第8話【疑心】


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フェーナ領 デズム・リーゲルの館

アルカ「うっ・・・ひっく・・・なによ・・・政略結婚ってやつでしょ・・・デズムの馬鹿・・・」
アルベルト「ん?こんなところでなにやってんだ?お嬢ちゃん」
アルカ「わ、私がどこにいようが勝手でしょ!?」
アルベルト「ま、そりゃそうだな。だがよ、こんなところで泣いてると風邪ひくぜ。おうちに帰るんだな」
アルカ「泣いてなんかいないわよ!」
アルベルト「そりゃ悪かった。ところでデズム殿なんだが・・・帰ってきてんだろ?どこにいるかしらねーか?この館は質素になったものの広すぎて未だに道がよくわからんのよ」
アルカ「じゃああなた迷子ってこと?」
アルベルト「迷子!?・・・んあ・・・ま、まぁ・・・そんなところだ」
アルカ「フフッ、おかしな人ね。あなたを見ていると何故だか元気が出てきたわ」
アルベルト「そりゃよかった」
アルカ「あなた名前は?」
アルベルト「なんだ?俺を知らんのか?お前さんこの館の使用人じゃないのか」
アルカ「失礼ね!私はアルカディア・ウィーノ・ハリスン!ハリスン家の令嬢よ!」
アルベルト「ってことはハリスンの坊やの妹ってことかい」
アルカ「兄を坊や扱いするとは・・・失礼もいいところよ!」
アルベルト「ああ、悪かった。俺はアルベルト・ニコラ・マクスウェルだ。よろしく」
アルカ「アルベルト!?じゃああなたが蒼の騎士団の団長の!?」
アルベルト「そういうことだ。さて、デズム殿のところに案内してもらおうかね」
アルカ「イメージと違ってがっかりだわ・・・」
アルベルト「あらら・・・ひどいお嬢様だ」
アルカ「それに私、今はデズムのところに行きたくないの。ご自分で探してくださる?」
アルベルト「どうしたんだい?俺でよければ相談に乗ろうか」
アルカ「・・・実は」


アルベルト「なるほどねぇ・・・だがそれもこの時勢じゃ仕方のないことなんじゃないかな?」
アルカ「・・・わかってるけど・・・やりきれないわよ」
アルベルト「お嬢ちゃんはデズムに惚れてたんだな?」
アルカ「だ、誰があんなやつ・・・」
アルベルト「隠すな隠すな!はははっ!青春ってやつだな!!いいねぇ!俺にも昔はそういう時代があった!」
アルカ「あ、あなた声が大きいのよ!」
アルベルト「すまんすまん」
アルカ「でも本当に不思議。あんたに話してると少し気分がよくなったわ」
アルベルト「お役にたてたようで・・・ふふふ」
アルカ「ウフフフ」
ビート「おい!アルカ!なにやってるんだ」
アルカ「お兄様!」
アルベルト「おお、ビート殿。困ってたんだよ」
ビート「また迷われたのか?」
アルベルト「面目ない」
ビート「デズム様はこちらだ」
アルベルト「助かるよ。んじゃ、お嬢ちゃん!また暇なときに愚痴でもきいてやるからよ」
アルカ「そのお嬢ちゃんってのやめてくれる?アルカでいいわ」
アルベルト「わかったよ!アルカちゃん!」
ビート「アルベルト殿?アルカと一体・・・」
アルベルト「気にすることはない!」
ビート「いや・・・気にするだろ・・・そこは・・・」


デズム「おお、アルベルトじゃないか。今日はどうした?」
アルベルト「どうしたじゃないだろ。アレクセイで襲われたのは知ってんだぜ?」
ビート「デズム様、次からは御体を御自愛くださいませ」
アルベルト「な、なんだ?お前?いつもと雰囲気が違わないか?」
デズム「・・・」
ビート「・・・」
アルベルト「まぁいいか・・・一応、兵はいつでも出せるが」
デズム「アレクセイと戦うつもりはない」
アルベルト「だが襲われたんだろ?」
デズム「あれはマルス殿に対する反乱分子と見てもいい」
ビート「ではこのままご婚礼を進めるのですね?」
デズム「そうだ」
アルベルト「非常事態には備えておくとするか」
デズム「すまないな、アルベルト」
アルベルト「気にするな。俺は騎士団の隊長としてやれることをするだけだ」
デズム「フェーナとアレクセイが結ばれれば王子たちからの干渉にも強い態度で応じることができる」
ビート「・・・」
デズム(ビート・・・本当にすまない。だがこのフェーナを守るためには仕方がないんだよ・・・)
ビート(デズム・・・お前は本当にこのフェーナを守るために領主になったのか?お前はこのまま領土を広げてこの国の王になるつもりじゃないのか・・・?)


第8話【疑心】完
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