ガサ入れ

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ガサ入れ」(2008/04/05 (土) 23:42:42) の最新版変更点

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負けるな比呂美たんっ! 応援SS第20弾 『ガサ入れ』 ●EDのデフォルメキャラをイメージしてください  といいたいところですが、敢えて本編キャラでイメージした方がいいかもしれません  「眞一郎くん?」  深夜前、眞一郎が自室で絵本の原稿を描いていると比呂美の声がした。  「比呂美?」  一体何の用だろうと眞一郎は戸口に立ち、戸をあけた。  「仲上眞一郎くんね? ガサ入れよ!」  そう言い放ち、比呂美が眞一郎を押しのけるように大股で入ってきた。  「な、なに?」  唖然とする眞一郎をよそに比呂美はベッドの下、本棚の隙間、ケース入り大判本の中身チェックを進め ていく。  一体何を探しているのだろうか?   だが、数分たっても何も見つからないようだ。  一通り探し終えると眞一郎に向き直り  「眞一郎くん意外と抜け目がないのね? ひょっとしておばさんで慣れてるのかしら?」  そう言いながら怖い笑顔でにっこり微笑む。  「ひ、比呂美さん? 一体何の事だか… あの、顔怖いんですけど…」  比呂美は眞一郎に背を向けると机の引き出しを完全に外し、引き出しと机の枠の隙間に手を差し入れた。  何か手ごたえを感じたのか、そのままの姿勢で眞一郎を振り返ると再びにっこり微笑んだ。  眞一郎は予測される事態に戦慄した。  ゆっくりと取り出された比呂美の手には、ブツがしっかりと掴まれていた。  その後も同じ構造の箇所から続々とブツが発見されてゆく。  次いで押入れの天井裏、襖の中、コンセントのパネルを外した壁の奥などからも大量のブツが発見されて ゆく。  コミック、写真集、DVD、大量のティッシュ箱…  ベッドの上にまとめられたブツの山を前に比呂美は一言、  「眞一郎くんの… えっち」  ジト目で眞一郎をにらむ。  眞一郎はどうすればこの場をおさめられるのかさっきから考えていたが良い手は思いつけないでいた。  比呂美はゆっくりとベッドに腰掛け、しばらく眞一郎に冷たい視線を送る。  眞一郎は何とか弁解を試みるが  「これは、その…」  さっきからこれ以上の言葉が出せないでいる。  そんな眞一郎に対し比呂美は少し表情を和らげ、お姉さん口調で告げる。  「あのね、眞一郎くん位の男の子がこういうことに興味があるのは仕方のないことだと思うんだけど、  適切な素材を使わないと… 将来がね、心配なの。 分かってくれる?」  眞一郎は『あなたも同い年でしょ』などと突っ込みたかったが反撃を恐れ黙っていた。  「はい、比呂美さんのおっしゃるとおりです」  「そう、素直なお返事、うれしいな」  比呂美の返事は先程までと声色まで違い優しくなってきた。  眞一郎は比呂美の真意を図りかねる。  一体何をしたいのだろう。  「ちょっと待っててね」  比呂美はそう言うとブツを一つ一つチェックし、一部を持参したゴミ袋に詰め始めた。  眞一郎が観察していると、モデルの体つきが豊なものや、ショートカットの少女メインのものを中心に押収 されているようだ。  時折こちらをチラと見ては困ったような嬉しいような顔をしているのは気のせいだろうか。  その反応をしたときのブツはゴミ袋行きを免れているようだ。  ちなみに一例を示すと  『幼馴染は同級生』  『スレンダーな彼女』  『スポーツ少女特集』  『ポニーテールをほどくとき…』  『兄妹日記』  『恋人は同居人?』  等の恥ずかしいタイトルがみえる。  そもそも何故そのようなタイトルのブツがあるのかはこの際忘れたい。  比呂美の選別基準は今は深く考えない方が良い気がした。  結局、選別は数分で終わりベッドの上には3分の1くらいのブツが残された。  「はい、今残してあるのは、その… 『適切』なので押収しません。 それに… これは絵本の資料とか で必要だったりするかもしれないから… ヘンな事に使ったりしちゃダメなんだからね」  そう話す比呂美はどういうわけか少し頬を染めていた。  「そ、そうなんだ、『資料』なんだよ、これは、うん」  眞一郎は比呂美の提示した逃げ道を受け入れ、被害を最小限にする道を選択した。  比呂美は立ち上がるとゴミ袋を手に持ち戸口へ歩き出そうとし、ふと立ち止まる。  「いけない!」  眞一郎はビクッとする。  「まだ、何かございますか?」  おもわず気を付けの姿勢で問う。  「うん、これも危険なの」  そう言いながら比呂美はティッシュボックスも袋に押収していく。  つめ終えると押収品を入れた袋を廊下に持ち出し、用意してあった別の袋を持ち込んだ。  「ハイこれ、その…、なんに使うのかは分からないんだけど、こっちなら大丈夫だから…」  顔を真っ赤にしながらその袋を手渡してくる。  中を見るとロールティッシュでいっぱいである。  一体何が大丈夫なんだろうと思ったものの、眞一郎はそれを素直に受け取ることにした。  比呂美は戸口まで戻ると  「以上でガサ入れは終わりです。ご協力感謝します。」  そう言って可愛く敬礼してみせた。  「ご苦労様です」  眞一郎もノリで答える。  ニコッと笑い去りかけた比呂美だったが、何か思いついたように駆け戻ると眞一郎に耳打ちした。  「あのね、私、毎晩8時半にね、お風呂に入るの…、あの、同じお家に住んでるんだから、事故で戸を開 けちゃうくらいなら、別に怒ったりしないから…」  比呂美はそれだけ囁くと顔を伏せながら去っていった。  眞一郎はこれは何かの罠ではないかと思ったが、一応時刻は頭に刻み込んでおく事にした。  確かに、事故なら仕方ないかもしれない。  そして室内に戻ると『資料』の新たな収納場所をどうするか悩み始めた。 了 ●あとからあとがき 6話まで視聴済み これは本編1話の前の段階で比呂美さんが先制攻撃をかけたらどうなるかという事を仮想したおハナシです。 ニワトリ箱さえ無ければ… これで安心♪
負けるな比呂美たんっ! 応援SS第20弾 『ガサ入れ』 ●EDのデフォルメキャラをイメージしてください  といいたいところですが、敢えて本編キャラでイメージした方がいいかもしれません  「眞一郎くん?」  深夜前、眞一郎が自室で絵本の原稿を描いていると比呂美の声がした。  「比呂美?」  一体何の用だろうと眞一郎は戸口に立ち、戸をあけた。  「仲上眞一郎くんね? ガサ入れよ!」  そう言い放ち、比呂美が眞一郎を押しのけるように大股で入ってきた。  「な、なに?」  唖然とする眞一郎をよそに比呂美はベッドの下、本棚の隙間、ケース入り大判本の中身チェックを進め ていく。  一体何を探しているのだろうか?   だが、数分たっても何も見つからないようだ。  一通り探し終えると眞一郎に向き直り  「眞一郎くん意外と抜け目がないのね? ひょっとしておばさんで慣れてるのかしら?」  そう言いながら怖い笑顔でにっこり微笑む。  「ひ、比呂美さん? 一体何の事だか… あの、顔怖いんですけど…」  比呂美は眞一郎に背を向けると机の引き出しを完全に外し、引き出しと机の枠の隙間に手を差し入れた。  何か手ごたえを感じたのか、そのままの姿勢で眞一郎を振り返ると再びにっこり微笑んだ。  眞一郎は予測される事態に戦慄した。  ゆっくりと取り出された比呂美の手には、ブツがしっかりと掴まれていた。  その後も同じ構造の箇所から続々とブツが発見されてゆく。  次いで押入れの天井裏、襖の中、コンセントのパネルを外した壁の奥などからも大量のブツが発見されて ゆく。  コミック、写真集、DVD、大量のティッシュ箱…  ベッドの上にまとめられたブツの山を前に比呂美は一言、  「眞一郎くんの… えっち」  ジト目で眞一郎をにらむ。  眞一郎はどうすればこの場をおさめられるのかさっきから考えていたが良い手は思いつけないでいた。  比呂美はゆっくりとベッドに腰掛け、しばらく眞一郎に冷たい視線を送る。  眞一郎は何とか弁解を試みるが  「これは、その…」  さっきからこれ以上の言葉が出せないでいる。  そんな眞一郎に対し比呂美は少し表情を和らげ、お姉さん口調で告げる。  「あのね、眞一郎くん位の男の子がこういうことに興味があるのは仕方のないことだと思うんだけど、  適切な素材を使わないと… 将来がね、心配なの。 分かってくれる?」  眞一郎は『あなたも同い年でしょ』などと突っ込みたかったが反撃を恐れ黙っていた。  「はい、比呂美さんのおっしゃるとおりです」  「そう、素直なお返事、うれしいな」  比呂美の返事は先程までと声色まで違い優しくなってきた。  眞一郎は比呂美の真意を図りかねる。  一体何をしたいのだろう。  「ちょっと待っててね」  比呂美はそう言うとブツを一つ一つチェックし、一部を持参したゴミ袋に詰め始めた。  眞一郎が観察していると、モデルの体つきが豊なものや、ショートカットの少女メインのものを中心に押収 されているようだ。  時折こちらをチラと見ては困ったような嬉しいような顔をしているのは気のせいだろうか。  その反応をしたときのブツはゴミ袋行きを免れているようだ。  ちなみに一例を示すと  『幼馴染は同級生』  『スレンダーな彼女』  『スポーツ少女特集』  『ポニーテールをほどくとき…』  『兄妹日記』  『恋人は同居人?』  等の恥ずかしいタイトルがみえる。  そもそも何故そのようなタイトルのブツがあるのかはこの際忘れたい。  比呂美の選別基準は今は深く考えない方が良い気がした。  結局、選別は数分で終わりベッドの上には3分の1くらいのブツが残された。  「はい、今残してあるのは、その… 『適切』なので押収しません。 それに… これは絵本の資料とか で必要だったりするかもしれないから… ヘンな事に使ったりしちゃダメなんだからね」  そう話す比呂美はどういうわけか少し頬を染めていた。  「そ、そうなんだ、『資料』なんだよ、これは、うん」  眞一郎は比呂美の提示した逃げ道を受け入れ、被害を最小限にする道を選択した。  比呂美は立ち上がるとゴミ袋を手に持ち戸口へ歩き出そうとし、ふと立ち止まる。  「いけない!」  眞一郎はビクッとする。  「まだ、何かございますか?」  おもわず気を付けの姿勢で問う。  「うん、これも危険なの」  そう言いながら比呂美はティッシュボックスも袋に押収していく。  つめ終えると押収品を入れた袋を廊下に持ち出し、用意してあった別の袋を持ち込んだ。  「ハイこれ、その…、なんに使うのかは分からないんだけど、こっちなら大丈夫だから…」  顔を真っ赤にしながらその袋を手渡してくる。  中を見るとロールティッシュでいっぱいである。  一体何が大丈夫なんだろうと思ったものの、眞一郎はそれを素直に受け取ることにした。  比呂美は戸口まで戻ると  「以上でガサ入れは終わりです。ご協力感謝します。」  そう言って可愛く敬礼してみせた。  「ご苦労様です」  眞一郎もノリで答える。  ニコッと笑い去りかけた比呂美だったが、何か思いついたように駆け戻ると眞一郎に耳打ちした。  「あのね、私、毎晩8時半にね、お風呂に入るの…、あの、同じお家に住んでるんだから、事故で戸を開 けちゃうくらいなら、別に怒ったりしないから…」  比呂美はそれだけ囁くと顔を伏せながら去っていった。  眞一郎はこれは何かの罠ではないかと思ったが、一応時刻は頭に刻み込んでおく事にした。  確かに、事故なら仕方ないかもしれない。  そして室内に戻ると『資料』の新たな収納場所をどうするか悩み始めた。 了 ●あとからあとがき 6話まで視聴済み これは本編1話の前の段階で比呂美さんが先制攻撃をかけたらどうなるかという事を仮想したおハナシです。 ニワトリ箱さえ無ければ… これで安心♪

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