ライ発見後、ルシア+ランス+ヴァイス ルシア 「〜♪」 ランス 「お、なんかいい匂いだな」 ルシア 「あ、ランスさん、ヴァイスさん」 ヴァイス 「なんだ?なんか作ってるのか?」 ルシア 「おいしそうな人参が少し余ってたので、キャロットケーキ作ってたんです」 ルシア 「良かったら少し食べますか?結構量作れたので」 ランス 「ん?あぁ、そうだな。せっかくだし、貰うかな。小腹も空いたし」 ルシア 「ヴァイスさんはどうします?」 ヴァイス 「俺か?そうだな・・・せっかくだ。そこまで言うなら食べてやってもいいぜ」 ルシア 「はいはい・・・」 ルシア 「どうぞ」 ランス 「ありがとな」 三人 「・・・・・・」 ランス 「お、美味い。さすがだな」 ヴァイス 「まあまあだな」 ルシア 「最近なかなか作る機会がなかったので、ちょっと心配だったんですけど・・・よかった」 ヴァイス 「なんだ、俺たちは毒見役かよ?」 ルシア 「え、あ、いや、そんなこと・・・!」 ランス 「そんな言い方するなよ、ヴァイス。お前だってなんだかんだで進んでるじゃないか」 ヴァイス 「ま、残さなきゃいけないほど不味くはないからな。俺は食べ物を粗末にすることはしないって」 ルシア 「はいはい・・・分かってますよ。不味くないなら十分ですよ」 ランス 「気にするな、ルシア。これでも美味いってことだからな。本当に不味かったらとっくに残してるさ」 ヴァイス 「へんなこというなよ、とっつぁん」 ランス 「分かった分かった」 ランス 「・・・なぁ、ルシア」 ルシア 「なんですか?」 ランス 「・・・これ、もしかして『あいつ』に作ってたりしたか?」 ルシア 「あ・・・」 ルシア 「・・・えぇ、まぁ。あいつ、本当に人参が好きだったから・・・。でも放っておくと生でかじりつくくらいで」 ヴァイス 「あぁ、確かにな。見てるこっちが嫌になるくらい食ってたな、あいつは」 ルシア 「そんなにですか?」 ランス 「立ち寄った先の店で人参料理があれば必ず食べるし、よく買い溜めもしてたな。荷物になるからほどほどにしろよって何度注意したか」 ルシア 「あいつらしいといえば、らしいけど・・・変わって、ないなぁ・・・」 ランス 「・・・ルシア・・・」 ヴァイス 「・・・お前、もしかしてこれライのために作った、とか言わねえよな?」 ルシア 「言いませんよ!それに、今のライには・・・会えないですし」 ランス 「・・・会おうと思えば、会えるだろ。フィオは、俺たちがどうにかすれば抑えられるだろうし・・・」 ヴァイス 「俺たちって・・・ちょっと待てよ、とっつぁん。それ、俺も含まれてるのか?」 ランス 「決まってるだろ」 ヴァイス 「勝手に決めるなよ。どうして俺が・・・」 ルシア 「あ、いいんです。ありがとうございます、ランスさん。でも、私・・・いいんです」 ランス 「ルシア?」 ルシア 「私の知らないところで、あいつはいっぱい大変な思いもしたんだろうし、あいつが休みたいなら・・・休ませて、あげたいですから。心配じゃないわけじゃないですけど、最低でもフィオさんは、ちゃんとライのこと、守ってくれるだろうし。だから・・・」 ルシア 「だから、まぁ、あいつが自分で帰ってきたら・・・その時には作ってやってもいいかなとは思ってますけどね。だから、これは別にライのためとかじゃないですよ。食べたい人に配るつもりですし」 ランス 「そうか。ま、お前さんがそれでいいならいいさ」 ルシア 「はい」 ヴァイス 「・・・は。ライのためじゃないとか言いつつ、結局ライに食わせるときのための練習だろ」 ルシア 「なっ・・・ヴァイスさん!」 ヴァイス 「顔赤くして反論しても説得力ねえよ」 ルシア 「これは、ヴァイスさんがおかしな言い方するからですよ!」 ヴァイス 「は、どうだか」 ランス 「ヴァイス、あんまりルシアをからかうな。ルシアもいちいち反応してるとさらにからかわれるだけだぞ」 ルシア 「う・・・」 ランス 「ま、でもこれは美味いな。俺たちもあいつに付き合わされて時々食べてたけど」 ルシア 「そうですか?」 ランス 「あぁ。これならライも喜ぶだろうな」 ルシア 「だから・・・!」 ルシア 「・・・でも、まぁ、どうせ食べてもらうなら、おいしいと思ってもらえる方がいいですけどね」 ランス 「それはそうさ」 ヴァイス 「ま、せいぜい腕を磨くんだな。肝心な時に腕が腐ってましたとか、笑い話にもならねえからな」 ルシア 「分かってますよ!」 Written by 蒼月蘭