思い出の交換


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=比呂美と眞一郎が結ばれた後の話です
=妄想が暴走してます、ご注意を

思い出の交換

夏も近づいたある日。眞一郎の部屋で二人が話している。
「そろそろ暑くなってくるかなぁ…」
「うん、そうだねぇ…」
だらけきって、ベッドに寝転んでいた。この日は特にすることもなく、昼食を
食べてからのんびりしている。予定を立てていたのだが、何となくだらけてし
まう日というものもあるものだ。
「そう言えば、比呂美の髪って、長いよな?」
「どうかしたの?」
実はこの質問にどきっとしていたが、平静を装っている。眞一郎がいつ聞いて
くるか、いつ疑問に思うか、待っていた。
「大変だろ? 洗ったり、乾かしたり。これから暑くなるぞ」
「うん、面倒だよ。トリートメントなんて、無くなるの早いし」
比呂美の心臓はどきどきとしている。バレないか不安になってきた。顔も赤く
なっていることが自分でも分かる。
「う~ん、短くすることも考えたこと、あるのか?」
そんな様子に気付かない眞一郎は、天井を見たまま会話を続けている。
「うん…、考えなくもなかったけど…」
いよいよ質問が核心に近づき、心臓の鼓動が痛い。声が小さくなった。
「切るのがイヤとか?」
「そ、そんなことはないけど…」
さらに声が小さくなる。眞一郎が体を起こして顔を覗き込んだ。
「イヤなら別に…って、何で真っ赤な顔なんだよ?」
比呂美の顔は、耳まで赤かった。髪の毛の話題で赤くなる理由が思いつかない。
「「…」」
見詰め合ったまま無言。しばらくすると、比呂美が口を開く。
「し、知りたい…の?」
「あ…うん…」
熱が移ったかのように、眞一郎の顔も赤くなっていた。
「あ、あのね?」
「うん…」
「あのね?」
「…」
「□□□□□□□□□切ってないの…」<あとがきでクイズにします>
思い切って、比呂美が言った。
「…」
何も言えない眞一郎。
「それまでは…って、思ったの…」
「ふ~ん?」
何故か眞一郎がにやり、と笑う。
「む? なぁに? その反応? 嬉しくないんだ…。どうして?」
期待していた答えではなかったので、比呂美の機嫌が悪くなってきた。体を起
こして睨む。
「…」
本気で怒っているような表情を見て、謝るのかと思いきや、眞一郎は笑顔を崩
さない。
「比呂美? 怒るのは早いと思うけどな」
「怒って当たり前でしょ!? 変だよ、眞一郎くん!」
そんな比呂美をそのままにして、自分の机に向う。引き出しを開けた。
「ちょっと! 話まだ終わってないよ!」
背中に大きな声をぶつけた。
「お、あった。あった」
「何よ!」
怒りは収まらない。大切にしている事を侮辱された、そう思っていた。
「これ、中を見てみな?」
古ぼけた新聞紙に包まれたものを渡す。
「何よ! こんなの! こんなの関係ないじゃない! 私は眞一郎くんの態度に
 怒ってるの!」
「いいから。見てから言わないと、後悔するぞぉ?」
眞一郎はますます笑顔になっていた。
「イヤよ!」
「俺を信じると思って、な?」
優しい声でお願いする態度。
「…」
怒ったフリの時の様な頬を膨らませることもなく、本気で怒っていた比呂美は、
無言で新聞紙に包まれた"何か"を見た。
「…」
それを見て、言葉を失った。
「ま、そういうこと…」
今度は、眞一郎が真っ赤な顔で思いっきり照れている。
「…」
比呂美は言葉に出来ないほどの喜びを感じて、その"何か"を見ている。次第に
体が小刻みに震え始めた。
ぽっ…ぽっ…。
「比呂美?」
「うっ…、ぐすっ…ううぅ…」
どうやら泣いているらしい。
「比呂美って、ほんとによく泣くよなぁ…」
「ううぅ…、ううぅっ!…」
ついっと指先で頬を撫でられ、声に出して泣き始めた。
「はい」
「うっ…ううぅ…」
ティッシュを渡されて涙を拭いている。
「泣き止んでくれないかなぁ?」
「ううぅ…」
比呂美は眞一郎の顔を見ることもできなかった。泣きながら、いつになったら
切るつもりだったかも話した。一人は泣いていて、一人は照れている。
何とも対照的だが不思議と和やかな雰囲気が漂っていた。

「落ち着いた?」
「うん…」
まだ少し目が赤いが、視線を合わせて笑顔を見せる。
「どお?」
「すっごく、嬉しいよ!」
「俺も嬉しかったけど…、からかってごめんな?。怒って後悔した?」
「しない、嬉しいから」
「ちぇ、もっと違う反応が良かった」
「だって、しょうがないと思うけどな?」
「まあ、引き分け?」
「う~ん、そうだね。うん、引き分け」
さっきまで大泣きしていた比呂美は、満面の笑顔で答える。
「よく泣くよなぁ、比呂美って」
「知らないと思うけど、私はめったなことでは泣かないよ?」
「いや、頻繁に泣いてると思う」
「眞一郎くんだけなの…、私を泣かせるのは…」
「「…」」
しばらく無言の時間。
「え~と、ごめんな?」
様々なことを思い出して、眞一郎は謝るが、
「ううん、いいの。謝ることじゃないよ。最近は嬉しいことばっかりだし」
比呂美にとってはそれもいい思い出だった。しかも、それからは自分だけを見
てくれることで、楽しいことが多かった。それなりに大変な事もあったが、泣
くことはない。"絆"という言葉が最近ではお気に入りだ。
「と、ところで。髪の毛、まだ伸ばすのか?」
照れくささを誤魔化すように話題を変えてきた。
「どうしようかなぁ? 眞一郎くんは長い方がいいの?」
やはり気になるのは好みだ。ショートカットがいいと言われたら…
「うん、比呂美には長い髪が似合うと思うな。うん、長い方がいい」
「そ、そお? 似合うんだ…」
「でも、ずっと前みたいな長さでもいいかもな」
「う、うん…」
「もう好きな髪型にしてもいいんじゃないか?」
「う、うん…」
「…」
比呂美が"髪の毛を切っていなかった理由"を思い出して、また照れている。
「じゃ、じゃあ。"これ"と切った髪を交換する?」
まだ手に持っている"何か"を握り締めて提案してみた。
「あ、うん」
「…」
提案した本人が照れていた。暖かで優しい空気が黙り込んだ二人を包む。

「えっ!、俺が切るのかよ?」
「うん、後で美容院行ってくるから、ね?」
比呂美の断髪式が行われた後、眞一郎は切った髪を大切に箱へしまった。

END

-あとがき-
最終回用の小ネタでした。
書く時間なくて短いし、描写不足多いですがご容赦下さい。

さて、ここでクイズです。
この話の中では、二人が"切った髪"と"何か"を交換しました。
Q1:比呂美がいつから伸ばしていたか?□の台詞を考えてください。□と文
  字数は一致しません。
「□□□□□□□□□、切ってないの…」

Q2:比呂美が髪を切らなかった理由は?

Q3:眞一郎の机の引き出しにあった、"何か"とは?


答えは、下にあります。スクロールして下さい。






























































A1:小さい頃二人でお祭りに行った日から
A2:眞一郎に告白する日まで、切らないことにした。
A3:小さい頃に比呂美がなくした、あの下駄の片方
   →お祭りの後、眞一郎が必死で探して見つけたってことで
正解しましたか? ベタな答えで申し訳ない…。

 ありがとうございました。
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