ある日の比呂美11


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首を横に振って欲望を払い除けようとする眞一郎を、比呂美は真っ直ぐに見つめていた。
自分が差し出した甘い誘惑…… それが導く牡として抗いがたい欲求と、眞一郎は闘っている。
「駄目だ!……約束しただろ!」
…………ちゃんと避妊はする…………
行為を始める前……交替でシャワーを浴びる前に、眞一郎と比呂美はそう決めていた。
自分たちも、周りの人たちも、誰も悲しませないために『ちゃんと』しようと。
…………だが…………
「大切な夜なの。一度だけの……大事な夜なの。……お願い……」
眞一郎との初めての繋がりを邪魔されたくない…… 今の比呂美の頭の中には、その事しかなかった。
……重ねられた愛撫で思考が曇っているわけではない。
………仲上の体面、破壊されるかもしれない未来、学校生活、『おばさん』の叱責……… 
そんなものを全て飛び越えて、純粋に自分が求めているもの…… それが眞一郎との『本当の繋がり』だった。
「そりゃ…俺だって……」
愛する女の胎に精を注ぐ……それは男に生まれた者にとって、何物にも代え難い至上の悦びだ。
ましてや眞一郎は体験者…… その禁断の味を知っている……
「でも駄目だ。子供が出来るのは俺じゃない……お前なんだぞ」
自らの欲望と比呂美の未来……天秤に掛ければ『比呂美』が重いに決まっている…… そう訴える眞一郎。
しかし、『眞一郎』を欲する比呂美の決意は揺るがず、引く事もなかった。
「何それ。…………そんなの……」
途中で言葉を切り、唇を奪うことで、比呂美は自分の想いを眞一郎に注入する。
「んっ…」
不意打ちを喰らった眞一郎が呻くのも構わず、言葉や音には出来ない気持ちを伝えようとする比呂美の舌。
窒息寸前まで口腔を貪ってから、比呂美はもう一度、胎の中の『女』が求めているものを、眞一郎に告げた。
「……お願い…………とって……」
「…………比呂美……」
陰唇に当たる隆起を撫で上げようとする比呂美の動きを、眞一郎は腕を掴んで止めさせる。
そして、そのままの姿勢で瞼を閉じ、眞一郎は心に埋もれた答えを探し始めた……
…………
…………
「後悔しないか?」
一瞬とも永遠ともつかない間の後、再び開いた眞一郎の目が、覚悟を決めた力強い光を放って、比呂美の心を射抜く。
比呂美はその眼差しに反応して、自分の子宮がキュッと収縮するのをハッキリと自覚した。
(………はぁ……眞一郎くん……)
濁りの無い眼光で自分の心を貫きながら、もう一度「後悔しないか」と訊いてくる眞一郎。
想いが届いた喜び……そして気持ちと気持ちが繋がった充足感が比呂美を満たす。
「しない…………するわけないじゃない……」
比呂美が身体に充満する想いを口にし終わるのを待って、眞一郎は唇を重ねた。
そして擦り合わせていた局部に手をやり、自身の隆起を覆う皮膜を剥ぎ取る。
パチンというゴムが弾ける音と、眞一郎から直接伝わる熱が、願望の成就が近いことを比呂美に教えた。
(…………来る……眞一郎くんが……私の………中に……)
キスを解いた眞一郎は、陰茎を溝に合わせてスライドさせ、愛液を茎の腹にまぶし出した。
眞一郎の雫と比呂美の露とが混じり合い、クチュクチュという卑猥な音がロフトに充満する。
比呂美はその感触と音に引かれるように、首を曲げて、眞一郎が没頭する『作業』に目をやった。
……大きく開いた自分の股…… その間を眞一郎の腰が前後するたびに、張り詰めた亀頭が見え隠れする……
視覚、聴覚、触覚の波状攻撃が、比呂美の中の『牝』を呼び起こしていく。
(…………欲しい…………)
女から求めるなんて、はしたない……それを百も承知の上で、比呂美は噴きあがる欲望を口にした。
「……眞一郎くん……来て……」
桃色の陰唇だけではなく、宝石のような瞳までも熱く潤ませながら、比呂美は眞一郎に挿入をせがむ。
小さく頷いてから、眞一郎は陰茎の照準を充分に解れた肉の裂け目へと合わせた。
亀頭の先端をめり込ませてから、眞一郎の両腕が比呂美の上半身を抱きしめ、逃げられないように固定する。
「……眞…一郎くん……」
「少し我慢して。一気に挿れる」
ゆっくり挿入すると、痛みが長引いてかえって辛い、と眞一郎は言った。
返事はせずに両目を閉じ、眞一郎の背中にしっかりと腕を回して身体を密着させる。
胸の辺りに感じる眞一郎の鼓動に意識を集めながら、比呂美はその瞬間を待った。

陰茎の長さの分、離れていた腰を、眞一郎は比呂美に向かって前進させた。
充血した亀頭を膣に半分ほど埋め込むと、痛みを感じ始めたのか、背中に当てられた比呂美の指に力がこもる。
「…ッ!!!……ん…いッ……痛……」
繋がりたい、という気持ちはあっても、痛みを受ければ、肉体はそれを退けようとしてしまう。
比呂美の身体は上へと逃げ始め、両手は眞一郎を押し返すように動いた。
(ゴメン……我慢してくれ)
一気に貫くとは言ったものの、狙いを外さないために、ある程度…カリ首までは慎重に埋没させる必要がある。
少しでも早く比呂美の苦しみを終わらせなければ…… 眞一郎はそう思い、挿入に全神経を集中した。
「……痛い……痛…いよ……」
苦痛を訴える比呂美の両眼が、喜びではない別の涙で濡れている。
それを見て、萎えそうになる気持ちを無理矢理に奮い立たせると、眞一郎は挿入を続けた。
上半身を捕まえていた腕を、片方だけ腰に回し、固定を確かなものにする。
「比呂美……いくよ」
そう声を掛けると、比呂美の顔が「もっと痛くなるの?」とでも言いたげに曇り出す。
……だが、もう構ってはいられない……
苦しむであろう比呂美の顔を見ないで済むように唇を重ね、麻酔換わりの唾液を比呂美に与える。
…………そして………… 
引き絞った弓を解き放つように、眞一郎は自らの矢を比呂美の膣へと打ち込んだ。
「んッッ!!!!!」
反動をつけて繰り出された一撃を受けると、比呂美はキスを振り解いて仰け反った。
全身に薄い汗の膜をまとって硬直してしまった比呂美を包むように、眞一郎は身体を密着させる。
耳元で鳴る、比呂美の奥歯が軋む音…… 快感ではない痺れに震える華奢な身体……
そして陰茎に感じる、『膜』を引き裂いた確かな感触と、肌よりも遙かに熱い温かさ……
感動、などという軽い言葉では言い表せない……比呂美の処女を奪ったという実感……
……だが、儀式はまだ終わりではない。
(あと、もう少しだ……もう少しで……『届く』……)
苦痛に耐えている比呂美に申し訳ないと思いながらも、眞一郎は最後の仕上げに取り掛かった。
膣の中程まで潜り込んだ亀頭の、ほんの数センチ先に潜んでいる比呂美の『女』…… 
眞一郎はそこを目指して、自らの陰茎を根元までグッと押し込んだ。
「あああああぁぁっっ!!!」
悦楽とも悲鳴ともつかない比呂美の絶叫が、天井と壁に反射する。
膣の側壁とは違うコリッとした硬さを亀頭に感じ、眞一郎は自分が、比呂美の一番大切な所へ辿りつけたことを知った。
(……繋がった…………俺は……俺は比呂美の中にいる……)
至高の悦びに包まれ、自然と子宮を突き上げるように動いてしまう眞一郎の腰。
その動作が比呂美に痛みとは違う感覚を与えたのか、今まで拒絶に動いていた身体の動きが変化した。
肩を押していた腕は首に回され、投げ出されていた脚は、眞一郎の腰の後ろで下半身を引きつけるように交差する。
(動かしても平気……か?)
しがみつく様な比呂美の反応を、眞一郎は誤解してしまった。
腰を軽く揺すって陰茎を少し前後させると、比呂美は「痛っ!」と叫んで、更にきつく抱きついてくる。
「動…かないで… ……痛いの……」
一番敏感な部分の『肉』を裂いたのだ。すぐに痛みが無くなるわけはなかった。
「ごめん。……少し…このままじっとしていよう」
耳元で優しく呟いて、比呂美を抱きしめたまま、差し込んだ部分を動かさないように身体を静止させる。
慌ててはいけない…… そう己に言い聞かせ、眞一郎は比呂美の心と身体が落ち着くのを待った。
…………
…………
暫くすると、比呂美の呼吸の乱れは徐々に落ち着きをみせ、全身の緊張も緩んできた。
上半身だけを少し離し、顔を覗いてみる。
相変わらず痛みはあるようだが、挿入を始めた直後よりは額の険もとれて、幾分か楽になっているように見えた。
「比呂美、大丈夫か?」
自分でこんな目に会わせておいて、大丈夫も無いものだが、他に言葉の掛けようが無い。
「……大丈夫じゃない」
比呂美は薄目を開けて「う~っ」と唸ると、右手で拳骨を握って、眞一郎の頭を軽く小突いた。

「いてっ」
絆創膏が張られた部分を避けて命中した攻撃に、眞一郎が思わず声を上げる。
比呂美が「これでチャラ」と言って悪戯に微笑むと、眞一郎も困ったような顔で笑い返してきた。
「まだ痛いか?」
「うん…ちょっとズキズキする。……ちゃんと…全部挿ったの?」
恥ずかしいことを口走りながら、眞一郎が嵌まり込んでいるところを覗き込んでみる。
(……やだ……すごい……)
桜色の肉が左右に割れ、その中心の孔が、眞一郎の陰茎をしっかりと咥え込んでいた。
それに会陰部を流れる、愛液とは違う生温かい液体の感触…… 
少量ではあるが、やはり出血もしてしまったらしい。
「……挿った…ね……」
「……うん……挿った」
二人で結合している部分を凝視しながら事実を確認し終わると、眞一郎は顔を近づけ、唇を求めてきた。
痛みで動けない以上、今できる愛撫はこれだけ、ということなのだろう。
互いの唾液を呑み合う激しい口付けを交わしながら、意識を膣の内部に向けてみる。
先刻、手の平で感じた熱の塊……猛々しいペニスの息吹が胎内に感じられた。
自分でも触れたことのない…女の器官を押し上げて圧迫してくる、眞一郎の情熱……
(……眞一郎くんが……眞一郎くんが…私の中にいる………)
『女』になったのだ、という強烈な実感……
形容不能な想いが心を震わせ、自然と目尻に透明な雫が湧き出した。
「! 比呂美……また痛み出したのか?」
比呂美の喉が嗚咽で鳴るのに気づき、眞一郎は慌てて身体を起こす。
「……ううん…………違うの……」
首を横に振り、これが悲しみの涙ではないことを知らせる比呂美。
…………眞一郎と深く……深く繋がることが出来た…………
その喜び……充足感を泣く事でしか表現できないのが……もどかしい。
「……眞一郎くん……好きよ…………愛してる…… あなたがいれば…私は……」
…………他には何もいらない…………
と言いかけて、それはとても陳腐なセリフだと気づき、途中で言葉を打ち切る。
伝えられない…… 言葉じゃ足りない…… ……心が…苦しい……
だが、その気持ちは眞一郎も同じだった。
「……俺だって…俺だって、お前を愛してる…… お前がいれば……俺は……」
眞一郎も、想いを最後まで言葉にすることが出来ない。
口先で紡ぎだす音では不足だと、その苦しげな表情が物語っている。
「比呂美っ」
伝えきれない想いをぶつけるかの如く、眞一郎は闇雲に身体を抱きしめてきた。
その動きが傷口を擦り、忘れかけていた苦痛が蘇って、思わず「んっ」と呻きを漏らしてしまう。
「あっ、ゴメン!」
「いいの……もう…大丈夫だから……して……」
「……無理するなよ。もう少しこうして…」
眞一郎の気遣いを、比呂美は柔らかな微笑みで遮り、痛みの先にあるものを要求する。
「したいの。……眞一郎くんと……」
「……比呂美……」
……本当は…本当の想いは……もっと深い……
……溶けたい…… ……溶けて混じって……眞一郎と一つの存在になりたい……
……でも、それが叶わないなら……せめて……
……この痛みの向こう側にあるものを……眞一郎と二人で…見つけたい……
……そこに……二人の想いを本当に繋げてくれる何かが……ある気がするから……
…………
「…………眞一郎くん……『セックス』……しよ……」
ただ純粋に……眞一郎を求める比呂美の…飾りの無い素直な言葉。
「…………」
僅かな逡巡のあと、眞一郎は比呂美の想いに応えるように頷くと、ゆっくりと腰を前後に動かし始めた。


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