比呂美のバイト その9


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【…怒らなかったんですか?】 比呂美のバイト その9


「ずっと秘めてきた湯浅君の気持ちを知って、主人は随分悩んだわ。
…でも最後は別れて湯浅君の背中を押した。彼女を返してあげたの
ね」
 返したって…。何、それ。モノみたいに。
 比呂美は、眞一郎が4番との取引の対象として自分を扱った事を
思い出していた。口には出さないが、それは眞一郎との間に残る、
大きなしこりだった。
「母にとって、父は何だったんですか」
 では、父と母の愛は幻想だったと言うのか。比呂美の声に隠しき
れない険が混ざる。大切な思い出が壊れてしまいそうで怖かった。
「彼女は華やかな人だった。湯浅君は地味でね。二人が結婚すると
聞いて皆驚いたものよ。でもね」
 理恵子はそこで一旦言葉を切った。比呂美は黙って続きを待って
いる。
「湯浅君は、彼女が別の人とつきあっている時でさえ、いつも相談
に乗り、励まして。ずっと彼女を支え続けていたの。自分の気持ち
は全然出さないままで。だから私は不思議には思わなかったわ」
「…。」
「良い夫婦だったわよ」
 理恵子ははっきりと言った。
(優しい人だった…。いつも私を見守ってくれて。いつも助けてく
れて)
 懐かしそうに愛おしそうに、だが少し寂しそうに。父の話をして
いる母の姿は、比呂美の中にあった。それは壊さなくて良かったら
しい。
「信じていいんですね…?」
「あなたが信じてあげなくて、どうするの」
 理恵子は少し怒ったような口調を作ってみせた。その気遣いが、
今の比呂美には少しだけ心地よかった。

                 ◇

     「恋人を諦めて、親父はそれで良かったのか?」
      湯浅の父は、比呂美の母を一度は諦めた。そして自分の父も、比
     呂美の母を諦めたという。
     (なんだよそれ…)
      そうやって勝手に諦め、身を引いてしまう男の姿は、全く他人事
     とは思えなかった。ありえたはずの自分の姿だった。
     「湯浅は…。あの夫妻は、大事な友だった」
      淡々とした口調に混ざるわずかな成分が、父の複雑な心情を示し
     ていた。
     「あいつは奥さんと娘を心から愛していた。…良かったんだよ」
     (じゃあ、父さんのためにはそれで良かったのかよ)
      眞一郎の疑問は、口にのぼる事はなかった。
      比呂美を勝手にあきらめかけ、勝手に他人に押し付けようとした
     彼にとって、その疑問は鏡に向かって語り、自分の胸をえぐるよう
     なものだったのだ。

                 ◇

 どことも知れぬ方向を行く車の中に、音楽は流れていない。もち
ろんラジオもかかっていない。
 そんなもの聞く気にもなれない。それは理恵子にとっても同じな
のだろう。
 だから沈黙が横たわっている。ロードノイズと、流れる夜の街の
灯がなければ、やりきれないほどの沈黙だった。
「あの…」
 勇気を出して、比呂美は本題に入った。
「私のお母さんは、不倫していたんでしょうか…」

 兄妹疑惑を聞かされた時、比呂美は驚き、ショックを受けた。
 だが、言われてみれば思い当たる節があった。母と仲上ヒロシの
間に、ただの知り合いという以上の感情の流れがある事には、気付
いていたから。その事を"お父さんとお母さんの親友"として受け取
っていただけなのだ。
 だから、そういう視点で思い返してみれば、不倫という可能性も
否定はできないとは思えた。だから比呂美は兄妹疑惑を信じたのだ。
「不倫、か…。何を不倫と言ったらいいのか、もうわからなくなっ
てしまったわ」
 気怠そうな理恵子の答えは、直接的ではなかった。

「おばさん」
 ごまかすような答えを返した理恵子の横顔を、比呂美は軽く睨ん
だ。
 …必死だった。こんな所でボカされても何も解決しない。どうし
ても事実を知りたかった。事実を知らなければ前に進めない。知ら
なければならなかった。
「ごめんなさいね。ベッドを共にしたかという話なら、湯浅君が亡
くなった後に」
 結婚前に恋人同士だったならばそう飛躍した話ではない。
 …とは思っても、自分の母の不倫という話は軽く受け止められる
ものではなかった。
 まだ16歳で、そういった経験のない少女には、"親のセックス"と
いう話はただでさえ受け入れにくい。
 少し、身体が震えた。

                 ◇

     「なんでそんな事を…」
      眞一郎は、怒気どころか、体の力までが抜けていく気がしていた。
      煙たく思いながら尊敬もしていた、父親のイメージが壊れていく。
      しかもその相手が比呂美の母親というのが、さらに悪かった。
     自分が遊びに行っていたあの頃、父とおばさんは、裏でそういう関
     係だったのか?
     「自分独りでは耐えられず、どうしても人に支えて欲しい、そうい
     う時はあるんだ」
      父の言葉は、今の眞一郎には白々しい弁解にしか聞こえない。
     「そんな言い訳。ただの不倫じゃないか」
      すこしカチンときて、食ってかかる。
      自分がなぜ、これほどショックを受け、怒っているのか。比呂美
     以上に、彼はそれを自覚できてはいないのだ。
     「そうだな。でも悪い事はしたが、間違った事をしたとは思ってい
     ない」
      それは、おかしな言い方だった。

                 ◇

「湯浅君を失った時、彼女の落ち込み方はひどくてね。お葬式が終
わった後、もう何もできず、話せなくなって。娘と無理心中でもし
ないかと、皆が心配したわ」
 幼い比呂美は親戚の家に預けられ、その様子を見てはいない。帰
された頃には、少し元気はないものの、いつも通りの母の姿があっ
た。
 なぜ預けられていたのか、今まで疑問に思う事もなかったが、そ
の真相がこれだったらしい。母が酷く傷ついていたせいだったのだ。
(私と同じだ…)
 比呂美は、母が死んだ時の自分の姿を思い出していた。その心を
読んだように、理恵子は聞いてくる。
「あなたが立ち直ったのは、どうして?」
「それは、眞一郎くんが…」
 そこで比呂美は、ハッと気付いた。
「同じよ。夫は『すまない、しばらくついていてやりたい』って私
に頭を下げてね。万一の事が起こらないように、付きっきりで彼女
を励まして支えたの」
「そうだったんですか…」
 母の落ち込みようも、母の立ち直るプロセスも、納得が行くよう
に思えた。その実感が自分の中に残っていたから。
「夫は見捨てられない人だから…。住まいを探して、仕事も世話し
て。周囲にも自分がフォローしますって宣言してね」
 そこまでは比呂美も知っている。常々母が感謝していたことだ。

「不倫と言うなら、あれほど堂々とした不倫も珍しいと思うわ」
 理恵子は微苦笑しながら言う。
「…その時に?」
(その時に、おじさんはお母さんと…?)
「ええ」
「そっ…か…」
 比呂美の喉から、絞り出すような声が漏れた。どうやら認めざる
をえないようだった。

                 ◇

     「だからって…!」
     (なんで比呂美の母さんを抱くんだよ!)
      少年らしい…童貞らしい潔癖さが、その話を受け入れる事を拒否
     していた。
     「酒やドラッグに溺れたり、自殺なんかしたら大変だろう」
      そう言われると、眞一郎には返しようがない。何とかできたはず
     だと言いたいが、自分はその現場を見ていないのだ。
     「でも、おかしいよ。旦那さん亡くしたばかりの人に…」
      やはり納得はできない。感情的に。
      父だけでなく、比呂美の母まで、…比呂美まで、汚されていくよ
     うな気がしていた。

                 ◇

「『悪い選択でも、より悪い結果よりはマシだ』とあの人は言った。
だから多分…、その時は必要な事だったんだと思う」
 落胆した比呂美の様子を横目で見ながら、理恵子は言う。
「そうでしょうか…」
 少し力なく、比呂美はつぶやく。
「夫がそう言うなら、私はそう信じるわ」
 愉快な気持ちになる話ではないとわかっているからだろう、言葉
を選び、できるだけショックを緩和しようという配慮がある。それ
は今晩の話でずっと感じられていた事だった。

 しばらくの沈黙。そして葛藤。やがて比呂美の唇は、飾らない内
心を吐き出した。
「でも…。父以外の男の人とだなんて。やっぱり…」
 比呂美には、"親の不倫"と考えるだけで、どうしても生理的な拒
絶感が出てしまうのだ。
 やはり母には、父に対して一途であってほしかった…。
「それを言ったら、二人は学生時代に何度となく寝てるわよ」
 理恵子は苦笑気味に言った。
(ぁ…)
 ストレートな表現に、比呂美の顔が真っ赤になった。

(でも、なぜこの人は、こんなサバサバした様子なんだろう…?)
 比呂美は不思議に思う。自分の夫の不倫話だと言うのに、この女
性はさっきから夫をかばうばかりなのだ。
 理由はどうあれ、裏切ったという事ではないのか?
「…怒らなかったんですか?」
 しばらくして、結局、比呂美は疑問を口にした。理恵子の態度が
腑に堕ちないせいもあった。
「そりゃ怒ったわよ。当然でしょ。離婚してやろうかと思った」
 理恵子は少しだけ冗談めかした口調で言った。
「…でも、彼女の様子を見てたから。仕方ないと、自分を無理やり
納得させたわ」
「仕方ないで済む事なんですか?」
 済むわけがない。たぶん、自分なら我慢ができない。
 ここで我慢できるのが大人という事なんだろうか…? そこが比
呂美には不思議で仕方がなかった。


「人にはね…。"絶対に失ってはならないヒト"というのがあるのよ」
 比呂美は驚いて理恵子の横顔を見た。
 理恵子の言葉の重みが僅かに増している。それは今晩初めてと言
ってもいい変化だった。
「そのヒトのいない世界はいらない、って思えるようなヒト。失っ
たら自分の全てがなくなってしまうって感じられるヒト。そういう
ヒトを失ったら、人はすごく不安定になるわ」
 母がそれほどまでに父を想っていたという事なのだろう。それは
素直に嬉しい。さっきの話を補強してくれたかもしれない。
 そして自分も…。
 眞一郎をイスルギノエに奪われ、失ったと思った時、どれほど酷
い精神状態になったか。理恵子とのケンカも加わって自棄を起こし、
そして4番と…。
 つまりそれぐらい、いやおそらく、それ以上に母の傷は深かった
のだろう。それならば何が起こっても不思議はない。
(仲上のおじさんは『悪い選択』をして、『それ以上に悪い結果』
からお母さんを守ろうとしたんだ、きっと…)
「…!」
 比呂美は不意に気付いた。
(おばさんが語ったのは、お母さんの事だけじゃない)
 理恵子も、自分の夫を失うわけにはいかなかったのだ。だからそ
の時、耐えた。"仕方ない"とはそういう事だ。
 大人だからというだけで収まったわけではないのだ、何よりも夫
を愛しているから、耐えたのだ。きっと、身を引き裂くような嫉妬
と焦燥感に。

                 ◇

     「母さんは、何て」
     「ひどく悩ませてしまったよ。結婚はしていても、愛されてはいな
     かったと思ったらしい」
      父はお茶を一口含んで目をつむり、ため息を吐いた。
     (そのせいか…)
      母が比呂美を虐めてしまったのは。
      夫の心は自分ではなく、ずっと湯浅夫人の元にあったと。母はそ
     う確信してしまったのだ。
      それが兄妹疑惑を比呂美に話した事につながり、比呂美が苦しみ…。
      それなのに、父がその事を"間違っていない"と言った事について、
     眞一郎には全く理解ができなかった。

                 ◇

「誰かを傷つけるとわかっていても、悪い選択肢しかない問題でも。
それでも夫は選ばなければならなかった」
 比呂美の母と別れた時も。
 未亡人となった比呂美の母を助けようとした時も。
 誰かを傷つける事になった。そして誰も傷つかない正解などなか
った。だからできる限りの事をするしかなかった。そして仲上ヒロ
シはできる限りの事をした…。
 それを認めているからこそ、理恵子は夫の代弁をしているのだろ
う。自分の本意ではない事まで。
「でも、おじさんが、そのまま母と付き合っていれば…」
 一番丸く収まったのではないか…? 比呂美はそう思わざるをえ
ない。
 母は最終的に自分の父を愛していたようだが、学生時代の流れで
仲上ヒロシとそのまま結婚する事を否定したとも、また思えなかっ
たのだ。
「自分の恋のために親友を裏切れる人なら、私は仲上ヒロシを好き
にならなかったわよ」
 それは彼女にとっての真実だろう。
 そして理恵子が半分しか語らなかった事も、比呂美にはわかった。
 "必死で母を助けるような男だからこそ"、理恵子は仲上ヒロシを
好きになったのだ。
(だからこそ、母もおじさんを愛したのか…)
 ほんの少しだけ、納得がいったように思えた。

「言葉に出さなくても、夫はずっと悔やんでいた。大学時代に湯浅
君から彼女を奪っていた事。愛しあってた彼女と無理に別れて湯浅
君に託した事。そして、私への罪悪感。本当に優しくて不器用で馬
鹿な人…」
 その口調は透明で、皮肉や批判めいた内容だというのに、それを
感じさせるものではなかった。
 …そして比呂美には、どこか睦言のようにも聞こえた。
「でも、できたら、彼女との事は最後まで隠し通して欲しかったわ…」
 理恵子は溜息をついた。
 言葉の端々から、夫への愛が伝わる。受けた苦しみが伝わる。そ
れは理恵子の個人的な感情であるはずなのに、なぜか比呂美の心を
打った。

                 ◇

   車が止まった。
   正面の少し離れた所に、赤い輝きがある。その輝きが、走らない
  で良いという安らぎと、走る事への制止の、両方をもたらしていた。
   ただの信号でしかないというのに、大切な分かれ道の前で立ち止
  まったような錯覚を、比呂美は覚えた。

  「あなたは、自分の恋人を親友にゆずる?」
   アイドリング音だけが響く車内で、理恵子は唐突に問いを口にし
  た。
  「いいえ」
   比呂美は即答する。これだけは自信を持って答えられた。
   恋人から振られたなら仕方がない。諦めるだろう。
   でも、自分から恋人を譲る事だけは、しない。
  「自分が譲らない事で、その親友がひどく傷ついても?」
  「はい」
   やはり即答する。その恋人が眞一郎なら、誰であろうと絶対に譲
  らない。眞一郎でないなら…。考えたくもない。今は。
   理恵子は、そうね、と応じた。

  「なら、好きな男の心の中には別の女性がいて。それでも結婚しよ
  うと言ってきたら。あなたならどうする?」
   すぐには答えられなかった。
  (もし、眞一郎くんがイスルギノエの事を私より好きなままで、そ
  れでも私に結婚しようと言ってきたら…)
   怒ると思う。失礼な話だからだ。でも、迷い、悩むだろう。
  「結婚して、振り向かせます。たとえ何年かかろうと」
   口からでた答えに、比呂美自身が驚いていた。
   そこまでプライドを傷つけられても、眞一郎は渡したくない。そ
  して努力し続けるだろう。眞一郎の心を掴むまで。

  (なんでそんな事を思うんだろう…)
   そして比呂美は、おそらく初めて、自分の中にあるその部分を自
  覚した。自分の中の"女"が、そう言わせたのだ。
  「苦しい道ね…」
   理恵子が寂しげに笑った。
  (そういう事か…)
   理恵子は振り向かせるために努力し続けた。だから、いつまでも
  綺麗で、いつまでも若々しい。彼女は"女"のまま、戦い続けている
  からだ。
  (私は女で…。理恵子さんも女…。そして、お母さんも女…)
   今までわからなかった事が、バラバラだった糸が、水面下で繋が
  りはじめたような気がしていた。 

   赤い光が、青く眩しく輝いた。
   再び高まるエンジンの音、前に押し出される身体。
   何らかの結末がすぐそこにある事を、比呂美は感じていた。




毎度毎度、遅くなってすみません。

ママンとのバトルは、あと一回です。
お付き合い下さい。




この後は、内容についての補足になります。
ネタバレで、しかもすごく長いので、裏話が好きな人専用という事で…。



●親世代のアレコレについて
「誰か一人を悪者にしない」。これが親世代のコンセプトです。

ママンの勘違いでおさめた場合、13話の「待つのって体力いるのよね…」が
「あんたが勝手に勘違いで待っただけやん!」となって、
感動も何もないお寒いシーンになってしまいます。
だからママン一人を悪者にはできません。

ならばヒロシに浮気をさせたら?
単純な浮気だと、親としての威厳もへったくれもありませんw
そんな不実な親に子供はついてこないでしょ。
それを避けるためには、不倫をするだけの理由が必要になります。
母親死亡時の「壊れた比呂美」とかぶせる事で、不倫ではあるものの
眞一郎と比呂美に実感として納得させる事にしました。

(超ネタバレにて後略…)


●眞一郎の「未完の大器」論について
TV本編でわかる通り、眞一郎は父親にも4番にも比呂美にもコンプレックスを
持っています。
優柔不断なだけでなく、能力的にも明らかに劣っているわけですから。

比呂美は、本編後に色々な意味で伸びる事が確定でしょう。完璧超人化が進行
します。
眞一郎との能力差はさらに開き、コンプレックスはさらに強くなります。
眞一郎が現状の延長で行く限り、彼は早晩コンプレックスで自滅し、比呂美と
別れるはずです。

彼がコンプレックスを感じない程度に鈍い(頭が悪い)か、先天的におおらか
か、後天的におおらかさを身につけるか。そのいずれも期待できません。
ヘンな所で感覚が鋭いので、どうしても気にしてしまうためです。
(余談ですが、比呂美父はおおらかな人間として設定しました)

では、コンプレックスを跳ね除けるほどの自信を身に付けるルートは?
絵本を武器にそれができるか? 数年という短期では無理でしょう。
芸術系の方面は社会レベルで認められないと自信になりません。年齢性別無差
別級の全国大会です。
早熟で10代のうちに成功する異常な天才という描写はありませんから、眞一郎
はそういった天才ではありません。努力で磨かねばなりません。

眞一郎がこのままいくと、地道に実績を重ねて認められていく、
20代後半か30代ぐらいまで、コンプレックスは解消されないでしょう。
その頃には比呂美と別れているか、無理に結婚してもダメ夫として多大な負担
をかけた後なのです。

だから、比呂美を家庭教師にして手を引かせてみました。

勉強なら周囲と比較して点数が高いだけで、簡単に自信を付けられます。
無差別級の全国レベルで評価を受ける必要はなく、学級内での相対的な点数だ
け。
しかも相手はやる気のないクラスメートです。そんなの相手ならば、数ヶ月で
もそれなりの自信はつきます。
周囲より明らかに優位になれば、それなりにプライドも出来、そこそこ楽しく
なります。
社会レベルで通用するほどの自信は、まだ必要ない。今はちっぽけな自信でい
いんです。
それだけで4番や「周囲に現れる優等生」程度へのコンプレックスは消えます。

高校程度の勉強で、クラスでのトップレベルになるかどうかは、勉強に興味を
抱けるかどうか、イヤな事にもきちんと取り組める、努力できる能力を身に付
けられるかによります。

甘すぎた親父の元で眠った能力が上がれば、もう少し選択肢は増えるでしょう。
絵本作家になるとしても、その攻め方が増えるはずです。
(断念とか路線変更かもしれませんが)
眠った能力を勉強の分野で現実に引っぱり上げるための、家庭教師比呂美です。

眞一郎は未完の大器。やればできる子。できる子になるための、最初だけの苦
しみです。成績が良くなり、勉強が多少でも楽しくなれば、思ったほど苦労は
しないからです。

絵本作家ストレートで行ける天才じゃないんだから、今はまともに勉強しなさ
いなとw
そのために、このシリーズでは絵本の動機も比呂美に括り付けました。
絵本の動機も比呂美ならば、普通の勉強すら投げ打って絵本に賭けるような暴
挙には至りませんから。
(そもそも、勉強と努力の習慣がないと、どんな事をやっても成功しません!)

この辺が、眞一郎の未完の大器論、比呂美家庭教師展開の理由付けです。
今まではヘタレだったけど、これから伸びるんだよと。伸びなきゃあんたら別
れるよと。
完璧超人な比呂美に見合うような、覚醒眞一郎になれば、二人ですごい事がで
きるようになるよ、と。
まあ、三代吉にも言わせてしまった事ですが。

TV本編内の眞一郎は、ほとんど覚醒前という事になります。
たまに比呂美がらみでのみ、覚醒後の眞一郎の姿が見られる、という解釈です。
あれを常時発揮できるようになればいいわけで、そのための訓練ですね。
二人が今後、ずっと一緒に歩んでいけますように…。
ツールボックス

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