ある日の比呂美・番外編2-5

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前:[[ある日の比呂美・番外編2-4]] 「挿れて……眞一郎くん……」 首を九十度ほど曲げ、後ろで固まっている眞一郎に妖しい視線を送りながら比呂美は囁きかけた。 「いや…でも……」 そそり立つ勃起の角度とは裏腹に、眞一郎はまだ常識の鎖に繋がれている。 結合を躊躇うその姿に、苛立ちと気遣われる喜びの両方を感じる比呂美。 だが、『欲しい』という強烈な欲求の前には、眞一郎の感情など瑣末な問題でしかなかった。 「フフ……」 整った口元がまた歪み、浴槽の縁を掴んでいた比呂美の右手が、己の腰から臀部へと滑るように動く。 ……比呂美は『どうすれば眞一郎を誘えるか』を熟知していた。 緩い動作で秘部にあてがわれた指が、眞一郎に向かって突き出されている陰唇を割り開いて、その内部を見せつける。 「!!」 ピンクというよりは、熟れたザクロのような鮮烈な『赤』が、眞一郎の視覚を占領した。 心臓と呼吸が乱れ、両脚が理性の制御を振り解いて、誘いかける『禁断』へと歩を進めていく。 「…来て……早く…」 たっぷりと艶やかさを付加されたその言葉が、眞一郎の鎖を引き千切る決定打となった。 「比呂美ッ!!」 短い絶叫が狭い室内に響くのと同時に、眞一郎は目の前にいる牝の背中に飛びつく。 その動きは、愛しく抱き締めるというよりは、匂いを擦り付ける野獣のマーキング行為のようだった。 「ああぁん…」 背部全体に感じる眞一郎の感触に、声を上げて悦びを表現し、身悶える比呂美。 首筋を這い回る舌の滑り…… 乳房を揉みしだく十本の指…… そして股間に擦り付けられる熱い昂ぶり…… その全てが燃え上がる官能に更なる燃料を注ぎ、比呂美の全身を震わせた。 「はぁ、はぁ、はぁ……はぁああっ!!」 執拗にうなじを愛撫する眞一郎の動きに反応し、軽めの絶頂を得た比呂美の身体が仰け反る。 弾けるような動作のせいで、髪をまとめ上げていたタオルが解け、自慢のロングヘアーが空間を舞った。 乱れ踊る栗色が愛用するシャンプーの甘い香りを撒き散らして、眞一郎の鼻腔と性欲を刺激する。 硬度が増したペニスの先端からは、微量の精を含んだ透明な粘液が溢れかえり、浴室の床へと光の糸を引いた。 「……ホントに…挿れるぞ」 二人分の体重を受け止め、比呂美の両腕が小刻みに震えている。 だが今の眞一郎には、それに気づいたり、優しく声を掛けたりする余裕はなかった。 (挿れたい…… 比呂美に…… 比呂美の膣に……) …………受胎可能な牝と性交する………… 遺伝子に刻み込まれた牡の本能に支配された眞一郎は、局部を弄って比呂美の生殖器に狙いを定める。 その決意を感じ取った比呂美も、挿入を求めて、陰唇付近の感覚を頼りに腰を動かした。 カウパー氏腺液にまみれた亀頭に、花開きはじめた膣の入口が喰らいつくように押し当てられていく…… 「ナカに……出したらダメ…だからね……」 そう小さな声で警告を発した時、比呂美は眞一郎の方を振り返らなかった。 …………振り向いたら……バレる………… 悟られるわけにはいかない。 今、口にした言葉と真逆の感情を、自分が奥底に秘めていることを…… ………… 「……分かってるよ……」 比呂美の想いを知ってか知らずか、眞一郎は荒い息遣いのまま上体を引き起こすと、眼下の尻肉に指を掛けた。 己の先端が確かに比呂美を捕らえていることを確認すると、加減も気遣いもない強烈な一撃を繰り出す。 「はうぅッッ!!!」 一気に中心を貫かれ、女の最深部を刺激された比呂美の口から、雄叫びにも似た声が漏れた。 そのまま肢体を硬直させ、比呂美は胎内を割り裂いた侵入者の感触を追いかける。 (あぁ……『そのままの』眞一郎くんだ……) 普段のセックスに不満があるわけではないが、やはり一切の邪魔が入らない直接の交わりは、得られる充足感が違った。 そして、先走りの体液に混じった精子に反応した子宮が、脳と理性に代わって比呂美の身体を操りはじめる。 (出して……眞一郎くん……そのまま……) ペニスをもっと深く呑み込まんと、比呂美は痺れかけていた両脚を踏ん張り、性器を眞一郎に押し付けた。 「んッ!」 根元まで完全に咥え込まれた眞一郎が、直に感じる比呂美の粘膜の感触と圧力に呻く。 比呂美の欲求と己に巣食う牡の本能、そして四日間の禁欲が眞一郎を無慈悲に攻め立て、彼を射精の淵へと追い込んでいった。         [つづく]
前:[[ある日の比呂美・番外編2-4]] 「挿れて……眞一郎くん……」 首を九十度ほど曲げ、後ろで固まっている眞一郎に妖しい視線を送りながら比呂美は囁きかけた。 「いや…でも……」 そそり立つ勃起の角度とは裏腹に、眞一郎はまだ常識の鎖に繋がれている。 結合を躊躇うその姿に、苛立ちと気遣われる喜びの両方を感じる比呂美。 だが、『欲しい』という強烈な欲求の前には、眞一郎の感情など瑣末な問題でしかなかった。 「フフ……」 整った口元がまた歪み、浴槽の縁を掴んでいた比呂美の右手が、己の腰から臀部へと滑るように動く。 ……比呂美は『どうすれば眞一郎を誘えるか』を熟知していた。 緩い動作で秘部にあてがわれた指が、眞一郎に向かって突き出されている陰唇を割り開いて、その内部を見せつける。 「!!」 ピンクというよりは、熟れたザクロのような鮮烈な『赤』が、眞一郎の視覚を占領した。 心臓と呼吸が乱れ、両脚が理性の制御を振り解いて、誘いかける『禁断』へと歩を進めていく。 「…来て……早く…」 たっぷりと艶やかさを付加されたその言葉が、眞一郎の鎖を引き千切る決定打となった。 「比呂美ッ!!」 短い絶叫が狭い室内に響くのと同時に、眞一郎は目の前にいる牝の背中に飛びつく。 その動きは、愛しく抱き締めるというよりは、匂いを擦り付ける野獣のマーキング行為のようだった。 「ああぁん…」 背部全体に感じる眞一郎の感触に、声を上げて悦びを表現し、身悶える比呂美。 首筋を這い回る舌の滑り…… 乳房を揉みしだく十本の指…… そして股間に擦り付けられる熱い昂ぶり…… その全てが燃え上がる官能に更なる燃料を注ぎ、比呂美の全身を震わせた。 「はぁ、はぁ、はぁ……はぁああっ!!」 執拗にうなじを愛撫する眞一郎の動きに反応し、軽めの絶頂を得た比呂美の身体が仰け反る。 弾けるような動作のせいで、髪をまとめ上げていたタオルが解け、自慢のロングヘアーが空間を舞った。 乱れ踊る栗色が愛用するシャンプーの甘い香りを撒き散らして、眞一郎の鼻腔と性欲を刺激する。 硬度が増したペニスの先端からは、微量の精を含んだ透明な粘液が溢れかえり、浴室の床へと光の糸を引いた。 「……ホントに…挿れるぞ」 二人分の体重を受け止め、比呂美の両腕が小刻みに震えている。 だが今の眞一郎には、それに気づいたり、優しく声を掛けたりする余裕はなかった。 (挿れたい…… 比呂美に…… 比呂美の膣に……) …………受胎可能な牝と性交する………… 遺伝子に刻み込まれた牡の本能に支配された眞一郎は、局部を弄って比呂美の生殖器に狙いを定める。 その決意を感じ取った比呂美も、挿入を求めて、陰唇付近の感覚を頼りに腰を動かした。 カウパー氏腺液にまみれた亀頭に、花開きはじめた膣の入口が喰らいつくように押し当てられていく…… 「ナカに……出したらダメ…だからね……」 そう小さな声で警告を発した時、比呂美は眞一郎の方を振り返らなかった。 …………振り向いたら……バレる………… 悟られるわけにはいかない。 今、口にした言葉と真逆の感情を、自分が奥底に秘めていることを…… ………… 「……分かってるよ……」 比呂美の想いを知ってか知らずか、眞一郎は荒い息遣いのまま上体を引き起こすと、眼下の尻肉に指を掛けた。 己の先端が確かに比呂美を捕らえていることを確認すると、加減も気遣いもない強烈な一撃を繰り出す。 「はうぅッッ!!!」 一気に中心を貫かれ、女の最深部を刺激された比呂美の口から、雄叫びにも似た声が漏れた。 そのまま肢体を硬直させ、比呂美は胎内を割り裂いた侵入者の感触を追いかける。 (あぁ……『そのままの』眞一郎くんだ……) 普段のセックスに不満があるわけではないが、やはり一切の邪魔が入らない直接の交わりは、得られる充足感が違った。 そして、先走りの体液に混じった精子に反応した子宮が、脳と理性に代わって比呂美の身体を操りはじめる。 (出して……眞一郎くん……そのまま……) ペニスをもっと深く呑み込まんと、比呂美は痺れかけていた両脚を踏ん張り、性器を眞一郎に押し付けた。 「んッ!」 根元まで完全に咥え込まれた眞一郎が、直に感じる比呂美の粘膜の感触と圧力に呻く。 比呂美の欲求と己に巣食う牡の本能、そして四日間の禁欲が眞一郎を無慈悲に攻め立て、彼を射精の淵へと追い込んでいった。         [つづく] 次:[[ある日の比呂美・番外編2-6]]

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