夜のバス停で


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※これは眞一郎が乃絵を選んでいたら…というifな話です


これまでは周囲から変わり者扱いされ、他人と距離を置くことが多かった乃絵だが
眞一郎を好きになり付き合うようになってからは、少しずつ周囲の環境にも溶け込めるようになった

初めて買った携帯電話、その待受画像は大好きな眞一郎の笑顔
乃絵は暇さえあればそれを眺めていた
今もこうして携帯を片手に幸せそうに笑っている
「眞一郎……」
「またそれ見てるのか」
「!」
気づかないうちに背後に立っていた純に驚き、慌てて携帯を閉じる
「お、お兄ちゃん!見ないで!」

メールガトドイタヨ メールガトドイタヨ

「ほら、彼氏君からのメールじゃないのか?」
「わかってるわ!」
乃絵は携帯を胸に抱え、慌てて自分の部屋へ駆け込むと
誰にも見られないように布団を頭にかぶってメールを開いた
『今から会えるか?』
(やっぱり眞一郎!)
 『いいよ』
人差し指で一つずつ丁寧にキーを押していく
たった三文字だけなのに時間がかかる。すぐに返事は来た
『バス停で待ってる』
 『わかつた』

「出かけるのか?」
心配そうに尋ねる純に、玄関で靴を履きながら乃絵は答えた
「すぐに帰るわ」
「車に気をつけろよ。あと8時までには帰ってこい」
「もう!子供じゃないんだから」
ガラガラガラ…ピシャン
「あいつも社交的になってきたな…」
眞一郎と付き合うようになって変わり始めた乃絵
これまで自分が守ってきた妹が自立を始めた
それは兄としては嬉しいことだったが少し寂しくもあった
(俺もそろそろ乃絵から離れないといけないな…)
ポケットから携帯を取り出し、電話帳の最後の名前を選択する
「もしもし?俺だけど。飯まだならうちに来ないか?」

「眞一郎!ごめん、待った?」
「俺もさっき来たところだから」
「そう……それで…」
「…急に乃絵に会いたくなったんだ」
「眞一郎…」
星空の下、見つめ合う二人の頬は赤く染まっている
「入ろうか…」
「うん…」
この海沿いのバス停は、海から吹く風や雪を凌げるように小さな小屋になっていて
冬になると小屋の中にストーブが置かれて暖を取れるようになる
今は冬ではないので雪は降らないが、それでも夜になると風が冷たい
二人はバス停の中で話すことにした
「さっきのメール“わかつた”になってたぞ(笑)小さい文字はこうやって打つんだ」
「メールって難しいのね…」
「覚えれば簡単だよ」
「頑張って覚えるわ。……眞一郎と繋がっていられるために」
「乃絵…」
眞一郎は携帯を覗き込む乃絵の顔が近いことに気づく
その視線を乃絵も感じ取り、互いの顔を瞳に映しあう

「しんいちろ、っ…………」
乃絵の唇が塞がれる。唇を軽く開き、眞一郎を受け入れる
初めて舌を入れられたときは全身を強張らせるばかりだった乃絵だが
今では自分からも積極的に絡ませていくようになった
「…ん……ぅっ……」
バス停には二人の息遣いと唾液が絡み合う音が広がる
荒い呼吸を繰り返す眞一郎の手が乃絵の胸に当てられた
「…眞一郎、だめっ……誰か来るかも……」
「もうバスは来ないから大丈夫」
乃絵が顔を上げて壁の時刻表を確認すると、確かに最終のバスはもう出ている
「でもっ…」
「大丈夫だから……乃絵が欲しいんだ…」
眞一郎が耳元で甘い言葉を囁く
ありきたりなクサイセリフも、乃絵にとってはドラマチックなその言葉
身も心も溶かしてしまうには十分だった

眞一郎がバス停のベンチに腰をかけ
向き合うようにして乃絵がその上に座る
乃絵の小さな身体は、大きくなった眞一郎をギュウギュウと締めつけている
「あっ…や……待って…」
「どうした?痛いか?」
大きく首を横に振る乃絵
「ううん…違うの…熱くて、変になりそうだわ……」
「そのまま身を任せて…動かすよ?」
乃絵の小さなヒップを両手で支え、上下に動かす
体重の軽い乃絵は眞一郎の上で跳ねるように揺らされた
「ぁ……ゃっ……んっ……くぁ……ああっ……」
眞一郎にしがみつきながらその腕の中で上下に揺れる乃絵
結合部から聞こえる“ぐちゅぐちゅ”という卑猥な水音
二人のリズムが激しくなると、水音もボリュームを上げて鼓膜を通って脳の奥を刺激する
「あんっ…やっ…ダメっ…しっ、しんいちろぉ!」
「乃絵っ…俺も!」
「んんんっ!アッ!だめ…真っ白に…なるッ!……ふわぁぁぁぁ!」
狭い乃絵の中が更に収縮して圧迫する
眞一郎は一番奥の深い場所で、子宮の入り口へ何度も生命の種を打ち込んだ
脱力した乃絵を抱きながら頭を撫でる眞一郎
その腕の中で乃絵は愛情に満たされ、幸せを全身で感じ取っていた



「家まで送るよ」
「うん……」
「どうしたんだ?」
「ヒリヒリするの……眞一郎、おんぶして♪」

眞一郎は乃絵をおんぶして満天の星空の下を歩く
「この前の絵本、最終選考に残ったって通知が来たんだ」
「本当!?すごいわ!すごいわ!」
まるで自分のことのように手足を動かして喜ぶ乃絵
「こら、暴れるなよ」
「やっぱり眞一郎は飛べるのよ!」
「乃絵と出会っていなければ、俺は飛ぼうともしなかった。…ありがとう乃絵」
「眞一郎、また素敵な絵本が描けたら私に一番に見せてね」
―終―
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