はじめての外泊-new


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はじめての外泊-4」つづき――2010-07-31 更新
※ひそかにブログを立ち上げました。報告はこちらで。
http://blog.goo.ne.jp/kakaomamay

――(34)――
 眞一郎はゆっくりペニスを引き戻した。といってもほんの数センチだけだ。あまり戻しすぎる
と、再度深く挿入するときペニスを刺激しすぎて射精が一気に始まりそうだった。できることな
ら、比呂美のこの最後のお願いを無事に何事もなく叶えてやりたい。ただ、男の下半身というも
のは一度坂を下り始めたら主(あるじ)ですらどうすることもできないという暴走ぶりを発揮す
る。だから、慎重に事を進めなければいけない。
 ペニスを戻すとき思いのほか力を要した。比呂美の膣の内壁が絡みついたように締まっていた
からだ。まるでペニスを引き戻させまいとしているかのようだ。そこで眞一郎はハッと気づいた。
さっき無性に気になった時間というのは、比呂美とつながっている時間のことだと思い至った。
どれくらいの時間だろうか。長く感じるが、せいぜい数分しか経っていないだろう。あのペニス
の硬直を考えれば、非常によくがんばったほうだ。いや、奇跡的といっていい。それもおそらく
もう少しの辛抱だ。
 ペニスを一番深く挿入したときの位置を想像しながら、腰の位置や足の踏ん張り具合を整えた。
眞一郎が上半身を離して比呂美の顔を確かめると、比呂美は意外にも無表情に近かった。どうい
う顔をしたらいいのか分からないといった感じだ。あるいは、子宮のほうに神経が集中していて
余裕がないのかもしれない。それと不安も少しはあるかもしれない。でも。これからやろうとす
ることは比呂美が望んだことなのだ。そのことに眞一郎は同意した。これからすることは、ふた
りの気持ちが一緒にならないとできないことなのだ。
「比呂美、いくよ」まとわりつく弱気を断ち切るように眞一郎が合図をする。思いのほか声がか
すれていて、比呂美の名前を正確に発音できたかどうか分からない。それでも比呂美は黙ってう
なずいた。
 ペニスをゆっくりと動かしはじめてすぐに加速する。ペニスの根元が比呂美の大唇陰に到達し
ても眞一郎はさらに奥へ力を込める。比呂美の言うとおりにしてみたのだ。当然予想される比呂
美の体の筋肉からの反発力に押し負けまいと身構えていたが、意外なことに、あっけなくペニス
はさらに奥へ沈み込んていった。膣口周辺の筋肉が驚くほど柔らかくなり、眞一郎のペニスを一
番を奥へと招き入れたのだ。でも、眞一郎が女性の体の不思議を実感するのも束の間、その瞬間
から一気に事が始まってゆく。
「んはッ……」風船でも割れたようにいきなり比呂美が大きな声を上げ、全身を大きく振るわせ
た。比呂美にとっても予想外のことがあり、声を抑えきれなかったようだ。おまけに、比呂美が
体をビクつかせたせいで、比呂美と眞一郎の体がほぼ同時に敷布団越しに畳を打つことになる。
 その直後だった。眞一郎の射精へのプロセスが、檻から放たれた猛獣のように猛ダッシュで始
まった。
 ペニスの根元の奥のほうで急激に何かが膨らむ感覚がある。その時点で眞一郎は、もうダメだ、
限界だ、すぐに抜かないとダメだ、と判断を下す。眞一郎の意識がはっきりしていたのはこの時
点までだった。反射的に体が動いて、比呂美の膣からペニスを完全に引き抜くことには成功した
のだろうが、同時に、下腹に力を入れて精子が飛び出すのを少しでも遅らせようとしていた。全
身の皮膚に感電したときのような痺れ。耳の下の首筋が熱くなり、いやに物音がはっきりと聞こ
えすぎるようになる。体内の音なのか体外の音なのか区別が付かず、サーという高周波の音がだ
んだんに支配してくる。心臓は、鉄鎚で石を叩いたような鼓動を打つ。自分が今、どのような格
好をしているのかも分からない。ただ認識できるのは、自分の体中から外へ次々に飛び出してい
くものの感覚だけ。飛び出すごとに、宙に浮くような上昇感を味わい、今まで心と体を締めつけ
ていた呪縛が開放されていく。天に昇るときって、こんな感じかもしれない。そう思ってしまう
ほどの心地よさ。
 でも、それは永遠にはつづきはしない。誰かが、音も景色も皮膚の感覚も現実へと塗り替えて
いく。決してそれには抗えない。いい思いをしたのだから、これで良しとすべきだと自分に言い
聞かせるしかない。そして、現実の世界で待っている愛しい人を思うことに専念していくのだ。
 愛しい人――
  ユ ア サ ヒ ロ ミ……
   湯浅 比呂美
 比呂美の姿を完全に思い出せたところで、眞一郎の意識が完全に現実とつながった。
(おれは、ちゃんと、できたのか?)最初に頭に浮んだのはこの疑問だ。
 射精する前に、コンドームを着けていないむき出しのペニスを比呂美の性器から引き抜くのが
今回の最大なミッションだったわけだ。
 ハッとなり、眞一郎は比呂美を見下ろした。

 眞一郎はどんな体勢で自分の子宮を突こうとしてくるのか。比呂美にはそのことが気になった。
眞一郎の腕が両脚の太ももをがっしりと掴んだ体勢だと脚を外側へ大きく開けず、眞一郎のペニ
スの先端が子宮の入り口部分をしっかり捉えることは難しくなってくる。眞一郎にそのことを事
前に伝えてもいいのだが、こういうことは男性自ら体位を決めさせたほうがいいように思われた。
女性の言われるままにやるというのは、男性にとって心のどこかで嫌なものだろうから。眞一郎
なら優しく比呂美の言ったとおりにするだろうが、眞一郎ももう『男』なのだ。眞一郎の優しさ
にいつまでも甘えてはいけないし、男のプライドを傷つけてはいけないと比呂美は思った。
 比呂美の予想通り、眞一郎は比呂美の胴の両脇に両手をつき、腰の動きと脚力を利用してペニ
スを深く挿入するつもりだ。これだと比呂美の両脚は自由になり、比呂美はほっとする。比呂美
はゆっくりとさりげなく両脚を付け根から折り曲げながら外側へめいいっぱい開いた。膝頭が敷
布団に触るくらいまで。おそらく自分の両脚はきれいな『M』の字になっているはずだ。比呂美
はなんだが嬉しい気持ちになる。そのとき膝頭が眞一郎の両腕にあたる。そこまで比呂美の両脚
は開ききり、性器を完全に眞一郎へ突きだす格好になった。だが、そこで終わりではなかった。
眞一郎が比呂美の両膝の裏側に手を差し込み、さらに比呂美の肩のほうへ持ち上げたのだ。確か
にそのほうが眞一郎としても体勢がいいようだ。
(わたしだからできる体位かもしれない)比呂美は自慢げに密かにつぶやいた。
 眞一郎が何かを囁く。だぶん、「比呂美、いくよ」と言ったのだろうと思って、比呂美は黙っ
てうなずいた。
 次の瞬間――この世の時間軸から離脱してしまったような感覚に見舞われた。そうとしか表現
しようがなかった。
 子宮を中心に放射状に次々と細胞が生まれ変わっていき、再びこの世の時間軸にその存在を繋
ぎとめていく。その直後、比呂美は何とも表現しがたい幸福感に包まれた。大きな掌に自分の体
がすくい上げられているような感じだった。ずっとこのままでいたいと願望が当然のように生ま
れてきたが、すぐに何か大事なことを忘れているようで落ち着かなくなる。
 そうだ、眞一郎だ。
(眞一郎くん、どこ?)そう思って、比呂美は眞一郎の顔を探す。眞一郎の顔はすぐそばにある。
手を伸ばせば届く距離。でも、目の前にあった愛しい人の顔に安堵するのも束の間、事態は一気
に急変する。眞一郎の様子がおかしい。おかしいと言うよりもアレが来てしまったのか――その
推測が比呂美の頭の中をかすめたときには、眞一郎は苦しそうに唸り、ペニスを一気に引き抜い
た。
「ぅんご、めん……」
(ごめん、って謝ったの?)
 眞一郎が何て言ったのか知りたくても、比呂美には前屈みに俯いてしまった眞一郎の頭のてっ
ぺんしか見えない。だが、どうしたのものかと考える間もなく、眞一郎の全身は大きく振るえ、
眞一郎は何かを産み落としたかのような悲痛な声を上げた。鋭く三回。
「ぅぅあッ……ああッ……んくあぁッ……」
 比呂美が反射的に眞一郎の下半身に目をやったときには、その白いモノが眼前に迫っていて、
比呂美は顔を逸らすことできず、目をつむるしかなかった。
 第一射目は、左目から鼻頭にかけて、第二射目は、鼻全体を覆い、第三射目は、唇からあごに
かけて見事に命中した。水鉄砲を顔のそばでやられたときのような勢いで、しかも水と違ってそ
の白い固まりはずしりと重かった。それに、男の象徴でもあるあの臭い。鼻の穴のほとんどが白
い固まりに塞がれてしまったので、口を少し開いて比呂美は息をした。
 第四射目以降は、お腹の辺りに点々と痕跡を残した。
 比呂美の瞼の裏に、何度も、白い固まりの動画が繰り返される。その白い固まりはおそらく細
長く紐のような形をしているはずだが、真正面から見ていた比呂美には、アメーバーが一気に襲
ってくるように見えた。時間が少し経って全身の緊張がほぐれてくると、白い固まりが命中した
ときの衝撃というか感触が甦ってくる。愛情も優しさもなく、ただ物理法則に従った運動によっ
て生み出された衝撃。こんなのイヤだ、と比呂美は叫びたくなったが、自然法則、自然の摂理の
中にこそ、人知を遥かに超えた命の仕組みがあるのだということに思い至る。この白い固まりは、
眞一郎と自分とが愛し合った証であり、命の仕組みの一端なのだ。まぎれもなく、まちがいなく。
 でも、これからどうしよう。眞一郎が射精後の恍惚とした余韻から抜け出すまで待つしかない
のだろうか。顔の表面で眞一郎の精液が徐々に広がっていっている。できるだけ垂らさずに布団
などを汚さないようにしたい。ん~どうしよう。
「……ん~」比呂美のわずかに開いた口から心の声が漏れてしまった。でも、それで眞一郎がタ
イミングよく正気に戻ることができた。
「ぁ? ぁぁーぁあーああー、わあーーーッ」
 眞一郎の声のボリュームがだんだんに上がっていく。比呂美は必死に笑いを堪えつつ、目が開
けられなくて慌てふためく眞一郎を見れなくて残念だと思った。
「ご、ごめん、比呂美……
  えっとー、どこだ、ティッシュ、ティッシュ……
   そのままでいろよ、いま拭いてやるから…………」
「ん~~」(早く拭いて)

 精液を顔にぶっかけたお詫びに腕枕をしろ、と比呂美が冗談半分で命令すると、眞一郎は神妙
な顔をして素直に従った。もはや眞一郎には冗談は通用しなかった。比呂美としては、気にしな
いでほしいという意味を込めたつもりだったが、眞一郎としては『大失敗』には違いなかったの
だろう。比呂美の膣内で射精(中出し)しなくてもだ。
 眞一郎の性格からすると、こうなっては眞一郎はなかなか立ち直れないので、比呂美は眞一郎
に変に気を遣うの止め、ありのまま話すことにした。
「ものすごい勢いだったよ。当たった瞬間、顔が痛かったもん」
「……すまん」眞一郎がしかめっ面で謝ると、比呂美は眞一郎の腕の中で笑い転げた。
「笑うなよっ」さすがに眞一郎はかちんときたらしい。
「だって、想像してみてよ」比呂美は涙目を拭きながら眞一郎にそう求めた。
「何を?」
「何をって……コンドームの中で、あれだけのことが毎回起こっているっていうことよ。怖くな
らない? わたし、正直、怖くなってふるえちゃった。だからね、なんかね、わたしたち、なに
やってんだろう、わたしたち、まるで自分たちのこと分かってないと思って。でも、ちゃっかり
やることはやっている。それでおかしくなったの」
「そ、そうだな……」比呂美の言うことに感心したように眞一郎はうなずいた。もしかしたら、
笑うところだったかもしれないが、眞一郎は一言付け加えた。「気をつけないとな」
 眞一郎のその最後の一言が、比呂美は無性に気になり、腹が立った。
「わたし、いままでどおり、眞一郎くんとエッチしたい。さっきのことで、変に臆病になるのっ
てなんか違うと思う。あんくらいのことで、コンドームが簡単に破けてるなら、社会問題になっ
ているわよ。それと、わたしのことも信じてほしい。わたしは、絶対、眞一郎の苦しむ顔をみた
くない、わたしのことで、眞一郎くんを苦しめたくない。そのために、わたしはいつも準備をし
ているの。今夜の事だって……」
 比呂美はここまで一気に喋ると、バツが悪そうに眞一郎から目を逸らした。ちょっとした一言
にどうして噛みついてしまったのか分からないといった感じに。
 ときどき、こうした比呂美の感情の起伏に付いていけないと感じることが眞一郎にはあったが、
今回の眞一郎の一言は不用意な発言だったことは否めない。愛し合うということ、子供ができて
しまうということは、気をつけるという程度の心と体の準備で済むような話ではないのだ。比呂
美が言いたいのはそういうことなのだろう。
 比呂美に謝る意味を込めて、腕が痺れて完全に感覚がなくなるまで腕枕をしてやろうと眞一郎
は心の中でささやかに誓った。比呂美に、バカみたい、ってあとで言われても構わないと思いつ
つ……。

                             はじめての外泊-5 へつづく

――次回予告《 五 ふりきっちゃった……》
『女』を曝け出すことに、快感を覚える比呂美。
 比呂美の潜在能力は、再び眞一郎を驚かす。
 眞一郎は、比呂美の性の抑制を解き放つことができ安堵するが、
 比呂美の心の奥深くに潜むものに気づけないでいた……。

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