夜店めぐり

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=比呂美が眞一郎と結ばれたアフターストーリーです。 =どうでもいい前置きはすっ飛ばしてもいいですよ。51行目からどうぞ。 夜店めぐり 「しんちゃん! しんちゃん! ちょっと、こっち!」 眞一郎を呼ぶ母の声が響いていた。 近くの神社の祭りの日。大きな祭りではないが、小さな神社に夜店が並び、派 手さはないが近所の人々にとっては夏の楽しみの一つだ。町内会の手伝いとし て、比呂美、眞一郎とその母も参加している。主な担当は迷子などを一時的に 預かる場所の設営だ。三人で仲良く、とはなっていない原因が… 「しんちゃん! しんちゃん! そっち、引っ張って!」 眞一郎を比呂美に取られまいと、必死に指示を飛ばしている母の存在だった。 自分に少しも声を掛けず、独り占めしようとする姿を見て悔しさが募る。 (わ、私が眞一郎くんの恋人なの…) 口には出さず、胸の中で主張している。 (そ、それに周りから見たら、こ…婚約し…って、きゃっ♪) ちょっと暴走している。 (さすがに、まだ先の話だけど…、でも、みんな私を…若奥さ…って♪) 暴走が妄想に変わりつつあった。 (ま、まぁ、でも近い内に眞一郎くんが…って、きゃっ♪) などと、一人で顔を赤くして頬に手をあてていると… 「比呂美? どうした?」 目の前で眞一郎が見ていた。 「えっ!? 」 慌てて声のした方向を見ると… 「顔、真っ赤…、どっか具合でも悪い?」 見当違いの心配をしているが、比呂美にとっては幸いだった。必死に言い訳を 思いつく。 「あっ! ちょ、ちょっと電灯が熱くて…、火照っただけなの…」 頭の近くにスポットライトがあったので、それを言い訳に使った。 「ふーん…、こっちは終わったよ。行こうか?」 具合が悪いわけではなさそうなので安心して、誘った。 「えっ!? どこに?」 まだ、動揺していたので意味がわからなかった。 「夜店」 ちょっと疑っているような口調になる眞一郎。 「あっ、そうか。行こう!」 誤魔化しているつもりの、比呂美。 「本当は違うな? 言ってもらおうかなぁ?」 その後、比呂美は先程考えていたことを話してしまう。それを聞いて顔が真っ 赤になり、眞一郎はこう言った。 「もう…ちょっと…、かな?」 実は自分も同じようなことを考えていたようだった。二人はしばらくそのまま 立っていたが、夜店の呼び込みの声に誘われるように手を繋いで歩いていった。 - - - - - - - - - - - - - <前置きがあって、すみません…> さて、イチャイチャ夜店めぐりタイムの始まりです。 射的ゲームの場合: 「あっ! また外れた~。もうっ!」 比呂美はこれが苦手なようだ。眞一郎は黙ってしばらく見ていたが… 「ふふふん、射的のしんちゃんにまかせなさい」 と、言われたことがないのにアドバイスを始めた。 「もうちょっと…、そう…、うーん…、違うんだなぁ…、こうだって」 「あっ!、ちょっ!」 比呂美の背後から覆いかぶさって、密着。的を狙う。 「そら…、トリガー引いて…」 「うん…」 シュバッ、弾が発射されたが、比呂美は眞一郎の横顔を至近距離で見ている。 当然のように大きくそれて、的には命中しない。 「まだ…、わかんない?」 「うん、全然だめみたい…」 一度体を元に戻し、顔を見ながら撃鉄を起こして準備。眞一郎が弾を込める。 「もう一回?」 「うん…」 またもや、比呂美の背後から覆いかぶさって射撃の準備、密着。今度は視線を お互いの目に設定、見つめ合う。 「はい…、トリガー引いて…」 「うん…」 シュバッ、一応射撃はできているが、狙っていない。体を起こしてからよく見 ると皿に弾が残っていないので、追加する。 「「おじさん、もう一回ね!」」 笑顔を二人で作ったが… 渋い顔でこう返事が返ってきた。 「まだやんのかい? 他の客が来なくて困ってんだけどなー」 金魚すくいの場合: 「あっ! もう少しだったのに~」 比呂美はまたしても苦手だったようだ。眞一郎がまた言った。 「ふふふん、金魚すくいのしんちゃんにまかせなさい」 と、一度も言われたことがないのにアドバイスを始める。 「こうやって持つんだよ…、そうそう。それで…、あー、ちょっと違うなー」 「あっ!、ちょっ!」 今度もわざと比呂美の背後に回って、右手を重ねる。 「ほら…、こうして…、こうして…、それっ!」 「うん…」 サブッ、と掬い上げたが、比呂美は金魚を見ていない。見ているのは間近にあ る眞一郎の横顔。 「あちゃぁ、ちょっと無理だったか…。もう一回する?」 「うん…」 まだ破れていないので、再度挑戦するが… サブッ、今度は紙が破れてしまった。 「「おじさん、もう一回ね!」」 笑顔を二人で作ったが… 渋い顔でこう返事が返ってきた。 「まだやんのかい? 他の客が来なくて困ってんだけどなー」 輪投げの場合: 「あっ! おっしい~っ!」 <途中を省略します> 「「おじさん、もう一回ね!」」 笑顔を二人で作ったが… 渋い顔でこう返事が返ってきた。 「まだやんのかい? 他の客が来なくて困ってんだけどなー」 その後、二人が夜店のゲーム屋に向うと、店主が姿を消す現象が起こった。 「何だかおかしいね?」 「そうだなぁ…。しょうがないから、何か食べようか?」 「うん!」 綿菓子屋を見ながら、相談が決まった。 綿菓子を食べる時: 「じゃあ、反対側から食べよ?」 「おっけー、競争な?」 「いいよ。よーい…、どん!」 はむはむ、と食べ始める二人。ちなみに夜店を離れて、木の陰で人目につかな い場所にいる。棒をお互いの手で重ねて持ち、正面で向き合っている。 「んぐんぐ」 「んぐんぐ」 どんどん綿菓子が無くなっていく。 「あっ!…、ん…」 「ん…」 <お互いに反対側から食べて、無くなるとどうなるか、ご想像下さい> 「ん…」 「ん…」 しばらくそのままにして、綿菓子の味を確かめてから離れた。 「甘いね?」 「そうだな…、甘いな…」 二人の顔は赤かった、暗がりでよく見えないが。 たこ焼きを食べる時: 「はい…、あ…あ~ん…」 さすがにこの頃になると、少しは慣れてきた感じのある"あ~ん"だ。 「はふっ、はふはふ、んぐんぐ、んぐっ…」 「おいし?」 食べる口元を見ながら、比呂美が顔を覗き込む。 「うん…、うまい。食べる?」 「あ~ん♪」 ひょいっ、と食べさせる眞一郎。今度は明るい場所でくっついて座っている。 「はふっ、はふっはふっ、んぐんぐ…」 にこにこしながら食べる比呂美を、眞一郎が優しい目で見守る。お互いに一つ ずつ食べて、無くなると… 「あっ! 眞一郎くん、口元にソース付いてるよ」 「ん? こっち?」 「違ーう、ちょっと待って。そのまま、ね?」 比呂美が顔を近づけて… 「ぺろっ」 <何をどうしたか、お好きなようにご想像ください> 「…」 「…」 さすがに無言になる二人。顔は赤い。そろそろ慣れてもいいんじゃ… 「うーん…、次は何か買おうか?」 先程の出来事を誤魔化すように眞一郎が聞いた。 「何があるかなぁ?」 きょろきょろと、店を見回していると、キラキラ光っている物を発見した。 「ね? あっち行ってみようよ?」 比呂美が眞一郎の手を引っ張っていく。着いたのは、おもちゃ屋だ。 「へぇ~、ほぉ~、こんなんあるんだ~? …ん?」 「…」 一点を見ているので、眞一郎が聞いてみる。 「何? 欲しいのがあったか?」 「…」 比呂美が見ているのは… 「それ…、欲しいか?…」 「うん…」 眞一郎が一つを手に取り、買う。 「おじさん、これね」 「100円ね、まいどーっ! いいもの買ってもらってたねぇ、お譲さん?」 祭りの電灯が二人を照らしている。周囲のざわめきが遠のいていく。 「おれが…、付けようか?…」 既に耳まで赤くなって俯く比呂美に、眞一郎が聞いた。 「うん…」 眞一郎の震える指が、震える左手の"その指"に"ある物"を嵌める。 「働くようになったら…、ちゃんとしたのを…、な?」 「うん…、ありがとう、眞一郎くん…。うれしい…」 こちらも俯いたまま、言った。 うーん、何を買ったんだろうね? END -あとがき- 10話、よかったですね。涙ぐみました。 今回のSSは、今までよりもちょっと踏み込んだ描写です。 ありがとうございました。
=比呂美が眞一郎と結ばれたアフターストーリーです。 =どうでもいい前置きはすっ飛ばしてもいいですよ。51行目からどうぞ。 夜店めぐり 「しんちゃん! しんちゃん! ちょっと、こっち!」 眞一郎を呼ぶ母の声が響いていた。 近くの神社の祭りの日。大きな祭りではないが、小さな神社に夜店が並び、派 手さはないが近所の人々にとっては夏の楽しみの一つだ。町内会の手伝いとし て、比呂美、眞一郎とその母も参加している。主な担当は迷子などを一時的に 預かる場所の設営だ。三人で仲良く、とはなっていない原因が… 「しんちゃん! しんちゃん! そっち、引っ張って!」 眞一郎を比呂美に取られまいと、必死に指示を飛ばしている母の存在だった。 自分に少しも声を掛けず、独り占めしようとする姿を見て悔しさが募る。 (わ、私が眞一郎くんの恋人なの…) 口には出さず、胸の中で主張している。 (そ、それに周りから見たら、こ…婚約し…って、きゃっ♪) ちょっと暴走している。 (さすがに、まだ先の話だけど…、でも、みんな私を…若奥さ…って♪) 暴走が妄想に変わりつつあった。 (ま、まぁ、でも近い内に眞一郎くんが…って、きゃっ♪) などと、一人で顔を赤くして頬に手をあてていると… 「比呂美? どうした?」 目の前で眞一郎が見ていた。 「えっ!? 」 慌てて声のした方向を見ると… 「顔、真っ赤…、どっか具合でも悪い?」 見当違いの心配をしているが、比呂美にとっては幸いだった。必死に言い訳を 思いつく。 「あっ! ちょ、ちょっと電灯が熱くて…、火照っただけなの…」 頭の近くにスポットライトがあったので、それを言い訳に使った。 「ふーん…、こっちは終わったよ。行こうか?」 具合が悪いわけではなさそうなので安心して、誘った。 「えっ!? どこに?」 まだ、動揺していたので意味がわからなかった。 「夜店」 ちょっと疑っているような口調になる眞一郎。 「あっ、そうか。行こう!」 誤魔化しているつもりの、比呂美。 「本当は違うな? 言ってもらおうかなぁ?」 その後、比呂美は先程考えていたことを話してしまう。それを聞いて顔が真っ 赤になり、眞一郎はこう言った。 「もう…ちょっと…、かな?」 実は自分も同じようなことを考えていたようだった。二人はしばらくそのまま 立っていたが、夜店の呼び込みの声に誘われるように手を繋いで歩いていった。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― <前置きがあって、すみません…> さて、イチャイチャ夜店めぐりタイムの始まりです。 射的ゲームの場合: 「あっ! また外れた~。もうっ!」 比呂美はこれが苦手なようだ。眞一郎は黙ってしばらく見ていたが… 「ふふふん、射的のしんちゃんにまかせなさい」 と、言われたことがないのにアドバイスを始めた。 「もうちょっと…、そう…、うーん…、違うんだなぁ…、こうだって」 「あっ!、ちょっ!」 比呂美の背後から覆いかぶさって、密着。的を狙う。 「そら…、トリガー引いて…」 「うん…」 シュバッ、弾が発射されたが、比呂美は眞一郎の横顔を至近距離で見ている。 当然のように大きくそれて、的には命中しない。 「まだ…、わかんない?」 「うん、全然だめみたい…」 一度体を元に戻し、顔を見ながら撃鉄を起こして準備。眞一郎が弾を込める。 「もう一回?」 「うん…」 またもや、比呂美の背後から覆いかぶさって射撃の準備、密着。今度は視線を お互いの目に設定、見つめ合う。 「はい…、トリガー引いて…」 「うん…」 シュバッ、一応射撃はできているが、狙っていない。体を起こしてからよく見 ると皿に弾が残っていないので、追加する。 「「おじさん、もう一回ね!」」 笑顔を二人で作ったが… 渋い顔でこう返事が返ってきた。 「まだやんのかい? 他の客が来なくて困ってんだけどなー」 金魚すくいの場合: 「あっ! もう少しだったのに~」 比呂美はまたしても苦手だったようだ。眞一郎がまた言った。 「ふふふん、金魚すくいのしんちゃんにまかせなさい」 と、一度も言われたことがないのにアドバイスを始める。 「こうやって持つんだよ…、そうそう。それで…、あー、ちょっと違うなー」 「あっ!、ちょっ!」 今度もわざと比呂美の背後に回って、右手を重ねる。 「ほら…、こうして…、こうして…、それっ!」 「うん…」 サブッ、と掬い上げたが、比呂美は金魚を見ていない。見ているのは間近にあ る眞一郎の横顔。 「あちゃぁ、ちょっと無理だったか…。もう一回する?」 「うん…」 まだ破れていないので、再度挑戦するが… サブッ、今度は紙が破れてしまった。 「「おじさん、もう一回ね!」」 笑顔を二人で作ったが… 渋い顔でこう返事が返ってきた。 「まだやんのかい? 他の客が来なくて困ってんだけどなー」 輪投げの場合: 「あっ! おっしい~っ!」 <途中を省略します> 「「おじさん、もう一回ね!」」 笑顔を二人で作ったが… 渋い顔でこう返事が返ってきた。 「まだやんのかい? 他の客が来なくて困ってんだけどなー」 その後、二人が夜店のゲーム屋に向うと、店主が姿を消す現象が起こった。 「何だかおかしいね?」 「そうだなぁ…。しょうがないから、何か食べようか?」 「うん!」 綿菓子屋を見ながら、相談が決まった。 綿菓子を食べる時: 「じゃあ、反対側から食べよ?」 「おっけー、競争な?」 「いいよ。よーい…、どん!」 はむはむ、と食べ始める二人。ちなみに夜店を離れて、木の陰で人目につかな い場所にいる。棒をお互いの手で重ねて持ち、正面で向き合っている。 「んぐんぐ」 「んぐんぐ」 どんどん綿菓子が無くなっていく。 「あっ!…、ん…」 「ん…」 <お互いに反対側から食べて、無くなるとどうなるか、ご想像下さい> 「ん…」 「ん…」 しばらくそのままにして、綿菓子の味を確かめてから離れた。 「甘いね?」 「そうだな…、甘いな…」 二人の顔は赤かった、暗がりでよく見えないが。 たこ焼きを食べる時: 「はい…、あ…あ~ん…」 さすがにこの頃になると、少しは慣れてきた感じのある"あ~ん"だ。 「はふっ、はふはふ、んぐんぐ、んぐっ…」 「おいし?」 食べる口元を見ながら、比呂美が顔を覗き込む。 「うん…、うまい。食べる?」 「あ~ん♪」 ひょいっ、と食べさせる眞一郎。今度は明るい場所でくっついて座っている。 「はふっ、はふっはふっ、んぐんぐ…」 にこにこしながら食べる比呂美を、眞一郎が優しい目で見守る。お互いに一つ ずつ食べて、無くなると… 「あっ! 眞一郎くん、口元にソース付いてるよ」 「ん? こっち?」 「違ーう、ちょっと待って。そのまま、ね?」 比呂美が顔を近づけて… 「ぺろっ」 <何をどうしたか、お好きなようにご想像ください> 「…」 「…」 さすがに無言になる二人。顔は赤い。そろそろ慣れてもいいんじゃ… 「うーん…、次は何か買おうか?」 先程の出来事を誤魔化すように眞一郎が聞いた。 「何があるかなぁ?」 きょろきょろと、店を見回していると、キラキラ光っている物を発見した。 「ね? あっち行ってみようよ?」 比呂美が眞一郎の手を引っ張っていく。着いたのは、おもちゃ屋だ。 「へぇ~、ほぉ~、こんなんあるんだ~? …ん?」 「…」 一点を見ているので、眞一郎が聞いてみる。 「何? 欲しいのがあったか?」 「…」 比呂美が見ているのは… 「それ…、欲しいか?…」 「うん…」 眞一郎が一つを手に取り、買う。 「おじさん、これね」 「100円ね、まいどーっ! いいもの買ってもらってたねぇ、お譲さん?」 祭りの電灯が二人を照らしている。周囲のざわめきが遠のいていく。 「おれが…、付けようか?…」 既に耳まで赤くなって俯く比呂美に、眞一郎が聞いた。 「うん…」 眞一郎の震える指が、震える左手の"その指"に"ある物"を嵌める。 「働くようになったら…、ちゃんとしたのを…、な?」 「うん…、ありがとう、眞一郎くん…。うれしい…」 こちらも俯いたまま、言った。 うーん、何を買ったんだろうね? END -あとがき- 10話、よかったですね。涙ぐみました。 今回のSSは、今までよりもちょっと踏み込んだ描写です。 ありがとうございました。

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