true MAMAN もしよかったらだけど


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true MAMAN もしよかったらだけど


今回もママン視点ではありませんが本編です
ママン視点で書いてみたら思ったほど明るくならなかったので書き直しました
時期的には最終話で眞一郎と比呂美がやっと結ばれた直後位、まだ比呂美とママンの関係が少し固いです

「はい。じゃあそういう事で。すいません、よろしくお願いします」
 比呂美は電話を切り、大きく息をついた。電話をかける前よりも身体が重い。
 熱があるのだ。
(もう随分長いこと風邪なんてひかなかったのに・・・)
 少なくとも仲上家に引き取られてからは初めてのはずだ。
 仲上の家を離れて、一人で暮らし始めた。眞一郎と兄弟でない事もはっきりした。そして、なによりも、眞一郎から告白
された。ずっと隣にいてくれると言ってくれた。
 何もかもが、1年半前とは違っていた。何もかもがあまりにも上手く行き過ぎて、気が緩んだのだろうか?
(仲上の家には連絡した方がいいかしら?)
 おばさんに、ではなく、仲上の家に、と考えている点が、比呂美の心理状態を表わしているだろう。あの一件以来理恵子
は親身になってくれるし、自分を気遣ってくれている事はわかるが、それでもまだ気持ちを割り切る事が出来なかった。素
直にあの人の世話になりたくないという思いが、どこかに残っていた。
(でも、学校を休む事は、連絡しておいたいいか)
 更に重くなった腕を持ち上げて、もう一度電話をかける。
「はい、仲上酒造です」
「あの、比呂美です」
「あら、なにかあったの?」
「いえ、ちょっと風邪を引いたみたいで、それで、学校も今日休むので、そのことをご報告しようと思って」
「あら、熱はあるの?お薬はある?お医者様には行けるかしら?」
「大丈夫です。今日一日寝ていれば治ると思いますから」
 そう言って電話を切ったものの、身体は更に重く、意識もはっきりしなくなってきた。
(これは、ちょっと、まずいかも・・・・・)
 何も食べてないが、食欲もない。眞一郎なら合鍵を持っているから、学校が終われば見舞いに来てくれるだろう。迷惑を
かけることになるが、そしたらお粥のレトルトでも買ってきてもらおう。
 この体調だとロフトに上るのも辛い。
 何とか布団の中に潜り込み、身体を伸ばすと、そのまま気を失うように眠りに落ちていった。

夢を見ていた。
 子供の頃、比呂美が熱を出すと、比呂美の母は仕事を休んで看病してくれた。氷枕を用意し、額には冷たいタオルを乗
せ、ジュースを飲ませてくれたりお粥を食べさせてくれたりしてくれた。たまには病気も悪くないと思った。
 場面が変わり、夢の中の比呂美は16歳になっていた。独りで暗い部屋で寝ている自分を、上から見下ろしていた。
(幽体離脱・・・・?)
 そんな単語が出てきた。
 そこに母親が出てきた。
 母親はかつてそうしてくれたように額に手をあて、暖かいタオルで顔の汗を拭いてくれた。
 そしてもう自分とほとんど変わらない大きさの比呂美を抱き起こし、パジャマを脱がせて身体を拭いた。パジャマも着替え
させてくれたが、下着まで脱がしてくれるのはさすがに恥ずかしかった。
 それからスポーツドリンクのボトルにストローを挿し、比呂美に飲ませると、氷枕と濡れタオルで頭を上下から冷やしてくれ
た。昔通りだ。
 夢の中とはいえ母親に看病して貰えたからだろう、身体が楽になった気がした。それとともに意識が下で寝ている肉体に
戻っていくような感覚があった。比呂美は夢の中の母親に向かって礼を言った。
「ありがとう、お母さん」


 その後も何度か夢と現の間を彷徨った。だが、今日はいつも傍らに母親を感じていた。比呂美は全ての不安から守られていた。

 目を覚まし、天井を見てみた。目が回る感覚はない。
 身体を起してみた。大分熱も下がったようだ。時計を見ると、翌日の昼になっていた。24時間以上寝ていた事になる。
 時計を置いた時、違和感に気付いた。何かが違う。
 それがパジャマが昨日と違うせいだと気付いた時、比呂美は反射的に枕を見た。氷枕が置いてある。
「嘘。あれ、夢じゃない?でも、一体・・・・?」
 合鍵は眞一郎にしか渡していない。鍵は間違いなく掛けてあった。
つまり、部屋に入れるのは・・・・・。
「し、眞一郎くん!?え、あ、やだっ!見られちゃった!?どうしよう!!」
 熱とは別のパニックに陥っていると、鍵を開ける音が聞こえた。
 扉から入ってきたのは――理恵子だった。
「あら、起きてたの。具合はどうかしら?」
「おばさん・・・・・?どうして・・・・」
「お腹空いてるでしょう?待っててね、今お粥作るから」
「ありがとう・・・・ごさいます・・・・でも・・・・」
「比呂美ちゃん、もしよかったらだけど、合鍵を私にも預からせてもらえるかしら?毎回眞ちゃんから借りるのも、悪い気
がするし」
 ・・・・・バレテた。
 やっぱり私、この人は苦手だ。比呂美はそう思った。

                       了

お気づきの通り、ママンは看病に泊り込んでます。
比呂美はそこまで気付いていませんが
個人的に、ですが同居中の冷戦時代にこれくらいの高熱を出したらママンは看病したと思います。
行き過ぎた嫌い方をしていますが、本質的に他人の不幸を見過ごす人ではないと思います

 

384 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/08(火) 15:12:48 ID:xySOaAgi
冷たいけど、情に薄いわけではないからな


385 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/08(火) 15:15:46 ID:ZRgAgKkI
いいね。病気ネタGJGJ
一人目さんの病気ネタは眞一郎が看病してたけど、俺はこっちもすきだ
http://www39.atwiki.jp/true_tears/pages/102.html


386 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/08(火) 15:27:32 ID:yuAp4pC7
>>385
いいなこれ
ママンでやると、比呂美がほぼ意識不明なせいもあって描写が痛々しくなりすぎたんだよな
そのうちママンサイドからリファインに挑戦してみようか


401 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/08(火) 17:35:00 ID:9YtCeVjK
>>295のSSといい比呂美と比ママンネタをかぶせると思わず目がウルっとくるな…
比呂美が眞ママンに「ありがとう、お母さん」と言うシーン感動したわ


295 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/08(火) 01:08:17 ID:JdhciNyj
>>282
一人目さんのSSでそういうのあったな
http://www39.atwiki.jp/true_tears/pages/30.html
一人目さんの中では毛色が違うやつだけど、俺はこれが一番好きなんだよね


402 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/08(火) 17:40:30 ID:pf7XT4uC
>>385>>383
病気の比呂美を看病するってシュチュエーションはいいね。病気で弱ってる女の子
って萌えるよな。なんか。


403 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/08(火) 17:56:17 ID:ZRgAgKkI
しかし、紹介された過去SSの閲覧数がどんどんあがるのは面白いな
一人目さんの墓参りのも看病のも、昨日までは全然だったのに、今日はいきなりランキング入りだからな
みんな意外と全部見てないのかな?
過去の作品でもいいのはどんどん紹介して、再び評価していくべき!


404 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/08(火) 18:01:21 ID:+BDdvbOz
さすがに結構な数あるしな

紹介するのはいいが数字が出るから、
紹介されなかった他のSSの作者のモチベがどうなるか


405 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/08(火) 18:05:11 ID:1W+BpEwv
いままでの人気ページを見ると、SS作家さんはまんべんなく入っていそう

その前にここにアドレスを張られると、踏んでしまうんだよな
読んでいるか読んでいないかは別にして


406 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/08(火) 18:10:51 ID:IUMPrq3z
一人目さんのは短いやつでも斜め読みせずに
ゆっくりイメージしながら読むと味がでてくる。
視点が優しいんだな
http://www39.atwiki.jp/true_tears/pages/39.html
これのあとがきとか読むと気がつかなかった点とかあって感心した

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