シンデレラ


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負けるな比呂美たんっ! 応援SS第29弾

『シンデレラ』



あえて気にしないようにしていた刻が間近に迫る

いつかは訪れる別れの刻



もう 5分しかない

無情にも時計の針は時を刻み続ける

眼の前の彼も悲しそうに見えるのは

私の気のせいばかりではないだろう

せまり来る別れの刻

「まだがんばるの?」

「もう少し、頑張ってみるよ」

「そう」

それ以上彼にかける言葉は見つからない

『もうゆっくり休んでいいのよ』

そういいかけた言葉を何度飲み込んだことか

再会の望みのある別れだから耐えられる

もしそうでなければ…

最初の頃は別れが辛く、よく枕を涙で濡らした

でも最近は再会の喜びを味わう為の儀式だと思えば

一時的な別れなどどうという事はないと

そう思えるようにもなった

いや、それは嘘

一時的でもお別れはしたくない

ただ、そうとでも思わないと心が持たない



あと 2分

眼の前で残された時間が刻々と減ってゆく

刻は誰に対しても平等に流れる

頭では分かっていても

心は止められない

いっそ彼にすがりついて

このまま一緒に居たいと

胸のうちをさらけ出そうか

前回の別れを思い出す

前回もその前も私は乗り越えられた

今ここで彼に迷惑をかける訳にはいかない

分かってるけど

でも…



残り 1分

もう彼の顔を見ているのが辛い

彼はまだ踏みとどまりがんばるつもりだ

私に出来る事は

「無理、しないでね」

それだけ告げて

ありったけの理性で悲しみを抑え

笑顔で彼にエールを送るだけ

お別れの間 彼に思い出してもらえるのなら

その私は笑顔でいて欲しい



とうとう別れの時刻を告げる音色が聞こえだした

この音色が終わるまでに

私は彼と私を別つ扉の向こうへ去らねばならない

精一杯の理性に頼り

振り向かないように扉へ向かう

境界を越えてから振り返る

「じゃ、おやすみなさい」

少し疲れた彼の微笑を記憶にとどめた

扉がゆっくり閉まる

別れの刻を告げる音色が終わる

これでまたしばしのお別れである




私は通路を歩き

別の扉を開けた

室内のベッドに横になりいつものように

枕を抱きしめ

今日の彼との逢瀬を思い出す

問題はなかっただろうか

彼に誤解を与えなかっただろうか

自信はない

だけど、これは真剣に取り組まねばならない




今日も無事にルールは守った

彼の部屋での勉強会

『たとえ試験期間中の勉強でも午前12時を越えて互いの部屋にいてはならない』

彼のご両親との約束

『節度あるお付き合い』のルールのひとつ

明日、いえ、今日の夜までしばしのお別れ

彼は今も頑張っているのだろう

一緒に居られて幸せだねと人は言う

すぐに手の届きそうなほど傍に居るのに

もどかしい

この気持ちが他人に理解できるだろうか

お別れの寂しさの数だけ再会の喜びもある

そう言い聞かせて眠りにつく

今夜も言えなかった言葉を

そっと枕に囁きかける

身近に居ても言えない言葉

「大好きだよ」







●あとからあとがき
8話まで視聴済み

お気づきかと思いますが今回は(いつもだ!という突っ込みは無しで…)違和感のあるおハナシです。
遠距離恋愛中のカップルの駅のホームでのお見送りシーンを
無理やり近距離恋愛?に当てはめてイメージしました。
近すぎて苦しい恋もあるのでは?
との思いから生まれまたおハナシです。
シンデレラエクスプレス『距離に… 負けない』って知ってますか?
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