バスに揺られて


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夏休み真っ最中の8月某日。
比呂美と眞一郎は海に来ていた。といっても泳ぎに来たわけではない。
眞一郎は石段に座って、水平線を見ながら大きく伸びをする。
「せっかくの夏休みだってのに、補習のせいで一日無駄にしちゃったなぁ」
「眞一郎君は毎日ダラダラして無駄に過ごしてるでしょ」
比呂美のきついツッコミが入る。
今日は補習がある登校日。
その帰り道にこうして二人で海に寄ったのだ。

太陽が傾き始めても、気温は一向に下がりそうもない。
冬は雪が積もる富山でも、夏というのは当たり前に暑い。

比呂美も眞一郎の隣に座り、同じ水平線を見ながら言った。
「来週の日曜日、泳ぎに来ない?」
「バスケ部の練習は?」
「休みなの。だから……ね?」
「いいよ」
「やたっ!そうと決まれば水着を買いに行かなくちゃ。晴れるといいな~」
(比呂美の水着……)
如何わしい妄想をしてしまうのは、健全な男子だという証拠でもある。
――ピカッ!
眩しい閃光に、眞一郎の緩んだ頬が引き締まった。


――ゴロゴロゴロ
空の向こうから雷鳴が聞こえる。
「降ってくるかも。帰ろう!」
比呂美は立ち上がり、眞一郎の手を取って走り出す。
「ちょっと待ってくれよ」
急かす比呂美と、引っ張られる眞一郎。
雨雲はあっという間に太陽を遮り、強い雨を降らし始めた。
「急いで!」
鞄で雨を凌ぎながら、二人は海岸沿いのバス停へ駆け込んだ。

「はぁはぁはぁはぁ……」
膝に手をついて息を切らす眞一郎とは対照的に
比呂美は少しも呼吸が乱れておらず、鞄から取り出したスポーツタオルで眞一郎の体を拭いている。
「大丈夫?風邪ひかないでね。海に行けなくなっちゃう」
「はぁはぁ……俺は大丈夫だから。ほら、比呂美も」
タオルを取って、今度は眞一郎が比呂美の雫を拭う。
「ありがとう」

眞一郎は、時刻表と腕時計を交互に見ている。
「バスが来るまであとどれくらい?」
「もうそろそろ来る時間だけど……」
「遅れてるのかな」
「多分」
ベンチに腰を掛けてバスを待つ。
バス停の屋根を叩く雨音が、夕立の激しさを物語っている。
窓から海を見ると、波も荒れてきているようだ。
相変わらず、遠くの空では雷が鳴っている。


「ちょっと寒くなってきちゃった」
「大丈夫か?」
「抱きしめてほしいな……」
抱きしめられた比呂美の体は、雨で濡れたせいで少しひんやりとしていた。
比呂美の濡れた髪からは女の香りが漂う。
その甘く艶かしい香りは、眞一郎の鼻先をくすぐり、本能を刺激した。

「比呂美……」
「眞一郎君……んっ……ちゅ……ちゅぱ……」
眞一郎が差し出した舌を、比呂美はつるりと受け入れた。
二人の唇の間で淫らな水音が奏でられる。

ディープキスを交わしたまま、眞一郎の手が比呂美の太ももへ伸びる。
だが、比呂美はそれを払いのけてキスを解いた。
驚いた表情の眞一郎に、比呂美は頬を紅潮させたまま言った。
「バス、来たみたい」
耳をすませると、確かに雨音に紛れてバスが近づいてくる音が聞こえる。

“バスはいつも間の悪いときにやってくる”
それは今回も同じだった。

バスに乗り込むと、比呂美は眞一郎の手を引いて
最後部の二人用の座席に座った。
前方のワイパーは速いテンポで動いている。

窓際に座った眞一郎はボーっと海を眺めていた。
(気まぐれな夕立を恨んでも仕方ないか)


眞一郎の足に何かが触れた。
その感触のほうを見ると、比呂美の右手が、左の太ももに置かれている。
「比呂美?」
「すごい雨だね」
そう言いながら、比呂美の手はさするように動いている。
「そうだな……」
「来週の日曜日は晴れるかな?楽しみだね」
手の動きはゆっくりだが、大きく前後している。
「眞一郎君も楽しみにしててね…」
スラックスの上から、眞一郎の男の部分に触れる。
同時に耳元で小さく囁いた。
「…私の水着姿」

そこはすっかり硬くなっていた。
トランクスとスラックスを内側から破るように、力強く屹立している。
「ひろ、み……」
「ん?」
比呂美は確かめるように、指先で眞一郎の形をなぞる。
そして十分に血液が海綿体に流れていることを確認すると
今度はファスナーに指をかけ、引き下ろしていく。

ジジジジジジ

ファスナーを全開にすると、今度はトランクスの前開きに指先を忍び込ませた。
「やばいって……」
「大丈夫……」
「誰かに見られたら……」
「絶対バレないよ……」
二人の他にバスに乗っている人は
運転手と、中央付近の座席で会話をしている二人のお婆さんだけ。
前の座席の背もたれが胸から下を隠しているので、見られる可能性は低いかもしれないが
もしかしたら途中で誰かが乗ってくるかもしれない。
それでも眞一郎は比呂美を払いのけないし、比呂美も手を動かすことをやめない。

解放されたペニスは、苦しそうなほど硬く勃起していた。
比呂美の右手が優しく包み込み、慰めるように上下に動いてしごき始めた。

シュッシュッシュッシュッ

規則正しく刻まれるリズム。
眞一郎は、表情に出さないように懸命に耐えていたが
しっとりとした比呂美の手のひらの感触と、バスの中という状況が
限界への距離を急速に縮めていく。
雪解け水が湧き出るように、尿道口からカウパー腺液が滴る。
それが比呂美の手のひらで塗り広げられて、ペニス全体をぬらぬらと光らせた。
上下する比呂美の手は速度を上げ、バスのワイパーと同じリズムで動いている。

「……気持ちいい?」
「うん……」
「……出そうになったら言ってね」
「ごめん。もう出そう……」
限界が近いことを告げると、比呂美はスカートのポケットからハンカチを取り出した。
その様子を見ていた眞一郎は気づいてしまう。
比呂美のブラウスが雨でくっきりと透けて、ピンクのブラが見えていることに……。
脳に送られた一枚の画像が、トリガーをあっさりと引いてしまった。

「出るッ……!」
眞一郎は、比呂美の耳元で小さく叫ぶ。
比呂美は左手で用意していたハンカチを、素早く亀頭の先端に当てた。
握られながらも、力強く脈を打って精を放つペニス。
先端から放出された白濁液は、ハンカチの上でプルプルと震えるほどの濃さだった。

栗の花にも例えられる重く不快な臭いが漂う。
汚れた面を内側に折ったハンカチを、平然とポケットにしまう比呂美。
眞一郎も、ぐったりと項垂れたものを、そそくさとスラックスの中に押し込んだ。


 次は 麦端三丁目 麦端三丁目


バスはウインカーを点滅させて
スピードを落としながらバス停のほうへ寄っていく。

二人が前方の降車ドアに向かう途中
中央付近に座っているお婆さんの会話が聞こえた。
「なんだか変な臭いがしない?」

逃げるようにバスを降りる二人。
いつのまにか夕立は通り過ぎ、西の空が赤く染まっていた。
―終―
ツールボックス

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