比呂美スレ的 第1話 改訂版

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比呂美スレ的 第1話 改訂版」(2008/03/21 (金) 00:41:22) の最新版変更点

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比呂美スレ的 第1話 改訂版 仲上家にて。 カタッ、カタカタカタッ。比呂美が真剣な表情で、何か作業をしている。 「あ…」 「何?また手伝い?」 「うん、人手が足りないみたいだからね」 「気を使うなって、いつも言ってるだろ? そうだ、メシ…食わないのか?」 自分を気遣う眞一郎の言葉で、比呂美が元気に返事をする。 「お世話になっているからね!あれ?、もうそんな時間?」 「休んで食べた方がいいんじゃないか?」 「うーん、でも…もうちょっとだから、がんばるよ!」 「…そう…わかった」 眞一郎は少し残念そうな表情。 「あっ…」 「ん?、何?」 比呂美は微笑んで眞一郎に話しかける。 「ゆっくり食べててね♪早く終わらせるからっ♪」 「あ…うん…」 笑顔で画面に向い直り、帳簿の続きを始めた。 「何ですか?坊ちゃん、顔がニヤけてますよ?」 「そ…そんな事ないって!」 「ふーん、相変わらずアツアツですねー?」 丁稚のからかう声を背中に受けながら廊下を歩き、居間に入っていった。 - - - - - - - - - - - - - 教室で。 「いや…、アイツなら…」 「なんかあったのか?」 三代吉は驚きの表情で眞一郎に聞いた。 「呪われた」 特に興味なさそうな返答だが、思い当たるフシがあった。 「ヤバイぜ…、それ…」 「何?」 「石動乃絵必殺奥義…悲劇を呼ぶおまじない」 「んん?」 「小さくなりますようにって呪われて、マジ使い物にならなくなったヤツが…」 「眞一郎くん?何の話をしているの?」 ひそひそと三代吉が話していた時、比呂美が話に割って入ってきた。 「うおっ」 「おっと」 「何か妙なことでも話していたんじゃないのー?」 同じく、いつの間にか近くにいた朋与まで加わってきた。 「石動乃絵って聞こえたんだけど…?」 声の調子がいつもと違う、表情も。何かを含んでいる。 「聞いてたのか?」 「き、聞こえたの!」 少し慌てた感じで、言い訳めいた返事をした。 「石動乃絵って、"あの"?」 「朋与、知ってるの?」 「変わってる、ってこととか、色々かな?噂がいっぱいあるじゃん」 「まあ、かわいいんだけどなー」 「やっぱ、愛ちゃんに言いつけよう」 「うげ」 「その石動乃絵を眞一郎くんは知ってるの?」 比呂美は追及することを忘れていない。どうやら、眞一郎の口から女子の名前が 出たことが気に食わないらしい 「歩いていてたら、裏庭の方から何か聞こえて行ってみた。そしたら木に登ってた…」 「はあ?何?それ?」 朋与にはさっぱりわからない。 「それで?どうしたの?」 「よく分からないけど…、呪われた」 「呪われた?どうして?」 「からかった、からかな?」 「どう呪われたの?」 「"不幸が訪れますように"、とか何とか…」 「はあ?何?それ?」 朋与にはやっぱりわからない。 「許せない…」 比呂美の雰囲気が変わった。怒っているようだ。 「比呂美?」 「眞一郎くん、私に任せて!」 「いや、何を任せればいいのか、分かんないんだけど…」 「いいからっ!行こうっ!朋与っ!」 「あっ、ちょっとっ!待ってよ…」 瞬く間に比呂美は歩き出し、朋与も慌てて付いて行った。 「良かったな、眞一郎。湯浅さんが何とかしてくれるらしいぞ」 「あん?どういう意味だよ?」 「愛されてるな、お前」 「ちょっ…意味ワカラン…」 と言いつつ、眞一郎の嬉しそうな表情には、弁解の余地が無かった。 - - - - - - - - - - - - - その日の昼休み。珍しく4人で弁当を食べている。 「というわけで、"呪い"は取り消すって。よかったね、眞一郎くん」 「あ…そう…」 何となく不機嫌そうな報告に、眞一郎はたじたじだ。 「ま、比呂美に感謝すれば?"呪い"を解いた功労者なんだからさ」 「そうだな、眞一郎が自分で解くのはムリだろうからな」 「…」 ここぞとばかりに朋与と三代吉がからかう。 「別に…感謝してもらわなくてもいいけど…」 今度は比呂美が少し頬を赤らめながら、ちらちらと眞一郎の顔を見ている。 「えっと…ありがと…」 「うん、どういたしまして♪」 にこっと笑顔を作って正面から見つめると、眞一郎もつられて笑顔になった。 「こういう場合、こっちはどうすればいいんだろう?」 「放っておく、でいいんじゃないか?」 朋与と三代吉は、ぱくぱくと弁当を再開した。 「そうだ。どうする?今日も"あいちゃん"、行くべ?」 その後、弁当が終わって話している時に何気なく聞いた。 「うーん、いいよ」 その言葉に反応したのが、他でもない、比呂美だ。 「ふーん、"また"行くの?眞一郎くん」 あれ?さっきまで上機嫌で話していたはずが… 「え?いや…野伏が…」 またも守備にまわる眞一郎。 「さっきのことをもう忘れているのかな?」 朋与のアシストは素晴らしいが、眞一郎には迷惑な話だ。 「え?いや…野伏が…」 「そんなに頻繁に今川焼きを食べなくてもいいでしょ?」 「あ…あの…」 「それに、今日は踊りの練習も無いよね?」 「無いけどさ…」 「…」 別に比呂美は責めているのではない、面白くないのだ。眞一郎にもそれが 何となくわかるのだが、三代吉と一緒だから別にいいんじゃない?という 気持ちもある。"呪い解除"の件を思い出して、こう言ってみた。 「じゃあ、部活が終わる頃にメールしてよ。迎えに来るからさ」 予想外の提案に、一瞬で比呂美の機嫌が回復する。 「うんっ!わかった!メールするね♪」 比呂美の笑顔を見て、自分も嬉しくなる眞一郎。嬉しくないのは二人だ。 「こういう場合、こっちはどうすればいいんだろう?」 「放っておく、でいいんじゃないか?」 朋与と三代吉は、同じやりとりをもう一度繰り返した。 - - - - - - - - - - - - - 夕方、眞一郎は校門の辺りで比呂美を待っていた。"あいちゃん"からここ までは、もちろんダッシュだ。 「眞一郎く~ん♪」 にこやかな笑顔の比呂美が、駆け足でこちらへ向ってくる。 「おお!」 眞一郎は軽く手を振る。 「待った?」 「すげぇ待った。待ちくたびれた」 「うっそー!?だって、私はちゃんと時間を計算したよ?」 「ちょっと走ったからな」 「どうして?」 「聞くなっての」 「あははっ♪帰ろっか?眞一郎くん♪」 夕日に照らされて、仲良く並んで自宅へと歩いていく。 長く伸びた二人の影は、もう少しで重なりそうだ。 END -あとがき- もし第1話で比呂美が封印していなかったら…、というお話でした。 あれ?乃絵がモブになってしまった。乃絵好きな方、ごめん。 第1話にして最終回ですね。 <これ以下は、アップ後に追加しました(8話視聴前に書いてます)> このSSの連想シーン=第1話の比呂美登場部分いっぱい テーマ=女らしいけど、女らしくない行動 異母兄妹は?と思いませんでしたか?このSS比呂美がアニメと同じよう に、気持ちを封印してるという解釈が可能です。 それは、眞一郎の女性関係を封印です。意味は同じになりますよね? お遊びなんで。 実は最初は上のストーリーだったのですが、読み返したら比呂美がスト ーカーになってました。なので、細部の入れ替えとオチを変更して封印 なし、という話になりました。最初の構成では比呂美が黒すぎて… 最後の文、"重なりそうだ"としています。"重なるだろう"ではないです。 異母兄妹問題が第1話では未解決なので、表現をあいまいにして余韻を 持たせたつもりです。 "重なるだろう"だと、比呂美が異母兄妹を無視して、眞一郎と結ばれる ことを望んでいる様な意味になるので、こうしました。 日本語、ムツカシイデース。 ありがとうございました。
比呂美スレ的 第1話 改訂版 仲上家にて。 カタッ、カタカタカタッ。比呂美が真剣な表情で、何か作業をしている。 「あ…」 「何?また手伝い?」 「うん、人手が足りないみたいだからね」 「気を使うなって、いつも言ってるだろ? そうだ、メシ…食わないのか?」 自分を気遣う眞一郎の言葉で、比呂美が元気に返事をする。 「お世話になっているからね!あれ?、もうそんな時間?」 「休んで食べた方がいいんじゃないか?」 「うーん、でも…もうちょっとだから、がんばるよ!」 「…そう…わかった」 眞一郎は少し残念そうな表情。 「あっ…」 「ん?、何?」 比呂美は微笑んで眞一郎に話しかける。 「ゆっくり食べててね♪早く終わらせるからっ♪」 「あ…うん…」 笑顔で画面に向い直り、帳簿の続きを始めた。 「何ですか?坊ちゃん、顔がニヤけてますよ?」 「そ…そんな事ないって!」 「ふーん、相変わらずアツアツですねー?」 丁稚のからかう声を背中に受けながら廊下を歩き、居間に入っていった。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 教室で。 「いや…、アイツなら…」 「なんかあったのか?」 三代吉は驚きの表情で眞一郎に聞いた。 「呪われた」 特に興味なさそうな返答だが、思い当たるフシがあった。 「ヤバイぜ…、それ…」 「何?」 「石動乃絵必殺奥義…悲劇を呼ぶおまじない」 「んん?」 「小さくなりますようにって呪われて、マジ使い物にならなくなったヤツが…」 「眞一郎くん?何の話をしているの?」 ひそひそと三代吉が話していた時、比呂美が話に割って入ってきた。 「うおっ」 「おっと」 「何か妙なことでも話していたんじゃないのー?」 同じく、いつの間にか近くにいた朋与まで加わってきた。 「石動乃絵って聞こえたんだけど…?」 声の調子がいつもと違う、表情も。何かを含んでいる。 「聞いてたのか?」 「き、聞こえたの!」 少し慌てた感じで、言い訳めいた返事をした。 「石動乃絵って、"あの"?」 「朋与、知ってるの?」 「変わってる、ってこととか、色々かな?噂がいっぱいあるじゃん」 「まあ、かわいいんだけどなー」 「やっぱ、愛ちゃんに言いつけよう」 「うげ」 「その石動乃絵を眞一郎くんは知ってるの?」 比呂美は追及することを忘れていない。どうやら、眞一郎の口から女子の名前が 出たことが気に食わないらしい 「歩いていてたら、裏庭の方から何か聞こえて行ってみた。そしたら木に登ってた…」 「はあ?何?それ?」 朋与にはさっぱりわからない。 「それで?どうしたの?」 「よく分からないけど…、呪われた」 「呪われた?どうして?」 「からかった、からかな?」 「どう呪われたの?」 「"不幸が訪れますように"、とか何とか…」 「はあ?何?それ?」 朋与にはやっぱりわからない。 「許せない…」 比呂美の雰囲気が変わった。怒っているようだ。 「比呂美?」 「眞一郎くん、私に任せて!」 「いや、何を任せればいいのか、分かんないんだけど…」 「いいからっ!行こうっ!朋与っ!」 「あっ、ちょっとっ!待ってよ…」 瞬く間に比呂美は歩き出し、朋与も慌てて付いて行った。 「良かったな、眞一郎。湯浅さんが何とかしてくれるらしいぞ」 「あん?どういう意味だよ?」 「愛されてるな、お前」 「ちょっ…意味ワカラン…」 と言いつつ、眞一郎の嬉しそうな表情には、弁解の余地が無かった。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― その日の昼休み。珍しく4人で弁当を食べている。 「というわけで、"呪い"は取り消すって。よかったね、眞一郎くん」 「あ…そう…」 何となく不機嫌そうな報告に、眞一郎はたじたじだ。 「ま、比呂美に感謝すれば?"呪い"を解いた功労者なんだからさ」 「そうだな、眞一郎が自分で解くのはムリだろうからな」 「…」 ここぞとばかりに朋与と三代吉がからかう。 「別に…感謝してもらわなくてもいいけど…」 今度は比呂美が少し頬を赤らめながら、ちらちらと眞一郎の顔を見ている。 「えっと…ありがと…」 「うん、どういたしまして♪」 にこっと笑顔を作って正面から見つめると、眞一郎もつられて笑顔になった。 「こういう場合、こっちはどうすればいいんだろう?」 「放っておく、でいいんじゃないか?」 朋与と三代吉は、ぱくぱくと弁当を再開した。 「そうだ。どうする?今日も"あいちゃん"、行くべ?」 その後、弁当が終わって話している時に何気なく聞いた。 「うーん、いいよ」 その言葉に反応したのが、他でもない、比呂美だ。 「ふーん、"また"行くの?眞一郎くん」 あれ?さっきまで上機嫌で話していたはずが… 「え?いや…野伏が…」 またも守備にまわる眞一郎。 「さっきのことをもう忘れているのかな?」 朋与のアシストは素晴らしいが、眞一郎には迷惑な話だ。 「え?いや…野伏が…」 「そんなに頻繁に今川焼きを食べなくてもいいでしょ?」 「あ…あの…」 「それに、今日は踊りの練習も無いよね?」 「無いけどさ…」 「…」 別に比呂美は責めているのではない、面白くないのだ。眞一郎にもそれが 何となくわかるのだが、三代吉と一緒だから別にいいんじゃない?という 気持ちもある。"呪い解除"の件を思い出して、こう言ってみた。 「じゃあ、部活が終わる頃にメールしてよ。迎えに来るからさ」 予想外の提案に、一瞬で比呂美の機嫌が回復する。 「うんっ!わかった!メールするね♪」 比呂美の笑顔を見て、自分も嬉しくなる眞一郎。嬉しくないのは二人だ。 「こういう場合、こっちはどうすればいいんだろう?」 「放っておく、でいいんじゃないか?」 朋与と三代吉は、同じやりとりをもう一度繰り返した。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 夕方、眞一郎は校門の辺りで比呂美を待っていた。"あいちゃん"からここ までは、もちろんダッシュだ。 「眞一郎く~ん♪」 にこやかな笑顔の比呂美が、駆け足でこちらへ向ってくる。 「おお!」 眞一郎は軽く手を振る。 「待った?」 「すげぇ待った。待ちくたびれた」 「うっそー!?だって、私はちゃんと時間を計算したよ?」 「ちょっと走ったからな」 「どうして?」 「聞くなっての」 「あははっ♪帰ろっか?眞一郎くん♪」 夕日に照らされて、仲良く並んで自宅へと歩いていく。 長く伸びた二人の影は、もう少しで重なりそうだ。 END -あとがき- もし第1話で比呂美が封印していなかったら…、というお話でした。 あれ?乃絵がモブになってしまった。乃絵好きな方、ごめん。 第1話にして最終回ですね。 <これ以下は、アップ後に追加しました(8話視聴前に書いてます)> このSSの連想シーン=第1話の比呂美登場部分いっぱい テーマ=女らしいけど、女らしくない行動 異母兄妹は?と思いませんでしたか?このSS比呂美がアニメと同じよう に、気持ちを封印してるという解釈が可能です。 それは、眞一郎の女性関係を封印です。意味は同じになりますよね? お遊びなんで。 実は最初は上のストーリーだったのですが、読み返したら比呂美がスト ーカーになってました。なので、細部の入れ替えとオチを変更して封印 なし、という話になりました。最初の構成では比呂美が黒すぎて… 最後の文、"重なりそうだ"としています。"重なるだろう"ではないです。 異母兄妹問題が第1話では未解決なので、表現をあいまいにして余韻を 持たせたつもりです。 "重なるだろう"だと、比呂美が異母兄妹を無視して、眞一郎と結ばれる ことを望んでいる様な意味になるので、こうしました。 日本語、ムツカシイデース。 ありがとうございました。

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