ちっちゃなころから


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#03 ちっちゃなころから……


おもいだしてみると、ひろみとはようちえんのときもずっといっしょだったきがする。
すなばであそんでても、おにごっこをしててもついてくる。おひるはいつもとなりにいすをもってくる。
ひるねのじかんなんかは、てをつないでいっしょにねないとなくからたいへんだった。
「ほんとにひろみはこどもだよなぁ」
ぼくはためいきをつきながらそんなことをぼそっといった。
「なあに?しんいちろうくんどうしたの?」
いつものようにとなりをあるくひろみがきいてきた。ちいさいこえでいったのに、きこえてたのか。
「ん~、ようちえんのときのことおもいだしてた。ひろみっていっつもぼくといっしょだったなって」
「えへへへ。だってしんいちろうくんは」
「ぼくは?」
「……なんでもないっ」
ぷいっとそっぽをむくひろみ。なんとなくかおがあかいきがするけど、なにをいうつもりだったのかな……
まあいいか。きにしないで、ぼくはさっきおもいだしたことをいってみた。
「でもさ、いまはないけどひるねのときにてをつながなきゃねれないって、あれはコドモだったよね」
びくっ、としているひろみ。もしかしておもいだしたのかな?
「そ、そうだったっけ?」
「そうだよ。ねんちょうさんになってもいっしょにねてたのはひろみぐらいだったよなー」
「だって、そのほうが……ごにょごにょ…」
「???…まあいっか。あ、そういえばいちどだけねてるときひろみにたたかれたことがあったよね。あれは」
「わーーーーー!!!」
いきなりひろみがさけんだ。
「な、なんだよひろみ」
ひろみがすごくあわててる。
「なんでもないのっ!しんいちろうくんをたたいてなんかないもん!きのせい!きのせいなのっ!」
「そうだったっけかな~。おきようとしたらたたかれなかったっけ?」
「ゆ、ゆめだよー!きのせいきのせい!だからわすれるの!!」
「……ほんとに~?なんかかくしてない?」
「かくしてないもん!ゆーめっ!ぜったいゆめ!!」
そういってひろみはぼくのかたをつかんでがくがくゆさぶってきた。ううう、ゆめ、なのかなぁ。
「わわわわっわかった、わかったよぅ!!」
「……ぜえぜえ……わかってくれて、…うれしい…しんいちろうくん……」
なんだかすごくつかれた。やっぱりひろみもちっちゃいころのはなしははずかしかったのかな?
こんどからあんまりいわないようにしよう。
そのあとひろみはふきげんになっちゃって、あんまりはなしをしないままいえにかえっていった。



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(びっくりした…)
しんいちろうくんとべつべつのかえりみちになってから、わたしはほっとしてとまった。
うしろをふりかえると、とおくのほうにちっちゃくなったしんいちろうくんがみえる。
(うう、しんいちろうくんごめんね)
わたしはちいさくあやまった。
さっきはしんいちろうくんのはなしにおどろいて、ついゆさぶっちゃった。
しんいちろうくん、めをまわしたみたいだったけど、だいじょうぶだったかな……
でも、まさかしんいちろうくんがおぼえてるなんておもわなかったから、すごくびっくりしたんだもん。
あの、いちどだけ”オマジナイ”のとちゅうにめがさめちゃったときのことを---。

ようちえんのとき、わたしはいつもしんいちろうくんといっしょにおひるねしてた。
いちまいのタオルケットで、てをつないで。
いまおもうとすごくダイタンだったとおもう。でも、あのころはそれがふつうだったし。
いまみたいにひやかすおとこのこたちもいなかったから、すきなようにいっしょにいれた。
ただ、ねんちょうさんくらいからしんいちろうくんははずかしがって、にげようとしたりしてた。
けど、わたしがなきそうなかおをすると、きまって「しょうがないなー」っていってくれて。
やっぱりいつもとおなじようにいっしょにおひるね。
あのひも、そんなふうだった。
わたしはいつものようにしんいちろうくんがねちゃうまでじっとねたふりをして、”オマジナイ”をするまでまってた。
10ぷんくらいじっとしてると、しんいちろうくんはねちゃったみたいで、すぴー、すぴーってねいきをたてた。
(……ねちゃったかな?…)
もそもそっとおきて、しんいちろうくんのほっぺたをつんつんしてみる。よし、ちゃんとねてる。
わたしはねてるのをかくにんして、いつもの”オマジナイ”をはじめた。
(……んっ……)
ちょっとくちをまえにだして、しんいちろうくんのおくちにちゅってあわせる。
はじめて”オマジナイ”をしたときはすごくどきどきしたけど、まいにちやってたらだんだんたのしくなってきた。えへへ…
それに、しんいちろうくんのおくちって、やわらかくってきもちいいし。ほわ~っってなる。
さいごに、しんいちろうくんのおみみに、ちいさいこえで”オマジナイ”のじゅもんをいう。
「しんいちろうくんはひろみとずっといっしょ、しんいちろうくんはひろみとずっといっしょ、しんいちろうくんはひろみと……」
10かいいえばおっけー。これでふたりはえいえんのあいが…なんとか…なんだって。
とにかく、「えこえこ」なんとかってゆーどらまでやってた。ききめばつぐんのはず。
そうやってひととおり”オマジナイ”がおわって、あんしんしてたら、しんいちろうくんがおきそうになった。
「……ん…なに……ひろみ…?」
いつもはぜったいにおきないのに、そのひだけめがさめそうになるなんて。ほんとにびっくりした。
それで、すごくあわてたわたしは、しんいちろうくんのほっぺにぱんちをしちゃって。
そのまま、またおひるねしてもらっちゃったんだっけ。
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「おぼえてないとおもったんだけどなぁ」
いまはやってないあの”オマジナイ”のことをおもいだして、ためいき。
こんなこと、しんいちろうくんにはいえないし。やっぱりしったらおこるかな?
でも、わたしがしんいちろうくんのおよめさんになったら、いってもおこらないかも。だってふうふはなかよしだから。
うん、きめた。それまではやっぱり、ひみつ!
「しんいちろうくんの、およめさん。…えへへ、”ずっといっしょのおまじない”がきくといいな」
とりあえず、あしたしんいちろうくんにあったらゆさゆさしたことだけはぜったいあやまろう。
そんなことをかんがえながら、わたしはおうちにかえった。
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