休日の昼下がり 彼と二人きり


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負けるな比呂美たんっ! 応援SS第22弾

『休日の昼下がり 彼と二人きり』


休日の昼下がり、居間の前の廊下を通りかかると彼が一人で居るのが目にはいった
今は家人は他に誰もいない
何をしているんだろうと廊下に隠れて室内を覗き込む
彼は気付いていない
縁側に座って外を向き、あることをしているようだ
彼のその行為は初めてみるものだった
当然といえば当然だが、やっぱりそういうことするんだなと妙な事に感心する
その行為は私ももちろん時折行うが、やはり一人で密かに行っていた
今、眼の前で行われている行為は、そういう意味では貴重な光景といえるだろう
愛する人の飾らない素の姿
彼はいつも私の前では少しぎこちない
やはり私でも年頃の異性という存在が身近に居ると、意識してくれるのだろうか?
もしそうならそれは喜びでもあるのだけれど、それは私だけが特別なのか、それとも違うのか?
それはまだ分からない
このまま彼の素の姿を見ていたいような、見てはいけないような
自分ならやはり見られたくないだろう
でも…


「眞一郎くん」
「わあ」

彼は驚いたようだ
もちろん私は音を立てないようにしながらそっと背後から近づき、
彼のタイミングを見計らい大丈夫な瞬間を狙って声を掛けた

「なんだ、比呂美か」
「うん、何してるの」

知っているけどあえて質問、何て答えてくれるかな

「見てのとおり、耳掃除」
「ふうん」

あっさりお返事、恥ずかしくはないのかな
でも、少しだけバツが悪そう、意地悪だったかな
では、作戦開始

「とれた?」
「うーん、多分、よくわかんないけど」
「見てあげましょうか」
「え?」
「だから、見てあげましょうか」
「えーと」

少し困ってる
恥ずかしいのかな
ここは強気に

「よいしょっと」

彼のすぐ側に座る
ふふ、ちょっと驚いてる

「貸して、見てあげる」

彼の手にする耳掻きへ手を差し出してアプローチ

「え、いいよ」

彼はテレたのかそっぽを向く
うーん、全然ダメじゃあ無さそうかな

「でも、自分じゃあ見れないところだし、取れにくいところは なかなかとれないかもよ?」

聞き分けに期待して優しく説得
恥ずかしい事じゃないんだから
親切モードのスパイスを効かせた笑顔も忘れずに

「うーん」

迷ってる迷ってる
ここで、ダメ押し

「はあい、お耳を見せてくださいねー」

保母さんモード開始
膝立ちのままにじり寄る
接触まであと
70センチ、
50センチ、
30センチ、

「じ、じゃあ、見てもらおうかな」

成功
彼、モジモジしててかわいいかも
顔はこっち向いてるけど目は明後日の方、テレてくれてる

「じゃあ、しつれいしまーす」

そういって彼の耳を覗き込む
うーん、暗くて見えない
私が影になってよく見えないなー

そうそう、こんな時には…

「眞一郎くん」
「ん?」
「ごめんね、暗くてよく見えない」
「そうか、じゃあ…」

彼、少しホッとしてる
あれ、ホントは嫌なのかな
でも、負けない

「じゃあ、こちらへどうぞ」
「こちら?」
「うん」

私は膝の上をポンポン叩いてアピール
もちろん仲のよい男女の定番コース、ひざ枕

「まさか!」
「うん、『まさか』」

ちょっと悪戯っぽくアピール

「ひ、ひざ枕ぁ?」
「うん」
「さ、さすがにそれは」
「嫌なんだ」

ちょっと拗ねた声色で

「え、いや、嫌じゃないけど…」
「もう、どっち?」
「ま、まずいんじゃあ ないかな」
「あれ、眞一郎くん、何かよこしまな事考えてる?」
「え、いや、そんな事考えてないけど」
「じゃあ、大丈夫、ねっ」

少し強引にお誘い、大丈夫かな

「じゃあ、お願いしてみるか」
「はーい、どうぞ」

彼が姿勢を換えながら頭がちょうどいい位置に来るように位置を調整

「大丈夫かな」

彼は私のひざに頭を預けたり浮かせたりしながら気にしてる
なかなかじっとしてくれない
落ち着かないのかな

「うん、ちょっとじっとして?」
「うん」
「そのままでいてね」
「うん」

彼の顔に手を触れて軽く動きを促してみる
彼は察して動いてくれる
あんまりペタペタ触るのも不自然なのでなるべく接触しないよう気をつける
彼は私の言いなり
ちょっと不思議な感じ
ちょうどいい位置に耳が来るように微調整
上から覗き込む形なので明るさは大丈夫
目を閉じている彼の横顔を真上から観察
こんな近くに彼の顔があるなんて何だか不思議
私今ドキドキしてる、大変、このドキドキ知られたらどうしよう
彼に気付かれないよう軽く深呼吸

「じゃあ見せていただきます」
「お願いします」

真剣に覗き込む
特に何も見えないけど…
あれ? あれがそうなのかな?
お伺いをたててみる

「はっきりとは分からないけど、残ってるかもしれないから、一応してみる?」
「ああ、もうこうなったらとことんお願いします」
「了解です」

彼は目を閉じたまま私に身をゆだねてくれる決意をしてくれた
頑張ろう

「行きます」
「うん」

耳掻きを耳に近づけたとことで急に怖くなり彼に注意する
失敗したら大変

「あの、動かないでね」
「…」

あごの動きで了解のサイン
最初、ワザと入り口の辺りに先端を当てて進入開始の合図にする
さらにゆっくりと差し入れ奥へと進ませる
少しずつ少しずつ、ゆっくりゆっくり

「今どのくらいか分かるかな」

訊いてみる

「まだ大丈夫」
「痛くない?」
「全然」

この辺かな
カリカリ、ゴソゴソ
ゆっくり引き上げ
あっ、小さいのが取れてる
ティッシュの上でコンコン

「小さいのが取れた」
「残ってたか」
「うん、引き続き、行きます」
「うん」

一度成功すると気分が楽になる
ホジホジ、ゴソゴソ
黙っているのももったいないので何かお話

「小さい頃は誰にやってもらってたの?」
「母さんだけど」
「…」
「イテッ」
「あっ、ごめんなさい」
「いや、大丈夫だけど」
「ホントにごめんなさい、ちょっと加減を間違えちゃって」
「大丈夫」

いけない、失敗
注意して… 成功
こんなものかな
最後に確認
うん、大丈夫

「じゃあ、最後、いくね」
「ん?」

タンポポの綿帽子みたいな毛玉でクルクル

「うおっ、それ、ダメッ!」
「キャッ」

急に彼がバタついた
慌てて耳掻きを遠ざける
びっくり
あぶないなあ
お膝の上でゴロゴロされるとちょっとくすぐったい

「くすぐったくて、ダメッ」
「そうなんだ」
「勘弁してください」
「うん、じゃあ、こっちはおしまい、反対ね」

彼が反対向きになる
瞬間、うつむいている私と視線が絡む
どうしよう
困って、ちょっと微笑む
彼も少し微笑んで目を閉じる
あれ、この感じ、なんだろう、何だかうれしい
満たされてる感じがする…
いけない、続き、続き
今度は反対だからさっきと逆で…
彼の顔が私の方を向いてる、
さっきより何だか恥ずかしい

「こっちも、行きます」
「うん」

逆向きを意識してさっきと反対側をホジホジ
微かな手ごたえ、
気をつけて…
よしっ回収
わあ さっきより大きい

「はーい、大きいのがとれましたよー」

保母さんモードでご報告

「そ、そうか」

あれ、声が上ずってる
やっぱり男の子でも恥ずかしいのかな?
あんまり言わない方がいいのかも
じゃあ、続きは大人しく…
こっそり彼の表情を観察…
やっぱり目を閉じてる
恥ずかしいのかな

「はーい、終わりでーす」
「そうか」
「最後のどうする?」
「あれはもう、勘弁して」
「うん、じゃあかわりに…」
「なに?」
(フゥーッ)
「うおっ、こら、ダメッ!」

彼、耳を押さえて急に起き上って後ずさり

「あん、もう」
「さっきよりもっとダメ」
「ダメ?」
「絶対ダメ」
「クスッ、ごめんなさい」
「いや、その、ありがとう」
「どういたしまして、堪能させていただきました」
「え?」
「ううん、こっちのハナシ」
「はあっ」

彼、なんだかお疲れモード
いじめすぎたかな?
気分をかえてと

「お茶でも淹れようか」
「ああ」
「ちょっとまっててね」

立ち上がりお茶の準備
ポットのお湯でもいいのかな


居間に戻ってお茶の準備をはじめる
なんだろう?
彼がなんだかそわそわしてる

「はい」
「ありがとう」

お茶を二人でいただいて…
彼、やっぱりおかしい

「なあ?」
「ん?」

彼、なんだか言いにくそう

「よかったら、なんだが…」
「なあに?」
「お返しに、比呂美のも見てやろうか?」
「え?」
「い、いや、女の子のはさすがにまずいよな、うん、ごめん、ヘンな事言って」
「…」

え、何?、
これは… お誘い?
意外な展開、
どうしよう、彼テレちゃって居心地悪そう
でも、これはこれで…

「あの、じゃあ、お願いできるかな?」

彼のお誘いに逆らえない自分にびっくり

「え、いいのか?」

彼も驚いてるみたい
あれ、私いま顔赤いのかな?
あ、耳の辺りすごく熱い
なんだか二人して落ち着かないみたい

「あ、でも、ちょっと待っててね」

そう言い残して、なんとか耳掻きをもって洗面室へ逃げこんだ
鏡を見る
やっぱり赤くなってる
念のため自分で少しお掃除
タオルも濡らして耳の辺りを丁寧に拭いておく
間違っても彼にヘンなトコみせらんない
準備完了
鏡をのぞく、さっきよりは落ち着いた
まるで新婚さんみたい
あ、よけいな事考えたらまた少し赤くなっちゃった
でも、あんまり待たせるわけにもいかないし…
深呼吸を2回、よし
居間に戻って

「お待たせしました」
「あ、いや」

耳掻きを彼に手渡して

「よろしくお願いします」
「あ、ああ」

ふふっ、彼テレてる
縁側に移動して…
あれ、彼、座ってくれない
彼も私の顔を見てるだけ
あれ?

「あの、眞一郎くんが座ってくれないと…」
「え?」
「だから、眞一郎くんが先に座ってくれないと」
「え?」

あれ?

「眞一郎くん、正座!」
「ハイッ」

彼は素直に正座してくれた
並んで座って

「よろしくお願いします」

それだけ言うと姿勢を変えて彼ににじり寄る

「あのっ、比呂美さん? 膝枕なんですか?」

上ずった彼の声

「うん、あれ?」

まさか

「もしかして眞一郎くん、膝枕してくれるんじゃないの?」
「いや、普通に座ってのつもりだったんだけど」

もうっ、これじゃあ私ばっかり期待してるみたい
今顔が少し赤いかも
少し強気にお説教モード

「眞一郎くん!」
「ハ、ハイ!」
「恥ずかしがらずに膝枕してくれないと、奥まで良く見えなくて危ないんだからっ!」
「ハイ!」
「眞一郎くんは私の耳がどうなってもいいんだっ!」
「そんな事はないです、ハイ」

ここで、にっこり笑って

「じゃあ、あらためて、よろしくお願いします」
「ハイ、頑張らせて頂きます」

あれ、なんだか彼がいいなり…
お尻に敷くってこういう感じ?
気が変わらないうちに彼の膝に素早く頭をあずける
彼の体温を下側の耳で感じる
恥ずかしいので目は閉じたまま

「じゃあ、いくよ」
「うん、優しくしてね…」



その後の数分間は私が生まれて初めて味わう至福の時間となった



数日後、おばさんの注文した通販の商品が仲上家に届いた
珍しく私へのプレゼントだという
封を開けると中からでてきたのは一人用のスコープ付の耳掻きだった
にっこり笑ってお礼を言うと
自室に戻り新しい作戦の立案に取り掛かった







●あとからあとがき
7話まで視聴済み

比呂美さん今日だけ封印を封印!
たまにはこんな日があってもいいよね?
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