true MAMAN特別編・こんな想い出もいいよね~三日目・往路~

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 三日目は自由行動である。  眞一郎、比呂美、朋与、あさみ、三代吉は予定通り市内観光コースに出た。  予定を立てているときはほとんど皆市内に出るのでは、と予想していたが、実際には そこまで多くなく、半数ほどは阿蘇まで足を伸ばしていた。 「あたし達も阿蘇にすればよかったかな?」 「いいよ。もう乗りっぱなしは飽きた」 「あたしも~」  しかし、市内観光にしても移動手段は使わなければならない。5人ではタクシーにも乗 れないため、市電を使うことにした。 「実は私トラムって初めて」 「実は俺もだ」  何故か嬉しそうな比呂美に、眞一郎が応える。富山にもLRT(路面電車)はあるのだが、 眞一郎は利用した事がなかった。そんなどうでもいいことでも比呂美と共通点があったこ とで嬉しいと思う自分が、妙におかしかった。 「なぁ~にニヤニヤしてんのよ?」  顔に出てしまったらしい。慌てて口元を隠したが、朋与が冷やかしていたのは比呂美の 方だった。比呂美は赤くなって 「別に、ニヤニヤなんて…」  と否定していたが、恐らく自分と同じことを考えていたのだろう。珍しくうろたえている比呂 美を見ていると、 「お前もだぞ、眞一郎」  三代吉が指摘した。この辺り、いつまでも初々しいカップルだ。  水前寺公園はかなりの賑わいを見せていた。特に馬場は流鏑馬の奉納が執り行われると あって、油断すると仲間を見失ってしまいそうだった。 「なんで俺たちが来る日にこんなものやるんだよ」  三代吉のやや八つ当たり気味の文句に、 「これに合わせて日程決めたからでしょ?」  と、あさみが正論を返す。 「しっかし混んでるわね。前の方まで行けるかしら?」  朋与は群集を掻き分ける事に挑戦中である。  比呂美は隣に眞一郎がいることを確認した。暫らく考えて、やがて意を決し、手を眞一郎に 伸ばす。  眞一郎はその手に気がつくと、一瞬比呂美の方を見た。そしてすぐに、その手をしっかりと つないだ。  離れないように  見失わないように  置いていかないように  比呂美が少し頬を染める。眞一郎も照れたように笑う。そして2人で、朋与と三代吉がこじ開 けた後についていった。                         続 ノート 熊本市電はトラムでは非常に先進的で、完全冷房車の導入や近代的なLRT採用など、富山ライトレールに先んじて欧州型の近代的トラムを走らせています。デザインは富山の方が洗練されて好きなんですけどね。

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