ゲームと質問


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ゲームと質問

理由は定かではないが、比呂美と眞一郎は誰もいない体育館にきていた。

「ゲームよ」
バスケットボールを手にした比呂美が、突然言い出した。
「え?」
「遊びだよ、遊び」
「バスケットで?」
「そ、ゲーム。フリースロー対決っ!」
「対決?なんで?」
「いいからっ!私はここから打つね」
「ふーん。じゃあ…同じとこでいいかな?比呂美、上手いし」
「ううん…眞一郎くんはね。違うとこ」
「ハンデかぁ…ちぇ。まぁ…しょうがないけど。って、比呂美?」
「ここね、ここ」
「あ…あのねぇ」
比呂美が立っている場所は、自分の投げる位置からゴールまで半分の距離。
外す方がどうかしてるよ?という距離だ。
「3本勝負ね!」
「…」
どんどん話を進め、眞一郎の投げる場所と勝手に決めたところから動かない。
顔が笑っているので、ふざけているようにも見えた。
「早く、早く!眞一郎くんが先行でいいから!」
「はいはい、わかりましたよ。ちぇ…なんだかなぁ…」
しぶしぶと指定された場所で、シュートを打つことにした。

「はーい、2本かぁ…。眞一郎くん?言い訳する?」
「しない」
不機嫌な眞一郎は、そっぽを向いて答えた。
「んふふっ。じゃあ…今度は私の番ね。ゴール下で待っててね」
比呂美は、機嫌よくスキップするように自分のシュートする場所へ向った。
「ちぇ…」
「じゃあ、打つよ!」
比呂美がシュートの体勢に入った。

二人は、並んで腰掛けている。肩が触れそうで触れない距離。
「なぁんだぁ…私は1本だけかぁ」
「すげぇ納得いかない」
「どうして?」
「わざと外しているように見えた」
「そ?」
「何か企んでるな?」
「当然でしょー?」
「言え」
「それでは、罰ゲームの発表でーす」
「罰ゲーム?自分が負けたのに?」
「シュートの決まった本数だけ、何でも質問コーナー!わーい、パチパチパチ」
「それ…何の番組?」
「眞一郎くんは2つ、私は1つね」
「あのね…」
「質問は何でもOK。聞かれた方は正直に答えること!何でもだよ?」
「…」
上機嫌に話していることから、遊びなのかなぁ、と眞一郎は思っていた。
「じゃあ…私から質問していい?1つだし」
「どうぞどうぞ」
「……」
ここで比呂美の雰囲気が変わって、もじもじしている。
「?」
「じゃあ…質問。はぁ…ふぅ…」
「…」
「眞一郎くんは、いつから私のことが気になってたの?」
「!」
「な…、何でも正直に答えること…」
少し下を向いて頬を染めながら、だんだんと声が小さくなっく、語尾は聞こえ
なかった。
「…」
「教えて…、眞一郎くん…」
「…」
今度は潤んだ目で見つめてきた。
「いつから?」
「…」
ぱっ、と答えられない。自分でも思い出せない。
「ねぇ?」
「…ごめん…わかんない」
「わかんない?」
「小学校まで戻っても…、わかんない…」
「…」
「…」
二人とも黙ってしまった。一人は頬を染めて、もう一人は思い出そうと必死。
比呂美が突然立ち上がって、反対側を向きドリブルを始めた。…ダン…ダン…
「比呂美?」
ボールを持ち、振り向いた時に見えた顔は………、ニヤけていた…すごく。
「まっ、まぁ…いつかわかんないってのも、正直な答えで良しとしてあげるよ」
「…」
「な…何月何日とかなんて、ね?言えないだろうし…」
「…」
「な…何時何分まで言われても困るし…」
「…」
「びょ…秒までなんて、ね?」
「…」
ここまでくると、眞一郎も顔に熱さを覚えてしまう。
誤魔化すように比呂美がドリブルを始めるが、今度はめちゃくちゃ。ボールを
足にぶつけて転がし、追いかけて転びそうになる。拾ってもボールが手に付か
ず、落としてしまう。ドリブルしようとしても2回以上続かず、顔に当たりそ
うになって大げさに避けてよろめいていた。
眞一郎も話題を変えようと、自分の質問を考えることにした。
「…じゃあ。今度はこっちが質問する番だな」
「!」
それを聞いた比呂美が、ボールを持ってすごい速さでやってきた。
「何でもいいよ!」
「…」
勢いにちょっと引き気味になってしまう。
「…」
眞一郎は、場を和ます為に冗談を考えたが、ちょっと的外れだった。
「…えと、今日の下着のい…」
「ピンクだけど?そんな簡単な質問はダメだよ?」
「!」
既に精神的な余裕の無い二人は、とんでもない会話になっていた。
「あっ!そういうのじゃなくて、その…あの…学校"では"ダメだよ?」
「!」
大丈夫だろうか?この二人…。
「…」
「…」
眞一郎は思った、学校でなければいいのか?、と。
「しっ、質問は?」
「…えっと」
「わっ、私がっ!"はい"か"イエス"で答えられる質問がいいな!」
「えっ!?」
「"はい"か"イエス"で答えるよ!今すぐでなくてもいいよ!」
「…」
「べっ…別に2つの質問を同時に使わなくてもいいよ…、時間が空いても…」
「…」
「1つは何年後かでもいいよ…今すぐでなくても…」
「…」
「しっ…質問を大事に使ってくれれば…いいよ…」
「…」
どんどん自分を追い詰めてしまう、耳まで真っ赤な比呂美。眞一郎も同様。
「だって…」
「うん…」
ここで、アニメの神様が二人に祝福を与えた。

…ぐぅぅ~…

眞一郎のお腹が鳴った。
「ありゃ?」
「ぷっ」
「そっかぁ、食べてなかったな」
「ぷっ…くっ…」
「何かどっかで食べようか?」
「そっ…それが質問?そんなのダメ!」
「えっ!?」
「ダメっ!」
「何も聞けなくなってしまった?」
「あっ!?そうか…」
「えーと…何か、食べに行こう」
「うん…あははははっ♪ぐぅぅ…だって!…あははっ♪」
「笑うなっ!」
「あははははっ♪」
二人は体育館を出ていった。

END

-あとがき-
8話のシーンと6話の眞一郎のセリフを変更して使ってみました。
書いていたらほとんど比呂美の告白になってしまったのは、不可抗力です。

ありがとうございました。
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