ある日の比呂美・大晦日編3


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「眞ッ…一郎ッッ!!!」
平時、絶対に『くん』を外さない比呂美が、恋人の名を呼び捨てる…… それが絶頂の合図だった。
「いいぞ、比呂美ッ!」
眞一郎は放出欲を間近に感じながら、比呂美にある行為をおこなう許可を与えた。
と同時に、股間と股間を隙間無く密着させることで、亀頭の先端を深く突き込んで比呂美の《女》を抉る。
「んああああああああッッッ!!!」
絶頂に達した比呂美が甲高い叫びを発し、その完璧と言ってよい肉体が大きく海老反った。
びくびくと暴れる美肉を押さえつけ、拘束するように絡みつく眞一郎の四肢。
そして、一歩遅れて『頂』に達した眞一郎の性感神経が、
その全身をぶるりと震わせ、陰茎とそれに連なる器官の制御を、魂の意思から切り離す。

    どくっ どくっ どくっ どくっ

……大量に溜め込まれていた精の放流……
避妊具越しに胎内へと叩き込まれた熱い迸りが、比呂美の快感を更に一段上へと押し上げた。
(ッッ!!!!)
思惟が真っ白に染められ、膣と子宮の震えが止まらない。
……壊れる……壊れてしまう…………
時間がゆっくり進む白い世界の中で、比呂美はそんな恐怖感に、訳も無く囚われる。
だが、その恐ろしさを打ち負かす方法を、彼女は知っていた。
興奮の極みに達すると、無意識にしてしまう『いけない癖』…… それをすればいいだけだ。
心の隅にいる醒めた自分が、「変態」と自分自身を罵ってくるのを自覚するが、そんなことは気にしない。
眞一郎はそんな自分を許してくれる…… 愛してくれるのだ……
……素直に、欲するままに『すれば』いいのだ……
そう比呂美は確信を持って思った。
いけない自分…… ダメな自分を見せる…… 見せ合うのが愛…… 本当の愛……
…………
(愛してる… 眞一郎……)
心の中でそう呟いてから、比呂美は射精を続ける眞一郎の肩に吸血鬼のように噛み付いた。
溢れ出そうな想いを、震えと痛みに託して、愛する男に伝えるために…………


…………
日が完全に落ちたのだろうか?
悦楽の波から開放された二人は、部屋が薄暗くなっていることに気づいた。
「結構…長くしちゃったかな?」
そう言って眞一郎は比呂美の身体を押し潰したまま、時計に視線を遣る。
さして進んではいないデジタル表示の輝きが目に飛び込み、
行為を始めてから二十分ほどしか経過していないのが、一目で分かった。
「『つるべ落とし』……だね」
古臭い言葉を持ち出して、比呂美は笑う。
冬の落日はとても早い…… ただ、それだけだ。
大丈夫。 おばさんたちは、まだ帰っては来ない。
毎年、大晦日のこの時間、おじさんとおばさんは挨拶回りに忙しく、夕食時まで帰宅しないのが通例ではないか。
「心配ないよ」
包み込むように微笑んで、比呂美が眞一郎の頬に手を伸ばした瞬間だった。

     ガラッ

玄関の引き戸が動く音が、キンと冷えた空気を伝わって階下から二人の耳朶に届く。
そして、それに続いて響き渡る、眞一郎の母の「ただいま」という声。
「「!!」」
まだ結合を解いていない二人の身体が、快感ではないモノに反応して、ピクリと震えた。


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