あけるりネタ

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俺はトイレから教室に戻ると、俺の席で何かしていた比呂美が、慌てて自分の席に戻った。 「比呂美、どうした?」 「う、ううん、何でもない」 首筋をかすかに赤くしながら答える比呂美。 見るからに何かありそうな雰囲気だが…… 「仲上君、ノート返してもらっていい?」 黒部さんが話しかけてきた。 「あ、借りてたんだっけ、ごめん」 「いーよ」 「それより、ちゃんと写せた?」 「ああ、バッチリだ」 「あははははっ、感謝してよ~」 始業のチャイムが鳴る 「じゃ、またねっ」 黒部さんは、比呂美の親友ということで、俺とも気軽に接するようになっていた。 それまでは知らなかったが、つき合うと案外良いヤツだ。 --- 「では、ここの和訳を……」 うわ、当たるなよ当たるなよ…… 俺は心の中で呟いた。 「今日は13日だから……黒部、やってみろ」 「はーいっ」 予習万全の黒部さんが、意気揚々と立ち上がった。 「サムはメアリに、最近の経済状態について一通り解説した」 「というわけで、僕もお先真っ暗ってワケさ」 ノートに書かれた訳を読み上げていく黒部さん。 さっき俺が写させてもらった箇所だ。 「今夜、部屋に来て……ぇぇええ?」 「……って、なんじゃこりゃーっ!」 教室に黒部さんの声がコダマした。 「……メアリがサムを好きだったなんて、新しい設定だな。黒部、廊下に立っとれ!」 ……何やってんだ、アイツ…… 俺のノートには正しい訳が書かれているのに。 昼休みになり、すぐ黒部さんが現れる。 「よく分からないけど、災難だったな」 「え、あ……そうだね……」 「あの……仲上、くん?」 もじもじしている。何だか胸が高鳴った。 「あの、その……今夜……OKだから」 きゃっと顔を伏せる黒部さん。 …… 「何のこと?」 訳が分からん。 「何のことって、ノートの話よ」 瞳を輝かせ、にじり寄ってくる黒部さん。 「いや、あの……全く身に覚えがないんだけど……」 「……え?」 そこに比呂美が現れた。 「ごめん、あれ書いたの私」 「ぶふぅっ!」 黒部さんがこけた。 「あの……比呂美、何やったんだ?」 「え……と、眞一郎君のノートだと思って……「来て」って書いちゃったかも……」 「……」 よりにもよって、そんなメッセージを…… 正直、眩暈がした。 「お……お……おのれらは、他人のノートで何しとるんじゃー!!」 黒部さんが噴火した。 「ごめん……」 比呂美がしゅんとなる。 「罰として、仲上君は没収です」 「あっ」 「おっ?」 黒部さんが、ぐいっと俺の左腕を引く。 「と、朋与?」 負けじと比呂美も俺の右腕を引っ張る。 「ぐあっ」 「いいじゃない、比呂美。減るものじゃないし」 「減ります」 「まぁまぁまぁまぁ!」 黒部さんの腕に力がこもる。 「眞一郎は私と付き合っているのっ!」 比呂美が教室中に響き渡る声で噴火した。 …… …… ざわざわ そして歓声と冷やかしの声がわき起こる。 「うわあぁぁぁ……」 「ひ、比呂美?」 ふらふらと、比呂美が俺から離れる。 そして 「ひゃぁぁぁぁっ」 教室から飛び出していった。
俺はトイレから教室に戻ると、俺の席で何かしていた比呂美が、慌てて自分の席に戻った。 「比呂美、どうした?」 「う、ううん、何でもない」 首筋をかすかに赤くしながら答える比呂美。 見るからに何かありそうな雰囲気だが…… 「仲上君、ノート返してもらっていい?」 黒部さんが話しかけてきた。 「あ、借りてたんだっけ、ごめん」 「いーよ」 「それより、ちゃんと写せた?」 「ああ、バッチリだ」 「あははははっ、感謝してよ~」 始業のチャイムが鳴る 「じゃ、またねっ」 黒部さんは、比呂美の親友ということで、俺とも気軽に接するようになっていた。 それまでは知らなかったが、つき合うと案外良いヤツだ。 ― ― ― 「では、ここの和訳を……」 うわ、当たるなよ当たるなよ…… 俺は心の中で呟いた。 「今日は13日だから……黒部、やってみろ」 「はーいっ」 予習万全の黒部さんが、意気揚々と立ち上がった。 「サムはメアリに、最近の経済状態について一通り解説した」 「というわけで、僕もお先真っ暗ってワケさ」 ノートに書かれた訳を読み上げていく黒部さん。 さっき俺が写させてもらった箇所だ。 「今夜、部屋に来て……ぇぇええ?」 「……って、なんじゃこりゃーっ!」 教室に黒部さんの声がコダマした。 「……メアリがサムを好きだったなんて、新しい設定だな。黒部、廊下に立っとれ!」 ……何やってんだ、アイツ…… 俺のノートには正しい訳が書かれているのに。 昼休みになり、すぐ黒部さんが現れる。 「よく分からないけど、災難だったな」 「え、あ……そうだね……」 「あの……仲上、くん?」 もじもじしている。何だか胸が高鳴った。 「あの、その……今夜……OKだから」 きゃっと顔を伏せる黒部さん。 …… 「何のこと?」 訳が分からん。 「何のことって、ノートの話よ」 瞳を輝かせ、にじり寄ってくる黒部さん。 「いや、あの……全く身に覚えがないんだけど……」 「……え?」 そこに比呂美が現れた。 「ごめん、あれ書いたの私」 「ぶふぅっ!」 黒部さんがこけた。 「あの……比呂美、何やったんだ?」 「え……と、眞一郎君のノートだと思って……「来て」って書いちゃったかも……」 「……」 よりにもよって、そんなメッセージを…… 正直、眩暈がした。 「お……お……おのれらは、他人のノートで何しとるんじゃー!!」 黒部さんが噴火した。 「ごめん……」 比呂美がしゅんとなる。 「罰として、仲上君は没収です」 「あっ」 「おっ?」 黒部さんが、ぐいっと俺の左腕を引く。 「と、朋与?」 負けじと比呂美も俺の右腕を引っ張る。 「ぐあっ」 「いいじゃない、比呂美。減るものじゃないし」 「減ります」 「まぁまぁまぁまぁ!」 黒部さんの腕に力がこもる。 「眞一郎は私と付き合っているのっ!」 比呂美が教室中に響き渡る声で噴火した。 …… …… ざわざわ そして歓声と冷やかしの声がわき起こる。 「うわあぁぁぁ……」 「ひ、比呂美?」 ふらふらと、比呂美が俺から離れる。 そして 「ひゃぁぁぁぁっ」 教室から飛び出していった。

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