内戦が始まるって言っていたがあれは本当のことだ。そのためには軍資金が必要になってくる。だから少しの贅沢も今はできないんだよ」
アルカ「税を下げたからじゃない?」
デズム「前が上げすぎだったんだ。あれじゃいずれ俺がやらなくても暴動は起きていたさ。戦争するのにまず何が必要かわかるかい?」
アルカ「え?んー・・・やっぱりお金かな?武器とか防具とか必要でしょ?」
デズム「その前にまず人だよ。人がいなけりゃ戦争なんてできやしない。ましてや人あってこその国なんだからね」
アルカ「へぇーその辺は何か領主って感じね」
デズム「その辺はって・・・他はどうなんだよ?」
アルカ「まー、三流ってところね」
ビート「ハハハ、わかった口をきくな」
アルカ「お兄様!」
ビート「デズム、相談したいことがある。ちょっときてくれないか」
デズム「ああ、わかった。アルカ、嫁の貰い手がないなら俺が探してやってもいいぞ」
アルカ「結構です!!」


デズム「アルカは綺麗になったな。そろそろいい人を見つけてやらないといけないんじゃないか?」
ビート「そう思うならお前が貰ってやれ。領主の身分になったんだ。誰もお前を馬鹿にしたりはしない」
デズム「・・・で、相談事って?」
ビート「ああ。実はアレクセイのマルス・ヴォルフラム伯爵が病に冒されているらしい」
デズム「知ってるよ。何でもひどい難病だとか」
ビート「ああ、そうだ。なら話が早い。アレクセイに行ってくれないか?」
デズム「このタイミングでか」
ビート「いつ内戦が始まるかわからん状況だ。アレクセイでも話題になっているはず。向こうが誰をたてて戦うのか、それを知らねばならない」
デズム「見舞いついでにか」
ビート「領主として隣領に挨拶も済んでいないだろう。いい機会だ」
デズム「やれやれ・・・」
ビート「我々が支持するのはもちろん長男のミドガルド王子だ。だがアレクセイも同じようにそうとは限らんからな。下手に自分の考えを述べるよりも・・・」
デズム「相手に乞うように尋ねる」
ビート「わかってるじゃないか」
デズム「まぁな。で、いつ頃行けばよろしいかな?」
ビート「すぐにでもお願いします」
デズム「はいはい。了解了解」


第3話【領主】完
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