題名:箱の回顧録 登場キャラ:ルシア、パンドラ、アキンド、パフ 場所:船長室(現在)、アキンドの自宅(過去回想)、アキンドのダンジョン(過去回想) 概要:ルシアとの日常的なやり取りの中、パンドラは昔を思い出す・・・ ルシア(うーん、困ったなぁ。本棚が高すぎて届かないよ。・・・そうだ!) ルシア「ねえねえパンドラ、ちょっとこっち来てくれる?」 パンドラ「なんや嬢ちゃん?」 ルシア「ちょっとここで、こっち向いて」 パンドラ「こうか?・・・むぎゅ!」 ルシア「よし、これで届く・・・。取れた!」 パンドラ「だああああああ!」 ルシア「わっ!ちょっと、急に蓋、開けないでよ!」 パンドラ「なに言うとんねん!勝手に上乗るほうが悪いんやろが!」 ルシア「だって・・・」 パンドラ「だってやあらへん!わいは踏み台とちゃうで!手ぇ届かへんのやったら、椅子でも使こたらええやろ!」 ルシア「椅子は自分で動いてくれないし・・・」 パンドラ「自分、わいのこと何やと思てんねん?」 ルシア「ごめぇ〜ん」 パンドラ「まったく・・・」 パンドラ(そういやあいつも、こんなことようやっとったなあ・・・) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 男の声「パンドラ、パンドラ、居るか〜?」 パンドラ「なんや、アキンド?」 アキンド「おお、ちょうどええとこ居ったわ。ちょっとそこ、動かんといてくれんか?」 パンドラ「ええけど?・・・むぎゅ!」 アキンド「ん〜〜〜〜もうちょい、もうちょい・・・よっしゃ、取れたわ!」 パンドラ「だあああああ!いきなり何すんねん!」 アキンド「うわ、わ、わ!いきなり蓋開けられたら危ないがな!」 パンドラ「『危ないがな!』やあらへん!わいを踏み台にすんなって、何べんも言うとるやないかい!」 アキンド「しゃあないがな。他に台になるようなもん、あらへんのやし」 パンドラ「樽とか木箱とか、そこいら中にあるがな!」 アキンド「な、自分、売りもんを足蹴にせえ言うんか!?んなことできるかいな」 パンドラ「わいを足蹴にするんはええんか!?」 アキンド「売れんもんなんか、どうなってもかまへん」 パンドラ「な!?」 アキンド「こんなケッタイなミミック、買うてくれはるお客さん居るかい!安うてもちゃんと売れる樽のほうが、よっぽど価値あるわ。ほれ、さっさと、踏み台になり。手ぇ届かへんとこ、他にあるさかい」 パンドラ「しゃあから、わいは踏み台やあらへん!」 アキンド「そらまあ、ただの踏み台やないわな」 パンドラ「分かっとるやないか」 アキンド「動く踏み台や。いちいち持ち上げて動かさへんでも、使いたいとこへ勝手に動いてくれる。便利やなあ」 パンドラ「しゃあから!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ パンドラ「隠し財産?洞窟に?」 アキンド「せや。ワシの商売も、だいぶ大きなってきたさかい。泥棒とかに狙われやすうなっとんねん」 パンドラ「金庫に入れといたらええやろが」 アキンド「アホ。んなとこに全財産放り込んどったら、金庫ごと盗まれてまうがな」 パンドラ「せやかて、洞窟ん中は安全なんか?知らん間に盗られとっても、気付かへんやないか」 アキンド「せやから、番人を置くんやないかい」 パンドラ「番人?」 アキンド「自分や」 パンドラ「は!?わいが?」 アキンド「人間の番人置いとったら、そいつがネコババしよるかもしらん。その点、自分は安心や」 パンドラ「なんでや?」 アキンド「自分が人間の金持っとっても、使い道あらへんやろ?金ゆうのは使ってナンボやさかい、取られる心配ないわ」 パンドラ「そらそうやけど・・・わいだけじゃ、何人もやってくる泥棒、追い払い切れへんで」 アキンド「ゴーレムも一体置いておくで」 パンドラ「それでもちょっと、少なないか?」 アキンド「ほんなら、仲間呼んだらええがな。自分、ミミックん中じゃ、顔きくんやろ?」 パンドラ「いくら顔きく言うたかてな・・・なんのうま味もなしに言うことホイホイ聞く奴なんか、一人もおらへんで」 アキンド「うま味やったらあるやないか」 パンドラ「なにがや?」 アキンド「ワシの金狙うて、泥棒やらハンガーやらがぎょうさん来る。んで、そういう奴らは、宝箱放っとかん。そこをばくりと食われる。ちょうどええ餌場になるがな」 パンドラ「餌場て・・・そら、確かにうま味になるけどな。ほんまにそれでええんか?わいが言うことやないけど、自分とおんなじ人間がぎょうさん食われんのやで」 アキンド「そんなん知らんがな」 パンドラ「知らんがな、って・・・」 アキンド「そらワシかてな、人死には嫌や。なにも好き好んで人殺そうとは思わへん」 パンドラ「ほんなら・・・」 アキンド「せやけどな、パンドラ。魔物のおる洞窟入るような連中は、自分からそういう仕事選んどんねん。安全に金稼げる方法が他にいくらでもある中で、そういう商売が一番や思うて、危ない真似しとんねん。せやったら、ワシが言うことないがな」 パンドラ「・・・」 アキンド「ワシかて同じや。いくら安全な商売言うたかて、海賊やなんやに命とられることもある。それでもこの商売が一番や思うから、ワシは今の商売やっとる。せやったら、殺されんの嫌やなんて、言うてられへん」 パンドラ「アキンド・・・」 アキンド「今回の話かてそうや。洞窟のことが有名んなったら、狙ってくるハンガーもぎょうさん増える。そいつらがバタバタ死んでったら、ワシが殺したように言われるかも知らん。アキンドいう商人は人殺しやて言われるか分からん。せやけど、ワシはこのやり方が一番や思うとる」 パンドラ「・・・・・・」 アキンド「どんな商売かてな、危険やら何やらは付きもんや。せやったら、そういうこともひっくるめて、一番のやり方探すしかあらへん。その付きもんが命の危険やってんなら、それに見合う何かがあるんやろ。洞窟来る連中がそこまで受け入れとんのやったら、ワシがとやかく言うことやあらへん」 パンドラ「・・・・・・」 アキンド「・・・人死には嫌やけどな。こっちの金盗るために、文字通り命掛ける連中が相手や。仕方あらへん。どうしても嫌やったら、始めからこない、稼いどらんわ」 パンドラ「・・・分かった。自分がそこまで言うんやったら、わいはもう何も言わん。最高のミミック軍団、用意したる」 アキンド「おお、やってくれるか。おおきにな」 パンドラ「ま、番人やったら、踏み台にされることもあらへんからな」 アキンド「あ、そら困るわ。やっぱ考え直さへん?」 パンドラ「アホ吐かせ」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ アキンド「パンドラ〜、儲かっとるか〜?」 パンドラ「ぼちぼち・・・でもあらへんけどな。別に商売でやっとるわけやない。儲かるもへったくれもないわ」 アキンド「ほんなら、まだ泥棒とかは来てへんのか?」 パンドラ「さっぱりや。まあ、まだ一月も経ってへんからな。それに、ここにあるのは「隠し」財産やさかい。そない簡単に見つかっても困るやろ」 アキンド「せやけど、それやったら自分ら困るんやないのか?」 パンドラ「そうでもないで。もともと、じっと待っとるのが得意な種族やさかい、誰も来ぃへんかったら寝てればええだけや」 アキンド「それで何ヶ月ももつんか?腹減らんのか?」 パンドラ「半年くらいやったら平気やで。どうしてもやばなったら、獣でも食うし」 アキンド「獣?狩り、出来るんか?」 パンドラ「ただの箱や思て近づいたとこを、バクッとやればええだけや。わいら魔法も使えるさかい、飢え死にせん程度には食ってける」 アキンド「便利やなあ」 パンドラ「まあな。んで、今日は何しに来たん?自分の財産、確認に来たんか?」 アキンド「ん、それもあるんやけどな・・・」 パンドラ「なんや?ほかにもあるんか?」 アキンド「まあな。・・・実は、ここ来た人間が居るようやったら、そいつの持っとったもんもらっとこうか思てな」 パンドラ「なんや、がめついなあ」 アキンド「やかましい。・・・せやけど、よう考えたら、それやとワシが強盗になってまうからな・・・。せやからまあ、ええわ」 パンドラ「ほんなら、そいつらの持ちもん、どないすんねん?この洞窟ん中、放っぽっとくんか?」 アキンド「それも勿体ないなあ・・・。せや、ギルドか役所かに、届けることにするわ。せやったら、誰か使うもん、居るやろ」 パンドラ「なんや、妙なとこ律儀やな」 アキンド「そら、金やら道具やらいうもんは、使こてナンボのもんやからな」 パンドラ「そうか・・・。分かったわ、今度そういう機会あったら、どっか一箇所に集めとく」 アキンド「頼むわ」 パンドラ「・・・なあ、アキンド」 アキンド「なんや?」 パンドラ「ほんまは、まだ誰も来てへんこと、確認しに来たんやないか?ほんまは誰も来てへんで、ホッとしとるんやないか?」 アキンド「・・・まあな。泥棒に入られて喜ぶ奴は居らんからな」 パンドラ「いや、そうやのうて・・・ま、ええわ」 アキンド「そないか」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ アキンド「パンドラ〜、久しぶりやな〜」 パンドラ「久しぶりて、前来たときから三週間しか経っとらんがな」 アキンド「そないなこと言うなや。・・・で、今日までの間、どないやった?」 パンドラ「相変わらず誰も・・・て言いたいとこやけどな。・・・来おったわ、二人組みが」 アキンド「・・・そないか」 パンドラ「・・・前言われたとおり、持っとったもん回収しといたで。すぐそこに置いといた」 アキンド「・・・ん、助かるわ」 パンドラ「何か、複雑なもんやな」 アキンド「・・・せやな・・・。ところで・・・」 パンドラ「何や?」 アキンド「ここ来る途中にあった、『100ゴルム』てドア、あれ何や?」 パンドラ「ああ、あれやったら、100ゴルム払うと開くようなっとる仕掛けや」 アキンド「そら分かっとるがな」 パンドラ「いやな、わいらの習性みたいなもんなんやけどな、ドアとかで区切られてるとこ居ると、落ち着くねん。しかも、そのドアが開けづらいもんほど、居心地がええ」 アキンド「何でや?」 パンドラ「何で聞かれても・・・本能みたいなもんやからな。まあ、入りづらいとこ居ったほうが本物っぽく見えるからな。そういうとこから来た本能かもしれん」 アキンド「そういうもんか」 パンドラ「そういうもんや」 アキンド「ほんなら、何でここにはドアついてへんねん?」 パンドラ「わいはもう慣れてとるからな。それに、自分から金取るわけにもいかんやろ」 アキンド「そらまあ・・・そうやけど」 パンドラ「ここ来るまでは、どのドアも開けへんで済むようなっとる。せやけど、盗み来る連中は、わざわざドア開けるほう選ぶ。宝ありそうに見えるんやろな。結果、ここの金は泥棒どもの手から遠ざかるというわけや」 アキンド「複雑なもんやな」 パンドラ「複雑なもんや」 アキンド「・・・ほな、そろそろ戻るわ。これ持ってくで」 パンドラ「おお、またな」 アキンド「・・・なあ、パンドラ」 パンドラ「何や?」 アキンド「おおきにな。気ぃ使こてくれて」 パンドラ「何言うとんねん」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ アキンド「パンドラ〜、元気か〜?」 パンドラ「相変わらずや」 アキンド「相変わらずか」 パンドラ「自分も相変わらず、よう来るなあ」 アキンド「まあな・・・せやけど、今度で最後んなるか知らん」 パンドラ「な、・・・突然やな?」 アキンド「そやな」 パンドラ「なんか、まずい事でも起こったんか?」 アキンド「まずいも何も・・・ワシももう年やさかい、体中にガタ来とってな。医者に診せたら、病気の兆候ある言われたわ」 パンドラ「そないか・・・せやけど、元気そうに見えるで?」 アキンド「おおきに」 パンドラ「病気言うたかて、治らんもんやないんやろ?自分がそない、簡単に死ぬわけあらへんがな」 アキンド「当たり前や、そんなん。誰が大人しゅう死んでやるかい。あと何年も生きて、商売続けたる」 パンドラ「その意気や」 アキンド「・・・せやけどな。やっぱり、万一のことも考えとかなあかんねん」 パンドラ「・・・・・・」 アキンド「難儀なもんやで。売って買ってを繰り返してばっかやったから、後に残せるもん言うたら、金か売りもんしかあらへん」 パンドラ「・・・・・・」 アキンド「しかも、使い切れんかった金、売り切れんかった売りもんや。どっちに転んだかて、すっきりせえへん」 パンドラ「・・・本気で言うとるんか?」 アキンド「・・・何や、分かっとったんか」 パンドラ「分からん訳ないやろが。何年の付き合いや思うとる?自分が、そないなことまでひっくるめて一番と判断したゆうことくらい、言われへんでも分かっとるわ」 アキンド「懐かしい言い回しやな」 パンドラ「何言うとんねん。自分が言ったんやろが」 アキンド「・・・せやけど、万一を考えなあかん言うのはほんまや。今すぐやのうても、ワシらには寿命ゆうもんががあるさかい」 パンドラ「そらまあ、そうやろうけど・・・」 アキンド「そこでな、パンドラ。ここにある財産、自分にやるわ」 パンドラ「は!?何言うとんねん?」 アキンド「別に、驚くことあらへんやろ?ここの財産ずっと守ってきたの、自分や。自分、何十年もずっと働いとったんやで。報酬を受け取る権利はあるやろ」 パンドラ「そういうことやのうて・・・わいらに金の使い道ない言うたの、自分やないか。金は使ってナンボのもんなんやなかったんか?」 アキンド「これまた、懐かしい言い回しやな」 パンドラ「やかましい」 アキンド「せやけどな、自分、今までここの金、使っとったやないか」 パンドラ「は?何言うとんねん?1ゴルムかて、手ぇ付けたことないわ」 アキンド「そういう意味やないわ」 パンドラ「ほんなら、どういう意味や?」 アキンド「ここに金があることで、自分、仲間集められたんやないかい。最高のミミック軍団、作れたんやないかい」 パンドラ「そらそうやけど・・・懐かしい言い回しやな」 アキンド「お返しや。・・・とにかくな、単に物買うだけが金の使い道やない。持っとるだけで何かが起こるんやったら、それも立派な使い道や」 パンドラ「そういうもんか」 アキンド「そういうもんや」 パンドラ「分かった。ほんなら、今まで通りでええんやな」 アキンド「そや。今まで通りでええ。・・・ああ、それとな」 パンドラ「何や?」 アキンド「これ、やる」 パンドラ「何やこれ?」 アキンド「プラチナチケット。珍品や言うから仕入れたんやけどな、結局買い手が付かへんかった。ま、売れ残ったもんの一つや。せやけど価値あるもんやさかい、宝箱にはぴったりやろ」 パンドラ「宝箱やないんやけどな。・・・ま、くれる言うなら、有難くもらっとくわ。おおきにな」 アキンド「気にせんでええ。・・・ほな、また来るわ。元気でな」 パンドラ「自分もな」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・結局それ以降、アキンドは来ぃへんかった。 始めは病気で来られへん思てたんやけどな。何年かたった頃ハンガーがやってきて、「ここは生前のアキンドがよく来ていた場所だ」て言うてるの聞いて、ああ、こらもうあかん、て思うたわ。 それから色んなことあったなあ。 まず、わいの部屋の前に、ドアつけたわ。アキンドには慣れてる言うたけど、あれ嘘やった。ドアあったほうが落ち着いたわ。 やっぱ本能ってもんは、大きいんやなあ。 そんで、ゴルムイーター雇った。 いや、これは雇ったんやのうて、向こうが金の匂い嗅ぎ付けて来たんやった。さすがにアキンドの金食わせるわけに行かへんかったから、わいも必死んなって守って・・・100ゴルムのドアつけて、正解やったわ。 結局、ハンガーどもからせしめた金見せて、これで満足してくれへんか言うたら、あいつらめっちゃ喜んで、終いには向こうのほうから、財宝守るのに協力する言い出しおった。まあ、ハンガーの持ってる金目当てやったんやろうけどな。・・・アキンドの言うとった、金持っとるだけで使ういうの、やつらすぐに覚えよったわ。さすがやなあ。 やって来るハンガーの数も増えたなあ。どこをどうやってか知らんが、洞窟のことが知れ渡ったらしいわ。まあ、生きて脱出したハンガーも居ったからな。そいつらが噂広めたんやろ。わいの子分らも、ゴルムイーターどもも、よう喜んどったわ。 ・・・そんなこんなで何十年もたって、わいもこのまんま宝の番人で一生終えんのやろな、て思てたころや。嬢ちゃんが来たんは。 あん時はわいも驚いたわ。あない若いハンガーやったら、普通はわいの部屋まで来いひん。途中のドア何回か開けて、ここに宝はない、金取られるだけだ言うて、帰ってくもんや。せやからわい、最高のボケで歓迎したった。したら嬢ちゃん、期待以上のリアクション返してくれたわ。 ほんで、わいはその嬢ちゃんと戦こうて、敗れた。 ショックやったわ、あん時は。確かに嬢ちゃん強かったけどな。それ以上に、守っとった宝とられんのがな。 ほんま、迷ったわ。あん時嬢ちゃんは、奥にあった隠し財産のことは知らんかった。わいが黙っとれば、気付かへんかったやろ。 せやけど、嬢ちゃんそのまんま帰ってこうとしよった。宝があるかないか、追求しようともせえへんでな。こらあかん、思うたわ。 気付いたらわい、プラチナチケット渡して、財産のことも話しとった。アキンドが最後の門番に用意してくれとった、ゴーレムのこともな。 そんで結局、ゴーレムは穣ちゃんに倒され、隠し財産も全部持ってかれてもうたわけやけど・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ パンドラ「ま、金やら道具やらいうもんは、使ってナンボのものやからな」 ルシア「えー?なーにー?なんか言ったー?」 パンドラ「な〜んも」 ルシア「そう?そんじゃ、ちょっとこっち来てくれる?」 パンドラ「なんや?・・・むぎゅ!」 ルシア「よいしょっと。ちょうど届かなかったのよね。ありがとパンドラ、助かったわ」 パンドラ「だあああ!しゃあからわいは踏み台やないて、言うてるやないかい!」 ルシア「何よ、何度も同じ手に引っかかるほうが悪いんじゃない」 パンドラ「やかましい!手ぇ届かへんのやったら、パフにでも手伝わせたらええやないかい」 ルシア「パフはあんまり重い物持てないもん。ねー、パフ?」 パフ「ピィー、ピィー」 パンドラ「ああもう、こいつらはまったく・・・」 END