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true MAMAN特別編・こんな想い出もいいよね~序章~
「やっぱり阿蘇山かな」
「えぇー定番過ぎない?」
「な、この菊池渓谷ってのはどうだ?紅葉の名所らしいぜ」
「よく見なさいよ。九州じゃまだ見ごろには早いわよ」
「ちょっと遠いけど球泉洞がいいな。洞窟って神秘的な響きじゃない」
眞一郎、朋与、三代吉、あさみ、そして比呂美の5人は、修学旅行の自由行動のコースを検討していた。
「熊本城から水前寺公園。これが一番無難だよなあ」
「うわっド定番」
「なぁんか8割以上はこのコースにしてそう」
「自由行動なのに団体行動にしか見えないみたいな・・・・」
「でも、定番になるだけあって一番充実してると思うよ。市外に出るよりも見学時間が長く取れるのもいいと思う」
結局、眞一郎の提案に比呂美が賛成し、反対意見を出すものもなしというところで話がまとまり、その他の行動予定を
書き込んで提出した。まず却下される事はない。
「――市外コースにしておけば途中であたし達と別れて行動しても見つかりにくいのに、真面目ねぇ」
部活終り、ロッカールームで着替えながら朋与が話しかけてきた。
「別行動とる意味なんてないじゃない」
「またまたー。仲上君と二人だけになりたいくせに」
「私は、そんな・・・・」
「協力するわよ~ん」
「朋与、ニヤケすぎ」
「たまには知らない町の知らない場所で、2人は激しく燃え上がり、その情熱はさながら血の池地獄の如く――」
「血の池地獄は大分県よ」
「あ?そうだっけ?」
もう、と笑いながら、比呂美も想像していた。
富山とは全く違う街並みを眞一郎と2人で歩く。やがて2人は夕陽を見つめながらお互いの愛を――。
自分の妄想のばかばかしさに噴き出した。いくらなんでも幻想求めすぎだ。
でも、もしかしたら。
もしかしたら眞一郎君も同じことを考えているかもしれない。そうしたらそんなデートもできるかもしれない。修学旅行でも
付き合い始めて最初の旅行だ。なにか特別な想い出を期待したっていい。
比呂美は改めて、この旅行を楽しみだと思った
続く