ゆっくりと


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7つ目SS前回の「本当のキス」の後の話

        ゆっくりと



私があの場所に着いた時
眞一郎くんはまた気付けなくてゴメンと言って私に謝ってキスをしてくれた
眞一郎くんの話だと
野伏君が私と愛ちゃんと相談してる時
外で眞一郎くんに私が何か悩んでる事を電話していたそうだ
その話を聞いて私は眞一郎くんを求めたあの時の事を思い出してしまった
(また私、焦ってたのかなぁ)
キスの後、私と眞一郎くんとアパートにくつろいでいた
私は二人分のコーヒーを注ぎテーブルに運んできた時
眞一郎くんそわそわしながら不意に口を開いた
「なぁ比呂美…俺達恋人同士に…なったんだよな」
「う、うん」

『恋人同士』という言葉に反応したのかお互い照れてしまい向き合えなくなってしまう
チラチラとお互いの顔を見る
眞一郎くんの顔が赤く染まる
きっと私も恥ずかしいくらい赤くなってる
しばらく無言になる
眞一郎くんがその状態を破るようにぎこちなく私に話しかける
「だから…もっと実感したいんだ…
そ、その…ひ、比呂美を抱きたい」

予想しなかった言葉だった
眞一郎くんが私を求めてきた

【眞一郎くんと心も体も一つになりたい】

確かに私の奥底にはその欲求はある
…いいよ、と言えるはずなのに言えない
何か違和感を感じる眞一郎くんらしくない
なにかあの時の私と似てる
そんな私の考えを知らずに眞一郎くんはさらに言葉で迫ってくる
「ひ、比呂美はどうなんだ?あまりにも急だから嫌か?
そ、そうだよな心の準備ってものがあるもんな」

今度はさっきとは逆にお互い見合って一言も話せなくなっている
だた、お互いの胸の鼓動が早くそして大きく聞こえるような長い沈黙が続いたような感覚
その時間を私の携帯が破る
「あ!携帯が鳴ってる朋与からだ出ないと」

眞一郎くんに逃げるように私は携帯を取り電話に出た

「あ、朋与何か用?」
『たいした用でもないけど最近元気なさそうだったからさ
部活も久しぶりに休みだったから元気付けるのを兼ねて一緒に寄り道しながら帰ろう
と誘おうと思ったらもういなかったし』
「そうだったの心配かけてごめんね朋与
私は大丈夫だから」

私が眞一郎くんの事で落ち込んでいた事に気付いていたみたいだ
(ありがとう朋与)
『またあのバカの事で悩んでたの?前から言おうと思ってたけどさ
比呂美が仲上君のこと好きなの隠してるみたいけど思いっきりバレバレだから
4番とも終わってるんだからいい加減告白したら?
この前の祭で花形やってるから仲上君に人気出てるわよ』

私は朋与が眞一郎くんと私の事をからかっていたのでうっかり
「うん、それももう大丈夫だから」
『え?それどういう意味?』
「あ、ば、晩御飯作ってる途中だからもう切るね」
『ちょっとちゃんと言いなさ…』
私は強引に強い口調で追求する朋与からの電話を切った
(しまったこの分だと明日から追求されるなぁ)

そんな事を思いつつ私はさっきまでの息が詰まるような時間から開放され冷静になれた
「ごめんね眞一郎くんせっかく勇気を出して私を求めてくれたのに」
少し照れつつ私は謝ると

「俺の方もごめんさっきの電話で目が覚めた
『らしく』ないこと言ってしまって」
黒部さんに感謝だなと付けたし私に謝ってきた
普段の眞一郎くんに戻って私はホッとした
お互いまた見合ってしまうでもさっきのような照れや息苦しさはなかった
そして二人同時に
「ふっふふふ」
と笑ってしまう
「俺達お互い同じことやってるな」
と眞一郎くんが言って私は
「うん、本当だよねもう焦らなくてもいいのにね」
と言ってまたお互い笑ってしまう
可笑しくとも二人の心の中にはお互いが居るのが改めて感じられた
そして少しお互い落ち着いてから眞一郎くんが
「俺、比呂美の事知ってる様でいて知らない事が多いんだな」
「うん、私も眞一郎くんの事知らない事多いよ絵本作家目指していたって事最近知ったし」
と私も同じ事を話す

「だからさ」
「だからね」
また二人同時に言葉が重なり無言になる
でもきっと考えてる事は同じ
「ねぇ一緒に言わない?」
私は少し意地悪に問いかけ眞一郎くんはいいよと答えてくれた
「「せ~の」」
「「お互いもっと知っていこう」」
「同じだな」
「うん、同じだね」
「また比呂美を待たせる事になるけど言いたい事はちゃんと言ってくれ俺、鈍いからさ」
「ううん、私ももっと眞一郎くんを見ていたい知りたい、いい所も悪い所も
だから私の悪い所も見て言ってほしいの」
お互い信じられるから言える台詞
(もう嘘を吐かなくてもいい)
そう思うと自然と涙が流れてくる
それに気付いた眞一郎くんは頭を掻きながら

「俺また比呂美を泣かせているな」
「本当そうだよねでもこれは嬉し涙だからいいよ」
と言って笑顔で返した
そして眞一郎くんは意を決した顔で

「じゃあ俺から言うか
実はさ比呂美がアイツと付き合ってた時
比呂美にとても悪い事したって悔やんでいたんだ
アイツに対しても嫉妬もしていた」
格好悪いよなと付けたし少し辛そうな顔しながらも眞一郎くんは私に話してくれた
「ううん、私も眞一郎くんと石動さんと付き合ってた時
私も石動さんに嫉妬してたからお相子だよ」
と私もその時思ってた事をさらけ出した
「ねえ一つ聞いてもいい?」
私は前から思っていた疑問を眞一郎くんに尋ねた
「石動さんとの付き合いって契約があったからなの?」
その問いに眞一郎くんは
「それは違うよ乃絵の気持ちを知ったきっかけは契約持ち出された時だけど
そんなのを関係無しで付き合った
でも心の奥には比呂美がいた乃絵はそれに気付いてたみたいだ
それでも乃絵にちゃんとする時はとても辛かった
もうあんな思いはしたくない」

その答えに私はしっかりと受け止め
「うん私が好きになった眞一郎くんだ
契約とかそういった事は嫌いそうだもん
そして私の為に辛い選択してくれた
もう一つ質問していい?
石動さんのどういったところに惹かれたのか教えてくれない?」
ちょっと意地悪だなと思いながら言ってしまう
眞一郎くんは嫌な顔をせず話してくれた
「損得なしで俺を見てくれいた踊りも絵本も
そして自信を持つことが出来た
あと比呂美と向き合い告白する勇気も」

私はちょっと悔しいと思いながら
「そうなんだちょっと悔しいなぁでも石動さんって本当に凄いと思う
もし石動さんとの出会いが無かったらきっとあのままだったと思う」
心からそう思うきっと待ってるだけでそのまま新たな一歩すら踏む出せなかった
でも今は眞一郎くんと信じ合えるし愛し合える
一歩また一歩とゆっくりお互いを理解しながら
眞一郎くんがふと時計を見て
「あれもうこんな時間か
おふくろに比呂美の所に寄るって言ってないからそろそろ帰るよ」
「うん、また今度時間がある時に来てね待ってるから」
と私は名残惜しそうに眞一郎を玄関に促した
眞一郎くんが玄関で靴を履いた時眞一郎くんが
「今度の日曜は空いてるか?デートしないか」
と誘って来てくれた
あまりにも不意だったのでぎこちなく
「う、うん大丈夫だよどこ行くかは眞一郎にお任せするね」
と答え、眞一郎くんは
「あまり期待するなよこういったのは不慣れだからさ」
と照れながら答えた
「うん、でも期待しちゃうね」
と私は少し意地悪に言った
「ははは参ったな
そろそろ帰るよ、とその前に」
と眞一郎くんは私に近づき抱きしめ唇を重ねてきた
私も抵抗せず受け入れる
「今はこれが精一杯だ
この先をいつになるかわからないけど待っててくれ」
眞一郎くんは顔を赤くさせつつ言い
「うん、待ってる
そして私も眞一郎くんの事をよく知るようにがんばるね」
と私も顔を赤くさせて言う
私は眞一郎くんを階段前まで送り
ゆっくり知っていこうと心に誓い眞一郎くんの帰りを見送った


終わり



おまけ
比「野伏君この前はありがとう」
三「え?何のこと?」
比「眞一郎くんに私が悩んでる事を察して電話してくれた事」
三「あのバカ俺が教えた事あれだけ話すなって言ったのに
  ま、眞一郎らしいと言えば眞一郎らしいか」
比「ええ、そんなところが好きなんです」
三「湯浅から惚気が聞けるとはセッティングした甲斐があるってモンだな
  今度は俺と愛ちゃんの惚気を二人に聞かせれるようにしないと」



最後まで読んでくれてありがとう
本当は話を続けるつもり無かったのですが考えてるうちになってしまいました
一応個人的には二人は卒業まではキス止まりかなと思ってます
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