本当のキス


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6つ目SSです付き合ってから数日後のお話


        本当のキス



「はぁ」
私は思わずため息をついた
今日は部活が休みになりいつもより早い帰宅となった
私が気が落ちてる理由
それはまだ眞一郎くんからのキスが無いからである
あの時のプロポーズみたいな告白を受けて二人の想いが確実なものだと自信を持って言える
でも…欲しい眞一郎くんからのキス

「あれ?湯浅じゃん
 眞一郎と一緒じゃないの?」
名前を呼ばれてハッとして前を見ると眞一郎くんの親友の野伏君がいた
周りを見渡すと『あいちゃん』の看板がある
考え事をしていて自然とここに足が向いたのだろうか?
(そうだ、愛ちゃんに相談しよう)

「野伏君の方こそ店前でどうしたの?
愛ちゃんを待ってるの?」
と聞いて

「まぁね学校が違うからたまに待ってる時もあるんだ
 おかげで開店時間が遅れるけど
 それより愛ちゃんになんか用か?
 もうそろそろだと思うけど」
と野伏君は気兼ねなく答えてくれた
そんな他愛もない会話をしてると息を切らせつつ走ってくる愛ちゃんの姿が見えてきた

「はぁはぁ
 三代吉ごめ~ん今開けるね
 ってあれ?今日は珍しいわね比呂美ちゃんが私の店に来るなんて
 部活は休み?眞一郎と一緒に来ればいいのに」
と店の扉を開けながら私の来店を歓迎してくれた

「なんでも愛ちゃんに用なんだと
う~寒い寒い早く中に入ろ入ろ」
会話が切れたのを見計らって野伏君は私がここに来た事を愛ちゃんに伝えた

「ふ~ん…眞一郎の事で相談でしょ?
さ、入った入った何でも聞いてあげるよ」
私の顔を見て私の悩みを見抜き悩みを軽くするように明るく言った
え?とした私の顔を察したのか

「何年比呂美ちゃんと眞一郎の幼馴染をやってると思ってるの?
 顔に書いてあるわよ
 さ、入った入ったまだ開店前だから好きな所に座って
 何か飲む?っと言っても洒落た飲み物は無いけど」

(愛ちゃんには敵わないなぁ)
そう思いつつ私は促される様にカウンターの真ん中の椅子に座った
それを見ていた野伏君と愛ちゃんは
「愛ちゃん、俺は外に出てるわ」
「うん、そうして」
と短いやり取りをして私を気遣ってくれた

「羨ましいなぁ
 お互い判り合えているんだ」

「私たちの事はいいから
 で、眞一郎絡みでの相談は何?
 告白されてOKしたから
 何も問題は無いと思ってたけど」
 愛ちゃんは私の言葉に少し照れつつも本題に入る
 私は意を決して飾らずに悩みを告げる

「眞一郎くんからまだ…キスしてくれないの」
その言葉を聞いて愛ちゃんが一瞬悲しい顔になったような気がした
しかし、それを感じさせないかの様に私の言葉に答えてくれた

「眞一郎も成長したと思ったけど相変わらずね
 でも無理は無いと思うよ乃絵ちゃんをの関係を清算したからって
 すぐ比呂美ちゃんとイチャつくのは眞一郎からしたら許せないだろうし
 律儀というか真面目というか…
 ま、そこが良いところなんだけどね」

そこは私も理解している
石動さんが骨折したのもあるかもしれない
その事に対しては私も負い目がある石動さんのお兄さんは関係ないと言ってはいたけど…
それに私が好きになった眞一郎くんはそんなに簡単に割り切れる人じゃない
不器用だけど誠意があってその人の為に動くそれが災いして私はいろいろ誤解したけど…
思い当たる事をいろいろ頭の中で整理している私を気にせずに愛ちゃんの言葉は続く

「それにね、お互い『キスをしたい』と思わないと
 本当のキスにはならないと思うの」

身に覚えがある
あの時私からキスをしても思っていたより感動がなかった
眞一郎くんの心に石動さんがいると逆に感じたほどに…
愛ちゃんは私の顔をチラチラ見ながら

「私も一方的にキスしたことがあるの
 その…眞一郎に」

耳を疑った
愛ちゃんが眞一郎くんにキスをした…私が最初では無かった
でも何故か前のような動揺は無かった眞一郎くんの告白がそれほど私を安心させてるのかもしれない

「でもね眞一郎はどう言ったと思う?
 『ごめん、愛ちゃんをそういう風に見ていなかった忘れるから』って言ったのよ
 失礼しちゃうわね、ははは
 ま、そういう経験があるから
 比呂美ちゃんなら眞一郎と『本当のキス』ができるよ」

(愛ちゃんも眞一郎くんのことやっぱり好きだったんだ
 それなのに私達を応援してくれるなんて
 愛ちゃんには本当に敵わないな)
そう思ってるのを察してか

「でももう私は眞一郎から卒業したから
 それに私には三代吉がいるから」
と愛ちゃんは言う
その姿はとっても誇らしく見えた
私の相談が終わったのを見計らったかのように野伏君が外から帰ってきて

「もう終わったかな?
 愛ちゃん、店の準備始めようぜ
 あ、そうそう眞一郎からさっき電話あって湯浅に伝言あるんだった
 『あの場所』で待ってるってさ
 いいねぇ二人だけの秘密の場所があるって」

何バカなこと言ってるのよと愛ちゃんがツッコミを入れ私に

「早く行きなさいそして貰ってきなさい『本当のキス』を眞一郎から」
ポンと私の背中を軽く押し店から出した
(ありがとう愛ちゃん)
押された力は軽かったがとても力強く感じた
そして私は駆けていく『あの場所』へ
一分でも一秒でも早く着きたいそして貰いたい
眞一郎くんからの本当のキスを



終わり

最後まで読んでくれてありがとう
13話終わってようやく書けましたいい終わり方だけに書くのを躊躇いました
一応補足として外では三代吉が眞一郎に電話して比呂美が悩んでるぞみたいな事言って
眞一郎がようやく気付いて伝言を頼んでます
ちゃんとして無いじゃんと言うツッコミは無しでお願いします
あの場所は言うまでもあの場所です
わかりますよね?
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